更新日
公開日

葬儀に使用される花の種類について詳しく解説!花の贈り方や注意点も

葬儀に使用される花の種類について詳しく解説!花の贈り方や注意点も
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者
セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

葬儀で贈る花の種類は、大きく「供花・枕花・花輪・献花」の4つに分かれます。いずれの花を贈る場合も、名札の書き方や贈るタイミングなど気を配るべき点がいくつかあるため、事前に確認しましょう。正しいマナーを守って花を贈れば、ご遺族にも負担をかけません。今回の記事では、葬儀で贈る具体的な花の種類や贈り方、贈るタイミング、準備する際のマナーなどについて解説します。

この記事を読んでわかること

  • 葬儀に使用する花は主に「供花・枕花・花輪・献花」の4種類である
  • 葬儀で贈る花は、葬儀社や生花店などに依頼すると用意してもらえる
  • 花を贈る際は、名札の書き方や贈るタイミングなどに気を配る
  • 主に「仏教・キリスト教・神道」など、故人の宗教に応じて贈る花の種類は異なる
お葬式サポート
お葬式サポート

葬儀に使用される主な花の種類と役割

葬儀に使用される主な花の種類と役割

葬儀に使用される花の種類として、主に以下4つが挙げられます。

  • 供花
  • 枕花
  • 花輪
  • 献花

それぞれの飾る場所や贈るタイミング、主な贈り主などについて概要を説明しているので、合わせて確認しましょう。

供花

供花とは、通夜や葬儀、告別式などの際に贈る花のことです。会場の祭壇や棺の周りにお供えします。都合で通夜や葬儀に参列できない近親者や会社関係者などが、故人への哀悼やご遺族へのお悔やみを伝えるために贈ることが一般的です。

脚のついたスタンド上に花を飾る「スタンド式」がポピュラーですが、籠や花瓶、スポンジなどに生けて贈ることもあります。故人の宗教や宗派、地域の風習によっても異なるため、事前に確認しておきましょう。

供花を飾る際は、贈り主の名札をつけることが一般的です。名札をもとに故人と関係の深い順番に飾られるため、供花を贈る際は故人との関係性を明確に伝えましょう。

枕花

枕花とは、故人の枕元に飾る花のことです。故人と縁のあった方が、訃報を知らされた後に、ご遺体が眠る自宅あるいは葬儀場へ贈ることが一般的です。故人の枕元に飾る必要があるため、訃報を受けてから通夜が始まるまでに贈りましょう。ちなみに、葬儀社が枕花を用意することもあります。

故人の枕元に飾るため、スペース的にあまり大きい花は贈らないことがマナーです。目安として、お墓参りでお供えする花よりも若干小さめのものを選ぶと良いでしょう。また、枕花はご遺体と一緒に移動するため、持ち運びしやすいことも重要です。

籠などでフラワーアレンジメントをしてから贈ると、ご遺族に花瓶や入れ物を準備する手間を取らせません。

花輪

花輪とは、通夜や葬儀会場の入り口に飾る花のことです。屋外に設置することもあります。生花や造花で作った輪を、背の高いスタンドの上に設置して贈ります。配色や意味合いは異なりますが、お店の開店祝いで飾られる大きな花をイメージすると良いでしょう。花輪の真ん中に「弔」の文字が入っていることもあります。

花輪については個人で贈るよりも、故人が所属していた会社や親交のあった組織、親族代表などが団体として贈ることが多いです。供花と同じように、スタンドの部分に贈り主の名札がつきます。

献花

献花とは、参列者が葬儀や告別式で、ひとり一輪ずつ祭壇に供える花のことです。主にキリスト教や無宗教の葬儀で、焼香の代わりに行われます。祭壇ではなく、棺の故人の顔周辺にお供えすることもあります。

供花・枕花・花輪と異なり、直接葬儀場でお供えすることが一般的です。花は葬儀社側が用意するため、参列者が贈る必要はありません。

近年では、キリスト教や無宗教以外でも、葬儀の演出として献花を行うケースもあります。

葬儀に供える供花の贈り方

葬儀に供える供花の贈り方

葬儀で使う供花を贈る際は、注文方法や贈るタイミング、名札の書き方などのポイントを押さえましょう。費用相場も紹介しているため、実際に贈る際の参考にしてください。

供花はどこに頼めばいい?

