むくみは塩分の摂り過ぎや、運動不足などが原因で起こります。夕方になると靴がきつくて履けない、ふくらはぎが痛いなど、むくみに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、むくみ解消に効果的な食べ物や栄養素について解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
むくみ解消に効果的な食べ物に含まれる栄養素
むくみを解消するために効果がある栄養素、その栄養素がどの食べ物に多く含まれているかご存じですか。むくみを解消するために選ぶべき食材をしっかり把握し、毎日の食事に積極的に取り入れるようにしましょう。
カリウム
カリウムは人体に必要な栄養素であるミネラルの一種であり、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。体内の水分量を調整できるだけでなく、ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があります。塩分はむくみを引き起こす原因といわれているので、カリウムを多く含む食品を摂取することはむくみを解消するには非常に効果的です。
カリウムを多く含む主な食べ物は、以下になります。
- アボカド
- ほうれん草
- ニンジン
- ブロッコリー
- バナナ
- メロン
- キウイ
- わかめ
- ナッツ
- 鳥のささみ
なお、カリウムを大量に摂取しても、体内の調整が働き過剰になる可能性は低いとされています。
ビタミンB群
ビタミンB群は、人間が活動するためのエネルギー代謝に必要不可欠な栄養素です。複数の種類がお互いに助け合って効果を発揮します。バランス良く摂取することでより効果が期待できます。
ビタミンB群に含まれる栄養素は、以下の8種類です。
- ビタミンB1:糖質をエネルギーに変える
- ビタミンB2:脂質をエネルギーに変える
- ビタミンB6:脂質の抗酸化に働く
- ビタミンB12:血液を作り、神経機能を保つ
- ナイアシン:皮膚や粘膜の炎症を防ぐ
- パントテン酸:タンパク質や脂質の代謝をコントロールする
- 葉酸:血液を作る
- ビオチン:皮膚を健康に保つ
参照元:ビタミンB群の栄養素の説明
ビタミンB群を多く含んでいる主な食べ物は、以下のとおりです。
- 玄米
- 豚ヒレ肉
- アーモンド
- ニンニク
- うなぎ
- 納豆
- レバー
- 枝豆
ビタミンB群は、疲労回復効果も期待できます。
ビタミンC
ビタミンCには、抗酸化作用があり身体のサビを取る働きがあります。コラーゲンを生成することで、血管や皮膚などを強くする効果が期待できます。さらに、肌にハリを持たせたり、シミを防止するとされます。
むくみの原因に、老廃物が溜まることが挙げられます。ビタミンCは、血行促進効果があるビタミンEをサポートする働きがあり、むくみに効果的です。
ビタミンCを多く含んでいる主な食べ物は、以下のとおりです。
- キャベツ
- ブロッコリー
- レモン
- アセロラ
- キウイ
- ピーマン
- ほうれん草
- にがうり
- さつまいも
血液循環を促進して、むくみを解消しましょう。
食物繊維
食物繊維には整腸効果があり、下痢や便秘などを解消に役立ちます。腸内環境を整えることで、老廃物をスムーズに排出できます。そのため、食物繊維はむくみ解消に効果的です。さらに血糖値上昇を抑えたり、血液中のコレステロール濃度を低下させる効果があります。むくみだけでなく、ダイエット効果も期待できるでしょう。
食物繊維を多く含んでいる主な食べ物は、以下のとおりです。
- 玄米
- 納豆
- こんにゃく
- キャベツ
- ごぼう
- さつまいも
- とうもろこし
- セロリ
- アスパラガス
- しいたけ
- しめじ
食物繊維は豆類や芋類、穀類に多く含まれています。
タンパク質
むくみの原因に、水分の摂り過ぎがあります。タンパク質には、血液中の水分を保持する働きがあり、体内の水分量を調整します。そのため、むくみ解消につながります。
タンパク質を多く含んでいる主な食べ物は、以下のとおりです。
- 生ハム
- ウインナー
- いくら
- 卵黄
- ピータン
- 納豆
- 豆腐
- チーズ
むくみ解消に効果的な食べ物15選
むくみを解消できる食べ物は、さまざまな種類があります。しっかり把握して、効果的な食材選びに活用してみてください。
長芋
長芋にはカリウムが豊富で、食物繊維やビタミンB群も含んでいます。そのため、体内の塩分の量や腸内環境を調整する効果があり、むくみに効果的な栄養素が多く含まれている食べ物といえます。長芋は、納豆や昆布などと一緒に摂取することで、相乗効果が期待できます。サラダにしたり、和え物にしたりすると、効率良く栄養を摂取できるでしょう。
きゅうり
きゅうりには、カリウムが含まれており、むくみの原因になるナトリウムを排泄できます。利尿作用があり、余分な水分を排出させる働きがあります。夏に水分を摂り過ぎた場合、きゅうりを食べれば身体の熱を冷ましながらむくみを解消できます。
さらに食物繊維を含んでいるので、一緒に腸内環境を整えられます。きゅうりは、酢や小魚と食べることで、相乗効果があ流溜め、ぜひ漬物や和え物にして食べてください。
ほうれん草
ほうれん草には、カリウムや食物繊維が含まれ、余分な水分の排出や腸内環境を整えます。さらに、鉄分やビタミンB群の葉酸を含んでいるのが特徴です。鉄分は赤血球を作る働きがあり、身体の冷えや血流の改善ができます。
ほうれん草は、牛肉や胡麻と一緒に食べることで、相乗効果が期待できます。浅漬けや胡麻和えにすると、効率良く栄養を摂取できるでしょう。
アボカド
