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遺産相続の手続きで使う必要書類の一覧|銀行・不動産の相続手続きを始める方は必見

遺産相続
セゾンのくらし大研究 編集部

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相続が始まるとさまざまな手続きを行わなければならず、その際には多くの書類が必要になります。必要書類は自分で入手するものもあれば、作成が必要なものもあるため、事前に整理しておくことで効率よく手続きを進められます。

このコラムでは相続手続きに必要となる書類について、ケースごとに詳しく解説します。特に財産別に必要となる添付書類は実際に準備する際に参考になりますので、一度目をとおしておくことをおすすめします。

この記事のまとめ

相続の手続きは相続のケースによって異なります。手続きに必要な書類は全てに共通して必要なものがあれば、ケースによって必要になるものもあります。それぞれの違いを把握しておき、できるものは事前に準備しておくなどの対策をとることで、相続手続きをスムーズに進められます。しかし、なかには自分で作成しなければならない書類もあり、作成が困難だと感じるものがあります。その際には専門家に相談して作成を代行してもらうと、作成する手間が省ける他、作成ミスの心配はなくなり安心できます。

相続手続きサポート
相続手続きサポート

相続手続きの必要書類を一覧で紹介【共通編】

相続

相続手続きには、どの手続きを行う時にも必要となる書類があります。

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書

また、上の書類に加えて名義変更や登記など状況ごとに必要な書類が異なります。

銀行で口座の名義変更・預金の相続を行う時の必要書類

銀行での手続きに必要な書類は、遺言書がある場合とない場合で異なります。

【遺言書あり】

  • 遺言書
  • 自筆証書遺言の場合は検認済証明書
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 口座を名義変更もしくは預金の相続をする人の印鑑証明書

【遺言書なし】

  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 被相続人の通帳およびキャッシュカード

銀行で相続手続きを行う時の必要書類について、次項でさらに詳しく解説します。

銀行で相続手続きを行う時の必要書類【遺言書あり】

遺言書がある場合、銀行で相続手続きを行う時の必要書類は、遺言執行者の有無によって異なります。それぞれのケースにおいて必要な書類は以下のとおりです。

【遺言執行者あり】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
遺言執行者の印鑑証明書市区町村役場1部
遺言執行者の実印
遺言書もしくは遺言書情報証明書(公正証書遺言の場合は遺言書の謄本)1部
検認済証明書原本(自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合)家庭裁判所1部
遺言執行者選任審判書謄本(家庭裁判所で選任された場合)家庭裁判所1部
被相続人の通帳およびキャッシュカード

【遺言執行者なし】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
受遺者の印鑑証明書市区町村役場1部
受遺者の実印
遺言書もしくは遺言書情報証明書(公正証書遺言の場合は遺言書の謄本)1部
検認済証明書原本(自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合)家庭裁判所1部
被相続人の通帳およびキャッシュカード

銀行で相続手続きを行う時の必要書類【遺言書なし】

遺言書がない場合は、遺産分割協議書の有無で必要書類が異なります。

【遺産分割協議書あり】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
全ての相続人の戸籍謄本市区町村役場各1部ずつ
全ての相続人の印鑑証明書市区町村役場各1部ずつ
遺産分割協議書1部
手続きを行う方の実印
被相続人の通帳およびキャッシュカード

【遺産分割協議書なし】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
全ての相続人の戸籍謄本市区町村役場各1部ずつ
全ての相続人の印鑑証明書市区町村役場各1部ずつ
手続きを行う方の実印
被相続人の通帳およびキャッシュカード

銀行ごとに必要書類が異なる場合もあるので事前にチェック

また、銀行ごとに用意されている「相続関係届」や「印鑑届」などが必要になるケースもあります。相続に必要な書類はケースごとに各銀行のサイト上で確認できますので、事前に確認しておきましょう。

不動産の相続登記を行う時の必要書類

不動産

相続によって不動産を譲り受けた場合、不動産の名義変更手続きを行う必要があります。このことを相続登記といいますが、相続登記に必要な書類も遺言書の有無によって異なります。

