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【医師監修】完全網羅!深刻な乾燥肌を改善する方法10選!肌の水分が減る5つの原因を徹底解説

【医師監修】完全網羅!深刻な乾燥肌を改善する方法10選!肌の水分が減る5つの原因を徹底解説
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

肌の潤いが少なくなり、乾燥すると、睡眠中に身体が痒くて眠れないこともあるのではないでしょうか。潤いのある肌を取り戻すため、時間をかけ入念に保湿ケアしているのに、思うように回復しないと悩んでいる方もいるでしょう。肌の乾燥を和らげる方法として毎日のスキンケアは大切ですが、体質改善も重要です。

このコラムでは、乾燥肌体質を改善するために必要な栄養素や、効果的な水分補給の方法、正しい入浴方法について解説します。乾燥肌を身体の内側から改善し、みずみずしい肌を取り戻したい方は、ぜひ最後までお読みください。

乾燥肌体質は食事で改善できる

1.乾燥肌体質は食事で改善できる

食事は、潤いのある健康な肌を作るための重要な要素です。食事から摂取する栄養は、血液で身体中に運ばれ、健康な肌を作っています。乾燥肌の改善には、必要な栄養をバランス良く摂ることが大切です。乾燥肌で悩んでいる方は、毎日の食生活を見直してみましょう。

肌には古くなった細胞が新しく生まれ変わる周期があります。周期が乱れると乾燥肌の原因になるため、正常な状態に戻すことが大切です。食生活を見直すことで、新陳代謝の周期が正常に戻る可能性があり、乾燥肌体質を改善できるのです。

一方、栄養の偏った食事は新陳代謝の周期を乱し、乾燥肌を引き起こす原因になります。そのため、ファストフードや偏食は避けましょう。ファストフードを食べ続けると、ビタミン、ミネラル不足になる可能性があり、新陳代謝の周期が乱れます。

また、食事の摂り方にも工夫が必要です。食生活を見直す際は次の点に注意しましょう。

  • 少量ずつ多くの食材を食べる
  • 栄養が偏らない食べ方をする
  • 野菜は加熱する

バランス良くさまざまな栄養を摂ることは、乾燥肌の体質改善につながります。忙しくて外食する場合には、なるべく野菜を多く摂れるメニューを選ぶようにしましょう。

乾燥肌体質の改善に必要な7種の栄養素とその役割

2.乾燥肌体質の改善に必要な7種の栄養素とその役割

乾燥肌体質を改善するには、健康な肌に欠かせない栄養素を食事で摂ることが重要です。体質改善に必要な7種類の栄養素とその役割を解説しますので、食生活を見直す際の参考にしてみてください。

※乾燥肌の改善方法について詳しく知りたい方は、「【医師監修】完全網羅!深刻な乾燥肌を改善する方法10選!肌の水分が減る5つの原因を徹底解説」をお読みください。

タンパク質

タンパク質は皮膚や筋肉などを作る栄養素で、肌細胞の原料でもあります。タンパク質の一種であるコラーゲンには肌の弾力を保つ役割があるため、健康でハリのある肌作りに必須の栄養素です。さらに、タンパク質は肌の新陳代謝を活発にするので、毎日の食事でしっかり摂りましょう。

タンパク質には動物性と植物性があり、どちらかに偏らないようバランス良く食べることが大切です。また、タンパク質は多くの食材に含まれているため、摂り過ぎにも注意しましょう。

タンパク質が摂れる食材:肉、魚、大豆、卵、ごはん、パン、麺

ビタミンA

ビタミンAは、肌や粘膜を健康に保ち、潤いを与える栄養素です。また、新陳代謝の周期を整える働きもあるので、積極的に摂りましょう。例えばカボチャや人参などの緑黄色野菜に多く含まれているベータカロテンは、体内でビタミンAに変わるため、栄養摂取の効率化を期待できます。

しかし、ビタミンAは過剰に摂取すると、肝機能障害や吐き気などの健康被害が発生する場合があるので、摂り過ぎには注意しましょう。脂に溶ける性質があり、炒め物や揚げ物など、一緒に油を使用する調理方法がおすすめです。

ビタミンAが摂れる食材:レバー、人参、うなぎ、小松菜、モロヘイヤ、ほうれん草

ビタミンB群

ビタミンB群には、次の8種類があります。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ナイアシン
  • パントテン酸
  • 葉酸
  • ビオチン

ビタミンB群は、肌の新陳代謝の周期を整え、乾燥を防ぐといわれている栄養素です。なかでもB2、B6は健康な肌や髪の健康を維持したり、B12は血液を作ったりする役割があります。

