不倫相手と別れたいと考えた時、できれば穏便に別れたいと望む方がほとんどではないでしょうか。不倫相手と関係を続けることで、さまざまなリスクが発生しやすくなります。上手に別れることができなければ、最悪の場合、大きなトラブルへと発展する可能性もあるでしょう。このコラムでは、不倫のリスクをはじめ、不倫相手と穏便に別れる方法について解説していきます。別れ話をする時のポイントなども紹介するので、気になる方はチェックしてみてください。
この記事を読んでわかること
- 不倫相手と穏便に別れるには「率直に別れを伝える」「自然消滅を図る」「嫌われるように仕向ける」といった方法がある
- 不倫相手によっては、別れ話が余計にこじれてしまうケースもある
- 不倫相手との関係を続けるリスクとしては、家族崩壊や仕事への影響、金銭的な問題などが挙げられる
- 基本的に不倫はモラルに反した行為とみなされることが多いため、不倫した当事者は社会的信用を失い、味方となってくれる存在はいないと考えるべき
不倫のリスクとは?
不倫相手と関係を続けることで起こりえるリスクとはどのようなものがあるのでしょう。不倫のリスクについて解説していきます。
家族崩壊
不倫の事実が発覚した場合、配偶者や子どもとこれまで築き上げてきた信頼を一瞬にして失う可能性があり、家族崩壊の危機に陥ります。
関係が修復せずに離婚ということになれば、家族と会えなくなる場合もあるでしょう。また、万が一離婚を回避できたとしても、家庭内別居や仮面夫婦などにつながるケースもあり、事実上の夫婦関係破綻といわざるを得ない状況にもなります。
夫や妻という存在がいるにも関わらず、不倫をしてしまう行為は配偶者を深く傷つけるため、そう簡単に関係が修復するとは考えないほうがいいでしょう。
仕事への影響
社内不倫などの場合で不倫が会社側に発覚した時は、減給や降格、左遷といった何らかのペナルティが当事者に対して課せられることがあります。
たとえ同じ職場で働き続けられたとしても、社会的信用を取り戻すのは難しく、働きづらくなると結果的に退職せざるを得なくなる場合もあるでしょう。不倫は、家庭だけでなくキャリアも失う可能性があります。
金銭的な問題
不倫が「不貞行為(肉体関係)」に該当すると、配偶者から慰謝料を請求される場合があります。慰謝料の金額は不倫の内容や期間などによって変わりますが、相場は50万円~300万円ほどです。
不倫の状況により金額は変わりますが、金銭的リスクはとても大きいものです。また、未婚と偽って交際していた場合などでは、配偶者だけでなく不倫相手からも慰謝料を請求されることがあります。その他、子どもがいる家庭では離婚後に養育費支払いの負担も発生するでしょう。
加害者として孤立する
不倫は一般的にモラルに反した行為とみなされるため、当事者の味方になってくれる存在は周りにいないものと考えたほうがいいでしょう。
不倫発覚後、離婚をきっかけに不倫相手と再婚するケースもありますが、不倫相手との関係が解消されてしまうこともあります。最悪のケースでは、配偶者に離婚をつきつけられ、不倫相手とも関係が解消することになり、不倫の加害者として孤立することになるでしょう。
離婚後に子どもと会えなくなる
不倫が原因で離婚が成立した場合、配偶者側に子どもが引き取られると一緒に住めなくなるだけなく、会えなくなる可能性があります。
離婚後に面会交流をすることは可能ですが、子どもからの信用も失い子ども自身が会いたくないと望むことがあるのです。そういったケースでは、子どもの意志を無視して会うことは難しいでしょう。
不倫相手と穏便に別れる方法
不倫相手と穏便に別れる方法について以下で解説していきます。
別れを率直に伝える
不倫相手と別れる時には、遊びまたは本気の不倫どちらにしても、大前提として当事者本人が「この関係を終わらせる。」という強い決意が必要になります。
そして、曖昧にせず「別れたい。」と、率直に伝えることが大切。不倫相手の気持ちを考え、曖昧な言葉で伝えてしまうと「まだ、相手には気持ちがある、別れなくていい。」と解釈される可能性もあるため、キッパリ伝えることが重要です。
自然消滅を図る
相手によっては、少しずつ距離を置いて自然消滅を図るのも有効な方法のひとつでしょう。仕事などの忙しさを理由に、連絡をとったり会ったりする回数を徐々に減らしていくのです。
そのような状況が長く続くことで、不倫相手の意識の中から当事者の存在意義が薄れたり、他に依存する相手を見つけたりする場合があります。ただし、不倫相手が依存気質である場合は注意が必要です。反対に怒らせてしまい連絡が増えてしまうことが考えられます。
完全に距離を置く
引っ越しなどをして物理的に距離をつくり、会えないようにする方法も不倫相手と別れる方法のひとつです。
いくら連絡を取り合っていたとしても、実際に会うことができなければ当事者に対する不倫相手の興味関心が薄れる可能性があります。しかし、引っ越しをご自身の配偶者にいきなり相談してしまうと不信感を抱かせることにもなるため、慎重に進める必要があるでしょう。
不倫相手に嫌われるよう仕向ける
不倫相手に嫌われるよう仕向けることも、別れるためには有効な手段となる場合があります。
「自分勝手な振る舞い」「約束をドタキャン」といった態度をとり続けることで、不倫相手にストレスを与えるのです。そうすることで不倫相手に「この方といてもつまらない・気が休まらない」と思わせることができれば、不倫相手のほうから離れていくことも考えられるでしょう。
不倫相手に別れ話をする時のポイント!
