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葬儀の準備から当日、葬儀後の流れとは?費用相場についても紹介

葬儀の準備から当日、葬儀後の流れとは?費用相場についても紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

「葬式」は、多くの方にとって非日常的なものです。そのため、「何をどのようにしたらいいかわからない」「当日にとまどってしまいそう」と悩む方もいることでしょう。ここではそんな方のために、まずは「通夜の前の準備」について解説した後に、「通夜や葬儀・告別式の流れ」「葬儀が終わった後に行うこと」について解説していきます。

この記事を読んでわかること

このコラムを読むことで、「人が亡くなった後に、どのような行動をとらなければならないか(どのような行動をとることになるか)」がわかります。また同時に、「通夜や、葬儀・告別式の流れ」を把握できるでしょう。さらに葬儀後に行わなければならないこと・行うべき行動についても紹介しています。
※本稿では、葬儀の事前見積もりなどのような「亡くなるよりもずっと前に行うこと」「終活」については取り上げません。
※仏教式で、一般葬の形態の葬儀を想定しています。

お葬式サポート
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葬儀前の準備とは

葬儀前の準備とは

人が亡くなったときにとるべき行動・とらなければならない行動についてまず解説していきます。

なおこのコラムでは、いわゆる終活の一環としての「葬儀の準備」を取り上げることはせず、「実際に亡くなった後に、通夜前に準備するべきこと」を解説します。また特記すべき理由がない限りは、「仏教で、かつ一般葬の形でお見送りする葬儀」を想定しています。

死亡診断書を作成してもらう

故人が息を引きとった後、死亡診断書を交付してもらいます。死亡診断書は医師によって発行されるものであり、これがないと、火葬などを行うことができません。

また、臨終後は速やかに葬儀会社に連絡をしてください。病院にも霊安室はありますが、これはそれほど長い時間にわたって使えるものではないからです。なお葬儀会社は、365日24時間いつでも対応しています。

ご臨終から葬儀会社への連絡は速やかに行う必要があるため、事前にどこの葬儀会社に依頼をするかの見当をつけておくと、戸惑うことが少なくなります。

ご遺体の安置

葬儀会社に連絡をすると、ご遺体を乗せて移動することができる車で葬儀会社が駆けつけます(一般的な乗用車でご遺体を運んでも違法ではありませんが、感染症防止などの観点から、葬儀会社に依頼することをおすすめします)。

その車に故人をお乗せして、安置場所にお連れします。安置場所の候補となるのは「自宅」ですが、葬儀ホールの安置スペースや、宿泊施設を備える葬儀式場の親族控え室などに安置することもできます。

なお、日本では法律の定めにより、死後24時間以内の葬儀はできません。そのため、必ずこの「安置」という作業が差し挟まれます。

親戚や関係各所に連絡

葬儀会社が来る前あるいは移動中などに、ご親戚や関係各所に連絡を行います。ご親族への連絡を喪主ひとりで行うことは難しいので、これに関しては手分けをして行うとよいでしょう。

なお今回は「一般葬」を想定していますが、限られた方だけで見送る「家族葬」にすると決定している場合は、伝える相手を選び分ける必要があります。家族葬に招かない方には原則として連絡しません。

遺族の仕事・学校関係への連絡も行います。「忌引き休暇を取りたいが、仕事先の人を呼ぶ予定はない」という場合は、連絡の段階で「家族葬で…」などのように伝えておくとよいでしょう。

葬儀社と打ち合わせ

特に問題がなければ、ご遺体を搬送した葬儀会社とそのまま打ち合わせに入ります。

この段階で、以下を決めていきます。

  • 誰を喪主にするか
  • 通夜や葬儀告別式の日程
  • 葬儀の形態

通夜や葬儀・告別式の日程決めは非常に重要ですが、菩提寺がある場合はその菩提寺との日程調整も必要になります。このため、この段階で菩提寺に連絡をし、スケジュールを確認しなければなりません。

