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年忌法要はいつまで行うのが正解?法要の準備と会食までの流れも解説

年忌法要はいつまで行うのが正解?法要の準備と会食までの流れも解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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年忌法要は一周忌の後、三回忌、七回忌と続き、三十三回忌で弔い上げとなります。

ただし、いつまでやるか、どんな規模で行うかは施主の考え方によるもので、決まりはありません。年忌法要をいつまでやるか悩んでおり、どんな例が一般的なのか知りたい方は、ぜひこの記事をお読みください。

年忌法要の基礎知識からそれぞれの回忌法要の規模、やめどき、法要を行う際の手順やマナーまで一挙に解説します。

この記事を読んでわかること

  • 年忌法要は三回忌まで親族を呼び、七回忌以降はだんだん規模を縮小するのが一般的
  • 弔い上げは多くの場合三十三回忌で、これ以降は個別の法要をしなくなる
  • 年忌法要を行う際は2ヵ月前からの準備がマスト
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年忌法要の基礎知識をおさらい

年忌法要の基礎知識をおさらい

まずは、年忌法要とはどんなものなのか基礎知識をおさらいしておきましょう。意味やタイミング、回忌の数え方について解説します。

法要は「忌日法要」と「年忌法要」に分けられる

法要とは、仏式の葬儀を行った方が故人の命日などを節目に行う供養のための行事です。法要では僧侶が読経を行い、親族らが焼香した後、お墓参りや会食が設けられます。

法要には、亡くなってから100日目までに行う「忌日法要」と、亡くなってから節目の年に行われる「年忌法要」があります。

忌日法要は、亡くなった日を「忌日」として、忌日を起点に7日ごとに行う法要です。忌日から7日目は「初七日」、14日目は「二七日」、21日目は「三七日」とされ、法要は「七七日」である四十九日まで続きます。その後、7日目ごとに行う法要は終了しますが、忌日から数えて100日目には「百箇日法要」が行われます。

現代において、7日目ごとに法要を行う方はあまりいません。忌日法要としては四十九日法要だけを行うのが一般的です。百箇日法要もまた、行う方は珍しくなりました。

年忌法要は、亡くなった命日をめどに、決められた年に行う法要です。浄土へとたどり着いた故人が、さらに仏様の導きを受けられるよう、残された親族が追善供養を行う場とされています。多くの場合は会食を伴うため、縁ある方が故人を偲びあう場としても役立ちます。

年忌法要を行うタイミングと回忌の数え方

年忌法要は毎年行われるわけではなく、行われる年数に決まりがあります。年忌法要を行うタイミングは以下のとおりです。

一周忌

一周忌は、亡くなった翌年に行います。「周忌」と数えるのは、この1回のみです。

三回忌

「三回忌」は「三回目の命日」という意味で、亡くなったその日を1回目の命日と数えます。つまり、三回忌は亡くなってから満2年目に行います。よって、一周忌の翌年に三回忌が行われることになります。「一周忌の2年後」ではないため、注意が必要です。

七回忌

7回目の命日、つまり亡くなってから満6年目に行う法要です。この七回忌あたりから参列者を減らし、近親者のみとして規模を縮小していくのが一般的です。

十三回忌

13回目の命日、つまり亡くなってから満12年目に行う法要です。十三回忌からは、法要の「併修」(他の故人の年忌法要と同時に行うこと)が可能になります。例えば「父親の十三回忌と祖母の二十三回忌を一緒に行う」といったことができます。

十七回忌

17回目の命日、つまり亡くなってから満16年目に行う法要です。多くの場合、家族だけのこぢんまりとした法要になります。

二十三回忌、二十五回忌、二十七回忌

それぞれ満22年目、24年目、26年目に行う法要です。家族だけで行うか、省略されることもあります。

三十三回忌

満32年目に行う法要です。三十三回忌は家族だけでなく、一周忌や三回忌と同様に親族らも参加のうえで行うことも多いです。多くの宗派ではこの三十三回忌を「弔い上げ」とし、以後は個別の年忌法要を終了するため、盛大に行います。家族の追善供養が終わり、故人が「先祖としての守り神」になることも意味します。

故人が亡くなった同じ月、同じ日の命日のことを「祥月命日」といい、年忌法要はこの祥月命日をめどに行われます。しかし、祥月命日その日に行わなければならないわけではありません。祥月命日が平日の場合は、その前の土日などに日程を設定することが可能です。

ただし、どの年忌法要も祥月命日よりも遅い日取りを選ぶのはマナー違反とされています。死者を待たせることにつながるためです。

年忌法要はいつまで行うのが良い?

