高齢化が進む中、高齢者の身元保証サービスの重要性が増しています。身元保証サービスは、高齢者が病院や介護施設への入所の際に、身元保証人の不在を解決するための手段として重要な役割を果たします。特に、親戚の中に遠方の実家に在住している単身高齢者がいる方は、高齢者の身元保証サービスについて知っておくと良いでしょう。
この記事では、高齢者の身元保証サービスの概要や利用するタイミング、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
(本記事は2024年1月26日時点の情報です)
- 高齢者の身元保証サービスは、主に独り身の高齢者の生活をサポートするサービスであり、入院や入所時に身元保証人として機能
- 身元保証サービスを使うタイミングは、介護施設への入所や病院に入院、死亡してしまったとき
- 身元保証サービスを利用するメリットは、身元保証人を探す手間が省けること、日常生活のサポートや死亡後の各種手続きなども依頼できること
高齢者の身元保証サービスとは
高齢者の身元保証サービスとは、主に単身で生活する高齢者が急な病気や事故に見舞われた際、または長期の介護が必要になった時に、身元保証人として機能するサービスです。
介護施設や病院などでは、入院や入所時に身元保証人が必要となることが多く、身元保証サービスはそうした場面で高齢者をサポートするために利用されています。
特に、65歳以上の単身世帯は毎年増加傾向にあり、身元保証サービスの需要も高まっています。
高齢者の身元保証サービスの3つの特徴を具体的に見ていきましょう。
- 高齢者の生活をサポートする
- 病気や万が一に備えた駆けつけサポートを提供する
- 病院への入院や介護施設への入居時に身元保証人になる
高齢者の生活をサポートする
高齢者の身元保証サービスは、日常生活から緊急時の対応まで高齢者の安全と快適な生活を守るために欠かせません。高齢者の場合、健康状態の変化や急な病気・事故に対応できる家族や親しい人がいないケースも多いです。
こうした状況下において、身元保証サービスは緊急時の連絡先としての役割を果たし、必要な医療やケアへのアクセスをサポートします。
また、日常的な生活サポートや行政手続きの支援も提供することで、高齢者が自立した生活を続けることもできる点は、大きな魅力といえるでしょう。
病気や万が一に備えた駆けつけサポートを提供する
高齢者の身元保証サービスは、病気や予期せぬ事態に迅速に対応することで高齢者の安全と安心を守るという重要な役割を果たします。
高齢になると、健康面でのリスクを抱え、緊急時の対応が困難な状況も多くあります。
家族や近隣住民がすぐに対応できない場合、身元保証サービスが提供する駆けつけサポートは、緊急事態における高齢者の命綱となるでしょう。このサービスにより、病気や事故が発生した際に迅速に介入でき、最悪の事態を防げる可能性があります。
病院への入院や介護施設への入居時に身元保証人になる
高齢者の身元保証サービスは、入院や介護施設への入居時に身元保証人となることで、高齢者とその家族、親族に安心を提供します。
多くの病院や介護施設では、入院や入居時に身元保証人が求められます。しかし、特に単身高齢者の場合、身元保証人を立てるのが困難なケースも少なくありません。例えば、家族が遠方に住んでいる、身元保証人になれる家族・親族がいないこともあります。そのため、身元保証サービスの存在は高齢者本人と家族・親族にとって頼りになる存在です。
高齢者は必要な医療やケアを受ける権利を確保でき、家族・親族の方は精神的な負担を軽減できるでしょう。
亡くなる前後のサポートをする
終末期のケアや亡くなった後の手続きの支援など、亡くなる前後のサポートも高齢者の身元保証サービスに含まれます。
人生の最期のときを迎える時期において、ご本人は自分がどのように過ごしたいのか、亡くなった後のことをどのように処理したら良いのかという不安を感じるでしょう。特に、家族が遠方に住んでいたり親族がいなかったりする場合、より不安感は増します。
高齢者ご自身が意思表示をすることが難しくなる状況下で、事前に意向を確認した上でそれに基づき適切なサポートが受けられるのは大切なポイントです。
身元保証サービスを使うべきタイミングとは
では、身元保証サービスを利用すべきタイミングはどのようなときなのでしょうか。ここでは、以下の3つのケースについて詳しくご紹介します。
- 介護施設への入居が必要になるケース
- 入院することを医師から求められたとき
- 死亡してしまったとき
介護施設への入居が必要になるケース
介護施設への入居を検討する際は、身元保証サービスを利用すべきタイミングです。
介護施設の多くは、入居者の万が一の事態に備えて入居時に身元保証人を求めます。しかし、高齢者の中には身元保証人を確保できない方も多く、このような場合には身元保証サービスの利用が賢明です。
身元保証サービスを利用することで入居に必要な条件を満たすことができ、スムーズに施設での生活へ移行できるでしょう。
入院することを医師から求められたとき
身寄りのいない高齢者が医師から入院を勧められたときも、身元保証サービスを利用すべきタイミングです。
