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宝くじは税金がかかる?かかるケースと対策、気をつけるべきポイントを紹介

宝くじは税金がかかる?かかるケースと対策、気をつけるべきポイントを紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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宝くじを購入して当たった際、税金の支払いはどうしていますか?「当たっても数百円や数千円だから、税金は関係ないのでは…」と思っている方も多いでしょう。しかし、当せん金の取り扱い方によっては課税される場合も!そこで今回は、宝くじをこれから購入する方や宝くじで当せん金を得た方に向けて、宝くじの当せん金にかかる税金や宝くじが当たった際に気をつけたいことなどを紹介します。

この記事を読んでわかること

  • 日本で購入できる宝くじの当せん金は、公営競技の払戻金と違い、どれほど高額になっても購入代金に課税されているため、二重で税金はかからない
  • 受け取った当せん金の取り扱いによっては、税金がかかるケースもある
  • 宝くじの当せん金の受け取り方法は、金額によって異なり、共同購入した場合には特に注意が必要

宝くじに税金はかかる?

宝くじに税金はかかる?

「宝くじに当たったら7億円手に入るかも!」と思いを巡らせながらも、「宝くじの当せん金にかかる税金はいくらなのだろうか」、また「課税されるとしたら、どのくらい引かれるのだろうか」と気になる方も多いはずです。

まずは、宝くじに税金がかかるのかどうかについて、見ていきましょう。

宝くじには税金はかからない!

結論からいうと、宝くじの当せん金に税金はかかりません。当せん金額の大小に関係なく、非課税所得に分類されます。そのため、所得税はもちろん住民税もかかりません。また、確定申告も不要です。

スポーツくじの当せん金も非課税

宝くじと同じように、スポーツくじの当せん金も非課税です。スポーツくじの場合、当せん金を最高で7億円獲得できます。

ただし当せん者がいない場合は、当せん金を繰り越すキャリーオーバーが発生するため、当せん金が12億円以上になることもあります。そういった場合でも税金はかかりません。

宝くじが非課税の理由とは

ではどうして、高額当せんの可能性がある宝くじには税金がかからないのでしょうか?

商品などを購入すると消費税が課されますが、宝くじを購入しても消費税が引かれることはありません。一見すると、宝くじは税金とは無関係のようですが、実際には、宝くじの購入金額に含まれており、一律に税金を徴収されているのです。

そもそも宝くじの販売ルートをひも解くと、宝くじを発売する際は、地方自治体が総務大臣に認可を得て発売します。そして、業務委託を受けた銀行が発行や抽選などを行う仕組みです。実際の販売は、受託銀行ではなく受託銀行が自ら審査した宝くじ販売所に宝くじを卸し、行ってもらいます。

宝くじの売上金は当せん金に充てられるだけでなく、売上総額の約40%が地方自治体の収益になり、公共事業などに利用されています。よって、当せん者からさらに税金を徴収すると、二重課税になってしまうために非課税というわけです。

宝くじに税金がかかるといわれるのはなぜ?

宝くじに税金がかかるといわれるのはなぜ?

宝くじには税金がかからないわけですが、一方で「宝くじに税金がかかる」といわれることがあります。それは、なぜでしょうか。理由として、主に2つの事例が考えられます。

人にあげると贈与税がかかるから

当せん金を手にした場合、自分は不要だからと家族や友人に分配することもあるでしょう。この場合、贈与に該当するため、贈与を受けた方は贈与税を負担しなければなりません。

贈与税を支払いたくないからと、手渡しで当せん金を分配するケースもありますが、当せん金が高額になると金融機関が税務署へ情報提供する場合もあります。たとえ手渡しにしても、税務署にばれる可能性があるため、きちんと納税しましょう。

競馬などの公営競技は課税対象だか

宝くじやスポーツくじと似ているもので、競馬などの公営競技を思い浮かべる方もいるはずです。公営競技の払戻金も宝くじと同じように考えると、税金がかからないように思うでしょう。

