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猫の避妊手術の費用の相場は?施術時期はいつがベスト?補助金と併せて解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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「猫を飼い始めたけれど、避妊手術はいつすれば良いの?」「避妊手術費用はいくらくらいかかる?保険適用や助成金はあるの?」など猫の避妊手術に関して気になることは多いと思います。

このコラムでは、猫の避妊手術の時期や手術によるメリット・デメリット、避妊手術費用に関して紹介していきます。猫の避妊手術に関して基本的なことが知りたい方や、愛猫に避妊手術を受けさせるのに不安がある方はぜひ参考にしてみてください。

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猫の避妊手術をする時期とは?どんな手術をするの?

猫の避妊手術をする時期とは?どんな手術をするの?

ここでは猫の避妊手術をするのに最適な時期や手術の流れ、術後のケアについて紹介していきます。

猫の避妊手術をするならいつが良い?

猫の避妊手術は、メスは生後4~12ヵ月、オスなら生後8~12ヵ月を目安に行いましょう。これは猫が繁殖可能になる月齢であり、繁殖可能になってから初めての発情を迎える前に避妊手術を行う必要があるからです。まだ子猫だからと手術を先延ばしにして、適期を逃してしまわないようにしましょう。

しかし早い月齢で手術を行うのが全ての猫にとって必ずしも良いわけではなく、猫も人間と同じように体調や成長スピードに差があります。まずはかかりつけの動物病院に避妊手術の時期を相談すると良いでしょう。

避妊手術の流れとは?

ここでは猫の避妊手術の流れについて紹介していきます。

術前準備

避妊手術を受けるには、一度かかりつけの動物病院で相談をして避妊手術の予約や当日の流れの案内を受けましょう。避妊手術は全身麻酔をして行うため、麻酔前には12時間以上の絶食を指導している動物病院もあります。これは胃の中に未消化物が残っていると、麻酔により力が抜けて嘔吐してしまう可能性があり、誤嚥のリスクを避けるためです。

絶食の指導を受けた場合は、前日の食事は早めに終わらせます。当日は水も飲んではいけないことがありますので、かかりつけの獣医師の指導にしっかりと従い、手術に備えましょう。

手術

避妊手術当日は術前検査を行い、避妊手術が可能であれば病院に猫を預けます。避妊手術に関する不明点があれば、納得するまで説明を受けてから手術の同意書にサインをしましょう。避妊手術は全身麻酔をして行っていきます。

避妊手術に当たっては、手術部位と周辺の毛を剃って消毒をする必要がありますので、飼い主は術後に毛がないことに驚かないような心構えをしておきましょう。

オスは精巣を取り除く去勢手術、メスは卵巣もしくは卵巣と子宮の両方を取り除く避妊手術を行っていきます。避妊手術自体は1時間前後で終了し、あとは麻酔から目が覚めるのを待つだけです。

手術中、万が一何かあった場合にすぐに連絡が取れるようにしておきましょう。

術後管理

麻酔から目を覚ましたら、手術室から入院室に移動して術後の状態をチェックしていきます。呼吸状態や心拍、体温などを確認し、補助なしで歩けるようになるまで丁寧に観察を続けるのが特徴です。

酸素投与や保温が必要であればICUにて管理する場合もあります。麻酔から目を覚ましたときの猫の精神状態が不安定でないか、痛みがないかなど、動物病院では細かい箇所まで注意を払っています。

避妊手術は日帰り?術後の様子やケアについて

健康状態が良ければ術後3~4時間で自宅静養に移ることが可能です。術後の経過によっては入院をして経過観察が必要なケースもあります。迎えに行ったときに手術後の管理方法や通院の有無などを確認するようにしましょう。

自宅では退院時の指導を守ってケアを行い、処方された薬を投与して安静に過ごさせましょう。術後に出血する、元気がない、便がゆるいなどいつもと変わった症状がでたら、自己判断をせずにまずは獣医師に状況を説明して指導を仰ぐことが大切です。

猫の避妊手術はしない方がいい?メリットやデメリットを考えよう

猫の避妊手術はしない方がいい?メリットやデメリットを考えよう

猫の避妊手術はメリットだけでなく、デメリットがあるのも事実です。双方の側面から検討して、愛猫とご自身にとって後悔のない選択をしていきましょう。

猫の避妊手術のメリット

ここでは猫の避妊手術のメリットを3つ紹介していきます。

卵巣や子宮などの病気を防げる

避妊手術をすると、メス猫の死因に多く見られる乳腺癌を予防する効果が期待できます。

乳がんの発生はホルモンバランスと関係があるとされ、避妊手術が乳腺癌の発生率を低下させるのです。しかし乳腺癌の発生率を抑えるためには早期の避妊手術が必要であり、2歳を超えると乳腺癌の予防効果はゼロに近くなってしまいます。獣医師に相談しながら、早期の手術を検討しましょう。