年忌法要はいつまで行うのが良い?

多くの宗派では三十三回忌で弔い上げとなりますが、地域やお寺の考え方により弔い上げのタイミングはさまざまです。五十回忌や百回忌まで行うケースもみられます。

しかし最近、年忌法要を何回忌までやるか悩む方が増えてきました。参列者となる近親者の高齢化が進み、ライフスタイルが多様化したことによって、法要のために遠方から訪れる方が増えたためです。家族だけで法要を行うにしても、お布施や会食費など費用がかさんでしまいます。

一般的には七回忌以降、規模を縮小する傾向があります。ただ最近では三回忌以降の法要自体を省略してしまう家もあります。弔い上げのタイミングには正解がなく、家族が決めて良いものですが、親族ともよく話し合い、トラブルのないようにしましょう。

年忌法要の準備

年忌法要の準備

年忌法要の準備は、早くから始まります。参列者に案内状を出さなければならないためです。僧侶と日程の打ち合わせをしたり、会食会場を押さえたり、お布施の用意をしたりなど、しなければならないことは多岐にわたります。年忌法要の準備について、時系列に沿って解説します。

法要をする日程と場所を決める

まずは菩提寺と法要日程を打ち合わせます。土日は法要が集中するため、希望する日程より遅くとも2ヵ月前には打診するようにしましょう。また、お盆休みやお彼岸は、お寺の繁忙期です。希望日程と重なる場合はかなり早めに打診しましょう。

菩提寺と打ち合わせをする際は、日時のみならず会場やその後のお墓参りの有無、会食への参加などについてもなるべく決めるようにしましょう。具体的には、以下を打ち合わせます。

  • 法要の日時
    午前中に法要を行い、そのまま会食へと流れるのが一般的です。法要を午後1時などに設定すると、その後の会食が午後3時といった昼食とも夕食ともとれない時間帯になってしまうため注意しましょう。
  • 法要を行う場所
    候補としては自宅、お寺、法要会館の3つがあります。
  • お墓参りをするか否か
    例えば一周忌を機に納骨を考えているなら、菩提寺にその旨を伝え、一周忌法要の後にお墓へ移動して納骨法要を行ってもらうようにしましょう。納骨がない場合にお墓参りをするか否かは、地域や家の考え方によります。
  • 会食への参加
    僧侶に会食場所の候補を伝え、会食に参加されるか、それとも辞退されるか、今のところの予定を聞いておきましょう。辞退される場合は、お食事代として「御膳料」を包むか、お弁当を用意することになります。

日程が決まり次第、会食場所を予約します。予約には利用人数が必要ですが、この時点ではおおよその人数を伝えるだけで構いません。

参列者を決め案内状を送付する

日時、法要を行う場所、会食を行う場所が決まったら、法要に参列する方を決め、法要の1ヵ月前までに案内状を送付します。主な参列者は親族ですが、ご近所や友人を含めるケースもあります。

案内状には返信用のハガキをつけるのが一般的ですが、「出欠確認は電話連絡で行います」とし、ハガキをつけなくても構いません。ただし電話の場合は口頭になるため、「この方から出欠の返事をもらったかどうか覚えていない」という事態にならないよう、管理はきちんと行いましょう。

案内状の文面例は以下のとおりです。日時や場所だけでなく、交通手段や出欠確認の方法についてもしっかり記載します。返信の締め切りは、法要の2週間前程度としましょう。

【一周忌法要の案内状 文例】

拝啓 皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます

このたび 亡●●●●の一周忌にあたり

左記の通り法要を相営みたく存じます

ご多忙中誠に恐縮ですが 何卒ご臨席のほどお願い申し上げます

敬具

令和●年●月

日時 令和●年●月●日(●)午前一〇時より

場所 ▲▲法要会館 住所 ▲市▲町2-1 電話番号 ~

    ※駐車場完備

なお 法要後は別席にて粗宴をご用意しております

お手数ではありますが 法要・会食ともにご出席の可否を

●月●日までに返信ハガキにてお知らせください

(施主住所 氏名 電話番号)

