死後事務委任契約の委任先として、自治体を検討する方もいるでしょう。自治体には「できること」「できないこと」があるため注意が必要です。本記事では、自治体が行なってくれる死後事務、死後事務委任契約のトラブルなどを解説します。
(本記事は2024年1月31日時点の情報です)
- 自治体は死後事務は行なってくれない(火葬と埋葬のみ)
- 死後事務委任契約は多くの手続きを委任できるが、生前に行う手続きや相続に関する手続きはできない
- 死後事務委任契約は、代理人が信頼できない、契約に信ぴょう性がないなどトラブルもある
死後事務委任契約とはなにか
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の手続きを、元気なうちに代理人に依頼しておく契約です。
遺言書と異なり、財産継承(相続)に関して効力を持たず、亡くなったあとの葬儀や遺品整理などの事務手続きに関しての取り決めです。
死後事務を自治体が行ってくれるのか
墓地、埋葬等に関する法律第9条に基づき、自治体は基本的には市町村で火葬と埋葬を行うのみで、葬儀や各種契約の解除などの手続きはできません。
身寄りのない高齢者や孤独死などの場合は、遺族や相続人が見つからなければ自治体で火葬(民生葬)が行われます。しかし、葬儀の手配や遺品整理などの踏み込んだ手続きを担うことはありません。
そのため、おひとりさまで死後の対策をしていない場合、関係者に亡くなった事実の連絡が入らない、遺品が整理されないまま放置されるなど、周囲に迷惑をかける可能性があるでしょう。元気なうちに死後事務委任契約を行い、死後の手続きをしてくれる方を決めておくなど対策をしておくことが重要です。
死後事務委任契約が必要なのは誰か
死後事務委任契約が必要な方は次のとおりです。
- 家族や親族に負担をかけたくない方
- おひとりさま
- 死後への希望(葬儀・埋葬方法の指定など)がある方
- 事実婚や内縁関係の方
おひとりさまなど家族や親族がいない方だけでなく、身内が高齢、遠く離れて住んでいるなど家族や親族に負担をかけたくない方にも死後事務委任契約は役立ちます。
他にも、事実婚や内縁関係など戸籍上のつながりがない場合は、死後事務手続きができない可能性があるため、生前に死後事務委任契約を結んでおくと安心です。
死後事務委任契約はどのように結ぶのか
死後事務委任契約を締結するときの大まかな流れは下記のとおりです。
- 委任事項を決める
- 代理人を選定する
- 契約書を作成する
- 公正証書化する
死後事務委任契約は、誰になにを委任したいのかを自由に決められます。葬儀の手配や遺品整理など委任できることは多岐にわたるため、誰に何を委任したいのかを慎重に検討しましょう。代理人は家族や親戚、友人のほかに、弁護士や社会福祉協議会、民間企業などさまざまな人に依頼可能です。
委任事項と代理人が決まったら、契約書を作成します。死後事務委任契約書は、トラブル防止の観点から法的効力のある公正証書で作成することが理想です。
死後事務委任契約でできること
死後事務委任契約で対応できる手続きは、大きく分けて4つあります。
- 葬儀にまつわる手続き
- 遺品整理にまつわる手続き
- 各種契約にまつわる手続き
- 残されたペットへの手続き
ひとつずつ解説します。
葬儀にまつわる手続き
死後すぐに対応が必要となる手続きで、死後事務委任契約で対応できるものは次の5つです。
- 遺体の引き取り
- 死後の関係者への連絡
- 葬儀や火葬に関する手続き
- 埋葬・お墓に関する手続き
- 供養に関する手続き
散骨をしてほしいといった希望を叶えたり、自分が亡くなった事実を頼んでおいた関係者に連絡してもらえたりするのが死後事務委任契約の特徴です。
遺品整理にまつわる手続き
遺品整理にまつわる手続きも死後事務委任契約で対応できます。
- 住居の遺品整理
- 車の廃車・売却手続き
- デジタル遺品の整理 など
パソコンや携帯に入った個人情報やSNSアカウントの削除といったデジタル遺品の整理も可能です。
各種契約にまつわる手続き
各種契約にまつわる手続きで、死後事務委任契約が対応できるものは次の5つです。
- 死亡届の提出
- 住民税や固定資産税などの税金の納付
- 健康保険証などの返還
- 病院や介護施設、賃貸などに関する精算・解約手続き
- 公共料金の精算・解約手続き
賃貸の場合には不動産管理会社への連絡・退去手続きだけでなく、鍵の返却や不動産を開け渡すといったことも死後事務委任契約で対応できます。
残されたペットへの手続き
面倒を見てくれる方や団体への引き渡しといったペットの環境整備についても、死後事務委任契約内容に含めることが可能です。
死後事務委任契約でできないこと
死後事務委任契約は、多くの手続きを委任できますが、内容によっては対応できない手続きもあります。
生前に行う手続き
死後事務委任契約は、死後の手続きについては委任できますが、生前の財産管理や介護は依頼できません。認知症や高次脳機能障害などによる判断力の低下に備えておきたい場合には、成年後見制度が有効です。
成年後見制度とは、判断能力が低下した本人の権利と利益を守るために、契約などの法律行為を代わって行う人を選任する制度です。家庭裁判所に対して申立て、審判を経て成年後見人が選任されます。成年後見人には、親族以外でも友人や知人、司法書士などの専門家が選任されることがあります。
