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初詣はいつまで?適切な期間や時間帯など知っておきたいマナーをご紹介

初詣はいつまで?適切な期間や時間帯など知っておきたいマナーをご紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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お正月に神社やお寺を参拝する「初詣」。2023年を迎えたら初詣に行こう、と今から予定を立てている方もいらっしゃるのではないでしょうか。初詣は、日本に居ればなじみのある風習です。しかし、いつまでに行けば良いのかなど具体的な決まりなどについて知らないことも多いイベントかもしれません。今回は、初詣に関する基本的な知識や知っておきたいマナー、作法などのポイントをまとめてご紹介します。

1.初詣とは?

1.初詣とは?

お正月の恒例行事「初詣」は、年明け初めての神社・お寺の参拝を指します。旧年中の感謝や新年の多幸を祈願する風習です。その由来は、新年の平安を祈願する「年籠り(としごもり)」からきており、大晦日の夜から元日の朝にかけて、社寺に籠って不眠不休で行われていました。

年籠りは、大晦日の夜に参る「除夜詣(じょやもうで)」、元旦に参る「元日詣(がんじつもうで)」に分けられています。それが時代によって変化し、元日詣を原型として根付いたのが現在の初詣になるのです。

もともとは居住地域の氏神様が祀られる社寺、または新年の恵方にある社寺を参拝する「恵方参り(えほうまいり)」をするのが習わしでした。しかし、時代の流れとともに居住地域や恵方にとらわれず、名のある社寺を自由に選んで参拝するスタイルに変遷していきます。初詣という言葉が使われ始めたのは大正に入ってからで、案外歴史の浅いものなのです。

2.初詣はいつでも良い?期間と時間帯

初詣といえばお正月三が日に参拝している、またはその期間内に行くものだというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?とはいえ、実際にはいつまでに行けば良いのかよく知らないという方もいらっしゃるはず。では、初詣として正しい期間はいつまでなのか、初詣に適した時間帯や日取りはあるのか見ていきましょう。

2-1.一般的に松の内まで

初詣は、1月1日~3日の三が日の間に訪れる方が多いでしょう。一般的には、「松の内(まつのうち)」の期間内に参拝するのが目安とされています。松の内とは、お正月に年神様がいらっしゃる際の目印・案内役となる門松や松飾りといった松を飾っておく期間のことです。

松の内の期間は関東・関西で異なり、関東地方では1月1日~7日、関西地方では1月1日~15日までとしているところが多いようです。

2-2.どうしても難しい場合は2月中までを目安に参拝 

2-2.どうしても難しい場合は2月中までを目安に参拝 

初詣の期間は松の内までが一般的であるとしましたが、それを過ぎたら行ってはいけないということではありません。節分の翌日にあたる「立春(りっしゅん)」までに参拝しようという考えもあるのです。

また、昨今の新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況から、全国の各神社・お寺では、新しい生活様式に則った感染拡大の予防対策を講じています。本来は松の内までと期間を設けていた社寺も、旧正月にあたる2月1日、節分の2月3日、旧小正月の2月15日まで参拝期間を延長するなどして「分散型初詣」を呼びかけているところもあります。

マスクの着用や検温、手指の消毒を義務付ける社寺もあり、今までとは違ったスタイルでの初詣が広まっています。松の内までに参拝するのが難しい、人混みや混雑を避けてゆっくり安全に参拝したいという方は、2月中を目途に参拝すると良いでしょう。

2-3.初詣に適した時間帯

初詣に適した時間帯やそれについての決まりのようなものは特に存在しません。何時に参拝しようと問題はなく、仏滅だからといって初詣に行ってはいけないということもないのです。

ただし、神社・お寺が開門している時間であること、且つ心に余裕を持ってお参りできる日程で参詣することが無難でしょう。三が日や松の内の期間は夜間帯に開門している社寺もありますが、そうでないケースもあります。

深夜や早朝に参拝を予定する際は、事前に開門時間を調べておきましょう。元日や三が日の午前中は、お正月の中でも特に混雑が予想されます。ゆっくり落ち着いてお参りするには、午後からの時間帯や人出の減少する1月4日以降に参拝するのも得策です。

3.初詣で知っておきたい基本マナー

初詣には、参拝時の作法はもちろん、基本的なマナーや注意点もあります。ここでは知っておきたい初詣におけるマナーをご紹介します。

3-1.初詣の回数は?

