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一人暮らしの親の安否確認がしたい!おすすめの見守り方法やサービスの選び方を解説

一人暮らしの親の安否確認がしたい!おすすめの見守り方法やサービスの選び方を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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高齢化社会に伴い、一人暮らしの高齢の親を持つ人も多くなってきました。この記事では、そんな親の安全を守るための様々な見守り方法やサービスを詳しく解説します。この記事を読んで親の安否を効果的に確認できる方法を知り、不安や心配を少しでも減らしていきましょう。
(本記事は2024年4月30日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 高齢者の一人暮らしには多くのリスクが存在し、定期的な安否確認が必要である
  • 民間の見守りサービス、市販の見守りグッズ、自治体の支援サービスを活用することで、多様な方法で高齢者の安全を確保できる
  • 見守りサービスを選ぶ際には、親の意思やプライバシーを尊重し、生活パターンや予算に適した方法を選ぶことが重要である
  • 周囲の人々、特に家族や近隣住民の協力も、効果的な見守りの一環として重要である

高齢者の一人暮らしに起こりうるリスクと安否確認の必要性

高齢者の一人暮らしに起こりうるリスクと安否確認の必要性

2023年の日本における65歳以上の高齢者人口率は29.0%に達し、10年前の2013年から約5%の増加を見せています。高齢化はますます進行し、2060年には高齢者の割合が人口のほぼ40%に達するとの予想もあります。

なかでも、一人暮らしをしている高齢者には、以下のようなリスクが存在するため、近隣住民や家族、地域社会との連携を通じて高齢者が一人で孤立することなく安心して生活できる環境を整えることが重要です。

  • 空き巣や詐欺などの犯罪に巻き込まれる可能性
  • 認知症の発覚が遅れる可能性
  • 突然の病気やケガに対応できない可能性
  • 孤独死の可能性

まずは、これらのリスクについて、以降で詳しく解説してきましょう。

参照:内閣府|令和5年版高齢社会白書(概要版)|第1章 高齢化の状況

空き巣や詐欺などの犯罪に巻き込まれる可能性

高齢者の一人暮らしは、空き巣や詐欺などの犯罪に特に脆弱です。この背景には、社会的な孤立や身体的な弱さがあり、それが悪質な犯罪者に利用されることがあります。

高齢者は社会とのつながりが少ないため、不審者に警戒心を持ちにくく、人を信じやすいという特性があります。この信頼性が詐欺師にとって格好のターゲットになるのです。

また、一人暮らしの高齢者の住環境は、しばしばセキュリティが不十分であることが多く、これが空き巣の犯罪者にとっては侵入しやすい状況を作り出します。防犯システムの欠如や物理的なセキュリティ対策の不備は、犯罪に対する脆弱性をさらに高める要因となるのです。

認知症の発覚が遅れる可能性

認知症の発覚が遅れるリスクは、特に高齢者が一人暮らしをしている場合に顕著になります。認知症の発生率は高齢になるほど自然に高くなりますが、一人暮らしの環境では、初期症状が見過ごされがちであり、その結果、症状の進行が早まる可能性があるのです。

一人暮らしの高齢者は、日常的な対人交流が限られているため、認知機能の低下を早期に察知しにくい状況にあります。家族や友人が定期的に接触しないことで、記憶障害、判断力の低下、時間や場所に対する認識の混乱などの認知症の初期症状を見落とす可能性が高まります。

また、一人暮らしでは、認知症による行動の変化や生活パターンの乱れが他人によってモニタリングされる機会が少ないため、問題が深刻化してから初めて発見されるケースが多いのです。

突然の病気やケガに対応できない可能性

高齢者の一人暮らしで特に懸念されるのが、突然の病気やケガに対する即応性の欠如です。一人暮らしの高齢者が急な健康問題に見舞われた場合、周囲に助けを求めることが難しく、適切な医療介入が遅れがちです。例えば、ヒートショックや熱中症などで突然倒れた際、発見が遅れると、重篤な健康被害に至るリスクが高まります。