まずは葬儀の供花はどこに頼むのかを確認しましょう。供花の主な注文方法は以下の3つです。

  • 葬儀社に依頼する
  • 生花店で注文する
  • インターネットで手配する

それぞれ特徴があるため、自分に合った方法を選びましょう。

葬儀社に依頼する

供花の注文先として最も一般的なのが葬儀社です。葬儀の実施を専門としているため、故人の宗派や供花ごとで贈るタイミングなどを考慮して用意してもらえます。また、葬儀社へ依頼すれば、「自分だけ他と全然違う雰囲気の供花を準備してしまった」という事態も防げるでしょう。

手配する際は、最初に葬儀会場へ電話をして「葬儀を行う会社」を確認します。電話の際に「喪主の名前」「葬儀の日程」を伝えて、間違いがないかチェックしましょう。もしご遺族が供花の受け取りを辞退している場合は葬儀会社から伝えられるため、その場合は相手の意思を尊重して無理に贈ることはしません。

間違いがなければ贈る供花を選び、金額や支払い方法を確認します。合わせて「名札に入れる名前」「故人との関係性」も伝えましょう。名札の情報をもとに葬儀当日の供花を並べる順番が決まるため、正確に伝えることが大切です。

生花店で注文する

生花店でも供花を注文できます。生花店であれば、供花を自由にアレンジしてもらえます。花の種類も豊富に取り揃えているため、故人のお気に入りだった花や好みの色合いのものを選んでも良いでしょう。

ただし、生花店で注文する場合は以下の点に注意しましょう。

  • 葬儀会場に外部の花を持ち込んでもOKか確認する
  • 葬儀会場の雰囲気や宗派などについて確認する

葬儀会場によっては外部からの供花を受け付けていないため、必ず先に問い合わせて持ち込みが問題ないかを確認しましょう。

また、供花をアレンジする場合は、葬儀会場の雰囲気や宗派にふさわしいものを作ることが必要です。故人が好きな花だからといって、葬儀会場の雰囲気にそぐわないものを使うのは避けたほうが良いでしょう。持ち込みの可否を問い合わせた際に、会場の雰囲気や故人の宗派などを確認し、生花店にも共有したうえで注文しましょう。

インターネットで手配する

インターネットで手配することもひとつの手です。生花店と同じく多くの種類の花の中から選ぶことが可能であり、注文もスマホ上から気軽に行えます。料金も明確にサイト上に記載されており、届け先や時間も細かく指定できるため、葬儀や告別式に間に合うよう手配できるでしょう。また、供花だけでなく弔電も合わせて送れるサービスもあるため、贈り主の手間を削減できます。

インターネットで手配する場合も、生花店を利用する際と同じく以下の2点に注意しましょう。

  • 葬儀会場に花を持ち込んでもOKか確認する
  • 葬儀会場の雰囲気や宗派などについて確認する

供花を贈るタイミング

供花を贈るタイミングは、葬儀の形式によって若干異なります。

通夜・葬儀・告別式を2日間で行う「一般的な葬儀」の場合は、通夜当日に間に合うよう、前日までには注文しましょう。葬儀と火葬を1日で行う「一日葬」の場合は、葬儀の2日前を目安に注文しておきます。

いずれの場合でも、当日の儀式が始まる「3~4時間前まで」には用意することが理想です。遅れそうな場合は、葬儀会場側に連絡しておきましょう。

万が一、当日までに手配できなかった場合は、「葬儀の翌日」あるいは「初七日法要から四十九日法要の間」に届くよう手配しましょう。

名札の書き方

供花を贈る際に記載する名札は、贈り主によって書き方が異なります。個人で贈る場合は「個人名のみ」の記載で問題ありません。

個人以外の場合は書き方に決まりがあるため、マナーを守って贈れるように確認しておきましょう。今回は以下のパターン別に紹介します。

  • 親戚で贈る場合
  • 友人、夫婦など連名で贈る場合
  • 会社で贈る場合

親戚で贈る場合

親戚に加えて、子どもや兄弟など複数人で供花を贈る場合、「故人との間柄+一同」という形で記載します。例えば以下のように記載しましょう。

  • ◯◯家 親戚一同
  • ◯◯家 親族一同
  • 兄弟一同
  • 子ども一同
  • 孫一同
  • 従兄弟一同

連名の人数が少ない場合、年齢が高い順に右から個人のフルネームを書いても問題ありません。

友人、夫婦など連名で贈る場合

複数の友人が贈る場合、「友人一同」と記載することが一般的です。学校名や学年、クラスなどを一緒に記載すると、ご遺族も故人との関係性を把握しやすいでしょう。人数が少ないのであれば、右から五十音順に個人のフルネームを記載することもあります。

