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【医師監修】爪に縦線が入るのはなぜ? 主な原因から対処法まで徹底解説

【医師監修】爪に縦線が入るのはなぜ? 主な原因から対処法まで徹底解説
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

誰にも見られていないようで、実はふとした瞬間に目に入りやすい爪。いつ誰に見られても恥ずかしくないよう、定期的に爪のお手入れをしている方は多くいらっしゃるでしょう。しかし、日頃からお手入れしているつもりでも、爪にトラブルが起きてしまうことがあります。そこでこのコラムでは、爪に起こりがちなトラブルの1つ、「爪に縦線が入る」主な原因を探ってみました。また、予防法や対処法なども一緒に解説します。

まずは爪の基本的な構造をご紹介!

1.まずは爪の基本的な構造をご紹介!

指先の繊細な感覚や指先の保護など、意外にも重要な役割を担っている部分が爪です。爪はそのほとんどがたんぱく質でできており、皮膚に分類される部位です。年齢などによっても異なりますが、手の爪は1ヵ月に3mm程度伸びるとされており、常に新しいものへと生まれ変わっています。

そんな爪は、主に「爪甲(一般的に爪と呼ばれている部分)」「爪母・爪母基(マトリックス)」「爪郭(ネイルウォール)」「爪床(ネイルベッド)」から成り立っており、意外と複雑な構造となっています。は爪甲で、皮膚に埋もれている根元部分を爪母、爪甲を取り囲んでいるのが爪郭、爪甲の下にある皮下組織の一部が爪床です。さらに細分化された名称もあり、中でも代表的なのが爪母の一部である「爪半月(ルヌラ)」や、爪が伸びて皮膚とくっ付いていない爪甲の一部に分離される「爪先(フリーエッジ)」などです。このように、一見シンプルに見える爪ですが、実は細かく名称が付けられています。

爪に起こりがちなトラブル例

.爪に起こりがちなトラブル例

健康的な爪は、薄いピンク色をしており、表面はなめらかな状態です。しかし、なんらかの原因でさまざまなトラブルが起こることがあります。具体的にはどんなトラブルがあるのか、代表的な例をご紹介していきましょう。

爪が割れる

爪のトラブルでよくあるのが、爪が割れてしまうことです。横に割れたり縦に割れたり、割れ方はさまざまです。爪が割れる主な原因は、洗い物などの水仕事によって爪が乾燥することや、加齢によって爪の主な成分であるたんぱく質が減少することなどが考えられます。爪が乾燥したりたんぱく質が減少したりすることで、爪自体が脆くなり割れてしまうのです。

また、女性は妊娠中や授乳中なども爪が脆くなりやすいため、割れるトラブルが発生するケースがあることも頭に入れておきましょう。

爪が割れるトラブルの中でも、縦に割れている症状を「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」と呼びます。爪の先端だけ割れている場合と爪先から根元まで割れている場合があり、症状は人それぞれです。爪甲縦裂症のはっきりとした原因は分かっていませんが、甘皮周囲の異常によって発生するのではないかと考えられています。

爪の表面がデコボコしている

爪の表面がデコボコになることも、代表的な爪のトラブルの1つです。尖ったもので爪をつついたようなデコボコがある症状を「点状陥凹(てんじょうかんおう)」と呼びます。円形脱毛症や皮膚が炎症を起こす乾癬(かんせん)などに関連して起こる場合もあるといわれている症状です。

点状陥凹以外にも、爪の表面がまるで波打っているかのようなデコボコができる場合があります。この状態を、「波板状爪(なみいたじょうづめ)」もしくは「洗濯板状爪(せんたくいたじょうづめ)」と呼び、横方向に溝ができるのが特徴です。波板状爪は、爪母あたりにある皮膚を指で押さえる癖がある人に現れやすく、中でも親指によく見られる症状といわれています。

爪に横の線が入る

爪に横線が入っているトラブルを抱えている場合は、爪を噛むなどの外的刺激が原因と考えられます。また、爪母になにかしらのトラブルが発生し、一時的に爪の成長がうまくいかなかったことで横線が入るケースもあるようです。

すべての爪に1本の横線がある場合は、感染症や糖尿病、出産や発熱性疾患などが関係している場合もあります。このように、爪に横線が入るトラブルの原因には、さまざまなものが考えられます。

爪が2枚になる

爪が2枚になっている2枚爪、耳にしたことがある方も多いトラブルの1つです。医学的な呼び名は「爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)」で、爪の先端部分が2層に割れるのが特徴です。この2枚爪になる原因として考えられるのは、乾燥や加齢によるたんぱく質の減少などです。乾燥しやすい冬に現れやすいともいわれています。

