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お墓のお供え物の正しい置き方は?食べ物などをお供えするときのマナーを解説

お墓のお供え物の正しい置き方は?食べ物などをお供えするときのマナーを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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お供え物には、お線香をはじめお花、食べ物、水などがあり、置き方に迷う方もいるかもしれません。お供え物の置き方には決まったマナーがあります。また、お供え物に選ぶべき食べ物や、タブーとされている食べ物もあるため、注意が必要です。このコラムでは、お供え物の種類や置き方、お供え物を選ぶときのマナーなどを解説します。有意義なお墓参りとなるよう、お供え物を用意する前にぜひご一読ください。

この記事を読んでわかること

  • お供え物の基本要素は、お線香・ロウソク・花・水・飲食物の「五供(ごくう)」
  • お供え物に香味野菜や肉、魚はふさわしくない
  • お墓にお供え物を置くときは下にカゴや皿、半紙などを敷き、じかに置かない
  • お墓参りに困ったら「お墓参り代行サービス」が便利
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お墓のお供え物の意味

お墓のお供え物の意味

お墓のお供え物には、次の3つの意味合いがあります。

  • 供養のため
    お墓にお花や食べ物を墓前に供えることによって、先祖供養になります。今は亡き先祖を喜ばせたいという気持ちを、お供え物で伝えます。
  • 故人を偲ぶため
    故人が好きだった花や食べ物をお供えすることで、お墓参りをする方みんなが故人を偲べます。
  • 感謝を伝えるため
    「見守っていてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えます。

心を込めてお供えすれば、「先祖に心を伝えられた」と感じられるでしょう。しかし、お供え物の置き方を間違えてしまうと、マナー違反と言われても仕方ありません。特に、お盆やお彼岸は多くの方がお墓参りに訪れる時期です。マナーをしっかり守り、正しいお墓参りを心がけましょう。

お墓のお供え物の基本は「五供(ごく)」

お墓のお供え物の基本は「五供(ごく)」

お墓のお供え物の基本は「五供(ごくう)」と呼ばれ、5種類のお供え物を表します。「五供」の内容は、以下の通りです。

  • 灯燭(とうしょく)
  • 浄水
  • 飲食(おんじき)

それぞれについて解説します。

お線香のことです。お線香の煙や香りは、その場を清めるといわれています。また、亡くなった方はお線香の香りを食べるといわれているため、お供え物としては最も基本的なものです。

お墓で焚く線香といえば「杉線香」と呼ばれる、杉でできた線香が有名です。しかし、基本的にはどのようなお線香でも構いません。香りが良いと感じるお線香を選ぶのがおすすめです。

なお、お墓参りといえば「束になった線香を全てお供えする」というイメージを持つ方も多いかもしれません。もちろん、地域の風習や家の習慣から、束線香を全て焚くこともあるでしょう。しかし、必ずしもたくさんのお線香を焚く必要はありません。1人につき1~3本のお供えでも、十分な供養になります。

一対(2束)の花束のことで、供花(きょうか・くげ)とも呼ばれます。花の美しさと、良い香りがお供えにふさわしいとされています。

基本的には故人が好きだった花や色味をイメージしてお花を選んで構いませんが、以下のようなマナーがあるため注意しましょう。

  • 花粉がたくさんついている花は、おしべを切る
    ユリなど花粉が目立つ花は、墓石を汚してしまう恐れがあります。花粉がついているおしべ部分を切るのがマナーです。
  • 花びらが散りやすいものは避ける
    花びらが墓石周りに散らばってしまうと、お墓参り後の掃除が大変です。特に、椿は花がまるごと落ちてしまうため、「首が落ちる」ことを連想させ不吉と言われます。
  • トゲや毒のある花は避ける
    殺生を連想させるため、バラなどトゲのある花、水仙やチューリップなど毒のある花は避けます。ただ、トゲについては取り除けばOKという考え方もあります。
  • 亡くなって間もない場合は華やかな色味を避ける
    一周忌までは、赤などの華やかな色味の花を避け、淡い紫や青、ピンク、黄色を基調とした花束をお供えするのが良いとされています。ただし最近では、亡くなって間もない場合も色味にかかわらず故人が好きだったお花をお供えするのが良いという考え方も出てきました。

灯燭(とうしょく)

ロウソクのことです。先祖はロウソクの光を感じ取ることができるとされています。ロウソクを灯すことで、お墓参りに訪れたことを故人に知らせるのです。

また、ロウソクの火は、人の煩悩や悩みを取り去ることができるともいわれており、お墓参りのみならず仏壇や葬儀の祭壇にも飾られます。弔事には欠かせないものです。

ロウソクの火をそのままにしておくと火事の原因になる恐れがあるため、お墓参りが終わったら消して帰るのがマナーです。ロウソクの火を消す際は息を吹きかけず、手で仰いだり、火消しを使ったりします。ロウソクの火に息を吹きかける行為は、ご先祖に息を吹きかけることになってしまい、タブーとされているためです。

