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こどもの日におすすめの食べ物は?こどもの日にはどんな行事が行われる?

こいのぼり
セゾンのくらし大研究 編集部

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毎年5月5日は端午の節句、こどもの日です。お孫さんが生まれて初節句のお祝いをしたり、親戚が集まってみんなで食事したりといった方もいるのではないでしょうか。

しかし、イベントごとの準備は何かと大変です。こどもの日にちなんだ料理を用意したり、鯉のぼりや兜や鎧などの五月人形を飾ったり贈ったりとやることがたくさんあります。初孫の初節句となると分からないことも多くあるはずです。

このコラムではこどもの日におすすめの食べ物や行われる行事などについて、詳しく解説します。こどもの日のことを詳しく知って、子どもたちの健やかな成長を願ってお祝いしましょう。

1.こどもの日におすすめの食べ物

かしわもち

こどもの日にちなんだ食べ物といえば、ちまきや柏餅、ちらし寿司などがよく知られています。他にもタケノコや草餅、ブリやカツオなどの魚があります。ここからは、それぞれの料理や食材を食べる意味や由来、食べ方などを詳しく解説します。

美味しい料理を用意して、こどもの日をさらに楽しく盛り上げましょう。

1-1.ちまき

ちまきとは、もち米やうるち米、米粉などを材料にした餅菓子です。お餅を笹や茅(ちがや)などの葉っぱで巻いて、長円錐形や三角形の形にし、い草などの糸で巻きます。さらに蒸したり、茹でたりする場合もあります。

ちまきは、主に関西方面でこどもの日に多く食べられているお菓子です。関西を中心に食べる習慣ができた理由は、奈良時代に中国から奈良に伝わり、その後関西や西日本一帯に広がってきた歴史があるためです。

5月5日にちまきを食べる習慣ができたのは、中国の故事に由来しています。民衆に慕われていた「屈源(くつげん)」が陰謀によって追い出され、5月5日に川に身を投じてしまいます。悲しみに暮れた民衆が御供物を川に投じ供養しようとしましたが、途中で悪い龍に食べられてしまい、屈原の元まで届きません。しかし、葉で包み糸で縛ることで無事届くようになったのです。

このことからちまきと屈原のイメージを合わせて、忠誠心のある立派な大人になって欲しいと願ってちまきが食べられるようになったのです。また、ちまきを包んでいる葉は香りが強く、邪気を払う効果があり、ちまきを結ぶ糸にも魔除けや邪払いの意味が込められています。

1-2.タケノコ

上へ上へと高く育つタケノコには、元気にスクスク育ってほしいとの願いが込められており、これから大きく成長していく子どもたちにとってぴったりな縁起の良い食材です。ちょうどこどもの日ごろの春に旬を迎えるため、美味しく頂けるでしょう。

タケノコ料理にはタケノコご飯や煮物、お吸い物などがありますが、子どもが食べやすいタケノコ入り肉団子やタケノコ入り焼きおにぎりなどもおすすめです。お寿司に混ぜ込んでも美味しく食べられるでしょう。

1-3.柏餅

関東を中心にこどもの日に食べられているのが、柏餅です。最近では関東に限らず、全国的に広まってきています。

柏餅は平たく丸めたお餅に餡を挟んだり包んだりし、柏やサルトリイバラの葉で包む日本の伝統的なお菓子です。餡はこしあん、粒あん、味噌餡が使われています。最近ではずんだあんや芋あん、白味噌が使われていることもあり、バリエーションも豊富になってきています。

端午の節句であるこどもの日に柏餅が食べられるようになったのは、江戸時代頃からです。柏は冬でも葉を落とさず、新芽が出た頃に落葉する特徴から、子孫繁栄や両親の健康に繋がる縁起の良い食べ物とされています。

柏餅を食べるとき葉っぱはどうするのかと、子どもたちから聞かれることもあるでしょう。柏餅の葉っぱには防腐、殺菌効果があり、お餅を美味しく食べるために包んである物です。食べてしまっても害はありませんが、葉っぱの食感が餅の美味しさの邪魔をしてしまうため、剥がして食べた方が良いでしょう。

手作りでも手軽に作れるので、子どもたちと一緒に作ってみてもより思い出に残る1日となるのではないでしょうか。

1-4.草餅

草餅とはよもぎを練り込んだ緑色のお餅で、中にはあんこが入っています。最近ではコンビニでも見かけるメジャーな和菓子ですが、丸い草餅だけでなく、団子状にして串にさしたり、長方形の切り餅にしたりと、地域によって形状は様々です。

また、中国では「5」は嫌み嫌われている数字とされており、5月5日は不吉な日と言われています。薬草にも使われているよもぎには、邪気や病魔を追い払う効果があるとされ、奈良時代にはよもぎを吊るした小屋で身を清めてから田植えをする習慣があったほどです。そのため草餅には、子どもに厄がつかないようにとの願いが込められています。

1-5.ブリやカツオなどの魚

こどもの日には、カツオやぶりなどの魚もよく食べられています。ブリは成長とともにハマチ、メジロ、ブリなどと名前が変わり、出世魚としてよく知られています。他にもスズキやカンパチなども出世魚です。カツオは「勝つ男」に通じることから、こどもの日の食材にはぴったりです。

また、ブリやカツオは5月に旬を迎えるため、栄養たっぷりで美味しく食べられるでしょう。ブリは照り焼きやぶり大根、お刺身など、カツオはカツオのたたきや刺身などの料理がおすすめです。食卓に魚料理があると華やかさが増し、より豪華なこどもの日の食卓となるでしょう。

