終活は人生の終わりに向けて、自分らしく生きるための大切な準備です。しかし、終活の内容は多岐にわたるため、何から始めればよいのか、どこに相談すればよいのか悩む人も多いのではないでしょうか。終活を進める上で、専門家の助言は欠かせません。
この記事では、終活の各分野に応じた相談先や、終活全般をサポートしてくれるサービスを紹介します。信頼できる専門家を見つけ、自分に合ったサポートを受けることで、安心して終活に取り組むことができるでしょう。
(本記事は2024年4月30日時点の情報です)
- 終活にはお墓や葬儀、遺言書や相続、医療や介護、財産整理など、さまざまな側面がある
- 持ち物の整理や財産の一覧作成、不用品の処分など、生前整理は重要な終活の一つ
- 相談先は地域の役場や民間の終活相談サービス、セミナーなど、終活全般に対応するサポートが存在する
- 相談先を選ぶ際には、その信頼性や実績、専門知識の有無を確認し、長期的にサポートしてもらえるかを考慮することが大切
終活の相談は専門家へ|悩み別の相談先
終活では、遺言書の作成、葬儀やお墓の準備、介護や医療に関する意思決定など、さまざまな準備が必要となります。
それぞれの分野において専門的な知識が求められるため、一人ですべてを決めるのは難しいでしょう。終活を円滑に進めるためには、各分野の専門家に相談することが大切です。
終活の相談先は、大きく以下のように分けられます。
- お墓や葬式に関する相談先
- 遺言書や相続に関する相談先
- 医療や介護に関する相談先
- 財産整理や資金管理に関する相談先
- 終活全般に関する相談先
それぞれの相談先について、詳しく見ていきましょう。
お墓や葬式に関する相談先
お墓や葬式に関する終活の悩みとして、「どのようなお墓を建てたらよいか」「葬儀の規模や費用はどの程度か」「家族が負担なく済むよう生前に準備しておきたい」などが挙げられます。
これらの悩みを相談できる先として、主に以下の2つが考えられます。
- 葬儀社
- 寺院や霊園
葬儀社
葬儀社では、葬儀の規模や費用、プランなどについて相談できます。事前相談やセミナーは無料のところが多く、実際に葬儀を依頼する場合の費用の目安や、必要な準備などを教えてもらえます。
中には、生前予約を受け付けている葬儀社もあります。生前予約をしておけば、自分の希望を伝えられるだけでなく、費用の積立ができ、遺された家族の負担を和らげることができるでしょう。
相談にかかる費用の目安:無料~
生前予約を行う場合、解約時の手数料が発生する可能性があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
寺院や霊園
寺院や霊園では、お墓に関するさまざまな相談ができます。新しくお墓を建てる場合の墓地選びはもちろん、実家のお墓など既存のお墓への追加納骨についても相談可能です。ただし、お墓の継承にはさまざまな手続きと管理の負担が伴うため、50代のうちから準備しておくことが大切です。
一方、自分の後にお墓の継承者がいない場合や管理の負担を避けたい場合は、「墓じまい」という選択肢もあります。これは、お墓を撤去して更地に戻すことで、遺骨は別の納骨施設に移すか散骨します。
このように、新規購入、追加納骨、墓じまい、永代供養など、お墓のあり方について家族とよく話し合い、自分に合った方法を選択しておくことが、充実した終活につながります。選択肢を広く知ることで、納得のいく終活プランが立てられるでしょう。
相談にかかる費用の目安:無料~
ただし、実際に墓地を購入する際は、管理費用などの初期費用と、年間の管理料などのランニングコストを確認する必要があります。また、宗教・宗派によって制約がある場合もあるため、事前によく確かめましょう。
遺言書や相続に関する相談先
遺言書や相続に関する終活の悩みとしては、「どのように遺言書を作成したらよいか」「相続税の対策はどうすればよいか」「相続トラブルを防ぐためには何が必要か」などが挙げられます。
これらの悩みに対応してくれる専門家として、主に以下の4つが考えられます。
- 税理士
- 弁護士
- 司法書士
- 信託銀行
それぞれについて説明します。
税理士
税理士は、相続税の申告や対策について相談できる専門家です。生前の贈与や不動産の有効活用など、相続税を減らすための方法を提案してくれます。
相談にかかる費用の目安:5,000円~20,000円/1時間
ただし、相続税の申告を依頼する場合は、別途報酬が発生します。事前に料金体系を確認しておきましょう。また、相続税対策の提案を受けた場合は、メリットとデメリットをよく理解したうえで判断しましょう。
弁護士
弁護士は、遺言書の作成や相続トラブルの予防・解決について相談できる専門家です。特に、相続人同士の争いが予想される場合や、相続放棄を検討している場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
相談にかかる費用の目安:5,000円~10,000円/30分
遺言書の作成や相続トラブルの解決を依頼する場合は、別途弁護士費用が必要です。弁護士を選ぶ際は、相続問題の経験が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。
司法書士
司法書士は、不動産の名義変更や、法的な書類の作成について相談できる専門家です。相続登記の手続きや、遺産分割協議書の作成などを依頼することができます。
相談にかかる費用の目安:5,000円~15,000円/1時間