3-1.初詣の回数は?

初詣の回数に制限はありません。「何回も行ったら罰当たり」ということもないためご安心ください。ただし、お参りの順番はあるため注意しましょう。まずは自宅の神棚に年神様をお迎えし、年神様とご先祖様への挨拶をするのが基本です。

神棚がない場合は、鏡餅が年神様の拠り所とされます。その次に、地域の神社・お寺を参拝しましょう。居住地域とは異なる有名な社寺への参拝は最後です。神社やお寺に祀られる神様・仏様のご利益は各社寺によって異なります。

ご利益毎に複数の神社・お寺を参拝してもマナー違反にはなりません。感謝の気持ちを忘れず、神様・仏様を敬う気持ちを持っていれば、何回初詣に行こうと構いません。

3-2.願い事の数は?

願い事の数はひとつでなければならないのか、いくつもお願いするのはマナーに反するのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。初詣における願い事の数や内容に関しては、これといった決まりはありません。

しかし、欲張ってたくさんの願い事をするよりは、的を絞ってしっかりとお願いすることをおすすめします。また、到着するや否や、いきなり願い事をするのはやめましょう。まずは旧年の報告とお礼をし、それから新年の抱負や願い事をお伝えするのがマナーです。

ご利益を授かるためには、祈願する際にご自身の名前と住所も併せてお伝えすること、帰りは寄り道をせずにまっすぐ帰宅することが良いともされています。

3-3.神社とお寺、どちらに行くのが正解?

初詣というと神社を参拝するイメージを持つ方が多いかもしれませんが、お寺を参拝する方法もあるのはご存知でしょうか。

そのため、どちらが正解・不正解という概念は当てはまらないのです。神社には神様が、お寺には仏様が祀られていますが、日本において神社とお寺がはっきりと区別されたのは、明治に入って発布された「神仏分離令(しんぶつぶんりれい)」からです。それまでは、日本古来の神道と仏教信仰を合わせてひとつの信仰体系とする「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」と呼ばれる状態がありました。

初詣の際、社寺を選ばず参拝するのは、この神仏習合がベースになっています。信仰上の理由など、明確に神社・お寺のどちらかに行きたいという想いがない限り、どちらに初詣に行っても構いません。ただし、神社とお寺では参拝マナーが異なります。作法を事前にチェックしてから参拝するようにしましょう。

3-4.喪中の場合は?

3-4.喪中の場合は?

喪中に新年の挨拶や年賀状のやり取りをするのは、避けたほうが良いという話は聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、喪中に初詣に行くことに関してはよく分からない方も多いでしょう。喪中の初詣については、各神社・お寺によって考え方が異なります。死を穢れ(けがれ)と捉える神道では、喪に服している喪中の1年間は参拝するべきでないと考える神社もあれば、忌中の50日を経過すれば参拝しても良いとする神社もあり、神社によってさまざまな解釈を採用しているのです。

死を穢れと捉えない仏教の場合は、ご先祖様や故人に新年の挨拶をするという意味で、忌中でも喪中でも参拝することに問題はありません。そのため、忌中に初詣をしたいのならば、お寺を参拝すると良いでしょう。

4.初詣の一般的な参拝マナー

先ほどお伝えしたとおり、初詣の参拝先には神社とお寺、2つの選択肢があります。どちらを参拝しても構いませんが、祀られているのが神様なのか仏様なのかという違いによって、参拝方法が異なるため注意が必要です。間違ったやり方をして恥ずかしい思いをしないよう、それぞれの正しい作法やマナーを押さえておきましょう。

