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半身浴にはどんな効果が期待できる?効果的に活用するポイントとは?

半身浴にはどんな効果が期待できる?効果的に活用するポイントとは?
セゾンのくらし大研究 編集部

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「普段なかなか運動をする機会がない」「座りっぱなしのデスクワークで足のむくみが気になる」そんな方は半身浴を試してみるのはいかがでしょうか。半身浴は、ただ体を半分だけお湯に浸ければ良いというわけではなく正しい入浴方法があります。今回は半身浴の効果や知識について、さらに気になるメリット・デメリットを紹介します。半身浴を始めたいと思う方、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

半身浴と全身浴の違いとは?

半身浴は湯船に張ったお湯に胸・みぞおちのあたりから下のみをお湯に浸かること、全身浴は肩までしっかり浸かることです。体のどこまで浸かるのか、という違いはもちろん、期待できる効果にも違いがあります。それぞれの特徴を確認して、半身浴と全身浴の違いを確かめてみましょう。

むくみをとるなら「半身浴」

半身浴は湯船の半分にだけお湯を張る、または湯船の中でイスなど高さのあるところに座って胸から下の下半身のみが浸かった状態のことです。胸から上の上半身はお湯に浸かっておらず直接温まることはありません。お湯の温度はぬるめに設定し、長い時間をかけてゆっくりと体を温めていくイメージです。

全身浴に比べて長い時間お湯に浸かっている状態なので、読書をしたり、動画を見たりしながらゆっくりとリラックスタイムを過ごせます。また、全身浴ほどの水圧がかからないので体への負担が軽減できるのも半身浴のメリットです。

体のむくみを緩和するためには、血行の良い状態をある程度の時間保つ必要があります。半身浴は全身浴に比べて長い時間お湯に浸かるため、血行が良い状態を保ちやすく、むくみ緩和の効果が期待できます。むくみをとりたいなら全身浴よりも半身浴がおすすめです。

すぐに疲れをとるなら「全身浴」

全身浴は一般的な入浴の方法で、誰もが想像する肩までお湯に浸かる状態です。温かめに設定したお湯に全身が浸かっている状態なので、全身を短時間で温めることができます。肩までしっかりと浸かることで全身の疲れをとる効果が期待できるため、効率よく短時間で疲れをとりたいなら全身浴がおすすめです。

短時間で疲労緩和の効果が期待できる分、体にかかる水圧によって負担もかかってしまいます。体への負担が気になる方は、半身浴のほうがおすすめです。

半身浴など「温浴」で期待できる効果とは?

半身浴、全身浴にかかわらずお湯の中に浸かる「温浴」によって私たち人間の体には3つの作用が働きます。それぞれの効果について解説します。

血流が促進される

1つ目の作用は「温熱作用」です。温熱作用とはお湯に浸かることで体が温まることを指します。お湯に浸かることで血管が広がって血流が促進されます。全身に温かい血がめぐることで、体全体が温まります。

温熱作用はお湯の温度によって異なる作用を発揮する特徴もあり、高めの温度(42℃)の場合は交感神経が働きスッキリと活動的に、ぬるめの温度(38~40℃)の場合では副交感神経が働きリラックス作用を期待できます。

むくみがとれやすくなる

2つ目の作用は「水圧作用」です。入浴をすると体に水圧がかかり、血液やリンパ液の流れが良くなります。腹部にも圧力がかかって、肺の空気量が減少して心拍数が上がることから、心肺機能の向上も期待できるのです。

また、血管やリンパに水圧が作用して、循環が良い状態が一定時間続くことでむくみの緩和も期待できます。血流が良くなっている入浴中に簡単にマッサージをすると、さらにむくみの緩和につながるのでおすすめです。

リラックスできる

3つ目の効果は浮力作用ですプールやお風呂など、水中にいると体が軽く感じます。これは水中で浮力が働くことによって起こる現象です。水中では空気中に比べて、体重が1/9程度まで軽くなります。

そうすることで体を支えていた筋肉の緊張がほぐれて、リラックスした状態を作り出せます。浮力によって筋肉と関節に対しての負担が軽くなることで、脳への刺激が少なくなるのも浮力作用の特徴です。

入浴中に心も体もリラックスした状態になるのは、この浮力作用のおかげといえます。この浮力作用は、筋肉増強のトレーニングにも有効的なため、プールで歩いたり泳いだりして、筋肉の強化を図るトレーニング方法もあります。

参考:日本浴用剤工業会

半身浴のメリットとは?