ここでは、不倫相手に別れ話をする時のポイントについて紹介します。
直接会って別れ話をする
不倫相手へ別れ話を切り出す時は、直接会うのが有効です。電話やメールでは表情が伝わらないため、不倫相手へこちらの本気度が伝わりにくくなります。不倫相手と後腐れなくすっきり別れるためには、直接会って、別れることに対し本気であるという気持ちを伝えることが大切です。
まわりくどい言い方をしない
不倫相手の気持ちを考えて傷つけないようにと考えた結果、言い方がまわりくどくなり相手に伝わりにくくなる場合があります。中途半端な表現では不倫相手が納得する可能性は低いため、率直に「関係を終わらせたい。」と伝えるほうがいいでしょう。
未練や迷いがあることは伝えない
不倫相手と別れる時のポイントとして、未練や迷いがあることを伝えてはいけません。たとえそのような感情が残っていたとしても、未練や迷いがあることを伝えるべきではないでしょう。
不倫相手に付け入る隙を与えることにつながります。迷いを相手に見せず「もう好きではない。」「未練はない。」と関係継続の可能性はないことを明確にしましょう。
冷静な態度で別れを告げる
不倫相手に別れ話をする時には、冷静な態度で話を進めることが大切です。別れ話をする際に感情的になってしまう方は少なくありません。しかし、感情的に話すことでトラブルになる場合もあるため、冷静を保ち「話をしっかり聞いてほしい」というスタンスを貫きましょう。
不倫相手に対して絶対NGな別れ方
次に、不倫相手に対して絶対NGな別れ方について紹介します。
一方的に別れを告げる
基本的に話し合いもなく、一方的に別れを告げて連絡も断つという別れ方は、おすすめできない方法です。相手によっては嫌がらせや逆恨み、ストーカー行為につながってしまうリスクが高まります。
不倫相手が別れることに納得する・しないに関わらず、基本的には直接話し合いの場を設けることが大切であり、一方的に関係を絶とうとする行為は控えるべきでしょう。
別れさせ屋を使って別れる
不倫相手との関係をご自身で清算できない場合に、「別れさせ屋」を利用する方もいるでしょう。別れさせ屋とは、カップルや夫婦を別れさせるための工作を行うサービスを提供しており、探偵事務所などが運営しています。
ただ、実際に成果が出ていないのにもかかわらず、別れさせ屋から高額費用を請求されるといったトラブルが発生するケースもあるのです。そのため、万が一、別れさせ屋を利用するとしても信用できる先に依頼する必要があります。
不倫相手に本気になりやすい夫や妻の特徴
不倫のリスクなどについて解説しましたが、なかには不倫の関係で本気になるパターンもありえます。ここでは、不倫相手に本気になりやすい夫や妻の特徴を紹介しましょう。
結婚生活自体に不満がある
結婚生活自体に不満を抱えている夫や妻の場合、配偶者以外の異性に惹かれてしまい不倫が本気になりやすい傾向があります。「妻が相手をしてくれない」「夫が話を聞いてくれない」「夫婦生活を拒否される」など、夫婦間のコミュニケーションが極端に少ない夫婦は注意が必要です。
また、配偶者や子どもに相手にされず居場所がない、家でくつろげない、心が休まらないといった場合にも、家庭以外の場所で癒しを求めた結果、不倫が本気になることがあります。
配偶者に不満が言えない
普段から配偶者に言いたいことが言えず、不満に思う感情を抑えて我慢しているタイプも本気の不倫に発展しやすいでしょう。配偶者への不満が溜まっている方ほど、自分の気持ちを素直に解放させてくれる相手に出会うと、本気になってしまう傾向にあります。
交際した経験が少ない
結婚する前に異性と交際した経験が少ない方も、不倫が本気になってしまう傾向です。こういったタイプの方は、恋愛に対してもともと受け身であることが多く、そのため、配偶者以外の異性に積極的にアプローチされると舞い上がってしまい本気になる可能性があります。