また、乾燥している爪に爪切りなどの強い力が加わると、その力に耐えきれず2枚爪になるケースや、ときには「鉄欠乏性貧血」が原因で2枚爪になる場合もあります。

爪に縦線が入る

爪に縦線が入るトラブルは、爪トラブルの中でも比較的よくある症状の1つです。「爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)」と呼ばれており、病気が関連しているケースはあまりなく、健康な人にも現れやすい症状です。しかし、症状が悪化すると、爪が縦に割れることもあるので注意しましょう。

この他にも、爪にはさまざまなトラブルが生じます。全身疾患のサインの場合もありますし、気付いていない癖が関係していることもあります。少しの心掛けで改善が見込めるかもしれません。

爪に縦線が入る主な原因は?

3.爪に縦線が入る主な原因は?

先ほどもご紹介したように、爪に縦線が入ることはよくある現象です。何か病気が隠れている可能性は低いですが、やはり気になるものです。そこでここでは、爪に縦線が入る主な原因を詳しく解説していきましょう。

爪の乾燥

爪に縦線が入る主な原因として、まず考えられるのが乾燥です。爪がある指先は、物を触ったり掴んだり、洗い物やアルコール消毒など、1日中何かに触れている部分です。そのため、常に乾燥しやすい状態となります。爪が乾燥していると割れやすくなる可能性が高くなるのはもちろん、縦線もできやすくなります。

また、爪だけでなく爪を取り囲んでいる皮膚が乾燥していると、爪に負荷がかかった際にクッションの役割が果たせず縦線が入る場合もあります。このように、爪と皮膚がしっかり潤っていないと爪に縦線が入りやすくなる原因につながります。

加齢によるもの 

爪の縦線は、20代ではあまり目立たないことがほとんどです。しかし、加齢とともに縦線が目立つようになり、50代では増加傾向です。爪も身体の一部のため、肌と同じように年齢とともに老化が進み、縦線が入りやすくなります。加齢による爪の縦線は、ごく自然な現象で病気が隠れている可能性は低いでしょう。

生活習慣の乱れ

爪は、健康のバロメーターといわれることがあります。そのため生活習慣が乱れると肌荒れするように、爪も縦線が入るなど荒れた状態になりやすいです。過度なダイエットにより栄養が足りない場合や偏った栄養バランスの食事が続いていると、爪に十分な栄養が行きわたらず縦線が入りやすくなります。中でも、爪を作るために必要なたんぱく質やコラーゲン、亜鉛などが不足すると、爪トラブルが発生する可能性が高くなるため注意しましょう。

食べ物以外にも、ストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れも爪の縦線が発生しやすくなります。ストレスや睡眠不足は体の血流を悪くしてしまうので、体内の隅々まで栄養を行き渡らせることができなくなってしまいます。その結果、爪に縦線が入ってしまうこともあるため、日ごろから生活習慣に気を付けることが大切です。

爪に入る縦線を予防する方法

4.爪に入る縦線を予防する方法

爪に入った縦線は、美容の観点からするとやはり気になるものです。そこでここでは美しい滑らかな爪をキープするために、爪に入る縦線を予防する方法をご紹介します。

爪切りはネイルファイルがおすすめ

爪の長さを短く整えるときは爪切りでカットせずに、「ファイル」と呼ばれる爪専用のやすりで削ってケアするのがおすすめです。爪切りを使うと爪に負荷がかかり、割れたり縦線が入ったりなどのトラブルが起こりやすいでしょう。

ファイルでの爪の整え方は、爪に対して45度の角度を意識して当て、一方方向にだけ削っていきます。往復して削ると、爪の負担になるため避けましょう。あとは、あまり深く削り過ぎないよう意識して、好みの形に整えたら完了です。

爪のお手入れやジェルネイルなど、幅広いケアを自宅で行う場合は、いろいろな種類のファイルがセットになったアイテムがおすすめです。ドラッグストアはもちろん、Amazonなどでも販売されているため、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。

食生活に気を付ける

爪は、主にたんぱく質の一種であるケラチンでできています。そのため、肉類や魚類、大豆製品などを意識してしっかり食べると良いでしょう。また、爪を作る際に欠かせない、コラーゲンも摂取しておきたい成分の1つです。コラーゲンは、牛すじや手羽先などに多く含まれているため、積極的に食べると良いでしょう。他にも、不足すると爪の縦線を発生させやすい亜鉛や、爪を作るのに欠かせないビタミン類も意識して摂取しましょう。亜鉛は、赤身肉や牡蠣、レバーや海苔などに、ビタミン類は野菜類に多く含まれています。