司法書士に依頼する際は、相続問題の経験が豊富であることに加え、依頼者の立場に立って考えてくれる司法書士を選ぶとよいでしょう。
信託銀行
信託銀行では、遺言信託や遺産整理業務などの相続に関するサービスを提供しています。生前に信託銀行と契約を結ぶことで、自分が亡くなった後の資産の管理・運用・分配を任せることができます。
相談にかかる費用の目安:無料~
信託銀行の報酬は、一般的に高額になる傾向があります。ただし、多額の資産を保有している場合や、複雑な相続問題が予想される場合は、信託銀行を活用するメリットが大きいといえるでしょう。
医療や介護に関する相談先
医療や介護に関する終活の悩みとしては、「介護が必要になったときの費用はどうすればよいか」「介護サービスはどのようなものがあるか」「治療方針の決定を誰に任せればよいか」などが挙げられます。
これらの悩みに対応してくれる専門家として、主に以下の3つが考えられます。
- 居住している地域の役場
- 地域包括支援センター
- 医療ソーシャルワーカー
それぞれについて説明します。
居住している地域の役場
居住している地域の市区町村役場では、介護保険の申請や、福祉サービスの利用について相談できます。介護保険制度の仕組みや利用できるサービスの内容、費用負担などについて説明してもらえます。
相談にかかる費用の目安:無料
役場の担当窓口は福祉課や介護保険課になります。事前に電話で予約を取ってから訪問するのがよいでしょう。ただし、役場の担当者は必ずしも医療や介護の専門家ではないため、詳しい情報が必要な場合は、他の専門家に相談する必要があります。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者の生活を総合的に支援する役割を担っています。介護や福祉、医療に関する相談を無料で受け付けており、必要に応じて関係機関への橋渡しも行ってくれます。
相談にかかる費用の目安:無料
相談の際は、本人だけでなく家族も同席すると、より具体的なアドバイスがもらえるでしょう。地域包括センターは介護保険サービスに関する情報が豊富な一方、有料老人ホームなど介護保険外のサービスについては情報が少ない場合があります。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーは、医療機関に所属する専門職で、患者や家族の抱える心理的・社会的な問題の解決をサポートしてくれます。治療費の工面、退院後の療養先の選定、在宅療養の調整など、医療に関する幅広い相談に乗ってもらえます。
相談にかかる費用の目安:無料
医療ソーシャルワーカーへの相談は、病院の医療福祉相談室や地域連携室などを通して行います。注意点としては、あくまでも医療機関に所属するスタッフであるため、介護保険サービスなど医療以外の分野については、詳しい情報を持っていない場合があります。
財産整理や資金管理に関する相談先
財産整理や資金管理に関する終活の悩みとしては、「現在の資産状況を把握したい」「老後の資金は足りるか知りたい」「資産の運用方法を見直したい」などが挙げられます。
これらの悩みに対応してくれる専門家として、主に以下の2つが考えられます。
- 銀行窓口
- ファイナンシャルプランナー(FP)
それぞれについて説明します。
銀行窓口
多くの銀行では、資産運用に関する相談を受け付けています。保有資産の状況を見直し、ライフプランに合わせた運用方法を提案してもらえます。また、ローンの見直しや住宅の購入・売却に関する相談も可能です。
相談にかかる費用の目安:無料
銀行窓口での相談は無料で受けられるのが一般的です。ただし、実際に金融商品を購入したり、ローンを組んだりする場合は、別途手数料などがかかります。複数の銀行で話を聞いてみるのもよいでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、資産運用や保険、税金、住宅ローンなど、お金に関する幅広い知識を持つ専門家です。老後の生活設計や資産の管理・運用方法など、総合的にアドバイスしてもらえます。
相談にかかる費用の目安:5,000円~10,000円/1時間
FPへの相談は有料のケースが多いですが、初回は無料で受け付けているところもあります。独立系のFPは中立的な立場からアドバイスしてくれますが、銀行や保険会社に所属する企業系のFPは自社の商品の販売が本業のため、自社商品を強く勧めてくる場合が多いです。
FPに相談する際は、資格を持っているかどうかを確認しましょう。日本FP協会のサイトで、正会員を検索することができます。
生前整理に関する相談先
生前整理とは、自分の死後に備えて、財産や思い出の品々を整理することです。具体的には、不要な物を処分したり、大切な物を整理して保管したり、必要な情報をまとめたりすることを指します。
生前整理に関する悩みとしては、「物が多すぎて整理の仕方がわからない」「一人で片付けるのは大変」「思い出の品をどう扱えばよいかわからない」などが挙げられます。
こうした悩みに対応してくれる専門家として、遺品整理の専門会社があります。遺品整理の専門会社は、人が亡くなった後の部屋の片付けを行うサービスですが、最近では生前整理のニーズにも対応するようになってきました。
遺品整理の専門会社では、物の処分や整理の方法について具体的にアドバイスしてもらえます。また、実際に整理を代行してもらうことも可能です。大量の不用品の処分、貴重品の査定と買取、思い出の品の整理と保管など、プロの視点で適切に対応してくれるのが魅力です。