また、相続登記申請書は自分で作成することも可能ですが、内容が複雑なため専門家に作成を依頼するケースが多くみられます。

相続登記申請書の書式のダウンロード先:不動産登記の申請書様式について:法務局

相続登記を行う時の必要書類【遺言書あり】

遺言書がある場合は、以下の書類が必要です。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
被相続人の住民票の除票市区町村役場1部
相続によって不動産を取得した方の戸籍謄本および住民票市区町村役場各1部
固定資産評価証明書不動産所在地の市区町村役場1部
遺言書もしくは遺言書情報証明書(公正証書遺言の場合は遺言書の謄本)1部
検認済証明書原本(自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合)家庭裁判所1部

相続登記を行う時の必要書類【遺言書なし】

遺言書がない場合、遺産分割協議書の有無によって必要書類が異なります。

【遺産分割協議書あり】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)市区町村役場1部
被相続人の住民票の除票市区町村役場1部
相続人全員の戸籍謄本市区町村役場各1部ずつ
不動産を取得する相続人の住民票市区町村役場1部
固定資産評価証明書不動産所在地の市区町村役場1部
遺産分割協議書1部
相続人全員の印鑑証明書市区町村役場各1部ずつ

【遺産分割協議書なし】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)市区町村役場1部
被相続人の住民票の除票市区町村役場1部
相続人全員の戸籍謄本市区町村役場各1部ずつ
相続人全員の住民票市区町村役場各1部ずつ
固定資産評価証明書不動産所在地の市区町村役場1部

証券口座を移す時の必要書類

口座

被相続人が株式を保有しており、それを相続した場合は名義変更を行う必要があります。こちらも遺言書の有無により、必要書類が異なります。

証券口座を移す時の必要書類【遺言書あり】

遺言書がある場合は、以下の書類が必要です。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(死亡が確認できるもの)市区町村役場1部
遺言執行者および受贈者の印鑑証明書市区町村役場各1部
遺言書もしくは遺言書情報証明書(公正証書遺言の場合は遺言書の謄本)1部
検認済証明書原本(自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合)家庭裁判所1部

証券口座を移す時の必要書類【遺言書なし】

遺言書がない場合、遺産分割協議書の有無によって必要書類が異なります。

【遺産分割協議書あり】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)市区町村役場1部
証券口座を引き継ぐ相続人の印鑑証明書市区町村役場1部
遺産分割協議書1部
相続人全員の印鑑証明書市区町村役場各1部ずつ

【遺産分割協議書なし】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)市区町村役場1部
相続人全員の戸籍謄本市区町村役場各1部ずつ
相続人全員の印鑑証明書市区町村役場各1部ずつ

相続税の申告を行う時の必要書類

書類

相続税の申告を行う時に必要な書類は、「申告書」と「申告を行う全ての方が必要となる書類」「財産別に必要となる添付書類」「財務を証明する書類」に分けることができます。

「申告を行う全ての方が必要となる書類」とは、以下の書類です。

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までがわかるもの)
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 相続人全員のマイナンバー番号確認書類
  • 相続人全員の身元確認書類(運転免許証・パスポートなど)

また、遺言書がある場合は以下の書類が必要です。

  • 遺言書の写し
  • 検認済証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書

遺言書がない場合は、以下の書類を準備しましょう。

  • 遺産分割協議書(違算分割協議で分割する場合)
  • 相続人全員の印鑑証明

ただし、「相続税精算課税制度」の適用を受ける方や、「配偶者の税額軽減」「小規模宅地の特例」の適用を受ける方は、上の書類と申告書以外にも必要となる書類がありますので注意が必要です。

財産別に必要となる添付書類【預貯金編】

相続税の申告の際には、相続する財産によって別途添付書類が必要になります。普通預金や定期預金などの預貯金を相続する場合、以下の書類を準備するようにしましょう。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
相続する金融機関の預金残高証明書取引先の金融機関1部
定期貯金の既経過利息計算書取引先の金融機関1部
被相続人の過去5年分の通帳のコピー1部

財産別に必要となる添付書類【不動産編】

登記申請書

土地や建物などの不動産を相続した場合、以下の添付書類が必要です。書類は土地と建物で異なりますので、注意してください。

【土地】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
登記簿謄本(全部事項証明書)法務局1部
地積測量図または公図の写し法務局1部
固定資産税評価証明書市区町村役場1部
賃貸借契約書

