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キリスト教のお葬式とは?葬儀の流れやマナーについて徹底解説

キリスト教のお葬式とは?葬儀の流れやマナーについて徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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「配偶者がキリスト教徒だ」「自分が亡くなったらキリスト教のお葬式をしてもらいたい」などといった理由で、キリスト教のお葬式について知りたいと考えている人はいませんか。キリスト教のお葬式は、私たち日本人が普段なじみ深いと感じている仏式のお葬式とは少し勝手が違います。キリスト教のお葬式の内容や流れ、喪主として気をつけたいポイント、参列するときのマナーについて解説します。

この記事を読んでわかること

  • キリスト教のお葬式はカトリックとプロテスタントで少し流れが違う
  • キリスト教のお葬式で聖職者に渡すお礼は献金と合計して150,000~400,000円程度
  • キリスト教の香典の表書きとしてどんな宗派でも使えるのは「御花料」
お葬式サポート
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キリスト教におけるお葬式の考え方

キリスト教におけるお葬式の考え方

キリスト教において死は悲しいだけのものではありません。死によって安寧の地である神のもとへ行けるという考え方をするためです。また、復活を信じる宗教のため、死は永遠の命につながる門出でもあります。よって死は祝福にすらつながるのです。

対して日本では、亡くなった方への祈りと遺族の慰安がお葬式の中心的な役割であると考えられてきました。私たちにとっては、キリスト教の考え方はなかなか理解しづらい死生観かもしれません。

また、同じキリスト教でも宗派によって葬儀内容に少し違いがあります。キリスト教の中でも代表的な宗派であるカトリックとプロテスタントについて、お葬式の流れを中心にご案内しながら、死者がどのように弔われるかを解説します。

カトリックのお葬式の流れ

カトリックのお葬式の流れ

カトリックにおける、亡くなった後からお葬式が終わるまでの流れは以下の通りです。喪主側の視点をメインに解説します。教会によって作法に違いが見られることもあるため、実際には所属する教会の指示に従いましょう。

臨終の儀式

カトリックでは、聖職者のことを神父あるいは司祭と呼びます。看取りの段階から神父に立ち会ってもらうのが理想的です。所属する教会に連絡すると神父が訪れ、臨終の儀式を行います。

臨終の儀式は2つあり、1つめが「病者の塗油の秘跡」です。神父が病人の額と手に聖油を塗り、病気に苦しむ信者のために祈りを捧げます。もう1つが「聖体拝領」です。聖体とは、キリストの血であり肉であるとされるぶどう酒とパンのこと。信者に旅路の糧として授けます。

搬送から納棺・出棺

医師による死亡確認が済んだら、死亡診断書が発行されます。死亡診断書を携行して、安置先へ故人を移動させます。このとき教会へ故人を安置することはまれで、多くは自宅か、葬儀社が保有する安置施設を安置場所に選ぶことになります。安置の際、枕元に十字架や聖書を置いたり、燭台を準備したりすることもあります。

安置が済んだら葬儀日程の打ち合わせに入ります。喪主と神父、葬儀社により、通夜と告別式の日程を決めます。カトリックのお葬式は基本的に教会で行われるため、日程を決定する際には火葬場の空き状況のほか、教会側の都合も含めてスケジュールを立てる必要があります。

葬儀日程が決定したら、喪主や遺族は参列してほしい人にお葬式の知らせを出します。そして通夜の前に、神父立ち会いのもと納棺が行われます。納棺の儀式に決まった手順はありません。神父の指示に従い、祈りを捧げます。納棺後、故人の愛用品など、天国へ持って行ってもらいたい品を棺に入れます。

通夜の集い・通夜の儀

本来、キリスト教には通夜に儀式を行うしきたりはありません。しかし日本では、慣習に倣って通夜を行う場合がほとんどです。カトリックでは通夜の儀式を「通夜の集い」あるいは「通夜の儀」といいます。

通夜の集いに決められたしきたりはないため、神父の指示に従って祈りを捧げたり、聖書を朗読したり、聖歌を歌ったりします。その後、簡単な食事をふるまうこともありますが、これも遺族の判断に任されます。通夜自体を省略することも可能です。

葬儀・告別式

通夜が明けると、葬儀・告別式が行われます。一般的な流れは以下のとおりです。

【葬儀式】

  1. 開式
  2. 聖歌斉唱・灌水(祭壇や棺に聖水をふりまく)・献香(祭壇や棺に香をふりまく)
  3. 司祭の挨拶
  4. ことばの典礼(聖書朗読・答唱の聖歌・福音書朗読・説教:個人の略歴紹介)
  5. 共同祈願
  6. 主の祈り
  7. 感謝の典礼(聖体拝領:パンとぶどう酒を捧げ、信者に配る)
  8. 聖歌斉唱・灌水(祭壇や棺に聖水をふりまく)・献香(祭壇や棺に香をふりまく)