では、半身浴のメリットを具体的に紹介しましょう。半身浴のメリットや期待できる効果には前項で説明した3つの作用も大きく関係してきます。

体に負担がかからない

体への負担は、全身浴に比べてかなり少なくなるのが半身浴の特徴です。全身浴では3つの作用のうちの1つ、「水圧作用」が体全体に負担をかけます。水圧が体全体にかかっていることで、気付かないうちに少しずつ体力を消耗してしまっているのです。その点、半身浴では、体への負担を軽減することができるので、心臓や肺機能に不安のある方や血圧が高めの方にもおすすめできる入浴方法といえます。

むくみ解消も期待できる

前項でも説明したとおり、長い時間をかけてゆっくりと体を温める効果のある半身浴はむくみの解消も期待できます。足のむくみが気になる方は、ゆっくりと半身浴をしてむくみを緩和させましょう。水圧作用が下半身に働き、血液やリンパ液を上半身に押し戻そうとする力を発揮してくれます。

さらに温熱効果による血流促進の働きが、むくみの緩和をアシストします。2つの作用が相まって下半身のむくみに働きかけてくれるため、正しく半身浴をすれば十分な効果が期待できます。

老廃物をデトックスできる

半身浴には発汗を促す効果もあり、ゆっくりと質の良い汗を流せる点もメリットです。急激に体が温まり発汗するのではなく、じんわりと体を温めて汗をかくことで、老廃物や余分な皮脂などが排出されやすくなります。

定期的な半身浴を習慣化すれば、汗腺の機能を向上させて、より老廃物を排出しやすい体へと導いてくれます。半身浴を継続することで、常に老廃物や毒素などを体の外へと排出し、健康な状態を保てるようになるかもしれません。

長時間つかっていられる

半身浴のメリットとして、長時間お湯に浸かっていられることも挙げられます。長風呂が好きな方にはもちろんですが、長く浸かっていたい気持ちはあるけど長風呂が苦手な方にも嬉しいポイントでしょう。低めの温度設定でゆっくりと浸かる半身浴は、全身浴のように息苦しさや体のほてりを感じにくいので長風呂が苦手な方も挑戦しやすいです。

良い睡眠がとれやすくなる

3つの作用のうちの1つに、浮力作用によってリラックス効果を得られると前述しました。リラックス効果があるということは、自律神経のうち、交感神経に比べ副交感神経が有利になっている状態です。副交感神経を有利になることに加え、半身浴ではぬるめのお湯に浸かるので温熱作用も働きます。

この副交感神経とは体を休養モードにする神経であり、睡眠時にはこの副交感神経が交感神経よりも有利になっている状態がベストです。そのため、半身浴をすることでいつもよりぐっすり寝られる質の良い睡眠ができると感じられるのです。

半身浴のデメリットとは?

半身浴を始めるにあたって、正しい知識を入れておきたいという方はデメリットも理解しておくと良いでしょう。

身体全体が温まるまでに時間がかかる

半身浴では、温まった下半身の血液が上半身にもめぐることで体全体が温まります。下半身の血行が良くなり、全身にめぐるまではある程度の時間が必要です。

時間をかけての入浴があまり好きではない、サクッと効率良く体を温めたいと思う方には半身浴は不向きかもしれません。さらに体の保湿成分が長時間の入浴によって溶け出してしまうことが懸念されます。そのため、乾燥肌の方は注意が必要です。

上半身が冷えやすい

半身浴では胸・みぞおちの下から下半身のみ湯船に浸かった状態で長時間過ごします。そのため、上半身が温まってくるまでは、上半身が冷えやすい点がデメリットといえるでしょう。

半身浴の始めは、上半身が冷えないように乾いたタオルを肩にかける、浴室暖房を付けるなどして暖かくするようにしましょう。またお湯の温度の低下を防ぐためにも、お風呂のフタを半分まで閉めた状態で半身浴を行うのがおすすめです。

半身浴の肌への効果とは?

