自分では見えない背中の贅肉。しかし、他人からは意外と見られているかもしれません。そこで今回は背中痩せに効果的なトレーニングやストレッチ、また食事の摂り方のポイントを紹介します。デスクワークの合間や寝る前に簡単にできる筋トレやストレッチばかりです。器具を使った本格的なトレーニングをしたい方のために、おすすめのアイテムも紹介しますので、ぜひ背中痩せに挑戦してみてください。
- 背中には大きな筋肉があり、筋力が落ちると姿勢が悪くなり脂肪が付きやすくなる
- 日頃から姿勢を良くするように意識したり、食事にも気をつけたりする必要がある
- 「運動を始めるためにアイテムを手に入れてやる気を出したい!」という方は、ゴムバンドやフォームローラーを使って、より効果的にトレーニングを行うのもおすすめ
背中に脂肪が付くのはなぜ?
背中に脂肪が付くのは、筋肉量の低下が原因です。運動不足が原因で筋肉量が低下すると、基礎代謝が低下するのでエネルギーの消費がしにくくなります。摂取エネルギーが消費エネルギーを上回る状態が続くと結果的に脂肪となってしまうのです。
これが身体に脂肪が付くメカニズムです。日頃、運動不足の人は背中をはじめとした身体全体の筋肉量が低下しやすくなります。そうすると基礎代謝も下がり、食べ物や飲み物などから摂取したエネルギーは消費されにくくなり、脂肪になってしまいます。
さらに背中は、日常生活であまり動かさないこともあって、脂肪が付きやすい部位です。また、年齢が上がると基礎代謝量が減少するために、今までと同じ食事をしていても脂肪が付きやすくなります。
姿勢の悪さも背中に脂肪が付きやすくなる原因のひとつです。姿勢が悪いうえに、同じ体勢が長時間続くと、筋肉が凝り固まり柔軟性も低下します。デスクワークや、スマートフォンなどの使用によって猫背になってしまっている方は注意しましょう。
背中痩せを実現するために重要なポイント
ここからは背中痩せをするために、日頃から気をつけたいポイントをチェックします。
姿勢の改善
背中痩せするためには、姿勢を改善することが重要です。常に背中が丸まっていないか、猫背の状態になっていないかを気にしながら過ごしましょう。猫背にならないように姿勢を改善するには、日頃からの意識とともに、筋肉のバランスを整えることが大切です。
食べ過ぎ防止
暴飲暴食をしていれば、脂肪が付きやすくなります。背中痩せのためには、場合によっては食事量の見直しで食べ過ぎを防止することも必要です。食べ過ぎを防止するということは、カロリー摂取や食事の栄養価を見直すことでもあります。まずは1日に必要な摂取カロリーを知っておくと良いでしょう。
男性(12~69歳):2,400~3,000kcal ※活動量は“普通”以上の場合
女性(12~69歳):2,000~2,400kcal ※活動量は“普通”以上の場合
活動量や体型によっても差がありますが、上記の表示カロリー数を上回る食生活の方は注意が必要です。上記を目安に、1日の摂取カロリーを見直してみましょう。
ただ、やみくもに食べる量を減らしてはいけません。栄養バランスが崩れると、体調不良やホルモンバランスの乱れはもちろん、瘦せにくい身体を作ってしまう可能性があります。栄養バランスの整った食事を適量摂ることが大切です。
運動不足解消
運動不足解消も背中痩せを実現するために重要です。背中痩せに効果的な筋肉を以下で紹介します。
広背筋(こうはいきん)
広背筋は脇の下部分から腰にかけての三角形の筋肉です。背中の筋肉の中でも一番大きく、広背筋を鍛えることはとても重要です。広背筋のトレーニングで背中を広く引き締めて、全体をすっきり見せられます。
僧帽筋(そうぼうきん)
肩甲骨を動かす役目のある僧帽筋は、首から肩、背中の上部分にある表面の筋肉です。肩甲骨周りを引き締めるためには、僧帽筋を鍛えます。僧帽筋のトレーニングは姿勢の改善や、肩こりを解消する効果が期待できます。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
首から腰まである背骨の両側に位置する長い筋肉の総称で、姿勢を保つために重要な役割を果たします。脊柱起立筋が衰えると身体を支えることが難しくなり、姿勢が悪くなる原因にもなります。猫背を改善したいなら、しっかりと鍛えたい筋肉です。