相談にかかる費用の目安:事業者により異なる
遺品整理の専門会社に依頼する場合の費用は、事業者によって異なります。ただし、多くの場合、初回相談は無料か低価格で受けられます。まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
生前整理を専門会社に依頼する際は、信頼できる事業者を選ぶことが大切です。遺品整理業界には悪質な事業者も存在するため、複数の事業者に見積もりを取り、サービス内容や料金体系を十分に確認してから契約するようにしましょう。
また、生前整理は自分自身の人生を見つめ直すよい機会にもなります。事業者任せにせず、自分でできることは自分で行うという姿勢も大切です。思い出の品々を整理する過程で、家族への感謝の気持ちを新たにしたり、今後の人生について考えたりすることができるでしょう。
終活全般に関する相談先
終活を何から始めればいいかわからないなど、終活全般に関する相談がしたい場合は、以下の相談先があります。
- 居住している地域の役場
- 民間の終活相談サービス
- 自治体や民間の終活セミナー
それぞれについて説明します。
居住している地域の役場
お住まいの自治体によっては、高齢者向けの終活支援を行っていることがあります。例えば、エンディングノートの配布、終活に関する講演会の開催、専門家による無料相談会の実施など、さまざまな取り組みが行われています。
役場の窓口で、終活支援の内容について尋ねてみましょう。終活の始め方や必要な準備について、アドバイスしてもらえるはずです。自治体のサービスは基本的に無料で受けられるのも魅力です。
相談にかかる費用の目安:無料
ただし、自治体によって終活支援の内容は異なります。また、サービスの対象者が限定されている場合もあるため、事前に確認が必要です。
民間の終活相談サービス
近年、終活をサポートする民間のサービスも増えてきました。例えば、エンディングノートの作成支援、葬儀の生前予約、遺品整理のアドバイスなど、終活全般に関する相談を受け付けているサービスがあります。
民間サービスのメリットは、専門スタッフによる手厚いサポートが受けられること。終活のプロが、一人一人の状況に合わせて、必要な準備や手続きについてアドバイスしてくれます。
相談にかかる費用の目安:無料~
民間の終活相談サービスの中には、初回相談を無料で受け付けているものもあります。注意点として、各社でサービスの内容や料金体系が異なるため、事前によく確認しておくことが大切です。
自治体や民間の終活セミナー
終活の基礎知識を学べる場として、自治体や民間企業が開催する終活セミナーも活用できます。セミナーでは、終活の必要性や具体的な進め方などについて、わかりやすく解説してもらえます。
また、セミナー後の懇談会や個別相談会で、講師に直接質問することもできます。同じように終活について学ぼうとしている仲間と出会えるのも、セミナーに参加するメリットの一つです。
相談にかかる費用の目安:無料~
自治体が開催するセミナーは無料で参加できることが多いですが、民間企業の場合は有料の場合もあります。開催日時や場所、参加費用など、セミナーの概要を確認してから申し込むようにしましょう。
終活に関する相談は「ひとりのミカタ」へ
終活を進めていく上で、さまざまな悩みや不安が出てくるのは自然なことです。そんな時は、信頼できる専門家に相談するのが大切ですが、終活に関する悩みは多岐にわたるため、どこに相談すればよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供するおひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」です。
「ひとりのミカタ」は、おひとりさまの日常生活から、終活に関するさまざまなお悩みごとまで総合的に支援するサービスです。入院や高齢者施設入居時の「身元保証」や「緊急連絡先代行」、そして「その時」に備えた「エンディングサポート(死後事務手続き)」まで、幅広くサポートしてくれます。
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また、身元保証がメインの「エルダープラン」と、エンディングサポート(死後事務手続き)までカバーした「プラチナプラン」の2つのプランが用意されており、年齢やニーズに合わせて選択できるのも嬉しいポイントです。
終活は人生の集大成とも言えるもの。信頼できる専門家に寄り添ってもらいながら、自分らしい終活を実現していきたいものです。「ひとりのミカタ」は、そんな終活の心強いパートナーとなってくれるはずです。
まずは、無料の資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
おわりに
終活は、人生の最後を自分らしく過ごすための準備です。終活を進める中でさまざまな悩みが生じることがありますが、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。
本記事では、終活の悩み別に相談先を紹介しました。各分野の専門家に相談することで、適切なアドバイスを得られ、円滑に終活を進められます。
特に、ワンストップでさまざまな相談に対応してくれる終活支援サービス「ひとりのミカタ」は、心強い味方となってくれるでしょう。終活は人生の集大成です。信頼できる専門家に寄り添ってもらいながら、自分らしい終活を実現していきましょう。