お墓が遠くにあるため、お墓参りや管理が難しい場合や、お墓を継ぐ方がおらず「墓じまい」を考えている方はいらっしゃいませんか?
単に墓じまいといっても、まず何から始めれば良いのか、また墓じまいに関する費用がどのくらいかかるのかについて知らないままでは、いつまでたっても取りかかることができず、時間だけが過ぎてしまいます。
今回はそのような不安を解消するために、墓じまいで知っておきたい手順や費用の相場について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
墓じまいをする方が増えている
近年、墓じまい(改葬)を行う方が増加傾向にあります。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、2012年度には76,662件だった改葬数が2021年度には118,975件と10年間で約1.6倍に増加しています。
お墓の管理ができない方の割合が増加
墓じまいが増えている背景には、さまざまな理由が考えられますが、一番多いのは「お墓の管理ができない」ことです。
そして、お墓の管理ができない理由として
- お墓が遠方にあり、また、自身の高齢化に伴いなかなかお墓に行けなくなってきている
- お墓を継ぐ方がいない
- お墓の維持コストが高く、家計の負担になっている
などが挙げられます。
お墓の引っ越し(改葬)件数が増えている
冒頭でお墓の引っ越し(改葬)の件数が増えていることをお伝えしましたが、2012年から2021年の10年間の改葬件数の動きは以下のとおりです。
(単位:件)
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
79,479 | 79,749 | 88,397 | 83,574 | 97,317 | 104,493 | 115,384 | 124,346 | 117,772 | 118,975 |
若干の増減はあるものの、右肩上がりに上昇し、2021年には約1.6倍の120,000件程度に達しています。
お墓を放置するとどうなる
管理が大変だからとお墓を放置すると、一般的には「無縁墓」として取り扱われます。墓石などは一定期間を経て取り壊し、遺骨については、合葬墓に移動します。
放置されたお墓の対応については、お寺によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
また、お墓が公営墓地や民営墓地の場合、放置したとしても、すぐに墓石を撤去されたり、遺骨を移されたりすることはありません。ただし、民営墓地の場合は管理料を支払う必要があるため、管理料を支払わないことによって訴訟を起こされる可能性があります。
墓じまいするまでの5つの手順
実際に墓じまいをしようと考えた際には、どのような手順で行うのでしょうか。ここでは、墓じまいをするまでの手順について解説します。
親族・関係者としっかり話し合いをする
墓じまいは自身だけの問題ではありません。墓じまいをした後のトラブルを回避するためにも、親族全員が集まってお墓をどうするかについて話し合いましょう。その場で「墓じまいをしようと考えている」と伝え、親族全員が納得するまで話し合うことが大切です。
遺骨の保管場所をどこにするか決める
遺骨の保管場所についてどのような選択肢があるのかを、事前にお寺に聞いておき、その内容を親族に伝えて遺骨の保管場所を決めます。
一般的には
- 合葬墓に埋葬して供養してもらう
- 納骨堂に納める
- 手元供養(骨壺のまま手元に置いておく)
- 海洋散骨を行う
などの選択肢があります。
また、保管場所が決まるまでは自身で遺骨を保管しなければなりませんので、保管場所については早めに決めるようにしましょう。
墓じまいで必要となる書類手続き
墓じまいを行うにあたり、以下の書類が必要になります。
- 改葬許可申請書:お墓がある市区町村役場で入手し、提出する
- 埋蔵証明書
- 受け入れ証明書
- 改葬許可証
改葬許可申請書は、お墓がある市区町村役場で入手し、提出しなければなりません。お墓が遠い場合はそれだけでも一苦労です。
埋蔵証明書とは、そのお墓の遺骨が誰のものであるかを証明するものです。お墓がお寺にあるならお寺に発行してもらう必要がありますし、民営墓地などであれば墓地の管理組合が発行してくれます。
受け入れ証明書は、新しい遺骨の保管場所の管理者に発行してもらうものです。場合によっては手数料が必要なケースもあります。
受け入れ証明書は改葬許可申請書と合わせて提出する必要があるため、早めに準備しておきましょう。
改葬許可申請書を提出し、内容に不備がなければ改葬許可証を発行してもらえます。改葬許可証は新しい遺骨の預け先に提出します。
