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生前葬とは?行う理由は?生前葬の内容や参列する時のマナーまで徹底解説

生前葬とは?行う理由は?生前葬の内容や参列する時のマナーまで徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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生前葬とは、生きているうちに行う葬儀のことです。最近では人生の節目に生前葬を行う芸能人もいるため、「自分もやってみたい」と考える方もいるのではないでしょうか。この記事では、生前葬の意味やメリット・デメリット、内容例や費用相場について解説します。また参列する側のマナーについてもご案内しているので、生前葬を行いたいと考えている方はもちろん、参列することになった方も、必要な知識を得ることが可能です。

この記事を読んでわかること

このコラムでは、「生前葬を行うべきかどうか迷っている」という方のために、生前葬とはどんな葬儀なのか、どんな意味があるのかを解説した上で、生前葬のメリットとデメリットをご紹介しています。さらに「生前葬をやってみよう」と考えている方のために、生前葬に必要な準備や当日の内容、流れ、そして費用相場についてご案内します。また「生前葬に招かれたら、香典は必要?」「服装は喪服?」など、参列者が悩みがちなマナーについても解説しているため、生前葬を行う側にも、参列者側にも役立つでしょう。

生前葬とは?

生前葬とは?

生前葬とは、本人が生きているうちに葬儀を行うことです。生前葬は余命わずかな方がお世話になった方に感謝の気持ちを伝えるためにも、まだまだ元気な方が人生の節目に「これからもよろしく」と親族や友人と絆を深めるためにも開催できます。

まずは、生前葬はどんな葬儀なのか、どんな意味があるのかについて詳しく解説します。

生前葬はどんな葬儀?

本人が生きているうちに葬儀を行う生前葬は、主にお世話になった方へ感謝の気持ちを伝える場として設けられます。自分が亡くなったら、感謝の言葉を直接伝えることはできません。自分自身の言葉で「ありがとう」を伝えたいという思いから、生前葬を企画する人が多いといえます。

がんなど闘病生活の中で余命わずかとなった方も生前葬を行いますが、健康で若いうちに生前葬を行う方もいます。定年退職を「仕事中心の人生から卒業した節目」として生前葬を行ったり、70歳の古希、80歳の傘寿といった年祝いを生前葬として開催したりすることから、生前葬には長寿儀礼の要素も含まれていることがわかります。

芸能人には生前葬を行う方が多く、アントニオ猪木さん、ビートたけしさん、桑田佳祐さん、テリー伊藤さん、水の江滝子さんなどがこれまでに生前葬を行いました。テレビの企画で行う方や、ミュージシャンであればコンサートのコンセプトとして取り入れている方もいます。

生前葬を行う意味

生前葬を行う意味は、人によってさまざまです。ここでは、一般的な例をご紹介します。

感謝の気持ちを伝えたい

先ほども触れたように、生きているうちに自分自身の言葉で感謝の気持ちを伝えたいと願う方が生前葬を選びます。余命がわかっている場合にしっかり感謝を伝え、お別れの挨拶をしたいという方もいます。

終活の一部として

終活の一環として生前葬を選ぶ方もいます。ふだんは自分が亡くなった後のことを話題にできないと感じている方も、「生前葬」と銘打てば話題にしやすいためです。なかなか集まる機会の少ない親族らに参列してもらい、お墓の希望や相続などについて話し合う機会として活用できます。

人生の節目に親族に会える機会を設けるため

60歳の還暦、70歳の古希、80歳の傘寿といった年祝いの節目に、誕生祝いの一環として生前葬を設ける方がいます。結婚式や葬儀のときくらいにしか集まらなくなってしまった親族と、一堂に会したいという思いが込められています。

家族の葬儀にかかる負担を軽減したい

一般的な葬儀を行うと、100万円、200万円単位の費用がかかります。遺族の負担は大きなものです。本人が生きているうちに葬儀を行っておくと、いざというときの葬儀を省略化して負担を減らすことが可能になります。

また、高齢になると体力的な理由で参列が困難になる方も多くなります。親族が元気なうちに集まれる機会を持つことで、後の体力的な負担を軽減できます。

生前葬のメリット・デメリット

生前葬のメリット・デメリット

生前葬を行うと、死後の葬儀費用が軽減されるなどのメリットがありますが、デメリットも存在します。以下のメリットとデメリットを引き比べて、生前葬を行うか否かの判断材料としましょう。