4-1.神社の場合

神社にお参りに行く場合、まずは鳥居をくぐります。軽く一礼し、中央をくぐるのを避けるようにして手水舎(「てみずや」「てみずしゃ」などいくつか呼び方あり)へ進みましょう。手水舎では、参拝前に左手・右手・口・柄杓の持ち手の順に清めていきます。手水舎で手と心を清めたらいよいよ参拝です。

拝殿に向かい、軽く一礼してからお賽銭を納めて鈴を鳴らしましょう。神社での拝礼は「二礼二拍手一礼」です。姿勢を正して深く2回お辞儀し、両手を胸の高さまで持ってきたら、右手を少し手前に引いて2回拍手します。

そのまま手を合わせて目を閉じ、旧年の報告や感謝を述べてから、新年の挨拶と願い事を済ませましょう。最後にもう一度姿勢を正し、深く1回お辞儀をして終了です。神社によっては礼と拍手の回数が異なるケースがあります。参拝する神社の作法を事前に確認しておきましょう。帰りも、鳥居をくぐる際は軽く一礼します。

4-2.お寺の場合 

4-2.お寺の場合 

お寺にお参りに行く場合、まずは山門をくぐります。軽く一礼し、敷居を踏まないようまたいで手水舎へ進みましょう。手水舎でのお清めは、神社のときの方法と同様です。線香やろうそくを買い求める場所、香閣(こうかく)があるお寺の場合、煙を浴びて身を清めます。

次は参拝です。本堂・本尊に向かい、軽く一礼してからお賽銭を納めましょう。鰐口(わにぐち)などの仏具があれば、1回鳴らします。合掌しながら感謝と祈願の言葉を心の中で述べ、最後に深く一礼して終了です。帰りも山門をくぐる際は軽く一礼し、敷居を踏まないようまたいで出ましょう。

4-3. 参道はどこを歩く?

参道は、神社・お寺を参拝する際、鳥居や山門をくぐって向かう本殿へと続く道です。人通りの多い主要な参道を「表参道」、脇道を「裏参道」といい、規模の大きい社寺になると、街道筋などの大通りも含めて参道とするケースもあります。

参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれる神様の通る道であるため、参拝時は参道の中央を避けて端を歩くのがマナーです。そうすることで、神様や仏様に対する敬意を表すことができます。参道の中央を横切る時は、軽く頭を下げたり一礼したりするなどの敬意を払いましょう。

4-4.お賽銭の金額

お賽銭の金額に、何円以上でなければならないなどの決まりはありません。お賽銭は、祈願成就のお礼に神様や仏様に奉納するお金です。初詣の際、たまたま財布に入っていたお金を納めることでも問題はありません。また、神社とお寺ではお賽銭の解釈が異なることはご存知でしょうか。

神社におけるお賽銭とは、神様に対して感謝の気持ちを伝える方法です。お寺でのお賽銭は、自らの欲を捨てる修行の一環である「お布施(おふせ)」という意味になります。いずれにせよ、金額ではなく気持ちを込めて納めるのが大切。5円(=ご縁)や穴の開いた硬貨(=見通しが良い)など縁起の良い語呂合わせの金額を納める楽しみもありますが、最近では電子マネーで納めるお賽銭もあるようです。

5.参拝後の基本マナー

5.参拝後の基本マナー

初詣に関する知識や基本的なマナー、参拝方法などが分かりました。ここからは、参拝後のマナーについてご紹介します。参拝後のマナーとは、初詣の際に引いたり購入したりするおみくじにお守り、絵馬・破魔矢といったものの取り扱い方についてです。参拝が終われば完了ではない点があるので、ここでおさらいしておきましょう。

5-1.引いたおみくじはどうする?