 

会食や引き物を用意する

出欠が揃ったら、会食会場に食事の人数を伝えます。ただ、一様に「出席します」といわれたとしても、その方だけが参列するのか、家族みんなで参列するのかがわからないと正式な人数は出せません。出欠確認をする際は、人数までしっかり確認するようにしましょう。

なお、会食にはお子様席が設けられる場合があります。小学生以下など、お店に求められる「子ども」の人数を数えて伝えておくと安心です。

食事の人数を伝えるときには、僧侶を数え忘れないよう注意しましょう。僧侶が会食に参加せず、お食事代を用意するのではなくお弁当を持ち帰っていただく場合には、会食場所にその旨をしっかり伝えます。

僧侶へ渡すお布施を用意する

法要の当日までに、お寺へ渡すお布施を用意します。法要のお布施は以下の3種類です。

  • お布施
    読経のお礼です。法要のお布施の相場は30,000円から50,000円で、一周忌、三回忌など故人が亡くなって間もない法要については少し厚めに包みます。年忌法要と同時に納骨法要やお墓の開眼供養を行うときは、別にお布施を用意します。
    お布施のための袋は、スーパーやホームセンター、コンビニの文具売り場で売られている奉書紙でできた袋です。水引がかかっているものでも構いません。表書きは「御布施」とします。
  • お車代
    法要会館や自宅へ出向いてくれたことへの感謝としてお車代を包みます。お寺で法要を行うときは包みません。お車代の金額相場は5,000円ですが、遠方などお寺側の負担が大きい場合は少し厚めに包みます。
    お車代のための袋は、お布施と同様です。白い封筒でも構いません。表書きは「御車代」とします。
  • お食事代
    僧侶が会食に参加せず、持ち帰っていただくお弁当を用意しない場合は、お食事代を包みます。金額相場は5,000円で、お布施と同じ袋か白い封筒に包んで「御膳料」と表書きします。

年忌法要当日の流れ

年忌法要当日の流れ

年忌法要当日は、葬儀のときのように司会進行係がいません。前半の法要は僧侶の指示によって進み、後半の会食は施主である遺族代表が進めます。

なお、法要が終わってからどのように動けば良いか案内するのも施主の役割です。どのような流れになるかを知っておけば、スムーズに案内できるでしょう。

施主と参列者が着座する

遅くとも開式5分前までには、施主と参列者が着座して、いつでも僧侶を迎えられる体制を整えておきます。施主は「開式5分前までにお手洗いをお済ませください」「開式5分前となりました。ご着席のうえ、今しばらくお待ちください」などと案内します。

僧侶入場後施主による開式の挨拶を行う

僧侶が入場したら、施主が開式の挨拶を行います。「ただいまより(故人名)の●回忌法要を執り行います」など、簡潔な挨拶で結構です。

僧侶の読経・焼香・法話

施主の挨拶の後、僧侶の読経が始まります。読経の時間は15分から20分程度で、合間に焼香の時間があります。焼香が終わり、読経が終了したら、僧侶による法話があります。法話の有無は、僧侶によって違います。

僧侶退場後お墓参りをする

法話の後には僧侶が退場します。施主は「これにて法要は終了です。続いてお墓参りとなります。お墓まで案内させていただきます」と案内します。親族みんなでお墓へ行き、近親者から順番に線香をあげます。

もしお墓参りがなく会食となる場合は、「続いて会食となります。ご案内させていただくまで、この場でお待ちください」と言い、僧侶にお布施を渡すためにいったん席を離れます。施主は控室へ行き、「このたびはありがとうございました」と僧侶に挨拶し、お布施を渡しましょう。席に戻ったら、会食会場へ行くことを伝え、みんなを誘導します。

会食会場へ移動し会食を始める

会食会場へ移動し、会食前に喪主から一言挨拶します。また、喪主挨拶の後には献杯を行います。「献杯」とは食事のはじめに故人を偲び、会場のみんながグラスを傾けることで、「乾杯」に代わる弔事用の言葉です。