通夜・葬儀当日の流れについて

通夜・葬儀当日の流れについて

ここからは、通夜や葬儀・告別式の流れについて解説していきます。

納棺

納棺とは、故人を棺に移すための儀式のことをいいます。

上でも述べたように、故人は安置場所に安置されており、このときの安置の方法は、基本的には「布団に寝かす」という形式です。このような状態にある故人を、布団から棺に移す行動を「納棺」というのです。

納棺に先立ち、死に装束などへの着せ替えが行われ、簡単な髭剃りなども行われることがあります。納棺師によるメイクなどを希望する場合や、湯灌を希望する場合は、納棺の前に行われるでしょう。

納棺は、基本的には葬儀会社のスタッフが行い、ご家族・ご親族はそれを見守ります。ただし葬儀会社の中にはご家族・ご親族にお手伝いをお願いするところもあります。ご家族・ご親族が手伝いを希望したらそれに応じるところもあります。

通夜

一般的に葬儀は2日間にわたって行われ、その1日目が通夜です。通夜には、ご家族やご親族、故人と縁があった方が集まることになります。

ただ現在は、「葬儀・告別式は日中であるため、仕事の都合上参列するのが難しい」という理由で、故人と関係性の薄かった方(喪主の取引先など)であっても通夜に参列しても構わないという考え方もあります。

通夜では、ご僧侶による読経と、ご家族・ご親族・参列者による焼香が行われ、また弔電が披露されることもあります。ご僧侶による法話の後に喪主が挨拶を行い、それが終わると解散します。ただし通夜の後には通夜振る舞い(故人を偲んで飲食を行うこと)が別室で開催されることもあります。

葬儀・告別式

葬儀・告別式

2日目には、葬儀・告別式です。一般的に葬儀は「読経や焼香などの宗教的儀式を含む葬送儀礼」であり、告別式は「これらを含まないお別れの儀式」とされていますが、現在ではほぼ一体化しています。

葬儀・告別式は、次の流れのとおりです。

  1. 開式
  2. 僧侶による読経
  3. 焼香
  4. 弔電の披露
  5. 喪主の挨拶
  6. 棺にお花などを入れる
  7. 出棺(後述)

なお「読経の最中に焼香をするかどうか」「棺にお花を入れる儀式に、一般参列者が参加するかどうか」は、葬儀会社によってやり方が異なります。

出棺

葬儀・告別式が終わると、そのまま出棺となります。

出棺とは、棺を火葬場に運ぶことをいいます。この出棺に付き添うのは、ご家族やご親族だけで、一般参列者は原則としてこれに参加しません(※事前にご家族から打診があった場合は除く)。

一般参列者の見守る中で棺が霊柩車に乗せられ、ご家族・ご親族も車に乗り込みます。一般参列者は、車が見えなくなるまでお見送りをした後、解散になります。

火葬

火葬場に着いたら、火葬炉の前で最後のお別れが行われます。一度火葬されてしまえば、もう「肉体をとどめた故人」との再会は叶いませんので、これが本当に最後のお別れです。

火葬炉の前でのお別れが終わると、棺は火葬炉に入れられ、火葬されます。

ご家族・ご親族は控え室に移動し、火葬の終了まで待機します。このときに軽く飲食をすることもあります。

火葬が終わったら葬儀会社のスタッフもしくは火葬場のスタッフから「火葬が終わったので収骨室に集合してください」などのような声がけがあるでしょう。これを受けて収骨室に移動し、故人のご遺骨を骨壺に納めます。

繰り上げ初七日法要

収骨が終わった後、葬儀を行った葬儀ホールなどに戻り、繰り上げ初七日法要を行います。

初七日法要とは本来は「故人が旅立ってから7日経過後に行われる法要」を指していました。しかし現在は、手間や時間の軽減のために、葬儀・告別式および火葬当日に行うことが一般的です。

精進落とし

精進落としも、本来は四十九日後に行われるものでしたが、現在は繰り上げ初七日法要同様、葬儀・告別式および火葬当日に行われることが多いです。

精進落としとは、「これからは普通の生活に戻る」とするためのものです。これを機に、葬式のときには控えていた肉や魚などを食べることが解禁されます。

精進落としは喪主の挨拶をもって締めくくられ、この挨拶が終われば、解散です。

葬儀後に行うこととは?

