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【医師監修】髪のパサパサを治すには?髪が傷む原因からケアする方法まで

【医師監修】髪のパサパサを治すには?髪が傷む原因からケアする方法まで
磯野 志真 医師

監修者

医師

磯野 志真

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会所属の耳鼻科の女性医師です。大学病院、市中病院などでの勤務経験に基づき、一般的な耳鼻科疾患から、小児の難聴・中耳炎、成人の頭頸部癌まで幅広く診療した経験があります。他にもAGA外来、一般内科、健康診断科等の幅広い勤務歴があります。高いエビデンスに基づいた分かり易い内容をお伝えできるように努めます。

髪がパサパサでうまくまとまらない、髪にツヤがなく疲れて見えてしまう…そんなお悩みを抱えていませんか?髪も肌と同様、エイジングや生活スタイルなどにより日々ダメージを受けています。この記事では、髪がパサパサになる原因を7パターン紹介するとともに、自宅やサロンでできるヘアケアを解説します。髪質によって見た目年齢も左右されるため、毎日のシャンプーの方法や生活習慣などを見直して、ツヤツヤの美髪を手に入れましょう。

髪がパサパサになっている状態とは?

髪がパサパサしていると感じるときは、さまざまな原因で髪の外側のキューティクルが傷んだり開いたりしていることが考えられます。

キューティクルとは、3層構造になっている髪の一番外側を覆っている組織のことで、髪の水分やたんぱく質が失われないように保護する役割があります。このキューティクルが、削れたりはがれたりといった損傷を起こすことで、髪がパサパサして乱れた印象になります。また、指通りが悪くなったり、毛流れが整いにくくなったりすることにつながるのです。

髪のパサパサに悩んでいる方は多い

髪のパサパサに悩んでいる人は多い

実際に髪のパサパサに悩む方はどのくらい多いのでしょうか。

化粧品や健康食品の開発・販売を行う北海道アンソロポロジー株式会社が、髪に悩みを持つ40~50代女性に「気になっている髪の悩み(複数回答可)」について質問したところ、「白髪」85.2%、「うねり」50.1%に続き、「髪のパサつき」が45.6%と3番目に多い結果となりました。

白髪染めを繰り返したり、エイジングによって髪の潤いが少なくなったりといった、年齢ならではの髪のパサつきに悩む方の割合が多くなっているようです。

参照元:PRTIMES

髪がパサパサになる原因7つ

髪がパサパサになる原因7つ

ここからは、髪がパサパサになってしまう原因を7つ紹介していきます。ご自身に当てはまるかどうかチェックしながら読んでみてください。

髪の毛の水分不足

髪表面のキューティクルが開いて水分が蒸発すると、髪が乾燥してパサパサした状態になってしまいます。ツヤのある髪は、11〜13%の水分量を含んでいるといわれていますが、髪の水分量が7%を下回ってしまうとパサつきを感じやすく、切れ毛や枝毛などのトラブルにつながることもあります。

髪内部の水分を取り戻し、乾燥を防ぐ方法については後述しますので実践してみてください。

シャンプーによる刺激

シャンプーやタオルドライの髪同士のこすれによってキューティクルが傷つき、髪のパサパサの原因になってしまうことがあります。シャンプーの泡が少ないと摩擦が強くなるので注意が必要です。

朝と夜、1日2回シャンプーをしている方は、洗いすぎが原因となっている場合も考えられます。また、洗浄力が強いシャンプーを使っていると頭皮の油分がとれすぎたり、髪の潤いを奪ってしまったりといったトラブルにつながる恐れがあります。

紫外線や乾燥によるダメージ

年々強くなっている紫外線は、髪にもダメージを与えています。髪に紫外線が当たることによってキューティクルがはがれて乾燥し、パサパサの原因になるのです。

特に髪は日に当たりやすい位置にあるため、皮膚同様に日焼けしてしまいやすいもの。紫外線が強くなる季節はもちろん、1年を通して髪の日焼け対策を行いましょう。

パーマやカラー、縮毛矯正などの髪を傷める施術

パーマやカラー、縮毛矯正の際に使う薬剤にはアルカリ性の成分が含まれており、髪の毛の形状を変えたり、髪の内部に色を浸透させたりするために、キューティクルをはがす役割があります。

そのため、これらの施術を何度も繰り返すと髪が傷んでパサパサになる原因になってしまいます。髪のおしゃれを楽しみながらダメージを抑えたいという方は、サロンでケアを行う方法を後述しますのでチェックしてみてください。