1-6.ちらし寿司

お祝い事の定番料理と言えば、彩りが良く食卓を華やかに演出してくれるちらし寿司です。エビや蓮根、いくらなど縁起の良い食材も多く使われており、こどもの日にはぴったりな料理です。

最近では普通に盛り付けるだけでなく、カップに盛り付けたり、鯉のぼりやケーキの形にしたりと見た目でも可愛く、こどもの日らしくなるように演出する方も多くいます。よりお祝いらしくパーティ感も感じられ、子ども達もきっと喜んでくれるはずです。

2.こどもの日に行われる行事

こどもの日には、鯉のぼりや五月人形を飾ったり菖蒲湯に入りますが、なぜ行われるか、どんなしきたりがあるのかなど、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。知ることでより想いが込められますし、子どもたちが疑問に思った場合にも正しく伝えられます。

2-1.鯉のぼり

以前は支柱に立てられ、屋根よりも高い鯉のぼりをよく見かけましたが、最近は住環境の変化などからあまり見られなくなってしまいました。しかし、ベランダに飾ったり、室内でもインテリアとマッチするコンパクトな鯉のぼりを飾っている方も多くいます。

鯉のぼりは、江戸時代、武士が玄関に幟や旗指物を飾っていたのが由来です。その後、庶民の間にも男の子が産まれると鯉のぼりを立てる習慣が広まりました。最初は黒い鯉のぼり1匹だけでしたが、戦後頃からカラフルな鯉のぼりが登場し始めました。

また、鯉のぼりは、中国の故事「鯉の滝登り」からヒントを得たともいわれています。滝を登り切った鯉はやがて竜になったといわれており、困難を乗り越えて立派に成長して欲しいとの願いが込められています。

さらに、鯉は沼や池などきれいな川以外でも生きていけるほど生命力が高い魚です。そのため、子どもにも強く逞しく育って欲しいとの願いも込められています。

2-2.五月人形

男の子が生まれると五月人形を飾りますが、最近では大きさや形状も様々です。以前は母方の祖父母が用意するという習慣があり、母方の祖父母は嫁ぎ先で暮らしている娘や孫と顔を合わす機会が少なく、鯉のぼりや五月人形を贈ることで会いに行く機会を作っていたと言われています。

しかし、最近はしきたりにこだわる方も少なくなり、両家の祖父母が折半したり、両親が購入したりと、お互いが話し合ってより良い方法が取られるようになってきました。

五月人形が飾られるのは子どもの厄を身代わりとなって引き受けるという意味があり、交通事故や病気から子どもを守るという意味が込められています。そのため、男の子の兄弟が複数人いる場合はそれぞれに用意するのが本来の目的と合っていますが、スペースや費用の問題もあるため、2人目以降はコンパクトな物やリーズナブルな物で良いでしょう。

2-3.菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る

こどもの日に菖蒲湯に入るようになったのは、中国の歴史と関係があります。古代中国では5月(現在の6月)になると雨季を迎え、流行病や災厄が増え「忌み月」とされてきました。そのため、強い香りを持つ菖蒲で邪気払いしたともいわれています。

日本に伝わってきたのは平安時代頃で、宮廷では厄除けとして菖蒲を身につけたり、飾ったりしていました。さらに鎌倉時代になると菖蒲の葉が刀に似ていることから、菖蒲を飾ってお祝いしていました。菖蒲が勝負や尚武(武事・軍事を尊ぶ)などの言葉と掛けられ、男の子が逞しく成長するようにとの願いも込められています。

また、菖蒲湯には厄除けや子どもの成長を願うだけでなく、リラックス効果や血行促進効果も期待できます。5月5日には家族で菖蒲湯に入って疲れを癒やし、さらに絆を深めましょう。

3.こどもの日の由来と意味

兜

元々5月5日は「端午の節句」とされ、男の子の健やかな成長や幸せを願ってお祝いする日という長い歴史がありました。

5月5日がこどもの日に制定されたのは1948年のことで、「こどもたちの人格を重んじ、幸福をはかるとともに、母に感謝する日」(祝日法より)とされています。こどもの日には男の子も女の子も性別関係なくお祝いし、母親への感謝の意味も含まれているのです。

こどもの日は日本のみならず世界各国で制定され、日にちは各国の事情に合わせて6月や11月など様々です。世界で初めて制定されたのはトルコで、その後世界各国に広まっていきました。

日本のこどもの日は長い歴史のある「端午の節句」としての意味が強く、鯉のぼりや五月人形を飾ったり、行事食を食べてお祝いしたりといった風習が根強く残っています。こどもの日は、伝統行事も大切にしながら、子どもたちの性別関係なくみんなでお祝いしましょう。

おわりに

端午の節句であるこどもの日は、男の子の健やかな成長を願うだけでなく、子どもたちみんなの幸福を願い、母親に感謝する日でもあります。しかし、日本では長い歴史のある「端午の節句」としての意味合いが強く、伝統行事でお祝いする風習が根付いています。

柏餅やちまき、お寿司、お魚などのこどもの日に食べる行事食にはそれぞれ由来や伝統があり、子どもの健やかな成長を願うものばかりです。意味を理解することで子どもたちに正しく伝統を伝えられますし、みんなで食卓を囲むことで家族の絆も深まります。

また、こどもの日には鯉のぼりや五月人形を飾ったり、菖蒲湯に入ったりする習慣もあります。こどもの日を楽しみながら、日本の伝統行事を子どもたちに伝え、健やかな成長と幸福を願いましょう。

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