ビタミンB群は水に溶ける性質があるため、下茹でする代わりにレンジで加熱するかスープで食べることをおすすめします。ビタミンB群は体内に保持できないため、継続的に食べようとする意識が大切です。一方で、ビタミンB群を摂取し過ぎても、体内にとどまることはありません。

ビタミンBが摂れる食材:レバー、干しシイタケ、アーモンド、魚介類、ほうれん草

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンを作ってくれる大事な栄養素です。コラーゲンは肌の潤いを保つ役割を持っており、不足すると肌荒れの原因になります。

さらにビタミンCは、活性酸素を除去し肌の酸化を防ぐため、健康な肌のためには欠かせない栄養素です。活性酸素は、乾燥をはじめとする肌トラブルや老化を引き起こします。乾燥に悩んだ時だけでなく、紫外線を多く浴びた日などにも積極的に摂取するようにしましょう。

ビタミンCが摂れる食材:パプリカ、ブロッコリー、イチゴ、レモン、じゃがいも

ビタミンE

ビタミンEは、抗酸化作用を持つ栄養素です。紫外線や喫煙、ストレスなどで体内に発生した活性酸素を除去するため、肌へのダメージを防ぎます。加えて、ビタミンEには血行を促進する働きがあります。新陳代謝を促す効果もあり、潤いのある健康な肌を作るのに有効な栄養素です。

ビタミンEが摂れる食材:卵、アーモンド、オリーブオイル、魚介類、大豆製品

亜鉛

亜鉛は、ホルモンやタンパク質、DNAの合成、ホルモン分泌の調整などの働きがあり、健康な身体を維持するのに必要な栄養素です。さらに、肌の新陳代謝を促す酵素を作るため、肌のバリア機能を高める効果もあります。

亜鉛が摂れる食材:かき、レバー、赤身肉、チーズ、卵黄

必須脂肪酸

必須脂肪酸は、不飽和脂肪酸のひとつで、リノール酸やα-リノレン酸などの栄養素です必須脂肪酸は体内で合成できないため、食事で摂取する必要があります。

α-リノレン酸は細胞膜、セラミドを作る役割があります。セラミドは水分を保持する役割があるため、食事で摂ることにより乾燥した肌を改善できるでしょう。

一方、必須脂肪酸は熱、光、空気で酸化しやすいため、保管場所や調理法に注意が必要です。冷暗所で保管し、加熱の必要がないドレッシングなどへの加工が向いています。

必須脂肪酸が摂れる食材:エゴマ油、アマニ油、イワシやサバなどの魚油

お肌は食べたもので作られていますので、バランスの良い食事が大切です。特に、亜鉛は摂取不足だけでなく吸収障害も関係して不足しやすいといわれていますので、意識してみてください。

乾燥肌の体質改善に効果的な5種類の飲み物

3.乾燥肌の体質改善に効果的な5種類の飲み物

体内の水分が不足すると肌の乾燥が進むため、意識的に飲み物を摂取する必要があります。水分補給の際には、カフェインが入ったコーヒーや紅茶などは避けましょう。利尿作用で、せっかく補給した水分を体外に出してしまうからです。

ここでは、乾燥肌の体質改善に効果のある5種類の飲み物を紹介しますので、参考にしてみてください。

冷たい水は身体を冷やすため、常温で飲むようにしましょう。常温の水なら、胃腸に負担をかけずに水分補給できます。夏の暑い時期には冷水を一気に飲みたくなりますが身体を冷やしてしまうので、少量ずつ時間をかけて飲むようにしましょう。

  • 朝起きた時
  • 入浴前後
  • 汗をかいた時
  • 就寝前

このようにタイミングを複数回に分散させ、毎日こまめに摂るのがおすすめです。

水には、水道水やミネラルウォーターの軟水、硬水などの種類があります。飲みやすく、ご自身の好みや体質に合ったものを選ぶと良いでしょう。

しかし、体調が悪い時や腎機能が低下している時に水分を過剰に摂ると、身体がむくむ可能性があるため、注意しましょう。

白湯

白湯は、水を沸騰させて50℃くらいに冷ましたものです。水道水から作るとカルキの風味を感じる可能性があるので、ミネラルウォーターで作るようにしましょう。

白湯を飲むと血流が良くなり、新陳代謝を促します。さらに、腸の動きが活性化し便秘が解消され、乾燥肌だけでなく他の肌トラブル改善にも有効です。

緑茶

緑茶にはビタミンCやビタミンEが含まれており、乾燥肌の体質改善に効果があります。ビタミンCには体内でコラーゲンを生成する働きがあるため、肌の潤いと弾力の保持に欠かせないビタミンです。

また、抗酸化作用を持つビタミンEは、シミ、くすみなどのダメージ防止に効果があります。加えて、血行促進効果により新陳代謝を促し、潤った肌に改善する作用もあるといわれています。

