老人ホームへの入居を考える際、保証人の問題は避けて通れない課題です。
基本的に、老人ホームへの入居申し込みにあたって、本人の代わりの意志決定や金銭的な支援を行うことのできる保証人を立てる必要があります。
とはいえ、独り身の高齢者にとっては、老人ホーム入居が制限されることになってしまうでしょう。
本記事では、保証人の役割や必要性、そして保証人不在時の対処法について、具体的かつ分かりやすく解説していきます。
(本記事は2024年2月7日時点の情報です)
- 老人ホームに入居するためには、保証人を求められることが多い
- 現状。老人ホームの入所に伴う保証人の役割は、本人の代わりの意志決定や金銭的な保証などが主であり、万が一亡くなってしまった場合の手続きなどもする必要がある
- 保証人の変更はできるが、保証人となる人は、「責任が負えること」を意識する必要がある
老人ホームに入居するために保証人は必要
結論、身寄りのない高齢者が老人ホームに入居するには、保証人は必要です。
老人ホームに入居する際に保証人の要件は、施設によって異なりますが、一般的には入居者の安全と施設の財務的リスクを管理するために必要とされることが多いからです。
保証人は、入居者が支払いやその他の契約上の義務を果たせなくなった場合に、これらの責任を負うことに同意する必要があります。
本項では、以下2つについて詳しく解説します。
- 身元保証とは
- 身元保証人が必要な理由とは
身元保証とは
老人ホームに入居する際に必要とされる身元保証とは、入居者が契約上の義務を果たせなくなった場合に、代わりにそれらの責任を負うことに同意する第三者のことです。
主に本人に代わる意志決定やトラブル時の対応などが該当します。
身元保証人になることは、重大な責任を伴うため、この役割を引き受ける前には、契約の内容を十分に理解し、自身が負う可能性のあるリスクを把握しておくことが非常に重要です。
保証人は通常、入居者の親族や信頼できる友人など、入居者と密接な関係にある人物が務めることが多いですが、場合によっては専門の保証サービスを利用することも可能です。
老人ホームへの入居を検討する際は、身元保証に関する要件を事前に確認し、どのような条件で保証人が必要になるのか、また、保証人にはどのような責任が伴うのかをしっかりと理解することが必要となるでしょう。
身元保証人が必要な理由とは
老人ホームにおける身元保証人の必要性は、主に入居者と施設の双方に安全性と経済的安定をもたらすためです。
特に身寄りがない高齢者は、頼る人がいないので、さまざまな状況に対応することが難しい傾向があります。
老人ホームのサービスは長期にわたることが多く、入居者の健康状態や経済状況が変化する可能性があります。
身元保証人がいることで、入居者が予期せぬ理由で費用を支払うことができなくなった場合でも、施設側は経済的な損失を回避できるでしょう。
老人ホームの入所に伴う保証人の役割
老人ホームの入所に伴う保証人の役割は、主に以下4つです。
- 意志決定のサポート
- 金銭的な保証
- 緊急時に伴う連絡
- 死亡後の各種手続き代行
意志決定のサポート
老人ホームの入所に際して、保証人の存在は病気や怪我の治療方針の確認や意志決定などを行う際のサポート役として必要な存在です。
老人ホームに入所する際に保証人を設定することは、入居者が自らの意志を十分に表明できなくなった場合に備え、その人の意志に近い形での決定をサポートするために不可欠です。
金銭的な保証
老人ホームの入所において、保証人が果たす重要な役割は、金銭的な保証です。
ここでいう金銭的な保証というのは、主に以下のようなことが該当します。
- 居住費や管理費など継続的な利用料
- 医療費
入居者が予期せずに支払いを行えなくなった場合、それが施設の運営資金に影響を及ぼし、結果として他の入居者へのサービス品質にも影響を与えかねません。
保証人が金銭的な保証を提供することにより、老人ホームはこのようなリスクを軽減し、全ての入居者に安定したサービスを提供し続けることが可能になります。
緊急時に伴う連絡
老人ホームの入所に際して身元保証人が担う役割の中でも、特に重要なのが緊急時における連絡窓口としての機能です。
高齢者は、ケガや事故などを引き起こしやすくなったり、急に容態が悪化して医師の診察を受けることも考えられます。
緊急時に迅速かつ効果的に対応するためには、信頼できる連絡先の存在が不可欠であり、保証人はこの重要な連結点として機能します。
死亡後の各種手続き
老人ホームの入所における保証人の役割は多岐にわたりますが、その中でも入居者の死亡後に発生する各種手続きの責任を担うこともあります。
ここでいう死亡後の各種手続きとは、主に以下のようなことです。
- 退去手続き
- 身元引き取り
- 葬儀の手配
この役割は、入居者が亡くなった際に必要となる法的および行政的な手続きを円滑に進め、入居者の家族や遺族が直面する負担を軽減することにあります。
これらの手続きを代行することで、遺族の精神的な負担を軽減し、スムーズな手続きの進行ができるでしょう。
老人ホームに入居するための保証人の条件は「責任が負えること」
老人ホームに入居する際に求められる保証人の最も基本的な条件は、「責任が負えること」です。
保証人になることは、単に名前を契約書に記入する以上の意味を持ち、入居者が負うべき責任を理解し、必要に応じてそれらを果たす準備ができていることが求められます。
高齢になると、老人ホームに入所すると身の回りのことやお金に関することなどを自分で対応することが難しくなります。
そのため、入居者の親族や資産管理などが重要になってくるのです。
保証人の変更は可能
結論からお伝えすると、身元保証人の変更は可能です。
例えば、保証人が亡くなってしまった場合や資産状況が変わってしまった場合などは、身元保証人を変更しなければなりません。
これらの状況では、入居者の身の安全と生活を守るためにも、新たな保証人を迅速に設定する必要があります。
ただし、手続きがもう一度必要になることは注意する必要があるでしょう。
身寄りがいない高齢者が老人ホーム入居するための方法
身寄りがいない高齢者が老人ホームに入居するための方法は、主に以下の通りです。
- 身元保証人が不要な老人ホームへ入る
- 身元保証人サービスを活用する
詳しく解説します。
身元保証人が不要な老人ホームへ入る
身寄りがいない高齢者が老人ホームに入居する際、身元保証人が不要な施設を選ぶ方法があります。
一般的に、老人ホームに入所する際は身元保証人が求められるのですが、中には身元保証人不要という老人ホームも存在します。
身元保証人が不要な老人ホームは、通常、公的な支援や特定の運営方針を持つ施設によって提供されます。
これらの施設は、入居者自身の経済的な資源や、公的な福祉サービスを利用することで、入居費用を賄うことが可能です。
身元保証人サービスを活用する
身寄りがいない高齢者が老人ホームに入居する際、身元保証人サービスを活用する方法があります。
このサービスの利用をおすすめする主な理由は、家族や近親者がいない、あるいはそのような関係者が保証人となることができない状況にある高齢者を支援することにあります。
これらのサービスは、契約に基づき一定の条件のもとで保証人の役割を果たし、老人ホームの入居条件を満たすために必要な社会的支援を提供するでしょう。
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詳しくは以下の記事でも解説しているので、そちらを合わせてご確認ください。
おわりに
老人ホームに入居するためには保証人が必要とされますが、身寄りのない高齢者にとっては大きな障壁となることがあります。
保証人の役割には、金銭的な保証や緊急時の対応、入居者の意志決定のサポートなどが含まれ、保証人を設定することで施設と入居者双方の安全と経済的安定が守られます。
保証人がいない場合の解決策としては、身元保証人が不要な老人ホームを選んだり、身元保証サービスを利用することをおすすめします。
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