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清算型遺贈とは?遺言書作成で外せないポイントやおすすめできるケースを紹介

清算型遺贈とは?遺言書作成で外せないポイントやおすすめできるケースを紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

「ほぼ不動産が全財産で、現金は少ししかないけど、子ども達に平等に相続させたい」
「土地に相続税が発生するけど、相続税が払えない」
「社会貢献している団体に遺贈したいけど、亡くなるまでは大切な家に住んでおきたい」など
不動産に居住する必要がない場合は、現金化して相続した方が良い場合もあります。

そのような場合は「清算型遺贈」にすることで有益な相続が可能です。
この記事では清算型遺贈の作成ポイントやメリット、おすすめできるケースを解説しますので、ぜひご一読ください。

この記事を読んでわかること

  • 遺言執行者は、遺言執行者の名義で相続登記の手続きや不動産等の売買手続きを単独でできる
  • 清算型遺贈で遺言執行者を選任することで、相続する側に負担をかけずに手続きをスムーズに進めることができる
  • 遺言執行者により財産のきちんとした管理や分配が期待できるため、手続きを安心して任せられる
  • 預貯金が少額で相続税を支払うことができない場合は清算型遺贈を利用した方が良い
遺言サポート
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清算型遺贈とは

清算型遺贈とは

「清算型遺贈」とは、被相続人の遺産である不動産などの財産の全部または一部を売却処分して現金化し、その現金から債務や現金化のための費用、遺言執行のための費用、葬儀代金などを弁済し、残った現金を相続人または受遺者に一定の金額や割合で遺贈することをいいます。

被相続人が上記の内容を遺言書に記載しておき、被相続人の亡き後、その遺言に基づいて遺言執行者がその手続きを実行するのが一般的です。

清算型遺贈で遺言書を作成する際に外せないポイント

清算型遺贈で遺言書を作成する際に外せないポイント

清算型遺贈で遺言書を作成する際に注意しなければならないポイントとして、次の4つがあります。

  • 相続人調査を事前に行う
  • 遺言執行者に実務経験豊富な方を抜擢する
  • 遺留分には十分に注意する
  • 包括遺贈は避けて特定遺贈にする

それぞれのポイントを見ていきましょう。

相続人調査を事前に行う

清算型遺贈に関しては、遺産を相続する方々(相続人)を特定することが重要です。

相続人が複数いる場合、相続人の共有名義の相続による所有権移転登記を一旦行い、それから買主へ売買による所有権移転登記を行い名義変更する必要があります。

誰が相続人であり、それぞれにどのような権利があるのか​​を明確に把握するために正確な相続人の調査が重要です。

遺言執行者に実務経験豊富な方を抜擢する

遺言執行者は、実務経験豊富な方を抜擢しましょう。

遺言執行者は、遺言執行者の名義で相続登記の手続きや不動産等の売買手続きを単独で行うことができます。また、相続人に遺産を引き継ぐ責任があります。

信頼できる人物であり、遺言書に書かれた内容を適切に実行できるかどうかを考慮する必要があります。

遺留分には十分に注意する

遺留分は、法定相続人のうち配偶者、子供、父母に対して、最低限に保証される相続分を意味します。

遺留分を侵害して遺贈を行った場合や法定相続人が「遺留分侵害額請求」を主張してきた場合には、遺留分を返さなければいけません。

そのため、遺留分を侵害しない範囲での遺贈となるように配慮する必要があります。

包括遺贈は避けて特定遺贈にする

包括遺贈は、個々の財産を特定しないで「全財産を遺贈する」とか「全財産の2分の1を遺贈する」といった記載をした遺贈です。

特定遺贈は「○○の土地を遺贈する」や「預貯金のうち100万円を遺贈する」等、財産を特定した遺贈となります。

つまり包括遺贈が権利のみでなく債務も目的とするのに対し、特定遺贈は権利のみが目的となります。

包括遺贈にしてしまうと、受遺者となる方(団体なども)が相続人と同等の地位を得ることになり、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継いでしまうことになります。

そのため、寄付などを受け付けている団体でも特定遺贈での遺言作成にしてほしいと要望を受けることがあるため注意が必要です。

清算型遺贈のメリット

清算型遺贈のメリット

清算型遺贈は、不動産などの財産を現金化して遺贈させることができるという点で、不動産を所有している遺言者やその相続人、受遺者にとって有益な遺言の方法です。

希望通りに売却してもらえる

遺言執行者は、遺言書に基づいて相続財産の分割や処理を行う責任があるため希望通りの内容で対応してもらえます。

不動産を売却する場合、他の相続人の同意を得ることなく、遺言執行者が手続きをすべて行えるので、相続手続きをスムーズに進めることができます。責任を持って手続きを進めることで、相続人間でのトラブルを防ぐことができます。

相続人の負担を軽減しながら手続きできる

不動産の清算型遺贈をする場合には、亡くなられた方から買主への名義変更ができないため、まずは不動産を法定相続人全員へ相続登記をした後、買主に売買による移転登記をするという形になります。