保湿ケアを心掛ける 

爪も肌と同じように乾燥します。普段から物を掴んだり水に触れる機会が多かったりと、爪は乾燥しやすい環境に置かれています。そのため、ハンドクリームなどを使ってこまめに乾燥対策をしましょう。例えば、お風呂の後や手を洗った後など、気が付いたときに保湿をしておくのがおすすめです。普段から爪の保湿を習慣化させておけば、より爪のトラブルを回避しやすくなります。

爪を保湿するアイテムは、手全体に使えるハンドクリームはもちろん、爪専用のアイテムも多く販売されています。例えば、爪専用の保湿クリームやキューティクルオイルが代表的です。爪表面だけでなく、爪先の裏側や爪母がある根元あたりにもしっかり塗りましょう。アイテムの中には、保湿だけでなく殺菌ができるものもあり、健康的で美しい爪を目指したい方におすすめです。

食器洗いなどをする際は手袋を着用する 

食事をするとその後しなければならないことが、食器洗いです。そんな食器洗いを素手で行ってしまうと爪に良くありません。食器洗いでよく使用される洗剤には、油汚れなどを落とすための界面活性剤が含まれていることがほとんどです。この界面活性剤は、食器に付着した油だけでなく、爪の油分も奪ってしまいます。そのため爪が乾燥し、縦線が入るなどのトラブルが発生しやすくなるので、爪を保護するために手袋をして食器洗いをしましょう。隙間から水や洗剤が入らないよう、手首よりも長い手袋を選ぶのがおすすめです。また、着け心地や食器の掴みやすさなどにも長けた商品を選ぶのもポイントです。

爪磨きは控える

爪の縦線やデコボコが気になるからといって、爪表面をネイルファイルで削って滑らかにする爪磨きは控えましょう。爪磨きは、基本的に爪の表面の高低差をなくして滑らかにします。その結果、全体が薄くなり、爪が割れるなどの別のトラブルをも引き起こしかねません。

また、爪は時間が経つにつれ長さは伸びていきますが、厚みが増すことはありません。そのため、一度爪磨きをしてしまうと薄く弱い状態のまま生え変わるのを待たなければなりません。

過剰な爪磨きは、余計に美しさから遠ざかってしまうため、注意が必要です。

ノンアセトンの除光液を使用する 

指先のおしゃれを楽しむため、ネイルポリッシュ(マニキュア)などを施す場合があります。ネイルポリッシュなどを楽しんだ後、除去する際にはノンアセトンの除光液を使用するのがおすすめです。ネイルポリッシュ除去によく使われるアセトン入りの除光液は、爪の油分や水分を過剰に取ってしまいます。そのため「ノンアセトン」と表記してあるアセトンが入っていない除光液を選ぶと良いでしょう。中には保湿成分入りのアイテムもあるので、縦線などの爪トラブルのリスクを軽減したい方には必須です。

爪は根元で作られ、先端に向かって少しずつ伸びています。爪に変化が起きると、治るのに時間が掛かりますので、原因対策は早めに取り組みましょう。

爪に縦線ができたときの対処法

5.爪に縦線ができたときの対処法

日頃から栄養バランスを考え保湿ケアなどを行っていても、爪に縦線が入ってしまうことはあります。そこでここでは、爪に縦線が入った場合の対処法をご紹介します。先ほどご紹介した、予防策も取り入れつつ、対処法と一緒に実践してみてください。

マッサージを取り入れてみる

爪にしっかりと栄養を届けるため、血行をよくするマッサージをしてみるのもおすすめの対処法です。風呂上りや保湿ケアしたタイミングで行うと良いでしょう。やり方はとても簡単で、 爪の爪母あたりを親指でくるくると円を描くようにマッサージするだけでOKです。このマッサージをしたからといってすぐに縦線が改善することはありませんが、根気よく続けて血行を促進し、美しい滑らかな爪を目指しましょう。

サプリを活用してみる

爪にできた縦線を改善するには、栄養管理を見直してみることも効果的です。普段の食事だけで必要な栄養を補うことが難しければ、サプリメントを活用するのも良いでしょう。特に、爪を作るために必要なコラーゲンやビタミン類、亜鉛などは不足しやすいため、サプリを上手に取り入れてみてください。とはいえ、サプリだけに頼りきらず、普段の食事内容もしっかり栄養に配慮して、上手に栄養コントロールをすることが大切です。

爪は皮膚の一部です。「何科に行ったら良いのか分からなくて・・・」とおっしゃる方が多いですが、変化に気付いた場合は皮膚科を受診してください。これを機に爪の変化をチェックしてみてください。

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