アボカドは、カリウムや食物繊維が豊富に含まれています。体内の塩分濃度を調節し、腸内環境を整えます。さらに、アボカドに含まれている脂肪分は不飽和脂肪酸です。血液をサラサラにする働きにより、スムーズに老廃物を体外に排出します。
サラダにしたり、納豆と一緒に食べたり、レシピも多数ある使いやすい野菜です。サラダには他の野菜を入れると、効率良くむくみの解消ができます。ただし、比較的カロリーが高いので注意しましょう。
ニンジン
ニンジンには、βカロチンが豊富に含まれており、体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、皮膚や粘膜などを健康に保つ働きがあります。肌の老化を防ぎ、免疫を高められるので、身体を健康的な状態に保つ効果が期待できるでしょう。
さらに骨や歯を作るカルシウムも含まれています。血液の循環を促せるので、むくみ解消につながるでしょう。ニンジンはオレンジ色の部分だけでなく、皮や葉も食べることでより効率的に栄養を摂取できます。
キャベツ
キャベツには食物繊維が豊富に含まれており、整腸作用があります。水分が多く、カロリーを抑えながらむくみの解消が可能です。さらに利尿効果もあり、余分な水分の排出を助ける効果があります。キャベツを活用するレシピは豊富で、サラダやスープにすると摂取量を増やせます。
玉ねぎ
玉ねぎは、キャベツと同じく食物繊維が豊富です。また、ケルセチンが含まれています。内臓脂肪の燃焼を助け、体外に排出する効果があります。さらに、玉ねぎの辛み成分である硫化アリルは、血液をサラサラにする効果があります。他の野菜と一緒に食べることで、むくみに効果的な栄養素を効率良く摂取できます。玉ねぎは、サラダやスープなど、たくさんのレシピがあるので色々と試してみてください。
セロリ
セロリには、カリウムや食物繊維が多く、ビタミンCやビタミンB6も含んでいます。ビタミンCは身体の酸化を防ぎ、ビタミンB6はタンパク質からエネルギーを作る栄養素です。ビタミンCは熱に弱いので、生で食べるのがおすすめです。
ブロッコリー
ブロッコリーは、カリウムが豊富です。デトックス効果がある「スルフォラファン」も含まれているので、体内の有害な物質を解毒する効果が期待されます。さらに食物繊維やビタミンCが含まれており、腸内環境を整えつつ美肌効果を得られるでしょう。ブロッコリーはサラダや鍋、スープなど活用方法が豊富です。
とうもろこし
とうもろこしは、カリウムの他、血液循環を良くするビタミンEも含まれています。余分な水分や老廃物の排出に効果的です。また、ビタミンB群のナイアシンが含まれており、皮膚や粘膜を健康に維持できます。
キウイ
キウイは、カリウムに加えてビタミンCを含んでいる食べ物です。美肌効果で肌を綺麗な状態に保てるので、むくみを解消できます。そのまま食べることはもちろん、他の果物と合わせてジュースで飲むとより効果を高められるでしょう。
バナナ
バナナにはビタミンB群が豊富に含まれています。中でもビタミンB6とナイアシンの効果で、肌を整えたり、シワを改善したりなどが期待できます。さらにバナナのスジには、ポリフェノールが豊富です。肌の酸化を防げるので、美容効果があります。カリウムや食物繊維も含まれており、むくみ解消の効果はより高くなります。
納豆
納豆はタンパク質が多く、血管内外の水分量を調整できます。さらに、カリウムや食物繊維、ビタミンB群を含んでおり、むくみに効果的な栄養素をバランス良く摂取できます。
また、納豆のネバネバ成分である「ナットウキナーゼ」は、血液をサラサラにする効果があります。血流を改善できるので、冷え性への効果が期待できます。
卵
卵はさまざまな栄養素が豊富に含まれている食べ物です。卵白と卵黄の双方にタンパク質が豊富に含まれています。むくみの原因となるタンパク質不足の改善には、卵がおすすめです。
さらにビタミンB群やカリウムを含んでいるので、相乗効果が期待できます。ただし、食べ過ぎると脂質の過剰摂取になります。注意して食べましょう。
ウインナー
ウインナーはタンパク質が多く含まれているので、体内の水分量の調整が期待できます。さらに、筋肉や皮膚を作る材料になるため、体温の維持に役立ちます。ただし、カロリーが高めなので食べ過ぎには注意しましょう。
むくみを解消したいときに注意する食べ物
むくみを解消する際に、注意しなければならない食べ物があります。知らずに食べると、むくみを酷くする可能性があるので、注意しましょう。
塩分が多いもの
塩分の摂り過ぎはむくみを引き起こす原因のひとつです。人間の体は塩分を、一定の濃度に保つようになっています。摂り過ぎると体内のナトリウム濃度が高くなり、薄めようとする働きにより水分を溜め込んでしまい、むくみにつながります。塩分はインスタント食品やスナック菓子などに多く、食べる際の量に気をつけてください。
糖分が多いもの
糖分は塩分と同様に、体内に水を溜め込む作用があります。摂取し過ぎると、むくみが引き起こされる可能性が高まります。甘いジュースを飲むときやスイーツを食べる際は、量に注意してください。
身体を冷やすもの
冷えはむくみの大敵です。身体が冷えると、筋肉のポンプ機能が低下するので、血行が悪くなってむくみにつながります。生姜や唐辛子などの身体を温める食べ物を摂取するのがおすすめです。もし身体が冷えたら、ゆっくり入浴するなど身体を温めましょう。
おわりに
むくみの解消には、毎日の食事の中で効果的な栄養素を含む食べ物を積極的に摂ることが大切です。特に野菜やフルーツはカリウムや食物繊維が豊富でむくみの解消に役立ちます。
反対に、塩分や糖分が多かったり、身体を冷やす食べ物はむくみを酷くすることもあるので摂取量を少なくする工夫も必要です。健康に良い栄養素をバランス良く食事に取り入れるよう心掛けましょう。