菱形筋(りょうけいきん)
菱形筋は、僧帽筋よりも深い位置にあります。首の後ろの出っ張った部分から下に伸びていて、上部に「小菱形筋」、下部に「大菱形筋」があります。肩甲骨の内側につながっている筋肉で、胸を張って肩甲骨を寄せる動作をするときに使う筋肉です。
背中痩せに効果的な食事の摂り方
ダイエットの際はどのような食生活を心がければ良いのでしょうか。具体的な食事の摂り方や、背中痩せにも効果的な食事方法を確認します。
適度な食事制限
前項でも紹介した通り、摂取カロリーが多過ぎると痩せることができません。まずはカロリーの高い食材の使用や、お菓子などの間食を見直して食生活を改善しましょう。
極端に量を減らすのではなく、高カロリーのものを別のものに置き換えると良いでしょう。また、揚げ物はカロリーが高いので、肉や魚は揚げずに煮るなど、調理法を工夫するのもおすすめです。しゃぶしゃぶととんかつでは、同じ豚肉料理なのに約150~200kcalも差があります。調理法の見直しで、少しずつ摂取カロリーをダウンさせましょう。
タンパク質や食物繊維の摂取
タンパク質や食物繊維など、ダイエット中に積極的に摂取したい栄養素が多く含まれる食品を意識して食べるのも重要です。
タンパク質は、筋肉をはじめ、内臓や皮膚、髪の毛など私たちの身体のほとんどに存在する大切な栄養素です。タンパク質の不足が慢性化すると筋肉量が減ってしまい、基礎代謝が低下したり、肌荒れを引き起こしたりとさまざまな悪影響があります。
食物繊維がダイエット中に必要な理由は、腸内環境を整える働きがあるからです。腸内環境が悪いと、基礎代謝が低下したり糖質が吸収されやすくなったりします。
このように、ダイエットをするうえで、食事の栄養バランスの見直しはとても重要です。
食事の順番
同じ食事でも、食べる順番によってダイエット効果に違いが出ます。聞いたことがある方も多いと思いますが、食事の最初は野菜やタンパク質を含む食材を食べるのがおすすめです。食物繊維やタンパク質が糖分の吸収を和らげて、血糖値の急な上昇を防いでくれるためです。
カレーライスや丼ものなどは、野菜を最初に食べる工夫が難しいメニューです。できるだけ、一汁三菜を心がけて、食べる順番を意識できる献立を心がけると良いでしょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
食事の順番と同様に、血糖値の上昇を防ぐ方法として、ゆっくり噛んで食べることも挙げられます。ゆっくり噛んで食べれば満腹感が得られやすくなるので、いつもより少ない食事量で済むこともあります。今日からでも試せるお手軽な方法です。
背中痩せに効果的な運動メニュー
食事改善の次は運動です。「運動はハードルが高い」と感じる方でもお手軽に始めやすい運動方法を紹介します。
有酸素運動
有酸素運動は、脂肪燃焼に効果があります。ウォーキングや軽いランニングなど、手軽なもので構いません。散歩したり、家の階段を上り下りしたりするだけで良いので、じんわりと汗をかく20分程度から始めてみてください。
有酸素運動中でも背中痩せに重点を置きたい方は、歩いたり走ったりしながら腕を大きく回して肩甲骨を動かすのもおすすめです。
筋トレ
次に筋トレをしましょう。筋トレといっても、いきなりトレーニング器具を買ったり、ジムに通ったりする必要はありません。家でもできる背中痩せに効果的な筋トレをいくつか紹介します。
スーパーマン
背中の大きな筋肉、広背筋を鍛えます。やり方はとても簡単で、ベッドの上で朝や寝る前にやるだけでも効果的です。
- うつぶせの状態になります。
- 両手を伸ばして頭の上に上げ、つま先は床に付けましょう。
- 両腕と両脚を持ち上げるようにゆっくり上に上げます。このとき、お腹を支点にするように心がけましょう。
- 次にゆっくりと両腕と両脚を床に付かない程度まで下げます。
- 3と4を繰り返し行います。15回3セットくらい行うのが理想です。
バックエクステンション