さらに、高齢者は体の感覚が鈍くなっていることが多いため、小さなケガや体調不良が重大な問題に発展する前に、それに気づかないことも少なくありません。たとえば、転倒による骨折は高齢者にとってまれにある事故ですが、これが原因で長期間の寝たきりにつながることもあります。

孤独死の可能性

孤独死は、社会問題にもなっている深刻なリスクの一つです。高齢者が社会的に孤立し、家族や友人、地域社会との日常的な接点が少なくなると、家で万が一健康上の問題が発生しても、その事実が周囲に気づかれることなく適切な介入が遅れる可能性が高まります。

孤独死の原因としては、急性の病気や事故だけでなく、徐々に進行する健康問題が悪化し、最終的に致命的な結果を招くケースもあります。特に、高齢者は転倒や心臓発作など、急な健康の悪化が見られやすいため、これらの状況において即座に助けを求めることが困難です。

この問題に対処するためには、定期的な健康チェック、緊急通報システムの導入、そして何よりも地域社会や家族が高齢者との連絡を密にすることが重要です。地域の見守り活動や社会参加の促進も、孤独死のリスクを低減するのに寄与します。また、高齢者自身が日々の健康管理に積極的に取り組むことも、孤独死を防ぐためには不可欠です。

見守り方法その1|民間のサービスの活用

見守り方法その1|民間のサービスの活用

先述した、高齢者の一人暮らしに起こりうるリスクに対処するためには、高齢者を見守るシステムを構築することが大切です。見守りにはいくつかの方法がありますが、まずは、以下のような民間のサービスを活用する方法を紹介します。

  • 宅配などを利用した見守りサービス
  • 警備会社による見守りサービス
  • 訪問介護員等による見守りサービス
  • 一人暮らしの親の見守りを任せるなら「くらしのセゾン」の「親サポセレクト」

これらのサービスは、高齢者が自宅で安全かつ快適に生活できるよう支援するためのものであり、家族にとっても心強いサポートとなります。以降で詳しく解説します。

宅配などを利用した見守りサービス

宅配などを活用した見守りサービスでは、日常的な宅配業務を通じて高齢者の安否を確認することが可能です。たとえば、以下のようなサービスがあります。

  • 宅食販売サービス:高齢者向けの食事を定期的に届けるサービスで、配達員が直接高齢者の自宅に訪れます。訪問を通じて、高齢者の健康や安全をチェックし、必要に応じて家族やサポートセンターに連絡を取ることができます。
  • 郵便配達:日常の郵便物を通じて、配達員が定期的に高齢者宅を訪れます。郵便配達員は、高齢者と対面する機会を利用して、その健康や生活状況を観察し、異常があれば関連機関に報告します。

これらのサービスは、高齢者が社会とつながり続ける手助けをするとともに、万が一の事態に迅速に対応できるようにするための安全ネットを提供します。配達時に行われる対面のやりとりは、高齢者にとっての心の支えとなり、孤独感の軽減にも寄与します。

このような見守りサービスの導入は、家族やケアマネージャーにとっても心強い存在であり、高齢者自身の生活の質を向上させるための重要な役割を果たすでしょう。

警備会社による見守りサービス

警備会社による見守りサービスは、技術的な手段を活用して高齢者の居住環境を常に監視し、緊急時には迅速な対応を可能にしてくれるサービスです。

たとえば、ALSOKでは、センサーやカメラを用いた家庭内監視システムがあり、これにより高齢者の動きを24時間体制でチェックします。異常が検知された場合、自動的に警備員に通報し、迅速な対応が可能です。

また、基本的な見守りサービスに加えて、多くの警備会社では追加のオプションを提供しています。これには、健康状態のモニタリングや生活支援サービスが含まれることがあります。CSP Happinessでは、生活リズムの変化を検知するための高度なセンサー技術を提供しており、より個別化されたケアが可能です。

これらのサービスは、高齢者が自宅で安全かつ自立した生活を続けるための重要な支援となります。家族はこれによって、離れて暮らす高齢者の日常の安全を確認しやすくなり、万一の事故や健康問題にも迅速に対応できるようになるでしょう。