しかし、緑茶にはカフェインが含まれているので、摂り過ぎると利尿作用で水分不足になる可能性があります。飲み過ぎに注意して、控えめに摂取するようにしましょう。

ハーブティー

ハーブティーには、血行促進作用や肌を保湿する作用があります。血行を促進することで、新陳代謝が促され、乾燥肌の改善に有効です。さまざまなハーブティーの中でも、乾燥肌の体質改善に効果のあるハーブティーは次のとおりです。

  • ローズマリー・レモングラス:血行促進
  • ジャーマンカモミール、エルダーフラワー:保湿効果

カモミールはキク科に属するため、アレルギーがある方は注意が必要です。

生姜湯

生姜湯は身体を内側から温めるため、乾燥肌の方におすすめの飲み物です。体温が上昇することにより新陳代謝が促進され、乾燥肌の体質改善に期待できます。

生姜をすりおろしたものにお湯を入れるだけで簡単に作れるので、時間のない方でも手軽に飲めます。好みに合わせてハチミツを入れたり、砂糖を加えたりしても良いでしょう。

乾燥肌を改善するために水分補給する際の注意ポイント

4.乾燥肌を改善するために水分補給する際の注意ポイント

水分補給をする際には、少量ずつ何度も飲みましょう。コップ一杯程度の量を7〜8回飲むことで、一日に必要な水分量1.2Lを補給できます。汗をかく時期は体外に排出される水分量が多いため、少し多めに補給するよう調整が必要です。

水分を補給する際は、カフェインが入った飲み物は避け、水や白湯、ルイボスティーなどを飲みましょう。飲み物の温度は、常温や温かいものがおすすめです。冷たい物を飲むと身体が冷え、血流が悪くなります。

乾燥肌を改善する正しい入浴法!4つのポイント

5.乾燥肌を改善する正しい入浴法!4つのポイント

お風呂で行っている乾燥肌ケアの習慣が、間違っている場合があります。間違った入浴方法を続けていると、乾燥肌がさらに悪化してしまうので、正しいポイントを知ることが重要です。

ここでは、乾燥肌を改善する正しい入浴方法について解説します。ご自身が日常的に意識していることと比較しながらお読みください。

ぬるめのお湯に短時間入る

長時間お湯に入っていると、皮膚表面の皮脂やセラミドが流失し、体内の水分が減少してしまいます。乾燥肌の方は、40℃以下のお湯で短時間の入浴を心掛けましょう。入浴時間は、15~20分がおすすめです。

お湯の温度が42℃以上になると、肌のバリア機能が低下したり、「ヒスタミン」という痒みを起こす物質が分泌されたりするため、38~40℃程度の低めの温度を設定しましょう。

刺激の少ない固形石鹸を使用する

ボディソープには乾燥肌にとって不必要な成分が含まれていることがあるため、無添加の固形石鹸を使用するようにしましょう。

ボディソープに配合されている成分は洗浄力が強いため、肌の皮脂を取り過ぎてしまいます。その結果、肌の水分を蒸発させ、バリア機能を低下させるのでおすすめできません。一方、無添加の固形石鹸は肌への刺激がほとんどないため、乾燥肌の改善に有効です。

身体を洗う時は優しく丁寧に

身体を洗う際、力を入れて擦ると、摩擦で表皮や角質層を傷付ける恐れがあります。指や手、やわらかい素材のタオルなどで優しく身体を洗いましょう。硬いタオルを使わなくても、泡が汚れを吸着するので、洗い流せばきれいになります。

入浴剤は保湿成分入りのものを使う

保湿成分入りの入浴剤は、肌の潤いを保つ作用があり、乾燥肌の改善に有効です。

  • スクワラン
  • グリセリン
  • コラーゲン
  • ヒアルロン酸
  • セラミド

このような成分が保湿に作用するので、入浴剤を購入する際には成分表示をチェックしてみてください。

体を洗う時も、良く泡立てて、やさしく洗ってください。石鹸を直接肌に擦り付けるようなことは厳禁です。最近は、泡タイプの刺激の少ない種類もありますので、試してみてください。

おわりに

乾燥肌体質を改善するには、次の3つの方法があります

  • 食事でバランス良く必要な栄養素を摂ること
  • 適切な水分補給をすること
  • 正しい方法で入浴すること

身体の内側から乾燥肌を改善し、健康な肌を取り戻すために、日常の生活を見直しましょう。細かなことですが、入浴に使用する石鹸やタオル、入浴剤に含まれる成分によって、肌の状態が変わります。健やかな肌を維持するため、ひとつずつチェックし改善していきましょう。

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