しかし実際には、公営競技の掛金には税金が含まれていません。そのため、払戻金は所得に分類され、課税の対象になります。

宝くじの当せん金に税金がかかるケースをおさらい

宝くじの当せん金に税金がかかるケースをおさらい

ここからは、より詳しく宝くじの当せん金にかかる税金について見ていきましょう。

宝くじの当せん金をあげたとき

先ほど紹介したように、当せん金を自分以外の方に分配すると贈与税がかかります。贈与税の場合、お金を贈与した方は課税されませんが、お金を受け取った方は贈与税を納めなければなりません。

例えば両親や祖父母といった直径尊属から贈与を受けた場合に、いくら贈与税を支払わなければならないのか調べる計算式は以下のとおりです。

贈与税 =(贈与財産-基礎控除)× 税率 - 控除額

基礎控除後の贈与税率と控除額は以下に示します。

200万円以下400万円以下600万円以下1,000万円以下1,500万円以下3,000万円以下4,500万円以下4,500万円超
税率10%15%20%30%40%45%50%55%
控除額10万円30万円90万円190万円265万円415万円640万円

例えば、5,000万円の当せん金を18歳の息子に贈与したとしましょう。この場合の計算式は以下のとおりです。

贈与税 =(5,000万円-110万円)× 55% - 640万円

よって贈与を受けた息子さんは、2,049万5,000円を贈与税として納めなければなりません。

ただし、贈与を受けた年の1月1日の年齢によっては、税率と控除額が異なるため注意が必要です。

子どもや配偶者が相続した場合

当せん金を得たものの、急に亡くなった場合や当せん金を使わないまま亡くなってしまった場合には、相続税が課されるケースがあります。

ただし相続の場合、当せん金に亡くなった方の銀行預金などの財産と借金などの負債を総合します。その上で控除を考慮し、税金が算出されるため、一概に相続税がかかるとは限りません。ここでは、相続における一般的な基礎控除を使って考えていきましょう。

相続における一般的な基礎控除とは以下のとおりです。

基礎控除 = 3,000万円 +(600万円×法定相続人の数)

例えば、5,000万円の当せん金を得た方で、当せん金を含めた相続税課税財産が6,000万円だったとしましょう。その方には妻と子どもが2人いました。

この場合、基礎控除は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円です。

相続税の基本的な算出方法は、以下のとおりです。

相続税 = 基礎控除を加味した相続税課税財産 × 相続税の税率 - 控除額

相続税の速算表は以下のとおりです。

税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

6,000万円-4,800万円=1,200万円が基礎控除を加味した相続税課税財産になります。この速算表で計算した法定相続人ごとの税額を合計したものが相続税の総額になります。法定相続分は妻1/2、子ども1/4となりますので、算出税額は次の通り計算されます。

法定相続分に応じる税額(妻)  600万円×10%=60万円
法定相続分に応じる税額(子)  300万円×10%=30万円
法定相続分に応じる税額(子)  300万円×10%=30万円

算出された税額を合計すると、相続税の総額は120万円になります。

相続税の計算については、ケースに応じ様々な注意点があります。税理士と相談しながら進めるのがおすすめです。

相続税申告でお悩みの方は「セゾンの相続 相続税申告サポート」までご相談ください。相続税申告に強い税理士と提携してサポートいたします。

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外国で宝くじを買ったとき

日本の宝くじは非課税ですが、海外で購入した宝くじが当たった場合には、その当せん金は課税対象になります。この場合一時所得に分類され、以下のような計算式で算出可能です。

一時所得 = 総収入額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

一時所得は、一時所得の2分の1を給与所得などの所得に合算して、最終的には所得税として課税されます。

例えば、1億円の当せん金があったとしましょう。ここでは計算しやすくするために、収入を得るために支出した金額は考えていません。一時所得は、1億円-50万円で9,950万円です。その半分の4,975万円をその他の給与に含めて所得税の計算をしていくという流れになります。

会社など法人で購入したとき

事例としては少ないかもしれませんが、宝くじを法人、いわゆる会社名義で購入することも考えられるでしょう。この場合、宝くじが当たったら法人が受け取ることになり、当せん金は法人の益金です。結果、法人税の対象になります。

宝くじに税金がかからないようにするには?