メリット

生前葬を行う主なメリットは、以下の3つです。

自由度の高い葬儀が可能

生前葬は宗教儀式を伴う一般的な葬儀と違い、無宗教で行えます。また、自分の好きな演出で行うことが可能です。形式や作法にとらわれずに済むので、「どんな生前葬にしようか」とプランニングを楽しめるでしょう。

また、通常の葬儀のように遺体の安置場所や火葬場の予約状況などについて考えずに済むため、日時や会場を自由に決められます。

直接感謝の気持ちを伝えられる

通常の葬儀では自分の言葉で感謝の気持ちを伝えられませんが、生前葬であればそれが叶います。また、ふだんめったに会えないような方が生前葬に駆けつけてくれる場合もあるため、思い出話に花を咲かせられます。

家族の負担を減らせる

生前葬を行い、またいざというときの葬儀を省略することで、家族の費用負担を減らせます。

デメリット

生前葬を行う主なデメリットは、以下の2つです。

周りから理解を得られない場合がある

生前葬は「芸能人が行うもの」という先入観がある方も少なくありません。また、生前葬自体の認知度も低いため、まわりから賛同が得られない可能性があります。参列する側も、あまり生前葬に参列するという経験をしていない方が多いため、戸惑う方が多いでしょう。

「皆に感謝を伝えたいから」「人生の節目に、誕生祝いとして」など、生前葬を行う理由を丁寧に説明し、また参列者側には服装や参加費についてなど細かく指定してサポートするのが大事です。

二度手間になってしまう

生前葬を行っても、亡くなったら火葬は必須なので、最低限の費用と手間はかかります。また、遺族の気持ちの問題から葬儀を行うこともあり、その場合は二重に費用がかかってしまいます。

費用負担の軽減を生前葬の第一目的にせず、あくまで生前に集まってもらう機会を設けることを大事に実行するのがいいでしょう。

生前葬を行うにあたって

生前葬を行うにあたって

生前葬の演出や内容は自由に決められるため、宗教儀式を伴わないことがほとんどです。ただ、基本的な形式が与えられないと内容を決められないという方もいるでしょう。

生前葬を行うための準備や会場の決め方、やり方、流れなどについて、順を追って解説します。

生前葬を行うための準備

生前葬を行うためには、以下のように準備しましょう。

簡単な内容と人数をイメージする

生前葬の会場を決めるために、まずは簡単な内容をイメージします。葬儀の内容によってふさわしい会場が違うためです。

通常の葬儀と同様に棺を用意し、僧侶の読経など宗教儀式を行いたい場合は、葬儀社が保有する葬儀式場が適しています。

ピアノ演奏を行いたいならピアノがある会場が大前提となりますし、バンド演奏を行いたいならそれが可能な会場でしかできません。

美味しい料理を生前葬の中心にしたいときは、ホテルやレストランが候補になります。

また、参列人数をざっくりと見積もっておきます。参列者が多い場合、小さな会場では入りきれない恐れがあるためです。小さな生前葬を大きな宴会場で行うのもミスマッチとなります。

希望の生前葬ができる会場を下調べする

内容と人数がイメージできたら、希望の生前葬ができそうな会場を下調べします。候補としては生前葬ができる葬儀社、生前葬プランのあるホテル宴会場、貸し切り可能なレストランなどが挙げられます。ご自身や参列者が訪れやすいエリアを意識して調べましょう。

なお、葬儀社や生前葬プランのあるホテル宴会場は生前葬をフルサポートしてくれます。一方で生前葬プランがなく、ただ貸し切り可能なレストランなどの場合は、内容を決める際にあまりサポートを得られない傾向があるため、気をつけましょう。