他にも卵巣や子宮を摘出するので生殖器の疾患を防げるようになります。またメス猫だけでなくオス猫特有の病気の予防にも期待ができ、精巣腫瘍の予防や雄性ホルモンが関与しているとされる前立腺疾患、会陰ヘルニアの発生率を下げるといわれています。

外に出る猫であれば、オス同士の喧嘩が少なくなる、交尾をしなくなる、などを理由に猫免疫不全ウイルスや猫白血病ウイルスの感染症リスクを低下させるのです。

予定していない妊娠を避けられる

猫の避妊手術は望まない妊娠を予防できます。飼い猫の場合でも誤って外に出てしまったり、他の猫が家の中に侵入してきたりして妊娠をしてしまう可能性もあります。猫は1回に平均で3~5匹の子猫を出産しますので、飼えないこともあるでしょう。

また、外で産んでしまったら、子猫は野良猫として殺処分されてしまう場合があります。飼いきれないのであれば、避妊手術をするのも命を守る1つの方法なのです。

発情期がなくなる

避妊手術をすると発情期がなくなるため、発情による大きな鳴き声や、頻繁に人やものに身体をこすりつける行為を防げます。また避妊手術をしていない場合に発情をすると、生殖本能を叶えられなかったときに猫は強いストレスを感じ、体調を崩してしまう場合もあります。

避妊手術をすることは、猫の発情期による飼い主へのストレスだけでなく、猫へのストレスをも軽減できるのです。

後悔しないために知っておこう!猫の避妊手術のデメリット

ここでは猫の避妊手術のデメリットを3つ紹介していきます。

手術におけるリスク

避妊手術や全身麻酔によるリスクはゼロとはいえません。猫の年齢や体調によってリスクがゼロにはなりませんが、少しでもリスクを減らすために動物病院では術前検査を行い、猫が安全に手術を受けられる状態であるかをチェックしてから手術を行っています。

飼い主であれば手術におけるリスクを心配するのも当然ですので、獣医師よりしっかりと説明を受けて、納得したうえで手術をお願いすると良いでしょう。

太りやすい

卵巣や子宮を取り除くとホルモンバランスが変化し、代謝が落ちて太りやすくなる傾向にあります。

オスの場合は、徘徊行動をあまりしなくなることで活動量が低下し、太りやすくなるとも考えられます。手術前と同様の食事をしていても太ってしまう場合があるため、食事の量やカロリーを減らすなど食事面の工夫が必要です。

肥満になると関節炎の原因や糖尿病のリスクが高まる可能性があります。太ってぽっちゃりとしたフォルムがかわいいと、肥満をそのまま見過ごしてしまう飼い主もいますが、愛猫の健康を最優先に考えてあげることが大切です。肥満の心配があれば動物病院で肥満度判定をしてもらい、減量に取り組む場合は栄養不足にならないよう獣医師からアドバイスを受けながら行うと良いでしょう。

他の病気を誘発することも

避妊手術を行うと他の病気を誘発する場合があるといわれています。しかしまだはっきりとしていないため、頭の片隅に置いておきましょう。

猫の避妊手術にかかる費用はペット保険が使える?補助金は?

猫の避妊手術にかかる費用はペット保険が使える?補助金は?

ここでは猫の避妊手術にかかる費用やペット保険が適応できるのか、補助金制度はあるかについて紹介していきます。

猫の避妊手術の費用相場

避妊手術の費用は動物病院によって幅があります。メスの避妊手術で卵巣を摘出する場合は10,000〜30,000円、卵巣と子宮を摘出する場合は10,000〜40,000円が費用相場です。

オスの去勢手術の相場は5,000〜20,000円です。その他にも入院費用や麻酔費用が別途でかかるケースもありますので、手術を検討している動物病院で事前に確認しておきましょう。

猫の避妊手術にペット保険は使える? 

