終活とは、人生の終わりに向けて行う活動のことです。誰しも避けては通れない老いや死に備えて、自分らしく生き抜くための準備をすることが大切です。しかし、多くの方が終活をどのように進めれば良いのか、いつから始めれば良いのかといった点で疑問をもっているのではないでしょうか。
この記事では、終活の必要性から具体的な準備方法、さらには終活支援サービスの利用についてもご紹介します。人生の最終章を迎えるにあたり、心穏やかに過ごせるように、終活について一緒に考えていきましょう。
(本記事は2024年4月3日時点の情報です)
- 終活とは人生の終わりに向けて行う活動で、老後の不安解消と充実した人生を送るために重要
- 終活の具体的な方法には、エンディングノートや遺言書の作成、財産整理、断捨離などがある
- 終活は早めに取り組むことが大切で、体力や判断力が衰える前に始めるのが理想的
- 遺言や相続税対策など専門的な事項は専門家に相談し、終活支援サービスの利用も検討するのがおすすめ
終活はいつから必要なのか
人生100年時代と言われる現在、老後をどう過ごすかを考えるのは非常に重要です。自分らしい人生の終え方を迎えるためにも、元気なうちから「終活」の準備を始めることをおすすめします。
ここでは、終活の概要やいつ頃から取り組むべきかを解説します。
終活とはなんのこと?
終活とは、人生の終わりについて考え、残りの人生をどう生きるかを前向きに考え、老後の生活を豊かにするための取り組みのことです。
具体的には、身の回りの整理、介護や医療に関する意思表示、葬儀やお墓の準備、エンディングノートの作成、遺言書の作成などを行います。
終活の目的は大きく次の2つです。
- 老後の不安を解消し、自分らしい充実した人生を過ごすこと
- 亡くなった後に残された家族の負担を減らすこと
終活は、人生の最期をどう迎えるかを見つめ直すことで、今をより良く生きるヒントが得られます。金銭面での不安解消にもつながるため、老後をより豊かに過ごすことができるでしょう。
終活はいつから準備すべき?
終活を始める時期に決まりはありませんが、一般的には60代になって定年を迎える頃や、子供の独立などをきっかけに意識し始める人が多いようです。
急病や認知症を発症すると、財産管理や介護などに関する契約を結ぶのが難しくなります。元気で判断力があるうちに、将来を見据えて準備をしておくことが賢明だといえます。
終活の方法とは?
終活には以下のような、さまざまな準備や方法があります。
- エンディングノートを作る
- 財産の一覧表を作る
- 親戚や友人の連絡先リストを作る
- 遺言書を作る
- 断捨離をする
- 老後の暮らしやお金について検討する
- 死後のことを検討する
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
エンディングノートを作る
エンディングノートとは、万一の際に備えて、生前のことや財産、葬儀、知人の連絡先、遺言書の有無、大切な人へのメッセージなどを書き残しておくノートです。市販の専用ノートを使ってもよいですし、普通のノートに自由に書いても構いません。
遺された家族は、葬儀の手配や相続の手続きなど多くの負担を抱えることになります。エンディングノートを作成しておけば、あなたの希望を家族に伝えられ、家族の負担軽減にもつながるでしょう。
財産の一覧表を作る
預貯金や不動産、有価証券など、自分の財産をリスト化した一覧表を作成しておくと、あなたに万一のことがあった際、残された家族が財産を把握できるため、相続手続きを進める負担が減ります。
各財産について、金融機関名や口座番号、不動産の所在地、保険証券の保管場所なども付記しておくとよいでしょう。財産の全容を家族が把握していれば、スムーズに相続手続きを行えます。
親戚や友人の連絡先リストを作る
葬儀に呼びたい親戚や友人、訃報を伝えたい人などの連絡先リストを生前に作成しておくと、いざという時に残された家族が連絡先を探す手間が省けます。故人の希望通りに、大切な人を葬儀に呼ぶことができるでしょう。
連絡先リストは、定期的に最新の情報に更新しておくのがポイントです。
遺言書を作る
財産をどのように分けるのか、誰に何を相続させたいのかを遺言書にしておくことで、相続に関するトラブルを未然に防げます。
遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。法的効力や作成方法が異なるので、専門家に相談して、適切な形式の遺言書を作成するのが賢明です。
断捨離をする
終活の一環として、元気なうちから断捨離を始めましょう。不用品の処分や、必要としない財産の整理を進めておけば、遺品整理にかかる負担を減らせます。
また、デジタルデータの取捨選択も重要です。必要なデータは記録メディアに移して家族に託し、不要なデータは削除しておくと良いでしょう。各種オンラインサービスのIDやパスワードなどの引継ぎ情報もまとめておきましょう。
