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親族に改葬を反対された!お墓のトラブル事例と予防策を紹介

親族に改葬を反対された!お墓のトラブル事例と予防策を紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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「お墓が遠くて管理が大変」「将来お墓を継承する子どもの負担を軽くしたい」といった悩みがある場合、選択肢のひとつに改葬があります。しかし、いざ改葬しようとしたとき、反対意見が出てトラブルが起こることもあります。そこで本記事では、改葬で起こりがちなトラブルを紹介します。トラブルの予防策や手続きについてもまとめました。改葬を検討中の方は内容を参考にトラブルを回避し、気持ち良く手続きを進めていきましょう。
(本記事は2023年12月11日時点の情報です)

この記事を読んでわかること

  • 改葬とは、すでに埋葬されている遺骨を取り出し、別の供養先に納骨すること
  • お墓の維持管理の難しさや継承する子どもへの負担軽減を考慮して改葬する方が増えている
  • 改葬するとなると親族から「ご先祖様に失礼」と反対されたり、お寺から高額な離檀料を求められたりといったトラブルが起こる可能性がある
  • お墓の継承者だけでなく、親族や住職など関係者としっかり話し合うことが大切
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そもそも改葬とは?

そもそも改葬とは?

改葬をひとことで説明すると「お墓の引っ越し」です。すでに埋葬されている遺骨を取り出し、別の供養先に納骨することを指します。改葬は、次の2パターンあります。

  • お墓ごと移転させる
  • 現在のお墓を処分して移転先で新設する

では、改葬についてもう少し深掘りしていきましょう。

改葬と墓じまいの違い

改葬と混同されやすいのが「墓じまい」です。墓じまいは、その名のとおり完全にお墓を閉じることです。墓じまいでは、墓地使用権を管理者に返すためお墓を撤去して更地にするのです。墓じまい後の遺骨は、合祀墓への埋葬や散骨といった形で供養するケースがあります。

なお、移転先で新たにお墓を建てる改葬の場合、現在のお墓を処分するため「墓じまいする」と表現されることがあります。

改葬が行われる背景

改葬は年々需要が高まっています。厚生労働省が発表している「衛生行政報告例」から、全国の改葬件数をまとめました。

年度2017年度2019年度2022年度
改葬の件数104,493件124,346件151,076件

結果より、改葬は増加傾向にあることがわかります。では、なぜ改葬が行われているのか、その背景に迫っていきましょう。

お墓が遠いため維持管理が難しい

お墓を維持管理しやすいよう、改葬を行うケースがあります。お墓の維持管理のために遠方まで足を運ぶのは、大変です。

代々のお墓がある土地から、引っ越しや転勤などで家族だけ離れてしまうことも珍しくありません。そのため、お墓を無理なく維持管理できるよう、生活圏内への改葬を検討する方が増えています。

子に負担をかけたくない

子ども世代への負担軽減も、改葬理由のひとつです。そもそも、お墓は親から子へと受け継がれていきます。しかし、結婚や就職に伴い子どもがお墓から遠い場所で生活していると、いざ代替わりした際に負担が大きくなってしまいます。管理しているお墓が複数あると、なおさらでしょう。

そこで遺骨を永代供養墓に移したり、複数のお墓をひとつにまとめたりと、改葬することで子どもへの負担軽減を図ります。

継承者がいない

改葬の背景には、お墓の継承者がいないことも挙げられます。少子化や晩婚化が進む現在、子どもを持たない選択をする夫婦は少なくありません。そうなると、お墓を次世代に受け継げなくなります。

将来的に無縁墓とならない対策として、永代供養墓や納骨堂に遺骨を移す改葬を選択するのです。

参照元:

政府統計の総合窓口|衛生行政報告例 平成29年度衛生行政報告例 統計表 年度報 第4章 生活衛生 6 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別 年度次

政府統計の総合窓口|衛生行政報告例 第4章 生活衛生 6 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別

政府統計の総合窓口|衛生行政報告例 第4章 生活衛生 6 埋葬及び火葬の死体・死胎数並びに改葬数,都道府県-指定都市-中核市(再掲)別

改葬は反対される?よくある親族トラブル

改葬は反対される?よくある親族トラブル

現代のニーズにマッチしている改葬ですが、簡単に実行できるわけではありません。というのも、親族に反対される可能性があるためです。そこで、改葬でよくある親族トラブルを把握しておきましょう。

「先祖に失礼」という考えからの反対

「お墓の移動はご先祖様に失礼」といった考えから、改葬するのを親族に反対される恐れがあります。親族に納得してもらうには、法的や宗教的に問題がない点や、手入れが行き届かないとご先祖様に迷惑がかかるとの気持ちから改葬を検討していることを説明しましょう。