石材業者を決めてお墓を撤去する
墓じまいとは、今あるお墓を撤去して更地にし、遺骨を新しい場所に移すことです。そのため、今あるお墓の解体をしてくれる石材業者を探す必要があります。
石材業者を決める際には、複数の業者に見積もりを取って比較検討することをおすすめしますが、墓地によっては依頼できる石材業者が決まっているケースもありますので、指定の石材業者があるかどうかを事前に確認しておきましょう。
新しい納骨先で供養する
遺骨を取り出した後、お墓の撤去工事を行い管理者への土地の返還が完了したら、遺骨は決めた方法で供養します。
墓じまいにかかる一般的な費用
では、気になる墓じまいにかかる費用はどのくらいなのでしょうか。ここでは一般的な墓じまいにかかる費用について紹介します。
平均相場
墓じまいにかかる費用の平均相場は約500,000~2,000,000円といわれています。内訳は、墓石の撤去費用や整地工事費、遺骨の供養代などです。
墓じまいにかかる費用の相場
墓石の撤去、処分、整地工事費 | 約100,000円 (1平方メートルあたり) |
墓じまいをした後の遺骨の供養 | 約50,000円~1,500,000円 |
書類の発行手数料、離壇料、お布施 | 発生する場合に必要 |
墓石の撤去工事や整地工事の費用は、お墓の大きさや面積によって異なります。また、処分する墓石の量や、墓じまいするお墓の立地条件にも左右されることも重要なポイントです。
墓じまいをした後の遺骨の供養は選んだ納骨先で決まります。一番費用がかからないのは手元供養ですが、納骨堂などに納める場合は納骨堂の費用や管理費がかかりますし、供養先によって価格は大きく変わります。
お寺にお墓がある場合は、墓じまいの際に離壇料を支払わなければならないケースもあります。
供養方法の相場価格
新しい供養方法によっても費用は大きく変わります。供養方法ごとの相場価格は以下のとおりです。
永代供養墓、合葬墓 | 50,000円~300,000円 |
納骨堂 | 300,000円~1,500,000円 |
手元供養 | 30,000円~100,000円 |
散骨 | 50,000円~400,000円 |
墓じまい費用が予算をオーバーした時のお金の工面方法
墓じまいにはまとまった費用が必要です。このくらいで大丈夫かなと思って用意していた金額以上になった時には、兄弟姉妹や親戚に一部を負担してもらうなど相談してみましょう。
頼る相手がいない場合には、ローンを利用するという選択肢もあります。
カードローン
カードローンは消費者金融会社や銀行が行っている無担保で借りられるローンです。クレジットカードのような年会費や入会金も不要で、利用目的も原則として自由ですので、墓じまいの費用としての利用も可能です。
消費者金融が発行するカードローンなら即日融資に対応しているため、急いでお金を工面しなければならない方には消費者金融のカードローンがおすすめです。
セゾンファンデックスでは「かんたん安心カードローン」を取り扱っています。
80歳まで申し込み可能で、即日融資にも対応しています。契約対象者も「申し込み時の年齢が20歳~80歳までの定期収入のある電話連絡可能な方」となっており、比較的申し込み条件も緩やかになっています。
目的別ローンを利用する
目的別ローンを利用するという方法もあります。資金使途が決まっているため、資金使途が原則自由なカードローンよりも低金利での借り入れが可能です。
お墓に関する目的別ローンとしては、金融機関で利用できるローンもあります。石材店で扱っている「メモリアルローン」は、墓石ローンと呼ばれることもあり、以下の目的に利用できます。
- お墓の設置費用
- お墓の本体代金
- お墓への彫刻費用
- 葬儀費用
- 永代使用料の支払い
- 仏壇や仏具の購入費用
また、フリーローンを利用する選択肢もあります。
セゾンファンデックスでは「かんたん安心フリーローン」を用意しており、80歳まで申し込める点や、2ヵ月に1回の返済も可能としているといった特徴があります。
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まとめ
墓じまいをするには、さまざまな手続きが必要ですし、それぞれに費用がかかります。
事前に墓じまいにかかる費用を把握しておくことで、計画が立てやすくなります。また、予想以上に費用がかかってしまうことに不安を感じているなら、セゾンファンデックスの「かんたん安心ローン」を検討してみてはいかがでしょうか。年金受給日にあわせて2ヵ月に1回の返済など、計画的に返済したい方に向いているのは、資金使途が自由な「かんたん安心フリーローン」ですが、急な出費に備えておきたいと考えている方には「かんたん安心カードローン」がおすすめです。