葬儀後に行うこととは?

ここからは、葬儀後に行う必要があることについて解説していきます。

葬儀費用の精算

葬儀後に、葬儀費用の清算を行います。葬儀にかかる費用は平均で200万円程度ですが、家族葬などを選んだ場合はもっと少ないでしょう。

なお「葬儀費用を一括で納めることが難しい」という場合は、葬儀会社に相談してください。葬儀ローンなどが使える場合もあります。また、葬式を行う前の段階で予算を伝えておくと、その予算に応じた葬儀プランを提供してくれるでしょう。

四十九日の法要の準備

四十九日法要の準備も行います。まずは寺院とご家族のスケジュールを合わせ、場所を確保します。その後で、参列してほしい方に案内のハガキを送りましょう。

なお四十九日法要は、現在は「49日目ぴったり」に行われることは非常に少ないです。多くの場合、49日目より前の土日のいずれかで執り行われています。なお法要は、「前倒しになっても良いが、後ろ倒しになることは望ましくない」とされているので、日程決めのときはこれも考慮しましょう。

香典返しの準備

現在の葬儀では、「即日返し」として、通夜~葬儀・告別式の日に香典返しをお渡しする方法がよくとられています。

3,000円程度の返礼品を用意しておき、香典を持ってきてくれた方全てに渡しましょう。これにより、5,000円~10,000円程度の香典を包んできてくれた方には、「後日に香典返しを手配する手間」を省けるわけです。

しかし、次のような場合は、別途香典返しの手配が必要です。

  • 多額の現金をいただいた
  • 家族葬なので即日返しは用意しなかった
  • 即日返しの残りを返却した後に、香典をいただいた

なおこの手配は、四十九日後に行います。

お墓の準備や納骨

お墓の準備や、納骨について考えることも必要です。お墓を新しく建てる場合は、樹木葬や海洋葬、納骨堂の利用なども考慮に入れたうえで決定するようにしましょう。

納骨は、四十九日法要や一周忌法要のときに行われるのが一般的です。ただし「○日までに納骨をしなければならない」という決まりはありませんから、ご家族の心に整理がついた時点で納骨に踏み切る形でも問題ありません。

各種解約や名義変更手続き

故人がしていた契約を解約したり、故人の財産の名義変更をしたりといった手続きも、しっかり行わなければなりません。

現在はサブスクリプションサービスや、WEBサイトのみでの契約(紙の契約書が存在しない)も多いため、これを全て把握しきるのは至難の業です。そのため、「今現在解約できるものは全て解約し、それ以外は通知が来たらその都度対応する」などのやり方でも問題ないでしょう。

なおこれらの手続きは法律が絡んでくる部分でもあるので、適宜専門家に相談するようにしてください。

家族に負担をかけないように事前に用意する方も

家族に負担をかけないように事前に用意する方も

ここまで、「亡くなった後に家族がとるべき行動」について解説してきました。

ただ、「結局は迷惑をかけてしまいそうだな」と考えているのであれば、事前に準備を行うことも検討すると良いでしょう。

葬儀の相談は「セゾンの相続」へ

最近は終活の広がりによって自身の葬儀の形を決めておきたいと感じる方も多くいます。そしてそのような要望に応えるべく、終活の相談を積極的に行ったり、生前予約のプランを提供したりする葬儀会社も増えているのです。

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おわりに 

人が亡くなった時は、多くの「行うべきこと」があります。どれほど事前に勉強をしていたとしても、その手間やとまどいをゼロにすることはできません。

しかしそれでも、事前に「どのような流れをとるのか」「何をしなければならないのか」を把握しておくことで、その手間やとまどいを少なくすることはできます。

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