【建物】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
登記簿謄本(登記事項証明書)(全部事項証明書)法務局1部
固定資産税評価証明書市区町村役場1部
賃貸借契約書

財産別に必要となる添付書類【有価証券編】

株式や投資信託など、投資商品を相続する場合に必要な添付書類は以下のとおりです。また、株式の場合それが上場しているものか、非上場のものかで異なります。

【上場株式および投資信託】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
証券会社の残高証明書取引先の証券会社1部
配当金支払通知書1部

【非上場株式】

書類名取得場所用意しておくと良い部数
過去3期分の決算書該当する企業1部
税務申告書該当する企業1部

財産別に必要となる添付書類【保険編】

相続財産の中には、生命保険金も含まれます。生命保険の保険金を受け取る際には、以下の添付書類を準備しておきましょう。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
生命保険金支払通知書契約先の生命保険会社1部
生命保険証書1部
解約返戻金がわかる書類契約先の生命保険会社1部

財産別に必要となる添付書類【生前贈与編】

過去3年以内に生前贈与があった場合、その贈与分は相続財産に含まれます。そのため、以下の書類を準備しなければなりません。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
過去3年以内の贈与税申告書1部
贈与契約書1部

財産別に必要となる添付書類【その他の財産編】

相続

その他、財産には自動車、死亡退職金、貴金属などがあります。これらを相続した際には、以下の書類を添付して申告する必要があります。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
車検証(自動車を相続したとき)
退職金の支払通知書もしくは源泉徴収票(退職金を相続したとき)勤務先もしくは自宅
購入時期や購入金額がわかるもの(貴金属を相続したとき)

財産別に必要となる添付書類【債務編】

相続財産にはプラスの財産だけではなく、マイナスの財産もあります。マイナスの財産とは借金や未払い金などです。これらの財産を相続した場合、相続財産から差し引くことができます。そのためには、以下の書類が必要になります。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
借入残高証明書および返済予定表借入先の金融機関1部
相続開始後に支払った医療費などの領収書各1部
未払いとなっている公共料金などの請求書および領収書各1部
住民税や固定資産税などの納税通知書各1部

財産別に必要となる添付書類【葬式費用編】

葬儀にかかった費用は相続財産から差し引くことができます。そのためには、以下の書類を用意しておきましょう。

書類名取得場所用意しておくと良い部数
葬儀費用の領収書葬儀会社1部
葬儀費用の中で領収書が発行されなかったものについて記載したメモ

ここまで読んで相続手続きが複雑と感じた時は

相続

相続手続きに必要となる書類は多岐にわたり、遺言書の有無や遺言執行者の有無、また遺産分割協議書の有無によって異なります。さらに、相続する財産の種類によっては、添付書類としてさまざまな書類を準備しなければなりません。

これらの書類を自分だけで準備するのはさすがに難しいと感じた時は、ぜひ専門家の力を借りるようにしましょう。専門家に書類を代行してそろえてもらうには費用がかかりますが、手間が省けるほか、時間が短縮でき、取得漏れといった不備を防げるメリットがあります。

多忙で、多数の金融機関に相続手続きに行くのが難しい方や、相続人の数が多く書類のやり取りが大変だと感じるならば、ぜひ一度「セゾンの相続 相続手続きサポート」にご相談ください。経験豊富な提携専門家のご紹介も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

セゾンの相続 相続手続きサポートの詳細はこちら

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おわりに

相続が開始すると、さまざまな手続きが必要になります。また、手続きの内容によっては必要書類を準備して手続きを行わなければなりません。特に被相続人の戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本はかならず必要になりますので、早めに準備しておきましょう。場合によっては相続人全員の印鑑証明書も必要にありますので、併せて取得しておくことをおすすめします。

さらに、相続財産の内容によっては相続税を申告する必要があります。その際にも、相続する財産の種類によってそれぞれに必要となる添付書類がありますので、事前に確認して漏れなく準備しておかなければなりません。

必要となる書類は財産の種類によって異なります。相続手続き全体を通して書類を全て自分たちで準備するのは、かなりの労力と時間がかかります。自分たちでそろえるのは難しいと感じた時は、早めに専門家に相談し、サポートを受けるようにしましょう。

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