浄水

お墓の水鉢にお供えする水のことです。特別な水を使う必要はなく、新鮮なものであれば良いとされています。

浄水はお墓参りに訪れた人の心を浄化させる意味合いを持ちます。

また、水鉢に水を張ると、そこへご先祖様が姿を映してくれるともいわれています。

飲食(おんじき)

お墓にお供えする食べ物や飲み物のことです。お墓参りに訪れた子孫たちが「おかげさまで毎日、食事をいただいています」と感謝のメッセージを伝えるためにお供えします。

飲食におすすめの食べ物や飲み物については、次章で詳しく解説します。

お墓のお供え物におすすめのもの

お墓のお供え物におすすめのもの

お墓のお供えにおすすめなのは、以下のような食べ物や飲み物です。

  • 故人の好物
  • 季節の食べ物
  • 日持ちするもの

それぞれ、具体的な品物やおすすめポイントについて解説します。

故人の好物

故人の好物が何よりの供養になります。故人が好んで食べていた果物、ひいきにしていたお店のお菓子、ビールや日本酒など、遺族であればきっと思い当たるものがあるでしょう。

自分が遺族ではなく、故人の好物を知らない場合は、お墓参りの前に遺族へ問い合わせてみても良いかもしれません。

季節の食べ物

夏ならそうめんやゼリー、秋ならブドウといった果物など、季節の食べ物がおすすめです。特に、お彼岸には決まったお供え物があります。お彼岸にお墓参りへ訪れる場合は、以下の関連記事も参考にしてください。

関連記事:お彼岸にやってはいけないこととは?お供物やタブーについてもご紹介

日持ちするもの

お墓のお供え物は、できれば日持ちのするものを選びましょう。

お墓のお供え物は持ち帰るのがマナーです。お供え物を持ち帰った後は、可能であれば家族でいただきます。先祖にお供えしたものは「仏様のお下がり」といわれ、いただくことで供養になるとされているためです。

賞味期限の短いもの、鮮度を保つのが難しいものは、持ち帰った後に食べられない恐れがあります。

基本的には故人の好物や季節のものを中心に選んで構いませんが、できるだけ賞味期限を意識してください。なるべく食べ物を無駄にしないためにも、お菓子であれば個包装のものを選ぶといった工夫も大切です。

お墓のお供え物で避けるべきもの

お墓のお供え物で避けるべきもの

お墓のお供え物にふさわしくない食べ物がありますが、数は多くありません。以下の2点だけ覚えておきましょう。

殺生をイメージさせるもの

仏教には、無益な殺生を避けるべきという考え方があります。そのため、殺生をイメージさせてしまうものはお供え物としてふさわしくありません。

魚や肉はもちろんのこと、ソーセージなどの加工品も不向きです。「供物に故人の好物を」と考えるなら、食事よりもお菓子や飲料を意識して選ぶと良いでしょう。

「五辛(ごしん)」の食べ物

「五辛(ごしん)」とは、香味のある野菜のことです。五辛は仏教において、煩悩を刺激する食べ物といわれています。よって香味野菜はお供えにふさわしくありません。

らっきょうやニラ、ニンニク、ネギ、アサツキといった香りの強い野菜や、これらを含んだ食品はお供えしないようにしましょう。

お墓のお供え物の置き方

お墓のお供え物の置き方

お墓のお供え物は、墓石に直接置くことはありません。必ず入れ物を使い、ルールに従って置き方を整えてください。

「五供」の置き方について、それぞれ解説します。

お線香は香炉に置く

お線香は、香炉にお供えします。香炉の形状はさまざまですが、横置きか立てるのかきちんと確認しましょう。

ステンレス製の長い皿なら、お線香を横にして置きます。石材でできたお椀状の香炉や、ステンレスでできたコップ状の香炉であれば、お線香をその中へ立てて置くのが基本です。

まずは、ロウソクやマッチでお線香に火をつけましょう。風の強い日は炎が流されて火がつきにくいため、全てのお線香の先端にきちんと火がついたか確認してください。火がついていないお線香があると、香炉にいつまでも残ってしまうためです。