決して安いとはいえない猫の避妊手術ですので、ペット保険に入っている方は避妊手術が適用されるか疑問を持つかもしれません。基本的には猫の避妊手術は補償対象外です。

ペット保険はケガや病気の診療費を補償対象としているものですので、残念ながら予防治療である避妊手術は該当しません。しかし病気により生殖機能を摘出する場合はペット保険が適用されることもあります。

クレディセゾンでは「ペット保険」も取り扱っています。年齢の上限がないプランもあるので高齢のペットを飼っている方にもおすすめです。まだペット保険に入っていない方や見直しを検討している方は、以下のリンクよりお問い合わせください。

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猫の避妊手術に補助金が出るって本当?!

お住まいの県や市によっては猫の避妊手術に対して補助金が出る場合があります。ここではどんな場合に補助金が出るのか、3パターンを例に挙げて紹介していきます。あくまでも例ですので、補助金が出るのか、対象に該当するのかはお住まいの市区町村に問い合わせをしましょう。

市内の飼い主のいない猫を保護する場合

市内に生息する飼い主のいない猫を市内にお住まいの方が保護する場合、手術費用の一部を補助してくれる地域もあります。手術は市が指定した病院に限る場合もありますので、事前に確認をしていくと安心です。また、手術の証として猫の片耳をVカットする場合もあるため、念頭に置いておきましょう。

市に登録済みの飼い猫へ避妊手術をする場合

市によっては飼い猫に対してのみ避妊手術の一部に助成金が出る場合があります。助成金を受け取るには術前申請が必要な場合もありますので、事前に市に問い合わせをしましょう。

獣医師会による飼い主のいない猫への助成事業

市の獣医師会により市内に生息する飼い主のいない猫への避妊手術に対して助成事業を実施しているケースもあります。避妊手術の助成金に関しての問い合わせは市役所だけでなく、市の獣医師会にも確認してみると良いでしょう。

術後にこんな様子があったら注意!獣医師に相談しよう

術後にこんな様子があったら注意!獣医師に相談しよう

ここでは術後の様子によって、注意が必要な症状について紹介します。手術が無事に終わったから一安心ではなく、術後の経過もよく観察することが大切です。

体温の低下や震え

術後は体温が低下していないか、身体が震えていないかを確認しましょう。手術後1日程度は寒さや痛みで震えることもありますが、体温の低下が著しかったり、震えが長時間続いたりする場合は動物病院に連絡をしましょう。

意識がない場合は震えでなく痙攣の可能性がありますので、すぐに受診することが大切です。また、手術後何日か経ってから、手術の傷の違和感で後ろ足を伸ばして震えるような様子が見られる場合もあります。

排泄がいつもと違う

手術後は排泄をいつもより注意深く観察しましょう。避妊手術はお腹の臓器を摘出しますので、手術後に排泄がスムーズにできているかチェックすることは、手術によって他の臓器が影響を受けていないかどうかの判断材料にもなります。

また尿や便の状態で、手術によるストレスを受けていないか、体調を崩していないか、という健康状態も把握できます。排泄がスムーズにできていない、尿や便の状態がいつもと違う、ということがあれば動物病院に相談をしましょう。その際に、尿や便の状態を伝えられるよう記録を残しておくと良いでしょう。

食欲がない・元気がない

手術直後はさまざまなストレスから元気がなくなる猫もいます。これは手術という怖い思いにより、突発的な抑うつ状態になるためです。また術後の痛みやエリザベスカラーによる動きにくさから元気がない場合も考えられます。

大体の猫は1~2日で元気に走り回るようになりますが、3日以上経っても元気にならなかったり、食欲が戻らなかったりする場合は注意が必要です。

絶食状態が続くと病気を引き起こす場合もありますので、動物病院に相談をしましょう。また、ぐったりとしている場合や、呼吸が辛そうな場合はお腹の中で出血している可能性もありますので、すぐに動物病院を受診しましょう。

避妊手術したけど発情している

避妊手術をしたのに発情をするケースがあります。これは手術前に発情を経験している猫や、病院側の副卵巣の確認ミス、卵巣や子宮の取り残しなどが考えられます。

再手術で対応可能ですが、手術は猫にストレスがかかるのも事実です。獣医師とよく相談したうえで、猫にとって最適な対処法を選択すると良いでしょう。

おわりに

愛猫の避妊手術に対して、ネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれません。もちろん麻酔やメスを入れるのは心配になると思いますが、避妊手術は愛猫の病気予防にもつながります。

手術が心配であれば、まずはかかりつけの動物病院で納得するまで説明を受けると良いでしょう。ただし悩みすぎて、避妊手術の適期を逃さないように注意が必要です。

避妊手術による助成金制度はお住まいの市区町村によっても異なるため、手術を受ける前に調べて、補助金が受けられるようであれば申請の流れを把握することが大切です。

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