身分や相続にまつわる手続き
死後事務委任契約は財産継承についての効力がないため、相続財産の分割や遺言執行者の指定などはできません。
遺産を引き継いで欲しい方がいる場合や寄付を検討しているなどの場合は、遺言書を作成する必要があります。遺言内容を実現する遺言執行者の指定も、遺言書で行います。
死後事務委任契約のトラブルとはなにか
死後事務委任契約は多くの手続きを委任できる一方で、適切に締結しなければトラブルが発生することもあります。
親族や相続人に理解を得られない
死後の手続きを行うにあたって、親族や相続人から内容や費用の理解が得られない場合にトラブルとなることがあります。
死後事務委任契約は委任者と代理人のふたりで締結する契約のため、自分から知らせない限り、親族や相続人が契約の存在を知ることはありません。トラブルを防ぐためにも、死後事務委任契約を結ぶ段階で親族や相続人に内容を伝え、同意を得ておくことが大切です。
代理人が信頼できない
信頼できる代理人が先に亡くなってしまったり、代理人が預けた財産を業務以外の目的で使ってしまうといったトラブルが起こることがあります。代理人は慎重に選定するとともに、個人ではなく専門の業者に委任するとより安心でしょう。
また、代理人を民間企業などに依頼した場合、当該会社が倒産してしまうトラブルもまれに起こります。倒産してしまった場合には、事務手続きができなくなるだけでなく、預託金が返還されないといった事態にもなりかねません。代理人として民間企業を選ぶ場合には、経営状況も含めて検討することが大切です。
契約内容に信ぴょう性がない
死後事務委任契約の委任内容が不明確である場合や、遺言書と死後事務委任契約のどちらを優先するのかが不明瞭である場合、トラブルが生じかねません。
特に相続や遺産の処分については、遺言書と死後事務委任契約の両方に関わってくる事項となるため、内容は慎重に検討しましょう。
死後の手続きサポートは「ひとりのミカタ」がおすすめ
死後の手続きサポートを検討している方には、クレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が運営する「ひとりのミカタ」がおすすめです。
クレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供するため安心
「ひとりのミカタ」は、クレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供しているおひとりさまの終活支援サービスです。「くらしのセゾン」は、セゾンカードでおなじみの株式会社クレディセゾンが100%出資しているグループ会社です。
弁護士や司法書士、行政書士、公認会計士、税理士などの有資格者が在籍する信頼のおける士業事務所と提携しているため、安心してサービスを利用できます。
死後事務手続きにも対応
自治体は基本的には市町村での火葬と埋葬を行うのみで、身寄りのない高齢者、孤独死などの場合も、死後の手続きはできません。
「くらしのセゾン」の「ひとりのミカタ」のプラチナプランであれば、エンディングサポート(死後の事務手続き)のサービスが受けられます。
エンディングサポート(死後の事務手続き)では次のようなサービスが受けられます。
- 葬儀・火葬の手続き
- 埋葬の手続き
- 各種行政手続き
- 遺品整理 など
終活にまつわる総合的なサポート
「くらしのセゾン」の「ひとりのミカタ」は死後の事務手続きだけでなく、入院・入居時の身元保証サービスや24時間365日の電話健康相談サービスなど、終活にまつわる総合的なサポートを行なっています。また、生前整理や遺品整理の無料相談・見積もりや、相続・葬儀・お墓についての無料相談サービスもあります。
家族の形が多様化している現在、おひとりさまの終活について考える方も増えています。葬儀の手配やクレジットカードなどの解約手続き、遺品整理など、心配なことも多いでしょう。
「ひとりのミカタ」なら、終活にまつわる総合的なサポートが受けられます。まずは一度、無料の資料請求をご検討ください。
おわりに
家族の形が多様化している中で、おひとりさまの終活について考える方も増えています。自治体は基本的に市町村で火葬と埋葬を行うのみで、死後の手続きは行ってくれません。
亡くなったあとの葬儀の手配や各種手続き、遺品の整理など、心配なことがある方は、おひとりさまの終活にまつわる総合的なサポートが受けられるクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が運営する「ひとりのミカタ」がおすすめです。まずは一度、無料の資料請求をご検討ください。
クレディセゾングループが提供する、おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」は、入院や高齢者施設入居時の「身元保証」、もしものときの「緊急連絡先」、ご逝去後の「エンディングサポート(死後事務手続き)」など、おひとりさまの毎日の暮らしや終活のさまざまなお悩みごとを総合的に支援するサービスです。
お問い合わせいただいた方に、エンディングメモ付きサービス資料を進呈中!