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入院保証人とは?必要な理由や依頼できる人がいない場合の対処法を解説

入院保証人とは?必要な理由や依頼できる人がいない場合の対処法を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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入院時には「入院保証人」が必要になることが一般的ですが、この保証人とは具体的にどのような役割を果たすのでしょうか。また、保証人がいない場合にはどうすれば良いのでしょうか。本記事では、入院保証人の基本的な概念から、病院が保証人を必要とする理由、保証人に関するよくあるトラブルとその対策について詳しく解説します。さらに、家族や親族がいない場合に頼るべき方法や代行サービスについても紹介します。入院時の不安を解消し、安心して治療を受けるための参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • 入院保証人には身元保証人と連帯保証人の2種類がある
  • 病院が身元保証人を必要とする理由は、緊急連絡先、入院手続き代行、意思決定の支援(治療説明の同席など)、費用支払い(連帯保証)、死後の対応(身元引受)など5つある
  • 入院保証人に関するトラブルには、無断で保証人にされる場合や金銭的な問題がある
  • 家族や親族に身元保証人を頼めない場合、友人・同僚への依頼や病院との相談、専門サービスの利用などの対処法がある
ひとりのミカタ

入院保証人とは

入院保証人とは

入院する際、多くの病院では入院申込書に保証人の記載を求めています。この保証人には、主に以下の2種類があります。

  • 身元保証人(または身元引受人)
  • 連帯保証人

身元保証人は、患者の身元を保証する役割を担います。具体的には、入院中の患者のサポートや、万が一の際の対応などが求められます。一方、連帯保証人は主に経済的な保証を行う役割があります。

両者の大きな違いは、損害賠償責任の範囲です。身元保証人の場合、被保証人(患者)が何らかの損害を発生させても、その賠償責任は限定的です。しかし、連帯保証人は被保証人が発生させた損害の全額を賠償する義務が法律で定められています。

身元保証人には、損害賠償責任以外にもさまざまな役割があります。例えば、入院中の日用品の準備、医療行為への同意、緊急時の連絡対応、さらには患者が亡くなった場合の遺体や遺品の引き取りなどが含まれます。

なお、多くの病院では身元保証人が連帯保証人を兼ねることが可能です。この場合、身元保証人は患者の身元保証と経済的保証の両方の責任を負うことになります。

病院が身元保証人を必要とする5つの理由

病院が身元保証人を必要とする5つの理由

病院が入院時に身元保証人を求める背景には、患者のケアや病院運営に関する重要な理由があります。身元保証人は、患者の入院生活をサポートし、緊急時の対応や重要な決定を担う重要な役割を果たします。

以下では、病院が身元保証人を必要とする5つの主な理由について詳しく説明します。

治療トラブルや容態の悪化があった際の緊急連絡先として

身元保証人は、患者の容態が急変したり予期せぬ問題が発生したりした際の重要な連絡先となります。特に、患者本人と意思疎通が困難な状況では、身元保証人の存在が非常に重要です。

例えば、手術の必要性が急に生じた場合や、治療方針の変更が必要になった場合など、迅速な判断や対応が求められる場面で、身元保証人が患者の代わりに病院とコミュニケーションを取ることができます。これにより、患者の最善の利益を考慮した適切な医療を提供することが可能となります。

入院準備のため

患者本人が入院の準備を自力で行うことが困難な場合、身元保証人がその役割を担います。特に、高齢者や重症の患者、または身近に頼れる人がいない場合、この支援は非常に重要です。

身元保証人は、入院に必要な書類の準備や提出、日用品や衣類などの生活用品の手配を行います。これにより、患者が円滑に入院生活を始められるよう援助を提供します。

治療に関する説明を聞いてもらうため

入院や手術の際、医療スタッフは患者本人だけでなく、身元保証人にも治療内容や予後について詳細な説明を行うことがあります。これは、患者が理解しきれなかった情報を補完し、治療に関する重要な決定をサポートするためです。

また、患者の不安を軽減し、治療に対する理解を深めるためにも、身元保証人の存在は重要です。複雑な医療情報を正確に理解し、患者の最善の利益を考慮した判断をするために、身元保証人の役割は欠かせません。