流されて結婚を決めた
結婚に対して自分自身のしっかりとした意思がなく「結婚相手に押し切られた」「親のすすめでなんとなく結婚した」などの理由で、流されて結婚を決めた夫や妻は要注意です。
明確な理由もなく結婚してしまうと、結婚後に好きな方が現れた時に「本当はこの方と結婚する運命だった!」など都合よく解釈してしまい、本気になってしまうケースがあります。
不倫相手の妊娠
不倫相手の妊娠がきっかけで、不倫が本気になってしまう場合もあるのです。特に、ご自身の家庭に子どもがおらず、子どもが欲しいと考えている夫の場合、子どもができたことがきっかけで本気になる傾向にあります。
不倫が何年も続いている
不倫の関係が長ければ長くなるほど、本気になりやすくなるでしょう。なぜなら、何度も会って一緒にいる時間が長い相手に対して、深い愛情を抱きやすいためです。これは「単純接触効果」という心の動きであり、特に女性のほうが顕著にあらわれやすいとされています。
不倫相手が別れてくれない時に発生するトラブル
これまでに、不倫相手と穏便に別れる方法などを紹介しましたが、全てがその方法でうまくいくとは限りません。ここでは、不倫相手が別れてくれない時に発生しやすいトラブルについて紹介します。
不倫相手のストーカー行為
不倫相手に別れを告げても未練や執着がひどい場合は、別れた後にストーカー化する可能性があります。
電話やメールなどでしつこく連絡を入れてくる、会社や家への待ちぶせといった行為は「ストーカー規制法違反」になる場合があります。そのような時には、警察に相談してストーカー規制法に基づく警告を出してもらうことが可能です。
身の危険を感じたらすぐに警察への相談を考えるべきですが、まだその段階まで至っていないようであれば、専門の弁護士へ解決依頼をすることもできるでしょう。
脅迫される
不倫相手に別れたいと伝えた時に「二人の関係を配偶者や会社へバラす」「二人の画像をWEB上で拡散する」などと脅迫してくるケースもあります。
また「不倫関係をバラされたくなければ慰謝料を払え」といった脅迫により、金銭を支払った場合は恐喝罪です。その際、メールやLINE、会話を録音したものなど、不倫相手から脅迫されたことが証明できる証拠をとっておくと、警察への相談もスムーズに行えるでしょう。
名誉毀損
掲示板やSNSなどを利用して、不倫相手が不倫関係を公開するといったケースでは、名誉毀損罪が成立することがあります。また、別れを告げられた腹いせに、根も葉もない誹謗中傷をされた場合も、相手を罪に問える可能性があるでしょう。
不倫相手とのトラブルで困った時は迷わず相談する
不倫相手と何の問題もなく穏便に別れることができれば良いのですが、必ずしもそうとは限りません。当事者同士で話し合いがうまくできなかったり、別れ話がこじれてトラブルに発展したりする可能性がある場合は、弁護士や警察へ相談することも大切です。
別れ話でもめてしまった時に、誤った対応をしてしまうと取り返しのつかない状況へと陥るケースもあります。また、周囲にバレたくない一心で相談するのを躊躇していると、問題をさらに悪化させることにつながるため、迷わず弁護士や警察へ相談するようにしましょう。
おわりに
不倫は配偶者や子どもへの裏切り行為といえます。不倫関係が長かったり不倫相手の執着が強かったりする場合は、すんなり別れることが難しくなるでしょう。
しかし、不倫が周囲に発覚してしまった場合、家族や仕事の全てを失う可能性もあります。不倫を続けた時のリスクは計り知れないものです。ご自身での解決が難しければ、トラブルがひどくなる前に弁護士や警察に相談することも視野に入れておきましょう。