訪問介護員等による見守りサービス

訪問介護員による見守りサービスは、高齢者の自宅での生活を支援するための重要なサービスの一つです。このサービスは、高齢者が安心して自宅で生活できるよう、定期的な巡回や随時対応を通じて介護や看護を提供します。

たとえば、全国定期巡回・随時対応型訪問介護看護協議会では、24時間・365日介護サービスを提供できる定期巡回・随時対応サービスの推進を行っているほか、訪問介護スタッフが定期的に高齢者の自宅を訪問し、健康状態や生活環境をチェックし、必要に応じて介護や看護を行っています。また、高齢者や家族が緊急時に連絡することで、いつでも対応が可能です。

このサービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、高齢者が日常生活に支障をきたしている程度を評価し、必要な介護のレベルを判断するものです。要介護認定を受けることで、適切なサービスを受けるための基準が明確になります。

見守り方法その2|市販のグッズの活用

見守り方法その2|市販のグッズの活用

高齢者の見守りには、専門業者のサービスを利用するだけでなく、市販のグッズを活用することもできます。主な市販の見守りグッズとしては、主に以下のようなものがあります。

  • アプリやカメラタイプ
  • 見守り家電

以降で詳しく解説します。

アプリやカメラタイプ

自身の親など、高齢者のスマホに特定のアプリをインストールすることで、外出時の動きをリアルタイムで把握し、安否を確認できます。また、屋内にセキュリティカメラを設置することで、家の中でも安全を確保できます。

メリットとしては、リアルタイムの安否確認が可能であり、親の動向を把握しやすい点です。しかし、プライバシーの問題や技術的なトラブルが発生する可能性があるデメリットもあるため、導入を検討する際は注意が必要です。

見守り家電

冷蔵庫や炊飯器などの家電製品が、高齢者の安否を家族に通知する機能を備えています。これにより、日常の生活動向から親の安全を把握できます。

メリットとしては、家電製品の利用が日常的であるため、安否確認が容易であり、プライバシーの問題が少ない点です。

一方で、設置や設定にコストがかかることや、誤った通知がある可能性があるデメリットも考えられます。

見守り方法その3|自治体による高齢者支援サービス

見守り方法その3|自治体による高齢者支援サービス

自治体は高齢者支援サービスを提供し、見守りもその一環です。具体的には、以下のようなサービスがあります。

  • 地域包括支援センターへの事前相談
  • 自治体が行っている見守りサポート

ただし、各自治体で異なるサービス内容や提供方法がありますので、地域の福祉担当窓口やホームページで詳細を確認することが重要です。以降で詳しく解説します。

地域包括支援センターへの事前相談

地域包括支援センターは、全国の自治体に設置されています。高齢者やその家族は、生活相談や支援サービスに関するさまざまな問題を相談することができます。一人暮らしの高齢者に対する悩み相談も受け付けており、孤独や健康面での不安などに対処する支援を提供してくれます。

メリットとしては、専門の相談員が対応し、適切な支援やサービスを提供することができる点です。また、地域の特性に即した支援が受けられることも大きな利点でしょう。

一方、デメリットとしては、地域によってはサービスの質や内容にばらつきがあることや、混雑している場合に待ち時間が長くなることがあります。

自治体が行っている見守りサポート

各自治体は独自の見守りサービスを提供しており、これらを活用することも有効です。訪問による見守り活動では、地域のボランティアや専門職が高齢者の健康や生活状況を定期的にチェックし、必要な支援を提供します。また、サロンを通じての見守り活動では、高齢者同士が交流し、孤独感を軽減する場を提供します。

さらに、デジタルツールを使用した見守り活動も増えており、センサーやカメラを利用して遠隔から見守ることが可能です。

メリットとしては、地域のニーズに合わせた支援が提供されることや、コストが比較的低いことが挙げられます。しかし、デメリットとしては、人手不足や技術的な問題によりサービスの質がばらつくことや、プライバシーの懸念があることがあります。