【告別式】

  1. 弔事・弔電披露
  2. 喪主挨拶
  3. 聖歌斉唱・献花

式自体は宗教儀式を行う葬儀式と、参列者が故人にお別れをする告別式とに分かれていますが、特に休憩時間を挟むことなく続けて行われます。この後、棺の蓋を開けて最後のお別れとなり、出棺時間が来たら火葬場に向けて出発します。

追悼ミサ

追悼ミサとは、仏式の法要のようなものです。亡くなってから3日後、7日後、30日後の節目となる日に教会で執り行われます。また、命日を「召天記念日」と呼び、1年目の召天記念日にもミサを行います。

追悼ミサでは神父主催のもと、聖歌斉唱や聖書朗読を行います。儀式後、軽食をとりながら故人を偲ぶケースも見られます。

プロテスタントのお葬式の流れ

プロテスタントのお葬式の流れ

プロテスタントにおける、亡くなった後からお葬式が終わるまでの一般的な流れは以下のとおりです。プロテスタントの儀礼作法はカトリックに比べて自由度が高く、教会によってかなり作法が違う可能性があります。実際には所属する教会の指示に従いましょう。

聖餐式

プロテスタントでは聖職者を「牧師」と呼びます。看取りのときから牧師が立ち会うのが理想的です。信者の命が危なくなったら、所属する教会に連絡して牧師に来てもらいます。臨終の際には「聖餐式」と呼ばれる儀式が行われ、パンとワインを病床の信者に授けて聖書の一節を朗読します。そして牧師と枕元の家族たち一同で、永遠の安息を祈ります。

臨終後は、遺族が脱脂綿などに水を含ませて故人の口元を濡らす「死に水」の儀式が行われます。

搬送から納棺

医師による死亡確認が済んだら、死亡診断書が発行されます。死亡診断書を携行して、自宅や葬儀社が保有する安置施設などへ故人を移動させます。故人を休ませたら改めて手を祈りの形に組み、枕元など故人の近くに聖書を置きます。

安置が済んだら葬儀日程の打ち合わせに入ります。喪主と牧師、葬儀社により、通夜と告別式の日程を決めます。スケジュールを立てる際には、葬儀社に火葬場の予約状況を確認してもらった上で候補となる日程をいくつか組んでもらい、教会側と遺族の希望が一致する日程を選びましょう。

逝去の翌日など、前夜式を行う前までに納棺式を行います。牧師が祈りを捧げ、遺族らが遺体を棺に納めた後、棺の中を白い花で飾ります。その後、賛美歌を斉唱します。プロテスタントでは、聖歌を「賛美歌」と称します。

牧師が参加せず、遺族のみで納棺を行うケースも見られます。

前夜式

プロテスタントでは通夜にあたる式を「前夜式」といいます。牧師が主催する中、賛美歌を歌ったり、聖書を朗読したり、説教が行われたりします。説教の中に、故人を偲ぶ話が盛りこまれることもあります。前夜式の終了後は、軽食を用意して故人の思い出を語り合います。

葬儀・告別式

前夜式の翌日に葬儀・告別式が行われます。一般的な式次第は以下のとおりです。

  1. オルガンによる前奏
  2. 賛美歌斉唱
  3. 聖書朗読
  4. 祈祷
  5. 牧師による故人略歴紹介
  6. 説教
  7. 賛美歌斉唱
  8. 弔事・弔電披露
  9. オルガン演奏
  10. 遺族代表挨拶
  11. 献花

出棺・火葬     

出棺までの時間は棺の蓋を開け、故人との最後の別れを済ませます。棺の中に白い花を入れ、天国へ持って行ってほしい故人の愛用品などを棺に入れて蓋を閉め、出棺となります。

プロテスタントの場合、仏教の法要にあたるものはありません。しかし亡くなって1ヵ月後に、牧師や縁のある方などを招いて記念集会を行うケースが見られます。

キリスト教のお葬式を行うときのポイント

キリスト教のお葬式を行うときのポイント

キリスト教のお葬式では、私たちになじみの深い仏式のお葬式とは違ったマナーが求められます。喪のセレモニーにふさわしいブラックフォーマルを着用するのは仏式と同じですが、数珠は持ちません。キリスト教の信者である場合は十字架を持参しますが、十字架がない場合は持参しなくても構いません。

「喪主は信者でないとダメなのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、喪主については仏教式と変わらず、配偶者や子どもなど故人と縁が深い関係の人がなるべきです。キリスト教の信者であるか否かは、あまり関係がありません。

他にも気をつけるべきポイントがあるため、キリスト教でお葬式を行うときの注意点を喪主の視点から解説します。

教会へのお礼は表書きに注意する

仏式では、儀式を執り行ったお寺にお布施を納めます。キリスト教式の場合は、式場として利用させていただいた教会への献金と、聖職者へのお礼を別々の白封筒に入れます。そしてそれぞれ以下のような表書きをして聖職者に渡します。