会食前の喪主挨拶は「おかげをもちまして一周忌法要が滞りなく終了いたしました」に始まり、集まってくれた親族に感謝の気持ちを伝えます。そして「ささやかながら粗宴を設けさせていただきましたので、供養のため、故人を偲びながらお召し上がりください」などと締め、「●●さんに献杯のご発声をお願いします」と引き継ぎます。

献杯の発声は、一般的には親族の年長者など中心的な人物が担います。故人や喪主の兄弟姉妹、菩提寺の僧侶などが候補です。献杯の依頼は、あらかじめ行っておきます。適任者がいない場合は施主が行っても構いません。

献杯に指定された方は「ご指名ですので」と言い、故人との思い出話などを披露した後に「献杯」とグラスを遺影や位牌に捧げます。参加者はその後に続き、食事が始まります。献杯のときは、乾杯と違い、グラスをカチンと突き合わせません。突き合わせるフリだけをします。

施主が締めの挨拶を行い参列者に引き物を渡す

献杯から1時間半~2時間後に、施主が締めの挨拶を行います。弔事の締めでは、広がっていくイメージのある「お開き」という言葉を使いません。

「宴もたけなわではございますが」という華やかな席での決まり文句も使えません。「お時間となりましたので、これにて会食を終了させていただきます」「話は尽きませんが、帰りのお車の準備が整いつつあります」などとします。

施主は参列者に感謝の気持ちを伝えたうえで、引き物を渡します。手渡しをするというよりも、各自の椅子の下に引き物が用意されている場合がほとんどです。「お足元に粗品を準備してございます。どうかお忘れなくお持ちください」などと案内しましょう。

知っておきたい年忌法要のマナー

知っておきたい年忌法要のマナー

年忌法要には外せない2つのマナーがあります。あらかじめ基礎知識として押さえておき、いざというとき使えるようにしましょう。

喪服は三回忌までが一般的

法要では、葬儀のとき着用するような喪服を着ますが、それも三回忌まで。七回忌以降は地味な平服であればかまわないとされています。

平服とは、トレーナーやジーンズのような普段着ではない、お出かけ着のことです。男性であればスーツ、女性はワンピースかスーツを着用し、弔事の場なので色味は黒やグレー、茶系といった地味めなものを選びます。

ただ、何回忌まで喪服とするかは地域の慣習にもよるため、必ず確認が必要です。自分が施主となるときは親族のうちでも年長者などに相談し、答えが出ない場合は菩提寺に聞いてみましょう。

なお、回忌に限らず「夏場は暑いから喪服ではなく涼しい格好で」「平服にするとかえって悩むから、いっそ喪服で」と施主自身が判断することもあります。

引き物は消耗品や食料品が好まれる

葬儀や法要などの弔事において、香典返しや引き物の内容は「消え物」が好まれます。消え物とは、使ったり食べたりしたらなくなり、後に残らないものです。食料品や消耗品がこれにあたります。

なぜ消え物が好まれるかといえば、弔事は縁起の悪い出来事のためです。弔事の記念にもらったものがずっと家にあると、故人を失った悲しい気持ちが残ってしまいます。また、「家に不幸を象徴するものが残っているようで気になる」という方もいます。

ただしあまりに賞味期限の短い食料品も好まれません。引き物に選ばれる食料品としては、干菓子、焼き菓子、夏ならゼリー、そうめん、お茶のセットなどがあります。

引き物に選ばれる消耗品としては、タオルや洗剤があります。とくに洗剤は「悪いことを洗い流す」というイメージから、弔事のギフトに好ましいとされています。

また、最近ではもらった方の好みに合うものを選んでほしいと、カタログギフトも人気です。

葬儀や法要のことなら「セゾンの相続 お葬式サポート」がおすすめ

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おわりに

法要は故人を偲び、追善供養をする場であると同時に、親族みんなに会える数少ない機会です。四十九日法要や百箇日法要は、故人を失った遺族がどのくらい立ち直っているか親族が確認する場だという説もあるほどです。宗教儀式であること以上の意味を持つ法要の機会を大事に、準備を進めましょう。

なお、年忌法要をいつまでやるかと悩んでいるようなら、早めに家族や親族に相談するのが近道です。「家族としてはもう省略したいが、親族のなかに納得しない方がいる」という場合は、菩提寺のご住職に相談して味方になってもらうという方法も考えてみましょう。

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