高齢者が病気やケガで入院が必要になった場合、病院では身元保証人を求めるのが一般的です。しかし、高齢者の中には身内がいない、または遠方に住んでいてすぐに駆けつけられないケースもあります。
高齢者の身元保証サービスは高齢者の入院にあたって、必要な手続きを代行してくれます。
死亡してしまったとき
適切な治療を行ったとしても、残念ながら高齢者が亡くなることもあるでしょう。高齢者が亡くなったときは、身元保証サービスに加えてエンディングサポート(死後の事務手続き代行)を利用すべきタイミングです。
孤独死や高齢者に身内がいなかったりする場合、その後の手続きが非常に複雑になりがちです。例えば、遺体の発見から葬儀の手配、遺産相続の手続きは非常に煩雑で、特に身内が遠方にいる場合やすでに高齢である場合は、こうした事務処理が大きな負担となりかねません。
高齢者の身元保証サービスを提供する会社は、このような煩雑な手続きを行わなければならない状況において迅速かつ適切に対応してくれます。故人の尊厳を守りつつ残された家族や親族の精神的・経済的負担を軽減してくれるでしょう。
高齢者の身元保証サービスを利用するメリット
高齢者の身元保証サービスを利用するメリットは、主に以下の3点です。
- 身元保証人を探す手間や行程が省ける
- 身元保証の付帯サービスを活用できる
- 家族や親族に負担がかからない
身元保証人を探す手間や行程が省ける
高齢者の身元保証サービスを利用する大きなメリットは、身元保証人を探すための手間や行程が省けることです。
施設や病院では入居や利用の際に身元保証人を求めることが多いですが、単身高齢者の場合、家族・親族や親しい人が遠方に住んでいたり身近に頼れる人がいなかったりするケースもあります。また、そもそも、適切な身元保証人を見つけるのは簡単なことではありません。
高齢者の身元保証サービスを提供する会社は身元保証人として役割を果たすので、高齢者が必要なサービスを受けられるよう支援してくれるので安心です。
身元保証の付帯サービスを活用できる
身元保証サービスを利用すると、付帯サービスを活用できるのも魅力です。
基本的な身元保証はもちろん、さまざまな付帯サービスを提供している会社もあります。付帯サービスの例は、日常生活のさまざまなサポートなどです。
高齢者がより快適で豊かな生活を送るために、これらの付帯サービスは欠かせません。
家族や親族に負担がかからない
家族や親族に負担がかからないことも、高齢者の身元保証サービスを利用する大きなメリットの一つです。特に、高齢者が単身で生活している場合や家族・親族が遠方に住んでいる場合に威力を発揮してくれるでしょう。
高齢者が入院する際や介護施設に入る際に必要な身元保証人の問題を解決できることで、家族や親族の負担を大きく軽減できます。
本来であれば家族や親族が身元保証人となることが多いですが、すべての高齢者がそのような環境にあるとはいえません。身元保証サービスを利用することで、必要な手続きを任せることができ、家族や親族に負担をかけずに安心して生活することが可能です。
高齢者の身元保証サービスを利用するデメリット
高齢者の身元保証サービスを利用する際にはメリットも多いですが、以下のようなデメリットもあります。
- 費用負担がかかる
- 悪徳業者や団体も存在する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
費用負担がかかる
高齢者の身元保証サービスを利用する際の主なデメリットは、費用がかかることです。身元保証サービスは様々なサービスを提供してくれますが、当然ながら無料ではありません。
サービス提供会社によって幅はありますが、身元保証サービスのみで30~50万円程度がかかるといわれています。
サービスを利用する前に、費用について、入会金や月々の費用、預託金などについて十分に検討しておきましょう。
悪徳業者や団体も存在する
残念ながら悪徳業者や団体が存在することも、高齢者の身元保証サービスのデメリットとして挙げられます。
身元保証サービス市場は近年急成長を遂げており、多くの企業や団体が参入してきています。その中には、不透明な料金体系を設定している、あるいは提供するサービス内容が曖昧な悪徳業者も含まれている可能性が否定できません。
このような悪質業者の場合、高齢者や家族の知識不足を悪用し、適正なサービスを提供しないにもかかわらず高額な料金を請求することもあります。
このような事態に陥らないためにも、身元保証サービス提供会社を選ぶ際には慎重に調査し、信頼できるところを選びましょう。
高齢者の身元保証サービス提供会社の選び方
高齢者の身元保証サービス提供会社の選び方は、以下の通りです。
- 身元保証サービスの内容をよく確認する
- 会社や窓口となる担当の方が信頼できるかどうか
適切な身元保証サービス提供会社を選べれば、サービスの質も保証されるので安心です。それぞれについて詳しく解説します。
身元保証サービスの内容をよく確認する
サービス選びの際には、提供されるサービスの内容を詳細に確認してください。
多くの身元保証サービス提供会社がある中、サービスの範囲や対応時間、料金体系、付帯サービスの有無など、サービス内容は会社によって大きく異なります。
