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代表相続人の必要性と人選のポイント!代表相続人に選ばれた方が知っておきたい注意点とは?

セゾンのくらし大研究 編集部

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相続手続きを進めるに当たって、金融機関から代表相続人の選任を求められる場合があります。そもそも代表相続人とは何をする方で、必ず選ばなければいけないのか、どんな方を選べば良いのかと、疑問に思う方は多いようです。このコラムでは、代表相続人とは、代表相続人に選ばれた方が行うこと、注意すべき点についてお伝えしましょう。

この記事のまとめ

代表相続人とは、相続人の代表として、金融機関や自治体、専門家との窓口となり、さまざまな手続きを行う方のことをいいます。相続手続きは、日常生活とかけ離れた作業に戸惑いながらも、期限や適用要件などに配慮する必要があるため、信頼でき、責任感があり、時間的融通の利く方が代表としてふさわしいです。ただし、決して押し付けるのではなく、代表相続人のリーダーシップのもと、やらなければいけないことや進捗状況をすべての相続人で共有し、スムーズに手続きを進めましょう。専門家のサポートも活用しつつ、もれや重複がないよう相続人全員で同じゴールを目指しましょう。

代表相続人とは?

代表相続人とは、相続人の代表としてさまざまな手続きを行う方のことをいいます。相続人同士が話し合いで決め、手続きや申請の必要はありません。代表相続人がすべての手続きを行うことも、手続きごとに代表者を決めて行うこともできます。

相続手続きは、相続人全員が協力して行うことが原則ですが、役所や金融機関など平日の日中のみ対応となっている場合も多く、相続人が全員揃って窓口へ行くのは現実的ではありません。実際には、相続人となる子どもがリーダーシップをとり手続きを進めるケースや、平日に動きやすい方が代表相続人として相続手続きを進めることが多いようです。

代表相続人は絶対に必要?

相続手続きを進めるうえで、代表相続人が絶対に必要というわけではありません。

金融機関によっては、書類に「代表相続人」という項目があり、代表相続人を選任するよう促される場合もあります。

これは、手続きを円滑に進めることが目的で、特別な責任や義務が生じるわけではありません。必要に応じて、都度対応する方が代表相続人として手続きをすることも選択肢です。

代表相続人を選ぶメリット

複数の相続人がそれぞれに手続きを行うと、時間がかかり煩雑になりがちです。思い込みや誤解により、手続きに漏れが生じることや重複する可能性も否めません。代表相続人が関係者との窓口役となることで、申請先や相続人が混乱するのを回避することができます。

代表相続人を選ぶのはいつ?

相続人全員が揃う最初のタイミングで代表相続人を決めることをおすすめします。一連の手続きを円滑に進めるためには、できるだけ早い段階に皆で全体の流れを共有し把握することが大切です。

もちろん、代表相続人を選んだからといって、すべての手続きをその方に押し付けるというものではなく、各相続人が分担して作業を進めても構いません。

むしろ、代表相続人のひとりが、手続きや連絡に追われて流れが停滞するよりも、代表相続人のコントロールのもと、連携しつつ、できる方ができることをするという体制のほうが、理解と納得感を持って取り組むことができるでしょう。司令塔のようなイメージが理想的かもしれません。

代表相続人は相続時に損も得もしない

あくまでも、手続きを円滑に進めることが目的ですので、代表相続人に特別な義務や権利が発生するということはありません。遺産の相続配分が増えることも相続税を他の相続人より多く支払うこともありません。

代表相続人が行うべき手続きとは?

では具体的に、代表相続人は、どのような場合に、どのような手続きを行うのでしょうか。

固定資産税の納税通知書の受け取り

相続する遺産に不動産がある場合、代表相続人は被相続人から相続した不動産に対する「固定資産税の納税通知書」を受け取る必要があります。固定資産税納税通知書を受け取るためには、不動産所在地の市町村に対して「相続人代表者指定届」を提出する必要があります。

納税通知書は1月1日時点で不動産を所有している登記名義人に送られます。年度途中に被相続人が亡くなり、受取人不在となってしまうと、固定資産税が未納となってしまう可能性もあります。未納となることを避けるため、代表相続人が納税通知書を受け取るというものです。

固定資産税は、遺産分割前は、相続人の共同財産であるため相続人が全員で負担します。実際には、一時的に立て替えたうえで遺産分割協議後に精算する、不動産を相続する予定の方が支払っておく、など都合の良い方法で支払いを済ませることが一般的です。

固定資産税の納税通知書は、遺産分割により所有者が決まった際には遅滞なく登記をすることで翌年以降は登記名義人に送付されます。

不動産の名義変更手続き

被相続人名義の不動産を売却する場合や名義変更、代金決済を行う場合に、代表相続人の役割として、以下のパターンが考えられます。

  • 司法書士とのやり取りや書類収集を進める
  • 代表として不動産の名義人になり、売却手続きを進める(換価分割の場合)

換価分割とは、不動産の売却により得た現金を相続人で分ける分割方法です。代表相続人を代表名義人として売却するケースでは、不動産の現場立会や代金決済などは不動産の所在地で行うため、当該不動産の所在地に近い相続人が代表相続人となり対応することが無難かもしれません。

もしくは、仲介契約や代金決済などは平日の日中に動くことが多いため、その時間帯に動くことができる方という選択肢も有効です。

相続税を申告する際の税理士への対応

相続税の算出や相続税申告書の作成に当たって税理士へ依頼する際には、税理士との連絡や資料の提出などの対応は、代表相続人が窓口となり、そのうえで書類の準備や進捗状況を他の相続人と共有するのが適切でしょう。