費用負担による反対

改葬の費用負担をどうするかも、反対される要素です。改葬の費用相場は100~250万円以上と、決して安くありません。

そのため、お墓の継承者だけで費用を捻出するとなると、負担が大きくなってしまいます。しかし、親族に協力を仰ぐと「誰が負担するのか」ともめる場合があるのです。

親族間でしっかり協議するのはもちろん、ケースによってはローンや補助金の活用を検討しましょう。

代々続いたお墓が途絶えてしまうことによる反対

先祖代々受け継いできたお墓が、改葬によって途絶えてしまうのを良しとしない方もいます。以前は「お墓は代々継承されていくもの」という考えがごく当たり前でした。ゆえに、改葬に対して「ご先祖様に申し訳ない」「祟られるのでは」と反対意見が出てしまうのです。

そもそも、改葬前に今のお墓があるお寺で魂抜きのお経をあげてもらうので、先祖に迷惑はかかりません。お墓を維持管理する負担や状況を説明し、親族の納得を得るようにしましょう。説得が難しい場合は、弁護士への相談も検討してみてください。

お墓参りしにくくなることへの反対

改葬することで、親族の生活圏内からお墓が離れてしまう可能性があります。そうなると「お墓参りがしにくくなるから改葬しないでほしい」と反対されることがあるでしょう。

そのため、親族が納得できる場所選びが重要です。移転先には、できるだけお墓参りに支障が出にくい地域を選び、親族への配慮も忘れないようにしましょう。

参照元:

霊園・墓石のヤシロ|改葬の費用とは?遺骨の取り出しや新しい納骨先、お墓の撤去まで、改葬費用の内訳を解説

改葬のその他のトラブル

改葬のその他のトラブル

改葬のトラブルが起こり得るのは、親族間だけではありません。お墓や霊園、石材店との間に問題が生じることも考えられます。どのようなトラブルが起こりやすいのか見ていきましょう。

お寺・霊園とのトラブル

まず、お寺や霊園とのトラブル事例を紹介します。

住職が改葬に応じてくれない

現在のお墓があるお寺の住職が、改葬に応じてくれないケースがあります。お寺の主な収入源は、法事の際に受け取るお布施と、檀家の年会費にあたる護持費です。改葬するとなると檀家が減ってしまうので、お寺としては収入源を失うことになります。

特に過疎化が進んでいる地域では檀家の減少が死活問題のため、改葬を快諾してくれない住職もいるのです。

改葬を認めてもらえたとしても、高額な離檀料を請求され、トラブルに発展する事例が起こっています。

墓石の移転ができない

遺骨だけでなく墓石ごと移転する場合、移転先の墓地が受け入れてくれるのは稀でしょう。お寺や民間が運営する墓地の多くでは、墓石を建てる会社が指定されているためなかなか持ち込めないのです。したがって、墓石ごとの移動許可が得られないケースの方が多く、トラブルになってしまいます。

永代使用料は基本的に返金不可

永代使用料に関するトラブルも起こり得ます。永代使用料とは、お墓の区画を永代にわたって使用するためにお寺や霊園に支払う料金です。ほとんどのお寺や霊園では「永代使用料の返金はできない」と定めています。

つまり、改葬するからといって永代使用料は返金されません。「墓地を使用しなくなるから永代使用料は返してもらえるはず」と思い込んでいると、もめごとが起こる可能性があるでしょう。

石材店とのトラブル

改葬にあたって墓石の撤去や更地に戻す作業は、石材店に依頼します。その際に起こりやすいトラブルをまとめました。

高額な工事費を請求される

墓石の撤去や工事にかかる費用が「相場より高い」とトラブルになるケースがあります。お伝えしたように、お寺や民営霊園では、一般的に提携先の石材店が決まっています。「高いから」と、違う石材店に墓石の撤去を依頼できません。

お墓撤去にかかる費用は、200,000円程度からが目安です。工事費用をきちんと把握するために、石材店に現地の確認や見積もりを依頼してください。

ずさんな工事で隣のお墓に傷がついた

石材店の工事がずさんで、隣のお墓や共用部に傷がついてしまう事例があります。依頼主の責任ではありませんが、トラブルに巻き込まれる可能性が否定できません。不要な災難を受けないためにも、依頼先の石材店が優良であるか、事前にリサーチしておく必要があります。

参照元:お仏壇のはせがわ|お墓じまいの費用平均はいくら?総額と内訳、払えない場合の対応も解説

改葬でトラブルを防ぐためには?

改葬でトラブルを防ぐためには?