夫婦で贈る場合、基本的には世帯主の名前のみを記載します。夫婦2人の名前を記載する場合は、右から順番に「夫→妻(→子どもがいれば子どもの名前)」と書きましょう。夫婦の名前を両方記載する場合、妻や子どもは苗字をつけず、下の名前のみを書くことが一般的です。

会社で贈る場合

会社から贈る場合は、以下のように会社内での情報を丁寧に記載しましょう。

  • 会社の正式名称+役職+部署+個人名
  • 会社の正式名称+部署+一同
  • 会社の正式名称+部署+有志一同

連名で贈る場合は、肩書きの高い方から順番に右から記載していきましょう。

費用相場はどれくらい?

供花の費用相場を把握するにあたって、「数え方」を押さえておきましょう。供花は、1つを「一基」、2つで「一対」と数えます。

供花の費用相場は、一基で「10,000〜30,000円程度」であり、一対は倍の「20,000〜60,000円程度」がかかります。あまり相場より高い供花を贈るとご遺族に気を遣わせてしまうため、相場内で適切な金額に収めましょう。生花の場合は、花の時期や流通量などによって費用が変動します。

また、贈る供花の数は故人との関係性によって異なり、例えば友人や会社関係者なら一基、近しい親族なら一対とすることもあります。

葬儀会場によっては、贈る供花の数を制限しているケースもあるため事前に確認しましょう。

【宗教別】贈る供花の種類やマナー

【宗教別】贈る供花の種類やマナー

葬儀で贈る供花の種類やマナーは、故人の宗教・宗派ごとで異なります。今回は以下3つの宗教について確認しましょう。

  • 仏教
  • キリスト教
  • 神道

仏教

仏教の場合、白を基調としたフラワースタンドや籠盛りのフラワーアレンジメントを贈ることが一般的です。白をメインにしつつ、黄色や紫、ピンクなどをあしらいます。

主に使われる花は以下のとおりです。

  • 百合
  • トルコ桔梗
  • リンドウ
  • カーネーション
  • デンファレ
  • 水仙
  • 胡蝶蘭

従来までは和花が多く使われていましたが、洋花や故人が好きだった花などを用いることも増えています。

また、基本的には「毒性の強い花」「匂いの強い花」を贈ることは避けましょう。バラなど棘のある花も、「故人が好きだった」などの場合を除いては避けたほうが無難です。

ただし地域によっては、毒性や匂いが強い樒(しきみ)を、魔除けの意味であえて飾ることもあります。このように、宗教だけでなく地域によっても供花への考え方は異なるため、注意しましょう。

キリスト教

キリスト教の場合、生花を使った籠盛りのフラワーアレンジメントを贈ることが一般的です。基本的に造花やプリザーブドフラワーなどは使用しません。葬儀会場ではなく自宅に直接贈ることが多いため、手軽に飾れる籠盛りが好まれています。花は白を基調として、淡いピンクをあしらうこともあります。

主に使われる花は以下のとおりです。

  • カーネーション
  • 百合
  • トルコ桔梗

仏教式と異なり、花に名札をつけなくても問題ありません。また、故人と親しかった親族や友人の場合、十字やハートのアレンジ花、リースなどを贈っても良いでしょう。

生花が基本ですが地域によっても考え方は異なるため、事前に葬儀会社などへ確認が必要です。

神道

神道の場合、基本的には仏教と同じように以下の供花を贈ります。

  • 百合
  • トルコ桔梗
  • リンドウ
  • カーネーション
  • デンファレ
  • 水仙
  • 胡蝶蘭

ただし、百合や菊などがメインであり、胡蝶蘭はあまり使われません。また、神道では白い供花が好まれやすいため、他の色は抑えたほうが無難です。

なお、神道では供花だけでなく、季節の旬な食べ物やお米、塩などを「神饌物(しんせんぶつ)」としてお供えする風習があります。

「榊」というヒイラギの葉をお供えすることもあります。ただし、基本的にはご遺族がお供えするものであるため、参列者は供花を贈れば問題ありません。

供花を贈る際に注意したいこと

供花を贈る際に注意したいこと

実際に供花を贈る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 贈る前にご遺族や関係者に意向を聞く
  • 葬儀社に確認しておく
  • 供花の返礼品を辞退するなど心遣いを見せる