不要なサブスクリプションサービスの解約、保険の見直しなども、お金の無駄を省くために大切です。
老後の暮らしやお金について検討する
老後の暮らしでは、どのような介護サービスを受けたいか、延命治療はどうするかなど、医療や介護について意思表示をしておくことが大切です。事前に家族と話し合っておけば、いざという時に慌てずに済みます。
また、老後の資金計画も立てておきましょう。年金暮らしで大丈夫なのか、介護にどのくらいお金がかかるのかなどをシミュレーションしておくと安心です。
相続税対策や家族信託など、専門的な分野については、税理士や弁護士など専門家に相談するのも検討しましょう。
死後のことを検討する
自分が亡くなった後、葬儀の手配や役所への届出など、様々な手続きが必要になります。元気なうちから、「死後事務委任契約」を結んでおけば、これらを代行してくれる人を確保できます。
また、葬儀の規模やお墓、納骨の方法など、自分の希望を家族やまわりの人と共有しておくのも大切です。遺された人が故人の意思を尊重しつつ、納得のいく葬儀やお別れができるよう、エンディングノートなどにしっかりと記しておきましょう。
終活で注意したいこと
終活を進める上で、いくつか注意すべき点があります。終活はあくまで自分のペースで行うこと、家族とコミュニケーションを取ること、専門的な事柄は専門家に相談することなどがポイントです。
以降で詳しく解説します。
終活がストレスにならないようマイペースに進める
終活は、人生の最終章を豊かに過ごすための前向きな取り組みです。しかし、時として終活自体がストレスになってしまうこともあります。
例えば、体力の衰えを感じながらも、がむしゃらに部屋の片付けや不用品の処分を進めてしまう人がいます。また、死後のことを考え過ぎるあまり、かえって不安や悩みを募らせてしまう人もいるでしょう。
大切なのは、自分の体力や気持ちと相談しながら、無理のないペースで終活を進めていくことです。一度にたくさんのことをしようとせず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
家族と情報を共有しておく
せっかくエンディングノートを作成しても、遺言書を用意しても、その存在を家族が知らなければ意味がありません。終活の内容は、日頃から家族とコミュニケーションを取り、共有しておくことが大切です。
エンディングノートの保管場所を家族に伝えておいたり、介護や葬儀、お墓に関する自分の希望を家族と話し合ったりしておきましょう。生前のうちに、感謝の気持ちや思いを伝えておくのもおすすめです。
家族と率直に向き合うことで、お互いの理解が深まり、万が一の時に備えることができるはずです。
遺言や相続税対策などは専門家と相談する
遺言の作成や、相続税対策など、法律や税金に関わる事柄は、専門的な知識が必要です。素人判断で進めては、トラブルのもとになりかねません。
遺言については弁護士や司法書士など法律の専門家に、相続税については税理士など税務の専門家に相談するのがおすすめです。
また、老後資金の計画については、ファイナンシャルプランナーに相談するのも有効でしょう。
専門家の知恵を借りながら、一つひとつ不安を解消し、納得のいく終活を進めていきましょう。
終活支援サービスの利用を検討するのもおすすめ
おひとりさまの終活を進めるにあたっては、終活支援サービスを利用するのも一つの方法です。中でも「ひとりのミカタ」に相談するのがおすすめです。
「ひとりのミカタ」は、セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する、おひとりさま総合支援サービスです。「入院や高齢者施設入居時の身元保証」や、もしもの時の「緊急連絡先」「エンディングサポート(死後事務手続き)」まで、おひとりさまの日常生活から終活に関する様々なお悩みごとを総合的にサポートしてくれます。
また、身元保証がメインの「エルダープラン」と、エルダープランにエンディングサポート(死後事務手続き)と見守り・駆けつけサービスまでカバーされた「プラチナプラン」の2つのプランが用意されており、必要なサポートを選べます。会員限定の無料相談サービスや、優待割引のある暮らしのサポートサービスなどの特典が充実しているのも特長の一つです。
一人で終活の準備を進めるのは大変だと感じている方は、ぜひ一度「ひとりのミカタ」に相談してみてはいかがでしょうか。
おわりに
終活は、人生の終わりを見据えて行う重要な準備です。エンディングノートの作成や財産の整理、遺言書の作成などを通じて、自分の意思を明確にし、遺族の負担を軽減することができます。また、終活を進めることで、自分自身の人生を振り返り、充実した人生を送るための手段ともなります。適切な終活の方法で余裕を持って準備を進めることで、人生の最終章をより良いものにすることができるでしょう。