宝くじに税金がかからないようにするには?

宝くじの当せん金に税金をかけたくないという方は、主に3つの方法をとると良いでしょう。共同購入する・贈与税の基礎控除を活用する・教育資金贈与を活用するといったものです。ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

共同購入する

ひとりの方が宝くじを購入して、当せん金を他の方に分配すると贈与税がかかります。しかし複数人で宝くじを共同購入して得た当せん金は、それぞれが当せん金を受け取っても贈与税はかかりません。

ただし、当せん金を受け取りに行く際は、共同購入者全員で行き、共同購入したことを銀行の窓口の方に伝える必要があります。

贈与税には基礎控除を活用する

贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり、宝くじの当せん金で贈与税を発生させないようにしたい場合は、年間110万円以下の贈与にすれば良いのです。

当せん金が高額な場合は、何年かにわけて毎年100万円ずつ贈与する方法も良いでしょう。

教育資金贈与を活用する

教育資金贈与とは、直系尊属からの教育資金の一括贈与を受けた場合、最大1,500万円までは贈与税が非課税になる制度です。

この制度は2023年3月末までの適応でしたが、期間が3年間延長され、2026年3月まで利用可能に。贈与する相手や利用方法は限られますが、多額の当せん金を非課税で贈与できるようになります。

ただしこの場合、直接子どもや孫などに資金をあげるのではなく、取扱金融機関と教育資金管理契約を締結しなければならないため、注意しましょう。

宝くじの当せん金の受け取り方を紹介

宝くじの当せん金の受け取り方を紹介

宝くじが当たった場合は、当せん金はどこで受け取れるのでしょうか。手軽に、宝くじ売り場で受け取れるイメージをお持ちの方もいるかもしれません。しかし実際は、金額に応じて受け取り方法が異なるため注意しましょう。

1口当たりの当せん金が50,000円以下の場合

宝くじ売り場やコンビニエンスストアなどで購入した宝くじの1当せん金、または1口が50,000円以下の場合、宝くじ売り場やみずほ銀行本支店で受け取れます。まれにみずほ銀行で当せん金を受け取れないケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。

1口当たり50,000円を超える場合

1当せん金または1口当たり50,000円を超える当せん金の場合は、みずほ銀行本支店で受け取れます。また、100,000円マークがある宝くじ売り場であれば、当せん金100,000円以下の場合に受け取ることが可能です。100,000円マークのある宝くじ売り場を探したい場合は、宝くじ公式サイトから検索できます。

1口当たり500,000円以上の場合

1当せん金または1口当たり500,000円以上の当せん金の場合は、みずほ銀行本支店でしか受け取れません。また、1口当たり500,000円以上の場合は、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類の提示が必要です。顔写真のない確認書類の場合、追加で種類の異なる書類の提示を求められます。

1口当たり100万円を超える場合には、本人確認書類と印鑑が必要になります。さらに、手続きの都合上、受け取りまでに1週間ほどかかるといわれています。

公式サイトや,金融機関の販売サイトで購入した場合

近頃は、宝くじ公式サイトなどのWEBサイトから宝くじを購入することが可能です。この場合は、事前に登録している当せん金受取口座や宝くじの購入で利用した口座に、自動で振り込まれるようになっています。