初詣で引いたおみくじは、その吉凶に関わらず、境内の指定場所に結んで帰っても良し、持ち帰っても良しとされています。木の枝などに結んで帰る際は、神仏とのご縁に感謝してからさらなるご加護を祈願しましょう。

大凶や凶といった運勢の悪いおみくじを引いた場合、利き手とは反対の手で結ぶと吉に転じる、という言い伝えもあります。おみくじは、大吉から大凶まで7段階から12段階に分けられた運勢占いですが、神様や仏様からのありがたいメッセージです。大吉でも大凶でも自宅に持ち帰り、おみくじに示された内容を読み返してみませんか?自分自身を戒めるお守りのようなものとして、1年間大切にするという方法もあります。

5-2.お守りやお札の取り扱い作法は?

初詣で授かったお守りやお札はどのように扱い、どのように返納するかご存知でしょうか?お守りは、常に身に付けることで自分を守ってくれるものです。お札は、神棚や家具の上など見下ろさない場所に祀ってご加護をいただくものです。初詣の回数や願い事の数などと同様に、お守りやお札を複数授かることに問題はありません。祈願内容に合わせて授かりましょう。

授かった1年間を平穏に過ごせるよう神仏を宿したお守り・お札は、その1年が過ぎれば返納します。これらは授かった神社・お寺にお返しするのが最適ですが、遠方の社寺で授かったものを直接お返しできないケースもあるでしょう。そのような場合は、郵送での受付の有無、近隣の社寺での対応の有無を問い合わせることをおすすめします。神社で授与されたものは神社へ、お寺で授与されたものはお寺に返納するのが作法です。

5-3.絵馬は書くべき?

5-3.絵馬は書くべき?

木製の板に絵が描かれている絵馬は、神様に願い事をお伝えする時や祈願成就のお礼をする時に神社に奉納するものです。より強く、明確に願いを届けたい場合には、絵馬を奉納すると良いでしょう。絵馬には、願い事の他に住所・氏名・日付などを記入して奉納します。

縦書きで書かれることが多いようですが、横書きでも問題ありません。個人情報保護の観点から、詳細な住所を記入する必要はなく、氏名もイニシャルやニックネームで大丈夫です。「奉納」であるため、おみくじのように結ぶか持ち帰るという選択肢はありません。指定の場所に結んで帰りましょう。結ぶ際は、願い事を書いた面が見えるようにし、他の方の絵馬を落とさないようスペースに余裕のある場所を選ぶのがマナーです。

5-4.破魔矢は買うべき?

破魔矢(はまや)は、その名のとおり「魔を破る」魔除けに用いられる矢です。また、その形状から「好機を射止める」という意味もあり、破魔矢を放つ弓は、破魔弓(はまゆみ)と呼ばれます。授かった破魔矢は神棚や床の間に飾るのが望ましいですが、それらがない場合は家具の上など見下ろさない場所に飾りましょう。

その際、破魔矢に上下があるため向きに注意しましょう。神仏に矢を向けないよう羽を上に、矢を下にしてください。お正月の縁起物として神社・お寺で授与されますが、新築の棟上げ式に立てたり、男児の初正月や初節句に贈ったりする習慣もあります。

お守りやお札と同じように、授かってから1年経った破魔矢は授与された神社・お寺に返納するのが作法です。返納した破魔矢は、「お焚き上げ」や「どんど焼き」と呼ばれる方法で焼納されます。小正月にあたる1月15日までに焼納する社寺が多いため、それまでに返納すると良いでしょう。

おわりに 

このコラムでは、お正月の恒例行事である初詣について解説しました。いつまでに参拝すると良いのか?という疑問に関しては、松の内が一般的ですが、新型コロナウイルス感染症の影響などを鑑みて2月中を目安にすると良いでしょう。神社やお寺を訪れる際は、それぞれの参拝方法やマナーを守り、気持ち良く新年を迎えられるよう事前確認やおさらいをお忘れなく。また、お守りなどの授与物の取り扱いについても、マナーや作法を知っておきましょう。

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