バックエクステンションとは、背筋のことです。誰もが知っているであろう背筋を鍛えることも、背中痩せにしっかり効果がありますので続けてみましょう。
- うつぶせの状態になります。
- 両手を頭の後ろで組んで、息を吐きながら上体を持ち上げます。
- 息を吸いながら上体を戻しましょう。
- 2と3を繰り返し行います。10回3セットの目安が理想です。
プランク
プランクは、腹筋や体幹を鍛えるトレーニングで、姿勢が良くなる効果も期待できます。そのため背中にアプローチも可能です。とても簡単なトレーニング方法で、さまざまな応用ができるのも特徴です。基本のプランクのやり方を紹介します。
- うつぶせの状態になります。
- ひじをついて身体を起こし、つま先と4点で身体を支えた状態になってください。このとき両手と両脚は肩幅に開きます。
- 頭の先からかかとまで、常に一直線になるように意識しながら行いましょう。その体勢のまま20秒キープ。これを3セット行います。
リアレイズ
背中のインナーマッスルを鍛える方法で、姿勢改善や腰痛にも効果が期待できます。腕と足を両方上げるとふらつきが出る方は、まずは足だけ上げて行ってみましょう。腕と足を両方上げるとふらつきが出る方は、まずは足だけ上げて行ってみましょう。
1.四つん這いになります。
2.右手と左足を伸ばして10秒キープします。
3.元の四つん這いに戻りましょう。
4.反対側も同様に行います。
ストレッチ
運動習慣で大切なのは、運動前後のストレッチです。ストレッチを行えば身体の可動域の制限を減らし、効率良く運動効果を得ることができます。背中痩せに効果的なストレッチのやり方を3つ紹介します。
座りながら行う背中痩せストレッチ
座りながら手軽にできるストレッチ方法を確認しましょう。デスクワークの途中にも実施してみてください。
- 両腕を頭の後ろに、背筋はまっすぐ伸ばします。
- 両手で頭を前に押すようにしながら背中を猫のように丸めます。
- 5秒ほど丸めた状態で5秒たったら力を抜いて上体を起こしましょう。
- これを2、3回繰り返します。
寝たまま行う背中痩せストレッチ
寝たままでも背中のストレッチは可能です。ストレッチボールやポールを活用すると、より伸びを感じられて効果的ですが、ポールがない場合はバスタオルで代用できますので試してみてください。
- 仰向けの状態になります。このとき、背中の下にストレッチポールや丸めたバスタオルを入れても良いです。最初は無理をせずに何もない状態で行ってみてください。
- 両腕を上の方向にまっすぐ伸ばします。30秒程度、ゆっくりと両手をこすり合わせるように動かしてみます。
- 上げている腕の角度を少しずつズラしながらゆっくりと背骨を緩めていきましょう。
- 次に両手を合わせたまま、左右に小刻みに動かしてストレッチをします。心地良い角度で動かしつつ、背中の凝りを取ることをイメージしましょう。
ハミ肉撃退ストレッチ
背中のハミ肉を撃退するには、肩甲骨を動かすストレッチが鍵です。いつでもどこでも手軽にできる動きなので、空いた時間にやる癖をつけましょう。
- 両手を真上に上げて、後ろに折り曲げ肩に指先を当てます。そのまま前から後ろに向かってひじを大きく回しましょう。しっかり肩甲骨が動いているのを感じてください。
- 次に背中の後ろに両手を伸ばし、手を組みます。そのままさらに後ろに引っ張るようにしながら、肩甲骨を寄せます。しっかりと深呼吸をしながら行うのがポイントです。
背中痩せに効果的な食事&運動のポイント
ここまで紹介した食事改善や運動方法ですが、背中痩せしたいならこの両方を上手く続けることが重要です。そこで継続のコツやより効果的な背中痩せを実現するためのポイントを紹介します。
食事
食事面ではタンパク質の摂り方を気にしてみましょう。
筋トレ後はタンパク質を摂取する
筋トレや有酸素運動のあとは筋肉に負荷がかかり、それを修復しようとより多くのタンパク質が使われます。そこでしっかりタンパク質を補うことで、筋肉の回復をサポートすることができるのです。トレーニングのあとはすぐにバランスの良い食事を摂ったり、プロテインを飲んだりしてタンパク質を摂取しましょう。
運動