ATMで購入したとき

銀行のATMで宝くじを購入することも可能です。ATMを通じて宝くじを購入した場合には、購入で利用した口座に、当せん金が振り込まれます。

宝くじが当たったら気をつけたいこと

宝くじが当たったら気をつけたいこと

特に、高額の当せん金が当たった場合、舞いあがって我を忘れてしまう方もいるでしょう。なかには、高額な当せん金を手にしたことで、散財してしまい人生が狂ってしまう方もいます。ここでは、宝くじが当たった場合に気をつけたいことについて見ていきましょう。

宝くじの当せん金の受け取り期間

まず忘れてはいけないことが、宝くじの当せん金の受け取り期間です。一般的な受け取りの期限は、支払い開始日から1年以内と決まっています。この期間を過ぎてしまうと、当せん金が受け取れなくなるため注意が必要です。スクラッチの場合は、券面に受け取り期限が記載されているため、確認しましょう。

宝くじは意外と未換金の方が多く、気づいたときには受け取り期間が過ぎていたというケースもあります。宝くじを購入した場合には、目のつくところに置き、当せん番号が発表されたらすぐに確認しましょう。

宝くじの高額証明書は捨ててはいけない

宝くじの高額当せんによって銀行口座に多額のお金が振り込まれたり、高額な買い物をしたりすると、税務署から問い合わせの連絡がくることがあります。この場合「宝くじに当たった」と回答しても、証拠の提示を求められる可能性があります。

そういったときのために、当せん証明書を大切に保管しておいてください。当せん証明書は、当せん金を受け取る際に、銀行が発行するものです。

使い道は慎重に

高額当せんすると、これまで欲しかったものを簡単に購入できるようになるかもしれません。しかしあれもこれも購入することで散財する癖がつき、あっという間に当せん金が尽きてしまうこともあります。高額な当せん金を手にしたときこそ、お金は慎重に使いましょう。

高額当せんによって人生が悪い方向へいかないように、1,000万円以上の当せん者には「【その日】から読む本」という冊子が配布されます。内容は、高額当せん金を手にしたら、ローンを返済すると良い、仕事は続けた方が良いなどのアドバイスが書かれているようです。

共同購入の場合は全員が手続きを行う

宝くじを共同購入し高額当せんした場合は、購入者全員で当せん金を受け取りにいく必要があります。どのようにわけるのかを考えたうえで銀行へ受け取りにいきましょう。

また銀行では、当せん証明書を受け取りますが、共同購入の場合は、各自の受け取り分を当せん証明書に記載してもらってください。この当せん証明書は先ほども説明したとおり、税務署の調査が入った際に、宝くじの当せん金であることを証明する重要な書類です。

信頼できる方だけに話す

高額当せんすると、周りの方に話したくなるかもしれません。しかし、トラブルを避けるためにも、高額当せんに関する話は、信頼できる方だけにしましょう。

例えば、当せん金があることを知った親族が「お金を貸してほしい」と訪ねてきたり、嫌がらせや脅迫を受けたりすることもあるためです。

宝くじに当たった方は何に使っている?

宝くじに当たった方は何に使っている?

最後に、実際に宝くじに当たった方は何に使っているのか見てみましょう。

貯蓄が半数近く!家の購入や借金の返済をした方も

宝くじ公式サイトに掲載されている「宝くじ当せん者レポート」によると、42.8%の方が貯蓄していました。次いで、土地や住宅の改築・購入に16.4%、借入金の返済に15.4%、車の購入に15.1%という結果です。

当せんの秘訣に関して記載されている項目の中で、継続して購入することや直感をあげている方もいますが、4割以上の方が運だと回答していました。

おわりに 

宝くじの当せん金には税金がかからないことがわかり、より宝くじの購入に前向きになった方もいるかもしれません。

ただし、自分以外の方にお金を渡すと贈与に該当することもあり注意が必要です。また、高額当せんによって、親族など周りの方とトラブルを引き起こしたり、散財したりするリスクもあります。宝くじを購入する際には、当せん金を手にしたときのことをイメージしながら購入しておくと安心でしょう。

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