ドライヤーやヘアアイロンによるスタイリング

毎朝、髪をスタイリングする際に、ドライヤーやヘアアイロンを使っている方も多いのではないでしょうか。キューティクルは熱に弱いため、過度に髪へ熱を与えると傷んでしまう原因になります。

また、ヘアアイロンを何度も髪に通すことでの摩擦も、キューティクルを傷つけることにつながります。

しかし、シャンプー後に髪を乾かす際は自然乾燥ではなく、ドライヤーを使った方がダメージを抑えられるでしょう。髪が乾ききっていない状態で寝ると、枕との摩擦によってキューティクルが傷み、髪の水分が抜けてしまうためです。

地肌トラブル

頭皮の状態が良くないと髪にも影響があります。シャンプーやコンディショナーが地肌に残っていると、健康的な髪が生えにくくなるほか、加齢によって頭皮の皮脂が減少し、髪のパサつきにつながることもあります。髪が生える重要な土壌である地肌の状態も定期的にチェックしてみましょう。

加齢による髪質の変化

若い頃と比べて髪質が変わった、髪の悩みが増えたと感じる方もいるのではないでしょうか。40〜50代の更年期に入ると女性ホルモンが減少し、髪が細くなってハリやコシがなくなったように感じられることがあります。また、白髪や薄毛によって髪のパサつきが強調された印象になってしまうこともあります。生活スタイルを見直して女性ホルモンのバランスを整えることも、髪や頭皮にとって良い影響があります。詳しくは後述する生活習慣の項をご覧ください。

【自宅】髪のパサパサを治す方法6つ

【自宅】髪のパサパサを治す方法6つ

ここでは、自宅でできる髪のセルフケア方法をご紹介します。日々のケア方法を少し変えたり、プラスしたりするだけでも、パサパサ髪を改善し、ツヤのある美髪を目指すことが可能です。

ヘアケア商品で髪を保湿する

髪の保湿には、オイルやクリームなどのヘアケア商品を使うのがおすすめです。ヘアクリームには、保湿のほかに傷んだ髪を補修する効果も期待できます。また、オイルには艶出しの効果もあるため、若々しい髪質を演出することも可能です。

ただし、ドライヤーやアイロンを当てる前にヘアケア剤をつけすぎると、髪がなかなか乾かなかったり、形が変わりづらかったりする原因になります。ドライヤーやアイロンで熱を与える時間が長くなることにつながるため、ヘアケア剤をつけるタイミングや、つける量には注意しましょう。

低刺激シャンプーを使う

パサパサ髪の原因として、使っているシャンプーの刺激が多いことも考えられます。洗浄力が穏やかで添加物にこだわって作られたシャンプーを使うと、頭皮の油分を奪いすぎることなく、保湿しながら洗い上げることが可能です。

以下のタイプのシャンプーを選んでみましょう。

  • アミノ酸系
  • ノンシリコン
  • 添加物フリー

アミノ酸系シャンプーは、髪や皮膚のたんぱく質を構成するアミノ酸と同じ成分でできており、髪や頭皮に潤いを残しながらやさしく洗うことができるためおすすめです。

ノンシリコンシャンプーは、頭皮トラブルにつながるシリコンが配合されておらず、洗浄力がやさしいという特徴があります。また、香料や防腐剤をできるだけ排除した添加物フリーのシャンプーは、頭皮を健やかに保つことができるでしょう。

正しいシャンプーのやり方を守る

シャンプーで髪を洗う際、以下の手順で行ってみましょう。髪同士の摩擦を軽減しながら、しっかりと汚れを落とすことができます。

  1. ブラッシングで髪の汚れや絡まりをとる
  2. 38℃前後のぬるま湯で頭皮にシャワーを当てて予洗いする
  3. 多過ぎず少な過ぎない適量のシャンプーを手にとる
  4. 手のひらで泡立ててから髪全体にのせる
  5. 指の腹で頭皮をマッサージするように洗う
  6. ヌルつきが残らないよう確認しながら念入りにすすぐ

また、寝ている間に新陳代謝が活発になり汗をかきやすいため、シャンプーは夜に行うのがおすすめです。

部屋の湿度を保つ

部屋の空気が乾燥していると、肌だけでなく髪も乾燥してしまいます。乾燥によってキューティクルがはがれて髪のパサつきにつながるため、湿度を意識することも大切です。

特にエアコンをつけた部屋に1日中いると乾燥しがちです。加湿器を置いて部屋の湿度を保つようにしましょう。

ドライヤーやヘアアイロンを正しく使う

ドライヤーやヘアアイロンで髪に熱を当てすぎると傷みの原因になります。ドライヤーで髪を乾かす前に、やさしくタオルドライしておきましょう。風量が多いドライヤーで、手ぐしで髪をとかしながら乾かすと髪に熱がこもりにくいのでおすすめです。