入院費用を肩代わりしてもらうため

患者本人が入院費用を支払えない状況に陥った場合、身元保証人が経済的な責任を負うことがあります。ただし、この点については病院によって方針が異なり、身元保証人に支払いを求めない施設もあります。

一般的に、入院申込書に「入院費用、それに伴う諸費用は本人及び身元保証人が責任をもって支払う」といった文言がある場合、身元保証人に支払い義務が生じる可能性があります。このため、身元保証人になる際は、経済的な責任の範囲を事前に確認することが重要です。

死後に身柄を引き取ってもらうため

不幸にも患者が病院で亡くなった場合、身元保証人には遺体の引き取りという重要な役割があります。これには、死亡診断書の受け取りや、遺体の搬送の手配など、さまざまな手続きが含まれます。さらに、家族がいない場合は、葬儀の準備や死後の事務手続きなども身元保証人が担うことになります。

これらの任務には時間と労力がかかり、また場合によっては費用も発生するため、身元保証人には相応の覚悟が求められます。このように、身元保証人の役割は患者の生前のみならず、死後にまで及ぶ重要な責任を伴います。

入院保証人でよくあるトラブルとその対策

入院保証人でよくあるトラブルとその対策

入院保証人に関するトラブルは、患者と保証人の双方に大きな影響を与える可能性があります。これらのトラブルは、主に保証人の役割や責任に対する誤解や、十分な説明・同意のない保証人の指名から生じることが多いです。

以下では、よくあるトラブルの事例とその対策について解説します。

身元保証人を勝手に書いて相手に迷惑をかけてしまった

患者が身元保証人の承諾を得ずに、勝手に知人や親族の名前を書いてしまうケースがあります。このような場合、入院中に予期せぬ事態が発生し、突然病院から連絡を受けた身元保証人が困惑するという事態に陥ることがあります。

例えば、患者の容態が悪化し、高額な治療費の支払いを求められたり、最悪の場合、患者が亡くなった際に遺体の引き取りを要請されたりすることもあります。このような状況は、患者と身元保証人との関係を著しく損なう可能性があります。

対策

トラブルを防ぐためには、まず自分に迷惑をかけることはないだろうと安易に考えないことが重要です。入院中は予想外の事態が起こる可能性があり、病院から身元保証人に連絡が入ることもあります。

したがって、身元保証人を依頼する際は、その役割と責任について詳しく説明し、相手の理解と同意を得ることが不可欠です。特に、緊急時の対応や経済的な責任の可能性について明確に伝えましょう。そして、相手が承諾した場合にのみ、本人にサインしてもらうようにしてください。このような丁寧な手続きを踏むことで、後々のトラブルを回避することができます。

入院費用の支払いで金銭トラブルに発展した

身元保証人が連帯保証人も兼ねているケースでは、金銭的なトラブルが発生しやすくなります。患者本人が入院費を支払えない場合、病院は身元保証人に支払いを求めることがあります。

この時、身元保証人が経済的な責任を負うことを十分に理解していなかった場合、深刻なトラブルに発展する可能性があります。特に、患者と身元保証人の関係が希薄な場合、例えば遠い親戚や知人である場合などは、このようなトラブルがより深刻化しやすい傾向にあります。

対策

金銭トラブルを防ぐためには、まず身元保証人を依頼する相手との関係性を慎重に見極めることが重要です。信頼関係が築けている人や、経済的な余裕がある人に依頼するのが望ましいでしょう。また、依頼する際には、身元保証人と連帯保証人それぞれの役割と責任について詳細に説明することが不可欠です。

特に、連帯保証人としての経済的責任の範囲や、支払いが必要になる可能性のある状況について、具体的に説明しておくべきです。さらに、これらの説明内容を書面にまとめ、双方で確認し合うことで、後々の誤解やトラブルを防ぐことができます。このような丁寧な対応により、万が一の場合でも円滑に対処することが可能になります。