贈る前にご遺族や関係者に意向を聞く

供花を贈る前に、必ずご遺族や関係者に意向を確認しておきましょう。

現在では葬儀形式や設置場所の有無などの観点から、供花を辞退するケースも増えています。とくに、近年増えている家族葬は自宅で行うこともあり、スペースが限られています。

ご遺族が辞退しているにもかかわらず、供花を贈ると負担をかけるだけなので、必ず事前に確認しましょう。葬儀の案内に、供花を辞退する旨が書かれていなくても、念のため確認することが大切です。

また、故人の親族や近しい友人、会社単位などでまとめて供花を贈ることもあります。まとめる場合はあえて個人で贈る必要もありません。葬儀会場に多くの供花が集まりすぎないよう、関係者と連絡を取って対応方法を共有しましょう。

葬儀社に確認しておく

葬儀を行う葬儀社への確認も必須です。

前述のとおり、葬儀会場によっては「自社で準備した供花以外は飾らない」というケースもあります。受け入れてもらえないにもかかわらず、自分で生花店やインターネットで供花を購入しても無駄になります。

自分が費用面で損をするだけでなく、故人への哀悼やご遺族へのお悔やみの気持ちも示せなくなるでしょう。特に、自分と親しかった方の葬儀であれば、なおさら供花を贈って自分の気持ちを伝えたいところです。

せっかくの自分の気持ちを無駄にしないためにも、必ず葬儀社に「外部からの供花を受け入れてもらえるか?」という点を確認しておきましょう。

供花の返礼品を辞退するなど心遣いを見せる

「供花への返礼品を辞退する」などご遺族に対して心遣いを見せることも大切です。

基本的に供花を受け取ったご遺族は、香典と同じように返礼品を渡します。返礼品は、受け取った供花の「1/2~1/3程度の費用で買える品物」が適切です。

このように「供花にも返礼品が必要」という考え方が一般的です。とはいえ、身内を亡くし葬儀などで多忙なご遺族の負担を少しでも減らすために、「返礼品を辞退する」といった心遣いを見せると良いでしょう。

返礼品を受け取ってから送り返すわけにもいかないため、供花を贈ったタイミングで「返礼品は辞退する旨」を一言添えると、ご遺族の負担を減らせます。

葬儀のことで悩んだら…「セゾンの相続 お葬式サポート」に相談してみよう

「贈る供花の種類」など葬儀のことで悩んだら…「セゾンの相続・お葬式サポート」に相談してみよう

故人への哀悼を示すために供花を贈る際は、相手の宗教や宗派、ご遺族の希望などを考慮することが大切です。ご遺族は悲しみの中で葬儀の準備に追われているため、負担を減らすためにもマナーを守り正しい種類の供花を贈りましょう。

ただ、あまり供花を贈る機会がないと「どんな種類を選べば良いの?」といった疑問を感じることもあると思います。

そうした疑問を感じた場合は、「セゾンの相続 お葬式サポート」へのご相談がおすすめです。経験豊富な提携専門家のご紹介も可能ですので、葬儀を実施する側の疑問点だけでなく、「どの種類の供花を選べば良い?」「参列する際のマナーって?」といった疑問も解決できます。

ご遺族に負担をかけず故人へ哀悼の意を示すためにも、相談して疑問点を解消しておきましょう。

セゾンの相続 お葬式サポートの詳細はこちら

お葬式サポート
お葬式サポート

おわりに

葬儀で贈る花には、供花や枕花などさまざまな種類があります。それぞれで使う場面が異なるため、贈るタイミングなどを意識することが大切です。

また、ご遺族の意向や故人の宗教にも気を配りましょう。故人の宗教に合わない花を贈ることは避けるべきですし、もし供花の受け取りを辞退しているなら、相手の意思を尊重することが最優先です。実際に花を準備する際は、葬儀社に「自分で花を用意して大丈夫か?」という点も確認しておきましょう。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする

ライフイベントから探す

お悩みから探す

執筆者・監修者一覧

執筆者・監修者一覧

セミナー情報

公式SNS

おすすめコンテンツの最新情報をいち早くお届けします。みなさんからのたくさんのフォローお待ちしています。