遺言執行者は単独で不動産売却に関する決定を行うことができるため、遺言執行者に弁護士などを指定し、清算型遺贈で不動産を処分するよう取り決めておくことで、相続人自身が不動産登記の申請や銀行の手続き等をする必要がなくなるため、相続する側に負担をかけずに手続きをスムーズに進めることができます。

相続人同士の関係に亀裂が生じにくい

遺言執行者が定められていない場合、相続人全員による「相続届出書」を金融機関から求められたり、遺留分の発生によるトラブルに発展してしまう可能性もあります。

相続人間で関係が良くない場合でも、遺言執行者を選任していれば、相続人は遺言書の内容に反することができなくなります。

遺言執行者が単独で手続きをすることができますし、相続人は遺言書の内容に不満があっても、財産を勝手に処分することはできません。

相続人が遺言書の内容に反して勝手に財産を処分した場合でもその行為は無効となります。

遺言執行者により財産のきちんとした管理や分配が期待できるため、手続きを安心して任せられる遺言執行者を指定しておけば、相続をめぐる争いを防ぐことにつながります。

清算型遺贈をおすすめできるケース

清算型遺贈をおすすめできるケース

財産の全部または一部を売却処分して現金化し、受遺者に一定の金額や割合で遺贈する清算型遺贈の遺言について、どのような場合におすすめなのでしょうか。

不動産を現金に換価しないと分配が厳しい

主な相続財産が不動産のみである場合、分配の方法が難しい場合も多くあります。

遺産として時価2億円の土地を3人の兄弟で分割する場合、土地を3つに区切ることはできますが、日当たりや人通りなど区画ごとに条件や地価は異なるため、公平に分けることは難しいです。知的障がいのある子どもや身内ではない第三者の方も不動産を残されると困る場合が多いです。

このような場合、不動産を現金に換価することで、相続人や受遺者に平等に現金を分配できます。

被相続人に多額の債務があるものの債務超過ではない

被相続人が債務超過ではない場合でも、多額の債務が残っていることがあります。

その場合、相続人は清算型遺贈を受けることができます。清算型遺贈とは、遺産の一部を相続人に遺贈し、残りの遺産は遺言執行者が債務の弁済に充てるという方法です。これにより、相続人は少しの金銭を相続できます。また、債務の弁済に関して相続人に余計な手間をかけさせないようにすることができます。

単純承認をした相続人は、被相続人の権利義務をすべて受け継ぎます。(民法920条)しかし、被相続人が債務超過だった場合、相続人は自己の財産まで債務の弁済に使わなければなりません。そのため、債務超過の場合は、相続放棄をする方が良いでしょう。

相続後に空き家になってしまう

空き家のまま保有している場合、毎年固定資産税をおさめ続けなくてはなりません。また、空き家が倒壊や破損で第三者にケガをさせたら、損害賠償を請求される場合もあります。

不動産を売却して現金化することで、固定資産税などの維持費や不測の事態に関する費用負担を減らす効果が期待できます。

不動産を相続した後に相続税が支払えるか不安がある

主な相続財産が不動産のみである場合、相続財産のなかから相続税を支払うことができません。相続人自身の預貯金から相続税を支払うことができれば良いですが、お金が不足してしまう場合もあります。

このような場合、不動産を現金に換価することで、被相続人の現金や預貯金が少額でも相続人や受遺者に平等に現金を分配できます。

お世話になった方々に対して現金で遺贈したい

相続人となる親族が場合で、身内ではない第三者や社会貢献団体に不動産そのものを譲っても、譲られた方が居住できない場合、扱いに困ってしまいます。

このようなお世話になった方に現金で遺贈したい場合に、清算型遺贈は活用できます。

清算型遺贈に関するご相談なら「セゾンの相続 遺言サポート」へ

清算型遺贈に関するご相談ならセゾンの相続遺言サポートへ

相続に備えて、遺言書を作成することは大切です。しかし、遺言書の作成には、法律的な知識や手続きが必要です。

そこで、「セゾンの相続 遺言サポート」がおすすめです。このサービスでは、遺言書作成の経験豊富な専門家の紹介を受けることができ、争族対策や遺言執行者の選任など、遺言に関するさまざまなお悩みをサポートしてくれます。相続に関することで、少しでも不安のある方は、ぜひお問合せてみてはいかがでしょうか。

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おわりに

清算型遺贈のポイントをいくつかご紹介いたしました。争族を防ぐことや複雑な手続きを避けるために不可欠なのは遺言執行者ということもご理解いただけたと思います。不動産の清算型遺贈をする場合には、遺言執行者がいることで、単独で不動産売却に関する決定を行うことができるため、相続人自身が不動産登記の申請や銀行の手続き等をする必要がなくなります。

相続する側に負担をかけずに手続きをスムーズに進めることにもなります。財産のきちんとした管理や分配が期待できるため、相続をめぐる争いを防ぐことにもつながります。

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