半身浴には肌に対する効果もいくつかあります。肌に対してはどのような効果が期待できるのかご紹介します。

毛穴につまった汚れや皮脂が出やすくなる

時間をかけて体を温めることによって、顔や体の毛穴も開きやすくなります。毛穴が開くことで毛穴につまっていた老廃物や毒素、余分な皮脂などが排出されて美肌効果が期待できます。また、毛穴のつまりが解消すると、清潔な肌の状態へと導くことも可能です。半身浴をした翌日は、化粧のノリがよくなったと感じる方も多いようです。

くすみやくまの軽減につながる

半身浴には血行の促進効果があることをこれまで説明してきましたが、その効果は体だけでなく顔にも発揮されます。顔の血行が改善されることで、肌のくすみやくまの軽減にもつながります。

半身浴では徐々に顔にも汗をかきます。汗をかくことで肌のターンオーバー(一定のサイクルで肌が生まれ変わること)を促し、肌の角質層を元の状態に近づけてくれる効果も期待できます。また、角質層の厚みは、くすみにつながる要素の1つなので、ターンオーバー促すことで、正常な状態に近づけることは、肌に良い効果をもたらすことになります。

肌の代謝が促進される

肌の代謝とは、ターンオーバーとイコールです。肌の生まれ変わりの仕組みをターンオーバーといい、正常に行われている場合とそうでない場合では肌質に差が出てきます。年齢とともに遅くなりがちなターンオーバーのサイクルを、半身浴による発汗で正常な状態に近づけられれば、肌の代謝が良くなり健康な肌状態を目指せます。顔にもじんわりと汗をかく状態になるまで約15~20分程度ゆっくりとお湯に浸かることがおすすめです。

半身浴を効果的に活用するポイント

半身浴の効果を最大限発揮できるよう、正しい半身浴の方法や押さえておきたいポイントを紹介します。

浴室全体を暖めておく

半身浴では上半身が冷えやすい状態になってしまいます。そのため、まずは入浴前に浴室内を暖めておくことが大切です。浴槽のフタを開けておく、浴室暖房を付けておくなどして浴室を暖めてから半身浴をしましょう。

湯温は38℃くらいのぬるめが適温

普段のお湯の温度が40~42℃程度の場合も、半身浴のときはぬるめの38℃程度に設定するのがおすすめです。早く汗をかきたいから、体を温めたいからと温度を高めに設定してしまうと体に負担がかかります。それではせっかくの半身浴のメリットが消えてしまうので、適温は38℃と念頭に置いておくようにしましょう。

時間は20~30分が目安

半身浴ならどれだけ長くお風呂に入っていても大丈夫!というわけではありません。半身浴に適した時間は約20~30分です。それ以上入っていると体に負担がかかったり、逆に体が冷えたりする場合もあります。じんわりと汗をかいたくらいの状態が、全身が温まり血行が良くなっている証拠です。20分程度経ってそのような状態になったら、湯船から出るようにしましょう。

適度な水分補給も大切

入浴前には、水分補給のための水を用意しておきます。水分補給は一気に行うのではなく、数回に分けて少量ずつ飲むように心がけましょう。喉が渇いた、と感じる前の段階で水分を補給することを意識しましょう。また、入浴の30分程前にコップ1杯の水を飲むようにするとなお理想的です。水分補給の水は冷たい水ではなく、常温の水が良いといわれています。

関連記事:半身浴のやり方を伝授!気になる効果や正しいやり方からアフターケアまで

おわりに

正しい半身浴は、健康や新陳代謝の促進、美肌など、さまざまな効果を期待できることが分かっていただけたと思います。特に体に負担をかけずに入浴をしたい、またはその必要がある方にとって半身浴はおすすめです。正しい半身浴の方法を意識しながら、無理のない範囲で行ってみてください。

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