運動を習慣づけるのは簡単ではありません。継続のコツや、気持ちの面でのポイントを紹介します。
タイミングや回数は決めずできる時に行う
「よし!明日から朝起きてすぐ運動を始めるぞ!」と意気込んで計画を立てても、決めた時間にできないとやる気の低下につながります。運動をするタイミングや回数、頻度は決めずに「できるときにできるだけ」という目標設定が運動習慣をつける鍵になります。
きついと感じてから数回続ける
筋トレ中は、きついと感じてから「あと3回」やることを意識します。それは、きついと感じてから、追い込んで数回やるようにするとより効果が出やすいからです。きついと感じたら、筋トレの効果が出始めている証拠です。筋肉に負荷をかけ、より効果的に筋トレができるようにしてあげましょう。
背中痩せにおすすめのアイテム3選
道具なしでもできる運動やストレッチはありますが、アイテムを使うことでより効果を高めたりやる気がアップしたりします。ではここで、背中痩せにおすすめのアイテムを3つ紹介します。
ゴムバンド
「ゴムバンド」は伸び縮みさせながらトレーニングに活用します。商品によってゴムの強度が違いますので、自分の力の強さや目的に合わせて選べます。
背中を鍛えるときは、身体の後ろ側でゴムバンドを持ち、外側に手を広げながら広背筋に負荷をかけていきます。肩甲骨を寄せるのを意識しながら手を広げて、緩めての動作を20回程度繰り返すと効果的です。おすすめは以下の商品です。
【主な特徴】
- 強度が異なるバンドが5種類入っている
- トレーニングのガイド付き
- 背中以外のトレーニングにも活用できる
バックストレッチャー
凝り固まった背中の筋肉を簡単にほぐすためのアイテム「バックストレッチャー」。ストレッチポールのように、本体の上に仰向けで寝るだけで簡単に背中のストレッチができます。手軽に気持ち良く背中を伸ばすことができます。
【特徴】
- 3段階で高さを調整できる
- 指圧マッサージのような感覚で使える突起がある
- コンパクトで持ち運びやすい
フォームローラー
凝り固まった筋肉をほぐすことができる「フォームローラー」。フォームローラーを使うと、筋肉のこわばりを解消する「筋膜リリース」ができます。身体の凝りや疲れの解消だけではなく、姿勢の崩れを改善する効果も期待できるアイテムです。
背中に使うときは、背中の下にフォームローラーを置き、ゆっくりと背中を動かします。脚を前後に動かしてちょっとずつ、とにかくゆっくり動いてください。「痛気持ち良い」と思う程度が正解です。やり過ぎや強い力を入れ過ぎるのは良くありませんので、注意してください。
【特徴】
- 変形しにくく耐久性にも優れているEVA樹脂
- マッサージセラピストの手技を再現する特殊構造
- カラー展開が豊富
筋膜リリース マッサージボール
こちらも凝り固まった筋肉をほぐすことができる道具です。ボールの方がよりピンポイントにほぐせるので、しっかり筋肉をほぐしたい方におすすめです。
特に脇の下、広背筋の付け根部分に置くと広背筋のほぐしに効果的です。
【特徴】
- 軽量なので、旅先・出張先にも持ち歩きが可能
- テニスボールとは違い、耐久性に優れ、変形しにくい作り
- EVAフォーム素材を採用
おわりに
背中痩せをするには、適度な運動とバランスの整った食事が必要です。これは背中以外の他の部位にもいえることですので、きっと実践していけば、身体全体が引き締まってくるでしょう。ダイエットをするなら、まずはひとつの部位に重点を置くと成功しやすいです。ぜひこの機会に姿勢がキープできる背中痩せを実践して、美しい見た目の身体を作りましょう。
監修者コメント
背中は自分では見えにくい部分なので気がつくと姿勢が悪くなり、お肉が付きすぎてしまいがちです。背中は大きな筋肉が多いので、筋トレやストレッチで背中に刺激を入れると基礎代謝量がアップして体重減少にも効果的です。さらに肩甲骨の周辺には熱を生み出して脂肪燃焼させる褐色細胞という細胞も多くあり、肩甲骨周辺を動かすことで活性化します。まさにダイエットしたい方の味方です。男性は目に見える胸の筋肉を過度にトレーニングしてしまいがちなので、背中も同時に鍛えて姿勢良く筋力アップしていきましょう。