見学、見積もりをもらった上で会場を決定する

会場候補が定まったら、見学を申し込みます。会場を見学して生前葬の内容や人数を伝え、見積もりをもらいましょう。

全ての会場候補を見学し、見積もりが揃ったら、最も「ここで生前葬を行いたい」と感じるところに会場を決定します。

生前葬の内容を決定する

会場の担当者と打ち合わせしながら、生前葬の内容を細かく決定していきます。会場側から生前葬に対するサポートが得られない場合は、ご自身で内容を決める必要があります。

演出に必要な演奏家や機材を手配する

生前葬の演出に生演奏があればプロの演奏家を、映像を投影する場面があればプロジェクターを手配するなど、演出に必要な準備を進めていきます。

参列者に招待状を出す

開催の1ヵ月前までに、参列者へ招待状を出します。招待状には生前葬を行いたいと考えた理由を丁寧に記すのがおすすめです。さもないと、健康で若いうちに生前葬をと考えて開催するのに、「余命わずかなのでは」と心配する方が出てきてしまうかもしれないためです。

ほか、日時や会場、食事はあるか、参列者の服装、会費についても詳しく記します。生前葬に参列した経験がある人は多くありません。参列者が安心できるよう、なるべく具体的な書き方を心がけましょう。

招待状には参加の可否について返信するためのハガキを入れ、生前葬当日の2週間ほど前までに送ってもらうようにします。

内容に応じて必要なものを手配する

生前葬当日までは、弔辞を読んでほしい方に依頼したり、会葬のお礼として手土産を手配したりなど、内容に応じた準備をして過ごしましょう。

なお、参列者の人数が固まり次第、会場に伝えます。コース料理が出る場合などはとくに大事です。

当日の流れ

当日の流れ

生前葬は自由な形式のため、流れもまたそれぞれです。ここでは大まかな流れについて解説します。

  1. 開式の辞
    まずは開式の辞があります。プロの司会者に依頼するほか、友人代表や喪主となる家族にお願いしたり、自分で述べたりといった選択肢があります。
  2. プロフィール紹介
    司会者により本人のプロフィールが紹介されます。誕生からこれまでの軌跡を、写真のスライドショーなどとともに読み上げます。
  3. 弔辞
    友人代表などによる弔辞が披露されます。家族が手紙を読む場合もあります。
  4. 献杯・食事
    生前葬の多くは食事を含む形で行われます。弔辞の前後に献杯を行い、食事と歓談を楽しみます。
  5. 献奏
    食事の最中に、ピアノやギターなどで献奏が行われます。曲目は本人が好きなものを指定できます。プロの演奏家や楽器の得意な友人にあらかじめ依頼しておきます。
  6. 本人挨拶
    いよいよ式のフィナーレです。葬儀であれば喪主挨拶のタイミングですが、生前葬のため、本人が挨拶するケースが少なくありません。自分の言葉で感謝を伝え、締めとします。
  7. 閉式
    司会者により閉式の辞があります。

以上のように、生前葬は葬儀というより結婚披露宴に近い流れになります。

生前葬の費用相場

生前葬の費用相場

生前葬の費用は、規模や演出内容によってさまざまです。そのため一概に費用相場を決めるのは難しいですが、小規模な生前葬であれば約300,000~400,000円と捉えておけば、大きな間違いはないでしょう。大きな会場でたくさんの方が集まるような生前葬であれば、100万円単位の費用がかかります。

ただし生前葬は会費制で行われることが多いため、かかる費用を頭割りして会費を算出することで負担を最小化できます。会費を決めるのは会場側に見積もりをもらってからにしましょう。

とくに生前葬で費用がかかりがちなのが、プロの司会者や演奏家に依頼する場合です。また、生前葬当日の撮影や自分史ビデオの制作など、動画撮影・編集をプロに依頼するときにも費用がかさむので、見積もりの段階でしっかり料金を出してもらい、トータルでどのくらいまでなら費用を出せるか検討しましょう。

参列する際のマナー

参列する際のマナー

生前葬の参列に慣れているという方はほぼいないでしょう。実際の葬儀と同様の服装や作法で良いかといえば、そうではないのが生前葬の難しいところです。参列者がとくに気をつけたい、服装と香典のマナーについて解説します。

服装は?