お線香の火は息を吹きかけず、手で仰いで、あるいは少しお線香を振って消しましょう。上下にお線香を振りすぎると灰がこぼれるため、注意が必要です。

お線香を香炉に置いたら、静かに手を合わせて故人の冥福を祈りましょう。また、先祖に対して感謝の気持ちを伝えます。

食品や飲み物はお盆や半紙などの上に置く

食品や飲み物は、お盆やお皿、半紙、懐紙(かいし)に載せてお供えします。直接墓石に置くのは避けましょう。墓石が汚れたり、傷んだりする原因になります。お皿やお盆を持ち合わせていない場合は、ハンカチを広げてその上に供物を置いても構いません。

袋や箱に入ったものは、なるべく封を切ってお供えします。ただし、持ち帰りが不便にならない程度にしましょう。

なお、ジュースやビールをお墓にかけるのはあまり良くありません。墓石が汚れ、傷みの原因にもつながるためです。飲み物の香りが周囲に広がり、迷惑になってしまう事態も考えられます。

灯燭はロウソク立てにお供えする

ロウソクは、お墓に備え付けのロウソク立てにお供えします。ロウソクを灯すタイミングは、お墓掃除を終えた後、お参りをする直前です。

お参りをしている間は、ずっとロウソクを灯しておきます。お参りが済んだら、ロウソクを消して帰ります。

お墓参りのあとにお供え物を片づけるときのマナー

お墓参りのあとにお供え物を片付けるときのマナー

お墓参りがすんだら、お供え物を片づけて帰りましょう。墓前に供えたものの片づけ方にもマナーがあります。基本的には、全て持ち帰るのがマナーです。

ただ、霊園によって持ち帰りに関するルールが違う場合があります。あらかじめ霊園の決まりを確認してください。

生花は枯れやすく、そのままにしておくと霊園の景観に悪影響を与えてしまううえ、花立ての中の水が腐って臭いを放ちます。基本的には持ち帰りましょう。

花は持参した包み紙へ元どおりに包むか、ビニール袋に入れて持ち帰ります。

せっかく飾った花をすぐに持ち帰ってしまうのが寂しく感じられる場合は、造花を使うのも良いでしょう。ただし、造花であってもたびたび雨風に晒されれば汚れが目立ってきます。可能であれば、数日経ったら引き取りに行くのが賢明です。

食品や飲み物

食品や飲み物は、放置するとカラスや猫が食べ荒らす恐れがあります。霊園を猫がうろつく原因になってしまうため、持ち帰りましょう。放置すると食品が腐り、臭いを放ち、墓石が汚れる可能性もあります。

持ち帰った食品や飲み物は、前述したとおり「仏様のお下がり」としていただくことができます。仏壇にお供えしても良いでしょう。

やむを得ず廃棄する場合は、可燃ゴミとして処分しても問題ありません。心が咎める場合は、白い半紙などへ丁寧に包み、塩を振ってお清めをした後に処分しましょう。

お墓参りで困ったときにおすすめのサービス

お墓参りで困ったときにおすすめのサービス

「遠方でお墓参りに行けない」「お盆に用事が入ってしまった」など、お墓参りに困った場合は、お墓参りのサポートサービスを依頼すると安心です。

お墓参り代行サービスの内容は、おおむね以下のとおりです。

  • サービス前後のお墓の写真をメールなどで送ってくれる
  • 草むしりや墓石の拭き上げなど、お墓掃除をしてくれる
  • 要望に合わせてお供え物をし、お墓参りをしてくれる
  • 代行時、気になったお墓の傷みや傾きがあれば報告してくれる

思うように供養ができない家族に代わり、お墓掃除とお参りを行ってくれます。

セゾンの相続

「なかなかお墓参りができない」「先祖代々のお墓を継げる人がいない」「自分ひとりだけのお墓を持ちたい」など、お墓の悩みを抱えている場合は、「セゾンの相続 お墓探しサポート」にご相談ください。お墓参り代行サービスのご紹介はもちろん、これまでのお墓を取り壊す「墓じまい」や、樹木葬や納骨堂といった新しいお墓の選択肢についてもご案内します。

お墓の専門家がお客様に寄り添い、じっくりとお話を伺うため、きっと解決策が見つかります。お墓に関する無料セミナーも行っているため、ご興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

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おわりに

お墓のお供え物としてふさわしい食べ物や、お供え物の置き方、お供えのマナーについて解説しました。お墓へお供え物をすると、先祖の供養になるほか、先祖に感謝を伝えられるとされています。故人のために心を込めてお供え物を選べば、きっと温かい気持ちでお墓参りができるでしょう。

お墓参りの前には、忘れ物のないよう必ず「五供」を意識して持ち物をチェックしてください。お墓を訪れた際にはお供え物の置き方に十分注意し、お墓参りのマナーを守って祈りを捧げることが大切です。

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