  • 教会へは「御花料」(プロテスタントの場合は「献金」とも書く)
  • 聖職者へは「御礼」

献金の相場は50,000円から200,000円、聖職者へのお礼の相場は100,000円から150,000円ほどです。

なお、封筒を選ぶ場合、蓮の花が描かれた不祝儀袋を選ぶことはやめましょう。蓮の花は仏教のモチーフだからです。白無地のシンプルな封筒がベストです。

キリスト教の葬儀ルールを熟知している葬儀社を選ぶ

基本的には「全ての宗教、宗派に対応」としている葬儀社が多いものの、キリスト教のお葬式を多く経験している葬儀社はさほど多くはありません。キリスト教式のお葬式に慣れている葬儀社を選ぶとスムーズなので、なるべく事前に知り合いの信者や聖職者に情報を求め、葬儀社候補を決めておくことがおすすめです。

また、ここに紹介したように、キリスト教のお葬式はなじみのある仏式のお葬式とかなり進行が違います。生前からお葬式の準備について考えておくと、ご自身も親族も安心できるでしょう。

セゾンの相続 お葬式サポート」では、経験豊富な提携専門家のご紹介が可能です。まだ信者ではないけれど、キリスト教式でお葬式をしたい」「キリスト教式でお葬式をしたとき、お墓はどうなる?」などの疑問を、ぜひお気軽にお寄せください。信頼できるスペシャリストが、理想のお葬式をサポートします。

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香典返しの代わりにご挨拶の記念品を贈る

本来、キリスト教には香典という概念も、香典返しもありません。しかし日本においては、従来のしきたりに則って香典のやりとりを行うのが一般的です。よって香典返しも存在します。

キリスト教の香典返しは、亡くなってから約1ヶ月後に行います。「志」あるいは「感謝」などの表書きをしたかけ紙を品物にかけ、挨拶状を添えて送ります。仏式ではないため、挨拶状には「冥福」などの仏教的な言葉を使わないように気をつけましょう。例文を示しておきます。

【キリスト教式葬儀の香典返しに添える挨拶状の例文】

拝啓

このたび亡父 ○○○○ の召天※に際しましては ご丁寧な御花料を賜り誠にありがとうございました

おかげをもちまして 諸式相済ませましたので 心ばかりの品をお送りしました

何卒ご受納くださいますよう お願い申し上げます

まずは略儀ながら 書中にてご挨拶申し上げます

敬具

※カトリックでは「召天」ではなく「帰天」を使いますので注意しましょう。

キリスト教のお葬式参列のマナー

キリスト教のお葬式参列のマナー

キリスト教のお葬式に初めて参列するなら、マナーがまるでわからず頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。なかなか機会のないキリスト教のお葬式参列マナーについて、詳しく解説します。

不祝儀袋の表書きは「御花料」か「献花料」

キリスト教の不祝儀袋は、白無地のものを用意します。黒白の水引がついていても構いませんが、蓮の花が描かれた袋は、仏式のものなのでNGです。なお、右肩に十字架がついているものや、キリスト教のシンボルである百合の花が描かれているものは使えます。

表書きはいくつか種類があります。

  • 【カトリックの場合】「御花料」「御弥撒(ごみさ)料」
  • 【プロテスタントの場合】「御花料」「忌慰(きい)料」

香典の相場は、一般参列者が5,000円、一般親族が10,000円、特に関係が濃い故人の兄弟姉妹や子などは30,000~100,000円です。この相場は仏式のお葬式と変わりません。

服装は仏教式と同様の喪服やダークスーツ

キリスト教のお葬式における服装は、仏式と変わりありません。衣服店のブラックフォーマル売り場に売られている喪服を着用します。

男性は黒いスーツに白無地のワイシャツを合わせ、ネクタイや靴下、靴、カバンなどの小物は黒無地で統一します。女性は黒いワンピースに黒いジャケットを羽織り、ストッキングや靴、カバン、ヘアアクセサリーなどの小物は黒無地とします。

カトリックの場合、喪主や親族は黒いトークハットと手袋を着用するのが正装とされる向きもありますが、手持ちになければ省略しても構いません。どうしても気になるなら、葬儀社に貸衣装がないか相談してみましょう。

遺族への挨拶では「お悔やみ」「冥福」を避ける

遺族に挨拶するときは「お悔やみ申し上げます」や「ご冥福をお祈りします」という言葉を避ける必要があります。キリスト教では、死を不幸なことと捉えません。また、「冥福」は仏教の言葉なので、他の宗教ではNGです。

「○○さんの平安をお祈りいたします」など、天国での魂の平安を願う言葉を口にしましょう。

おわりに 

キリスト教のお葬式のマナーは難しいと思われがちですが、仏式とは違うところに少しだけ気をつければ良いだけで、服装などの基本的なマナーに違いはありません。故人のために祈り、遺族に慰めの言葉をかけるため、心を込めて参列しましょう。

喪主の立場になったときは、疑問があれば独断で動かずに聖職者へ直接質問したり、葬儀社に意見を聞いたりするように心がけることが大切です。もし喪主自身が信者でない場合、聖歌や賛美歌は、知っているものだけ口ずさむ程度で構いません。

故人が愛したキリスト教の世界を少しなりとも感じながら、聖職者や参列者と祈りの気持ちを共有しましょう。

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