高齢者のライフスタイルやニーズに合ったサービスを選ぶためにも、事前にサービス内容をしっかり確認し、比較検討することが不可欠です。
会社や窓口となる担当の方が信頼できるかどうか
高齢者の身元保証サービスを提供する会社を選ぶ際に、会社や窓口となる担当者が信頼できるかどうかは、非常に重要な判断基準です。
専門知識や対応の速さ、親身さはサービス利用者にとって快適で豊かな生活を送るために欠かせません。信頼できる担当者は、問題が発生した際に迅速かつ適切に対応し、不安を軽減してくれるでしょう。
専門知識や対応の質、親身になってくれるかどうか対話などを通して判断し、信頼できる担当者がいる会社を選びましょう。
「くらしのセゾン」のおひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」を検討する
高齢者の身元保証サービスの利用をご検討中でしたら、「くらしのセゾン」のおひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」がおすすめです。
「くらしのセゾン」は、セゾンカードでおなじみのクレディセゾングループの会社で、ハウスクリーニングや家財整理など、生活に関する幅広いサポートを行っています。「ひとりのミカタ」は、日常生活の支援から終活に関するサポートまで、高齢者のさまざまなニーズにお応えする総合的なサービスのご提供が可能です。
主なプランは、以下の2つです。
- エルダープラン
- プラチナプラン
エルダープラン
エルダープランに含まれる基本的なサービス内容は、以下の通りです。
- 入院・入居時の身元保証サービス
- 病院・施設からの緊急連絡先
- 24時間365日電話健康相談
医療機関への入院時や高齢者施設への入居時に身元保証人の役割を果たすのはもちろん、いつでも電話でのご相談や容態の変化に伴う緊急連絡も受け付けております。
基本プランに加えて、相続・葬儀・お墓についての無料相談や生前整理・遺品整理のご相談、おひとりさまの悩み事WEBセミナーもございます。
費用は入会金・事務手数料が 330,000円、年会費が26,400円(いずれも税込)です。
プラチナプラン
プラチナプランも基本的なサービス内容はエルダープランと同様ですが、プラチナプランならではの以下2つのサービスが付帯しています。
- 24時間365日見守り・駆けつけサービス
- エンディングサポート(死後事務手続き)
エンディングサポートでは、葬儀・火葬・埋葬などのさまざまな死後事務手続きを行います。また、24時間365日、会員さまの健康状態を見守り、緊急時には救急通報を行いますので、身寄りのない高齢者の方でも安心してお過ごしいただけます。
費用は入会金・事務手数料が660,000円、年会費が92,400円(いずれも税込)です。また、ご逝去後の葬儀・埋葬・各種手続き・遺品整理などのための預託金1,500,000円~を指定の信託口座にてお預かりいたします。
このほか、ハウスクリーニングや家財整理など、生活に関する幅広いサポートも行っています。
高齢者の身元保証サービスに関するよくある質問
最後に、高齢者の身元保証サービスに関するよくある質問と回答をご紹介します。
身元保証サービスの料金相場はどのくらい?
一般的に、身元保証サービスの料金相場は30~50万円程度といわれていますが、サービスの内容や提供会社によって異なるのが実情です。具体的な費用については、契約前に各サービスにて詳細をご確認ください。
高齢者の身元保証によくあるトラブルって?
身元保証サービスを利用する際に、トラブルに発展することもあります。例えば、親族に十分説明せずに契約したケース、契約書に身元保証サービスについて定めた規定がなく、身元保証に関する契約を締結できているのか不明確なケース、契約に要する費用以外に高額の資金を事業者に支払ったのに音信不通となり契約も不履行になったケースなどです。
サービス利用前に、家族や親族と十分なコミュニケーションを取ること、契約内容を詳細に検討する事、支払う費用が妥当かどうか、説明が十分あるかについて十分確認することが大切です。
おわりに
高齢者の身元保証サービスは、単身で生活する高齢者が急な病気や事故に見舞われた際、または長期介護が必要になったときに身元保証人として機能します。特に、65歳以上の単身世帯が増える昨今、サービスの需要が高まってきました。サービス内容は日常生活のサポート、緊急時の対応、入院や介護施設への入居時の身元保証などですが、提供会社によって異なるのであらかじめしっかり確認しておきましょう。高齢者が安心・快適に生活できるよう、サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
クレディセゾングループが提供する、おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」は、入院や高齢者施設入居時の「身元保証」、もしものときの「緊急連絡先」、ご逝去後の「エンディングサポート(死後事務手続き)」など、おひとりさまの毎日の暮らしや終活のさまざまなお悩みごとを総合的に支援するサービスです。
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