生前葬の服装は、招待状の指定に合わせます。「平服でお越しください」と書いてある場合は、男性であればスーツ、女性であればスーツか単色のワンピースにジャケットを羽織るなどして出かけます。

平服とは普段着のことではなく、セレモニー用の礼服ではないお出かけ着を指すため注意しましょう。まだ存命とはいえ葬儀の場なので、あまり華々しい色味の服は選ばず控えめにまとめるのがコツです。

招待状に「喪服で」と書いてある場合はブラックフォーマルで出かけます。男性は光沢のないブラックスーツに、ネクタイやベルト、靴下、靴などの小物を全て黒でまとめます。

女性は黒いワンピースに黒いジャケットを羽織り、ストッキング、靴、カバン、髪留めなどを黒でまとめます。喪服を持ち合わせていない場合は、社会人として普段使いしている黒いスーツでも許されますが、膝や肘の部分にテカリがあるなど傷んだスーツは避けましょう。

また、ドレスコードとして当日身につけてもらいたいテーマカラーを含んでいる生前葬もありますから、とくに注意して招待状を確認するのが大事です。

香典は必要?

生前葬の場合、香典は基本的に不要です。招待状に記載されている会費を、飾りのないシンプルな白い封筒に入れて持参しましょう。香典袋を用意する必要はありません。

招待状に会費が記載されていない場合は、主催者側に問い合わせましょう。「お気持ちで」と言われたら、香典を用意します。白黒あるいは双銀の水引があしらわれた不祝儀袋に「御香典」と表書きし、香典を入れて持参します。生前葬の会費相場は1万円程度なので、香典金額の目安にしてください。

生前葬の注意点

生前葬の注意点

生前葬を行うときには、以下の2つに注意しましょう。

生前葬を行っても火葬は必要

生前葬を行ったからといって、実際に亡くなったとき何もしなくて良いわけではありません。火葬が必要になるため、家族にきちんと説明しておきましょう。

葬儀をせず、火葬のみを行うことを「直葬」といいます。生前葬でお世話になった方とのお別れはできたとみなし、実際に亡くなったとき直葬だけで済ます場合には、葬儀社に連絡して直葬プランをお願いします。直葬の相場は150,000~300,000円程度です。

家族や招待する方にしっかりと意図を説明する

家族の反対を無視して勝手に生前葬を行うのは、おすすめできません。家族や招待する方に、しっかりと生前葬の意図を説明しましょう。

周囲の協力がないままでは、生前葬を行っても気持ちが安らぐことはないでしょう。まわりの理解が得られて初めて、満足する生前葬が行えます。

自分らしい生前葬で感謝の気持ちを伝えよう

自分らしい生前葬で感謝の気持ちを伝えよう

生前葬は、家族や友人に感謝の気持ちを伝える場であるとともに、自分自身が悔いなくお別れできる前向きな場でもあります。また、いざというときの家族の負担も軽減されます。

死後を想定して準備しておくと残された方の負担が軽くなるのは、葬儀の場だけではありません。お墓や相続などについても同じことがいえます。とくにお墓は「後継者がいない」「墓じまいをしたい」などと悩む方が後を絶ちません。

「セゾンの相続 お墓探しサポート」は、お墓のことでできるだけ家族に負担をかけたくない方におすすめのサービスです。「子どもがいないので自分の死後お墓を管理してくれる人がいない」「田舎にある先祖代々の墓が心配」「お墓の種類が多過ぎて、どれを選べば良いかわからない」など、現代ならではの悩みにしっかり寄り添い、問題解決に導く専門家のご紹介が可能です。ぜひ一度、相談してみてください。

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おわりに 

火葬を前にしての葬儀は一度きりですが、生前葬は一生に何度やっても良いものです。60歳の還暦を記念して生前葬を行ったら、次は70歳の古希に生前葬をするなど、人生の節目にたびたび生前葬を取り入れてみてはいかがでしょうか。

何度も生前葬を行えば、「前回はこんなことをやったから、次はこうしよう」「以前はここでうまくいかなかったから、しっかりと演出しよう」など、だんだんブラッシュアップされたイベントになっていくはずです。参列者も参加することに慣れ、弔事や弔電を寄せるなど積極的な行動を取ってくれるかもしれません。

まだまだ日本に根付いているとはいえない生前葬ですが、生きているうちに感謝を伝えるためにも、また寄せられる弔辞などを通して自分という存在を再確認するためにも有効なイベントといえるでしょう。

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