家族・親族などの身元保証人がいない場合の対処法

家族・親族などの身元保証人がいない場合の対処法

入院時の保証人については、連帯保証人と身元保証人で求められる条件が異なります。連帯保証人は、入院患者本人と別々の生計を営み、十分な支払い能力を持つ成年者であることが一般的に求められます。一方、身元保証人は成年者であれば良く、経済的な能力は特に問われないことが多いです。

通常は家族や親族が身元保証人になることが多いのですが、そういった方がいない場合や頼めない事情がある場合でも、代替手段がいくつか存在します。

以下では、そのような状況での対処法について解説します。

信頼できる友人・同僚に頼む

多くの病院では、身元保証人として親族以外の人を認めています。そのため、親戚との関係性があまり良くない場合や、親戚が遠方に住んでいる場合などは、信頼できる友人や職場の同僚に身元保証人を依頼することも可能です。

身近な友人や同僚に頼むメリットは、緊急時にすぐに対応してもらいやすい点です。例えば、急な容態の変化や治療方針の変更などが生じた際に、迅速に病院に来てもらうことができます。また、日常的なコミュニケーションが取りやすいため、入院生活に関する細かな相談や支援を受けやすくなります。

ただし、友人や同僚に依頼する際は、身元保証人の役割と責任について十分に説明し、理解を得ることが重要です。特に、緊急時の対応や万が一の際の手続きなどについて、事前に詳しく伝えておくべきでしょう。

身元保証人なしで入院する方法を病院と相談する

身元保証人なしで入院する方法を病院と相談する

実は、法律上、病院は身元保証人がいないことを理由に入院を断ることはできません。そのため、身元保証人をお願いできる人がいない場合は、まず病院に相談してみることをおすすめします。

多くの病院では、身元保証人がいない患者に対して柔軟な対応を取るようになってきています。例えば、入院保証金を預かることで身元保証人を不要とする、クレジットカードでの支払いを認めるなど、さまざまな代替手段を提案してくれる可能性があります。

また、地域によっては行政や社会福祉協議会が身元保証に関するサポートを行っている場合もあります。病院のソーシャルワーカーや医療相談室のスタッフに相談することで、このような公的なサポートにつないでもらえる可能性もあります。

身元保証人を代行してくれるサービスを利用する

身元保証人を見つけることが困難な場合、身元保証の代行サービスを利用する方法もあります。これらのサービスは一定の費用が必要になりますが、個人に負担をかけることなく入院時の保証を得られるメリットがあります。

セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「ひとりのミカタ」は、そのようなサービスの一つです。「ひとりのミカタ」は、おひとりさまの「いつも」と「もしも」をサポートする総合的な終活支援サービスです。

このサービスは、入院や高齢者施設入居時の身元保証や、緊急連絡先の代行、さらにはエンディングサポート(死後事務手続き)まで幅広くカバーしています。日常生活のサポートとしては、24時間見守り駆けつけサービスや24時間無料電話健康相談なども提供しており、一人暮らしの方の安心を総合的にワンストップでサポートする仕組みとなっています。

ひとりのミカタ」には、身元保証が中心の「エルダープラン」と「エルダープラン」に見守り・駆けつけとエンディングサポート(死後事務手続き)までカバーした「プラチナプラン」の2つのプランがあり、必要なサポートに応じて選択することができます。どちらのプランでも、入院・入居時の身元保証サービスや病院・施設からの緊急連絡先代行サービスが含まれています。

このようなサービスを利用することで、身寄りがない方や、家族に負担をかけたくない方でも、安心して入院や治療に専念することができます。

「ひとりのミカタ」の詳細はこちら

ひとりのミカタ

おわりに

入院時の保証人問題は、多くの人々にとって重要な課題です。身元保証人や連帯保証人の役割を理解し、適切に対応することで、スムーズな入院生活を送ることができます。家族や親族に頼れない場合でも、信頼できる友人や同僚、病院との相談、専門サービスの利用など、さまざまな選択肢があります。これらの対処法を知り、自分に合った方法を選ぶことで、入院時の不安を軽減し、安心して治療に専念できます。事前の準備と適切な対応で、入院に備えましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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