参照:総務省|一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査

周囲の人にできる見守り方法

周囲の人にできる見守り方法

民間サービスやグッズを利用するのも一つの手ですが、身近なところでできる見守りや離れて暮らす家族にもできる見守りがあります。ここでは以下2つの方法について解説します。

  • 親戚や近隣住民へ協力を前もってお願いしておく
  • 家族が定期的に連絡を取る

以降で詳しく解説します。

親戚や近隣住民へ協力を前もってお願いしておく

高齢者を見守るために、近くに住む親戚や近隣住民に協力を仰ぐことは重要です。良好な関係を築いておくことで、彼らに親の様子を確認してもらえるようにします。

これにより、高齢者がいつもと変わらず安心して生活できる環境を提供することができるでしょう。親戚や近隣住民に対する協力のお願いは、高齢者の安全と健康にとって重要な役割を果たします。

家族が定期的に連絡を取る

家族が定期的に電話やメールで連絡を取ることも大切です。これにより、高齢者の健康状態や日常生活に変化がないかを確認することができます。定期的なコミュニケーションを通じて、高齢者が孤立感を感じることなく、安心して生活できる環境を提供することができるでしょう。

また、直接話すことで、ちょっとした変化にも素早く気付くことができます。家族とのコミュニケーションは、高齢者の健康と安全を確保する上で欠かせない要素です。

見守りサービスはどうやって選ぶ?

見守りサービスはどうやって選ぶ?

見守りサービスを選ぶ際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 親の意思を尊重しプライバシーに配慮する
  • 親の生活パターンに合わせて選ぶ
  • 無理のない予算で選ぶ

これらのポイントを考慮することで、親の安全とプライバシーを守りながら適切な見守りサービスを選択することができます。以降で詳しく解説します。

親の意思を尊重しプライバシーに配慮する

親の意思を尊重しプライバシーに配慮することは、見守りサービスを選ぶ際に不可欠です。家族や介護者は、親と話し合い、彼らの意見や考えを聞きながら、見守りの必要性や具体的なサービスの導入について決定していく必要があります。

親が見守りサービスに不快感を抱く可能性もあるため、彼らが納得し、安心して受け入れられる方法を選びましょう。このような配慮が家族間の信頼関係を築き、より良いケアの提供につながります。

親の生活パターンに合わせて選ぶ

親の生活パターンに合わせて見守りサービスを選ぶことは、その効果を最大限に引き出すために重要です。高齢者の生活スタイルや行動パターンは個々に異なるため、一概に同じサービスが適しているとは限りません。

例えば、外出が多い場合はGPS機能のある移動見守りサービスが適していますが、家で安定して過ごすことが多い場合はセンサーやカメラを利用した在宅見守りが適しています。

そのため、まずは親の生活パターンを把握し、その特性に合わせて最適なサービスやグッズを選びましょう。これにより、見守りの範囲を最適化し、親が安心して日常生活を送ることができるようになります。

無理のない予算で選ぶ

見守りサービスを選ぶ際には、予算の範囲内で適切な選択をしましょう。一般的に、民間の見守りサービスは提供されるサービス内容が充実しているほど料金が高くなる傾向があります。そのため、予算を考慮しながら適切なサービスを選ぶことが必要です。

予算に制約がある場合は、行政のサービスや介護保険サービスを活用することも考えられます。これらの公的なサービスは、民間のサービスと比較して料金が比較的低く抑えられています。

また、予算に見合う内容の見守りサービスを選ぶことで、無理のない負担で高齢者の安全を確保できます。経済的な負担を最小限に抑えながら、高齢者の健康と安全を守るために、予算に応じた適切な見守りサービスを選びましょう。

おわりに

高齢者の一人暮らしに対する見守りは、安心安全な生活を維持するための重要な要素です。多様な見守り方法から最適なものを選ぶことで、緊急時の対応能力が高まり、孤立を防ぎながら自立を支援します。市販のグッズや自治体のサービス、さらには民間の見守りサービスを利用することで、親のプライバシーを尊重しながら、その生活パターンに合わせた支援が可能になります。親の安全と幸福を確保するために、適切な見守りサービスを選ぶことが、共に心豊かに歳を重ねるための鍵となります。

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