複数の相続人からの問い合わせやバラバラの対応をすると重複が生じるリスクや税理士が混乱してしまうことも想定されます。税理士との信頼関係も相続手続きを進めるうえでの重要なポイントです。

金融資産の名義変更や預金の払い戻し

相続する財産の中に共有財産である預金や有価証券などの金融資産がある場合、必要書類や委任状を用意することで代表相続人が代表として手続きを行い、預金を受け取ることになります。

各金融機関によりますが、概ね以下の書類を準備する必要があります。

  • 遺言書もしくは遺産分割協議書
  • 金融機関指定の相続届
  • 相続人の印鑑登録証明書
  • 被相続人の戸籍謄本
  • キャッシュカード、通帳

繰り返しになりますが、あくまでも、代表相続人として預金を受け取るだけで、預金などを相続するわけではありません

代表相続人にふさわしい方とは

代表相続人にふさわしい方とは、どのような方なのでしょうか。あくまでも代表相続人を選ぶための目安として参考にしてください。

信頼できる方

代表相続人は、「信頼できる方」を選びましょう。

相続人であれば、誰でも代表相続人となることはできますが、代表相続人が被相続人の銀行預金の受け取りを行うことになるため管理能力が必要です。

受け取った預金を自分が所有しているお金と混ぜてしまうことや生活費として消費してしまうことのないようきちんと管理できる方を選びましょう。そういった信頼できる相続人に代表として対応してほしいものです。

責任感がある方

代表相続人には、「責任感がある方」が望ましいです。

相続手続きには、期限内の申告や納付が要件となるものも多く、必要な書類を揃え、期日を守るなど責任感が必要です。専門家とのやり取りや連絡においても適宜対応できる方が良いでしょう。

代表相続人は、それぞれの場面において責任感をもって対応しなければ、相続人全員に影響を与える可能性があると認識する必要があります。

時間の融通が利く方

金融機関や役所など対応は平日の日中のみであることが多いため、時間に融通が利く方のほうが良いでしょう。

当然ながら、信頼も責任感も必要ですが、対応できる時間に動ける方でないと手続きは進みません。相続手続きに関して、窓口での対応が必須の場合も多くあります。開庁時間や営業時間に都合を合わせられる方を選びたいものです。

年齢の若い方

代表相続人を決めるに当たって、「長男だから」などという理由で代表となるケースは多く見られますが、年長者でなくても構いません。

相続人の年齢、年代にもよりますが、高齢の場合対応しにくいケースもあるでしょう。子どもの中で働き方などを踏まえて代表を選ぶなどさまざまです。いずれにしても、時間的、精神的に負担のない範囲で代表を務めることが大切です。

代表相続人を選ぶ際のポイント

相続人の中で、率先して代表相続人を引き受けてくれる方がいると良いのですが、それぞれの仕事や日常生活の中での相続手続きは、やはり時間的、労力的、精神的な負担を伴います。ここでは、専門家に頼ることも含めて、代表相続人を選ぶ際のポイントを紹介しましょう。

遺産分割協議書に代表相続人を明記しておく

金融機関で預金を相続する際、金融機関は、適切に遺産分割協議が行われたことを確認します。これは、「争族」トラブルに金融機関が巻き込まれないための防御手段でもあり、相続人全員の合意形成があることを確認したうえで、被相続人の口座凍結を解除することになっているのです。

そういった理由から、正当な代表相続人である旨を示すため、遺産分割協議書には代表相続人を明記することが大切です。

できれば専門家に頼る

自分たち(相続人)だけで、すべての手続きを進めようとすると、多くの迷いや時間を要することになるため、専門家へ依頼することも選択肢です。

戸籍謄本の収集から遺産分割協議書の作成、法務局の相続登記申請や銀行・証券会社の相続手続きなど一連の相続手続きを一括して依頼できるサービスもあります。部分的に専門家を活用する方法や専門家にしかできない手続きもありますので、費用も考慮しつつ臨機応変に対応しましょう。

相続の手続きは司法書士や弁護士へ相談

相続トラブルは弁護士、不動産の相続登記など登記は司法書士の専門領域であるため司法書士へ依頼します。法律事務だけであれば、比較的費用負担の少ない司法書士への依頼も可能です。

相続税の申告は税理士へ相談

相続税の申告手続きは税理士の専門領域です。確定申告よりも複雑なので、納税が必要なときは税理士に相談しましょう。税理士によっては得意とする分野が異なるため、依頼の際には、相続税に関する実績を確認することをおすすめします。

専門家へ依頼するメリットと費用とのバランスを考えて、自分たちに合った方法を検討しましょう。

おわりに

相続手続きは、聞きなれない言葉や適用要件など日常生活とかけ離れた作業に、多くの相続人が戸惑うものです。代表相続人のリーダーシップのもと、やらなければいけないことや進捗状況をすべての相続人で共有できると、もれや重複なくスムーズに手続きをすすめることができます。

決して押し付けるのではなく、相続人全員で同じゴールを目指すイメージです。専門家のサポートがあればさらに心強いでしょう。くれぐれも疲弊することのないよう粛々と進めることをおすすめします。

代表相続人の相談は「セゾンの相続 相続手続きサポート」までお問い合わせください。

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