相続財産で最大の財産はやはり「土地」!相続税の節税に欠かせない「小規模宅地等の特例」活用のポイント

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相続財産で最大の財産はやはり「土地」!相続税の節税に欠かせない「小規模宅地等の特例」活用のポイント

親の相続税あるいは自分の相続税が、そろそろ気になっている方へ、是非、知っておいて欲しい相続税の節税ポイントを紹介します。

1.相続財産で最も大きいのは土地

国税庁では毎年、相続税の申告事績を公表していますが、その中に、相続財産の金額の構成比があります。令和元年分までの構成比の推移は、次のとおりとなっています。

出典:令和元年分 相続税の申告事績の概要|国税庁 (nta.go.jp)

この表を見ればわかるように、土地は年々下がっているとはいえ、相続財産に占める割合が最も大きくなっています。しかも土地は路線価などで評価しているため、低い評価額となっており、実態としてはもっと大きな割合を占めているといえます。

したがって、相続税を抑えるためには、土地をどのように評価するか、ということが非常に重要になってきます。

中でも、今回取り上げる小規模宅地等の特例を、いかに有効に使えるかどうかが、大きなポイントとなってきます。しかもこの特例を使うためには、生前にその要件を整えておく必要がありますので、是非、皆様にその概要を知っておいて欲しいと思います。

2.小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは、被相続人(亡くなられた方)が住んでいた自宅の土地、あるいはアパートやマンション、その他事業に使用していた土地の評価を、一定面積まで最大80%評価減できる特例です。

たとえば、自宅の土地を路線価で評価したら1億円であった場合、その80%の8,000万円が評価減され2,000万円の評価になるわけですから、非常に大きいといえます。相続税の節税対策を考える際、まずはこの小規模宅地等の特例がしっかり使えるのかどうか、これを確認することが大事です。

では、具体的にどのように評価減されるのか、下記の表にまとめてみました。

<小規模宅地等の特例の概要>

3.被相続人が住んでいた土地の評価減

(1)配偶者または同居親族がいる場合

上記の表、細かくてわかりづらいかも知れませんね。少しわかりやすく解説したいと思います。上記表の中で最も多く使われるのは、Aの特定居住用宅地等です。すなわち、亡くなられた方が住んでいた自宅の土地です。

この自宅には配偶者や親族が同居している、これから住むことになるかも知れません。いわば生活の本拠地としての土地ですので、これに多額の相続税がかかって、万が一売却せざるを得なくなると、残された家族が途方に暮れてしまいます。そうならないよう、この小規模宅地等の特例が用意されています。

このような趣旨から、この特例が適用できるのは、配偶者および同居している親族が相続した場合が基本となっています。配偶者は無条件で本特例を適用することができます。同居親族はこの土地を継続して所有し、継続して居住していることが要件となります。

相続税対策を考えるのであれば、このような状況になっているかどうかを確認しましょう。配偶者がいるのであれば、配偶者が相続すれば良いので、たとえその後売却したとしてもこの特例を使うことができます。

配偶者がおらず、同居親族もいない、つまり親が1人で住んでいる場合などは、子が同居することによってこの特例が使えるようになりますので、同居や二世帯住宅などへのリフォームを考えることが相続税対策になります。

なお、上記の継続所有、継続居住というのは、相続税の申告期限(亡くなられてから10ヵ月)まで、継続すれば良いこととなっています。

(2)配偶者や同居親族がいない場合

配偶者が既に他界しているなどでいない場合、かつ、同居している親族(相続人)がいない場合は、小規模宅地等の特例は使えないのでしょうか?

この場合でも、小規模宅地等の特例を使えるケースがあります。それは、通称「家なき子」が相続した場合です。家なき子の定義については、表の下の(注)に書かれているとおりです。過去3年間に自己や親族等の所有する家屋に住んでいない、ということです。アパートやマンション、社宅などに住んでいる場合などがこれに該当します。

昨今の税制改正により、家なき子の要件が厳しくなっています。自分の所有していた家を親族に贈与して住み続けることなどもできなくなっています。まだまだ相続まで時間があるようでしたら、このような状況を解消しておくことも相続税対策につながります。

(2)生計一親族の住んでいる土地とは

特定居住用宅地等には、被相続人が住んでいる土地の他、他の土地でも受けられる場合があります。それが表のAのb、生計一親族が住んでいる土地です。生計一親族とは、生計が一緒、つまり同じお財布で暮らしているということで、多くの場合は同居している場合です。ただ、同居している場合は被相続人が住んでいる土地になりますので、別なところに住んでいる生計一親族の土地、ということになりますね。

どのような場合が該当するかというと、たとえば子が大学に通うため、家を出て、親が所有するマンションに住んでいるようなケースです。大学生の子に生活費や学費を仕送りしているのであれば生計一と言えます。その生計一親族である子が住んでいるマンションの土地持分は、万が一、親が亡くなった場合は、特定居住用宅地等に該当するということです。あまりないケースかも知れませんがご紹介しました。

4.2世帯住宅は同居になるか?

被相続人が住んでいた土地で、小規模宅地等の特例を受ける要件の1つに、同居親族が相続するという要件がありました。そこで、父母2人で住んでいる建物をリフォームして、2階を子世帯が住めるように改装したとします。玄関も別々にして独立して住めるようにし、家屋の中では行き来できない住宅にした場合、これは果たして親と同居していると言えるのかどうか、疑問を持つかも知れません。

結論から言えば、このような完全分離型の二世帯住宅であっても、同居とみなして小規模宅地等の特例を適用することができます。ただし、区分所有登記をした場合には、一の建物ではなくなるため、小規模宅地等の特例の適用を受けることができなくなります。

子がリフォーム費用を支払った場合でも、共有登記にしておけば特例を受けることができますので、その点ご注意いただければと思います。なお、既に区分所有登記になっている場合は、家屋の合併登記をして共有にできないかどうか、検討することをおすすめします。

5.隣に建てた住宅は同居になるか?

親が所有する土地に余裕があるため、隣に子世帯の住宅を建てる、ということもよくあるかと思います。この場合の小規模宅地等の特例はどうなるのでしょうか?隣や離れに建てた住宅は、近くにあって同居に近い機能はありますが、あくまで2軒の家ということになります。したがって、同居していることにはなりません。

母屋に両親が住んでいて、離れに子世帯が住んでいる状態で、父親が亡くなった場合、母親が土地を相続すれば、母屋の敷地については小規模宅地等の特例を受けることができます。この場合、子が生計一親族であれば、子世帯が住んでいる敷地も小規模宅地等の特例の適用を受けることができます。

ただし、同居していない場合に生計一であると認められるのはかなり難しいといえます。子は子で稼ぎがあり、親は年金と今までの貯蓄で生計を立てているのであれば、生計一ということはできません。ましてや、親に家賃収入などがあれば生計一というのは難しいでしょう。

両親がいる場合は、配偶者が相続することで一部でも小規模宅地等の特例を受けることができます。ただし、一方の親が亡くなった場合は、二次相続で小規模宅地等の特例を受けることは難しくなってしまいます。この場合には、別々に住むのをやめ、同居することなどを考えていくことも必要と思われます。

以上、今回は小規模宅地等の特例のうち、特定居住用宅地等のみを解説しました。

それ以外の小規模宅地等の特例については、また、機会を見て解説していきたいと思います。

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