気持ち良く改葬するためにも、できるだけトラブルは回避したいものです。ここからは、改葬トラブルを防ぐ手立てをお伝えします。

親族と話し合う

お墓の継承者の判断で改葬を決めてしまうのではなく、時間をかけてじっくり親族と話し合いましょう。親族と話し合う内容の例を紹介します。

  • 改葬する理由・経緯
  • 改葬するメリット
  • 納骨先・埋葬方法
  • 費用面(工事費・離檀料など)

まず、どうして改葬するのか、お墓の維持管理がどれだけ大変かを親族に伝えましょう。そのうえで改葬するとどのようなメリットがあるかを説明すると、理解が得やすくなります。

また、新たな納骨先や、永代供養なのか家族墓なのかといった改葬先の埋葬方法は、親族に相談して決定するのが良いでしょう。くわえて、改葬にかかる費用も説明します。

親族の理解を得ておけば、もしお寺や石材店とトラブルが起きても心強い味方となってくれるでしょう。

墓地や石材店に事前に相談・交渉する

改葬を滞りなく進めるには、墓地やお寺、石材店との相談も欠かせません。というのも、墓地や石材店の事情によって、ご自身が思い描く改葬ができないケースがあるためです。

そのため、事前に希望を伝え、相談や交渉をしておきましょう。墓地や石材店は、改葬に関する専門的な知識や経験を持っているので、アドバイス・情報提供をしてくれるかもしれません。

費用に関しても、事前確認が大切です。いきなり依頼するのではなく見積もりを出してもらい、内容と金額を把握しておきましょう。

不当な請求は弁護士などへ相談する

「お寺が埋葬許可証を発行してくれない」「高額な離檀料を請求された」「石材店から相場よりはるかに高い支払いを求められた」といった不当な対応を受けたら、弁護士など法律のプロに相談しましょう。法的に正当な対処をしてくれるので、安心して改葬を進められます。

トラブルなく改葬を行うための手順

トラブルなく改葬を行うための手順

最後に、改葬の手順を解説します。改葬をトラブルなくスムーズに行うために、流れを把握しておきましょう。

関係者の理解・納得を得る

はじめに、親族や住職などの関係者と話し合います。先ほど紹介したように、改葬の理由や経緯を説明し、関係者から理解と納得を得ておきましょう。

新たな納骨先を確保する

次に、新たな納骨先を確保します。納骨先を検討する際は、以下のポイントを確認してください。

  • 立地
  • 墓地の種類(公営墓地・民営墓地・寺院墓地など)
  • 墓石の種類
  • 埋葬方法
  • お墓の価格
  • 宗旨・宗教
  • 設備・環境 など

お墓参りしやすい立地か、どのように埋葬するか、予算内に収まるかなど総合的に判断し、新たな納骨先を絞り込んでいきます。

改葬手続きを行う

続いて、改葬に必要な手続きを済ませましょう。改葬する場合「墓地、埋葬等に関する法律」に則って、市町村長や墓地の管理者の許可を得なければなりません。そのため、以下の書類を準備し、自治体に「改葬許可証」を申請します。

改葬許可証申請に必要な書類

書類の名称概要
改葬許可申請書改葬許可証を申請する際に提出する書類
埋葬・埋蔵証明書遺骨の埋葬・埋蔵の事実を、現在の墓地管理者が証明した書類
受入証明書遺骨の移転先の墓地管理者が、受け入れを証明した書類
除籍謄本遺骨の方の死亡記載があるもの
改葬承諾書現在と移転先の墓地で使用者が異なる場合に必要

これらの書類を揃え、役所で改葬許可証の申請を行いましょう。

遺骨を新しいお墓に納骨する

改葬許可証を入手したら、現在のお墓から遺骨を取り出し、移転先に納骨します。お墓を撤去する場合は、住職や僧侶に「魂抜き」の供養をしてもらいましょう。新たなお墓に納骨する際は、魂を入れる「開眼供養」の儀式をしてもらいます。

なお、遺骨の取り出しや移動はご自身でも行えますが、墓じまいの専門会社にお願いするのが無難です。というのも、大きな石を動かす必要があったり、遺骨の状態によっては移動方法を検討したりと、素人には難易度が高い作業があるためです。安全に行うためにも、専門会社への依頼も視野に入れましょう。

お墓の改葬に関する相談はセゾンの相続にお任せ!

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改葬は、トラブルが起こる可能性をはらんでいるだけでなく、高額な費用がかかり、自治体への手続きも必要です。そこで、改葬をスムーズに進められるよう、プロに相談してみませんか。

セゾンの相続 お墓探しサポート」では、改葬や墓じまいの相談を承っています。お墓探しを得意とする専門会社と提携しており、希望に沿った最適なプランの提案が可能です。また、改葬だけでなく樹木葬や海洋散骨などの相談も承れます。

幅広い選択肢の中からより良い方法を一緒に検討していきましょう。なお、相談は無料なので、お気軽にご連絡ください。

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おわりに

お墓の改葬は、簡単には実行できません。親族に反対されたり、お寺や石材店とトラブルになったりと、スムーズに進められない可能性があります。だからこそ、トラブル事例や手順を把握し、相談・確認を怠らないようにしましょう。

今回紹介した内容を参考に、ご自身やお墓を継承していく子ども世代、そしてご先祖様にとっても「やって良かった」と思える改葬を目指しませんか。

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