また、ヘアアイロンを使うときは髪が乾いた状態で行うことも大切です。温度は160℃以下に設定し、強く何度もこすらないよう、短い時間で仕上げるようにしましょう。

頭皮マッサージをする

頭皮のコリをほぐして血行を促進すると、髪に栄養を届けることができ、パサつきを抑えてハリやコシを取り戻すことが期待できます。

頭皮マッサージを行ってコリをほぐすことを習慣づけてみましょう。顔のリフトアップ効果も期待できますよ。

【サロン】髪のパサパサを治す方法5つ

【サロン】髪のパサパサを治す方法5つ

ここからは、自分でヘアケアする時間がないという方や、上手にできないという方に、サロンケアで髪のパサつきを治す方法をご紹介します。プロの手を借りながら美髪を目指しましょう。

美容師に相談する

髪のトラブルの原因や対処法は自分ではなかなか判断しにくいもの。信頼できる美容師さんがいる場合は、まず相談してプロの意見を聞いてみましょう。現在、どのくらいの髪のダメージを抱えているか、どんなケア方法が有効かを教えてもらえるはずです。さまざまなヘアメニューの中から自分の髪質に合ったものを提案してもらえたり、薬剤などを調合してもらえたりすることもあります。

パーマやカラーなどの回数を控える

パーマやカラー、縮毛矯正などの施術を毎月受けているという方は、その頻度を減らすことで髪へのダメージを減らすことができるかもしれません。パーマやカラーがなるべく長持ちするケア方法やスタイリング方法を美容師さんに聞いてみましょう。

トリートメントをする

サロンで自分に合ったトリートメントを提案してもらい、しっかり保湿することもおすすめです。パーマやカラーを施術してもらった際、トリートメントもセットでお願いするとダメージを抑えながら、髪のおしゃれも楽しめるでしょう。

ヘッドスパで頭皮を改善する

サロンでのヘッドスパも髪の改善に有効です。頭皮をもみほぐすことで、汚れを落としながら血行を促進し、髪に栄養を行き渡らせることが可能となります。同時にヘアトリートメントも行うことで髪を美しくする効果も感じられるでしょう。また、気分をリフレッシュできたり、顔のリフトアップができたりといったうれしい効果も期待できます。

髪質改善サロンに相談する

髪質改善とは、繰り返しのパーマやカラーで蓄積されたダメージに対し、特別なトリートメントを施して、ツヤのある健康的な髪に改善するという施術です。自宅でのケアと合わせると、通常のトリートメントより長く効果が持続するのも特徴です。こうした髪質改善トリートメントを行っているサロンに相談してみるのも良いでしょう。

【生活習慣】髪のパサパサを治す方法5つ

【生活習慣】髪のパサパサを治す方法5つ

日々の生活習慣を見直すことでも髪質を変えることは可能です。最後は、理想の髪を手に入れるための毎日のちょっとした工夫を5つご紹介します。

髪に必要な栄養素を摂取できる食事を作る

健康な髪を育てるためには、栄養バランスの良い食事を続けることも大切です。たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラルなど、どれかに偏ることなくすべての栄養素をバランス良く摂ることが理想的です。また、脂質が多いジャンクフードや、添加物が多く含まれる食べ物は髪や肌の質が低下してしまいます。頻繁に食べるという方は見直しましょう。

サプリメントを服用する

髪のために毎日バランスの良い食事を摂ることはなかなか難しいものです。その場合は、サプリメントで栄養を補い、内側からのケアを行うと良いでしょう。髪のハリやコシにアプローチしてくれる成分が入ったサプリメントを服用することで、効率良く健康的な髪質を目指せます。

お酒を飲み過ぎない

適度にお酒を飲むことは血行の促進やストレスの軽減につながり、髪にも良い影響が期待できます。しかし酒量が多過ぎると、美髪にとって大切な成分であるアミノ酸が肝臓のアルコール分解のために使われてしまうため、髪に多くの栄養が届かなくなる可能性があります。健康的な髪や身体のためにも、お酒は適量を心がけましょう。

充分な睡眠をとる

髪や頭皮にとっても睡眠は大切なものです。寝ている間に身体のさまざまな組織を修復する「成長ホルモン」が分泌されることで、髪の成長も促され、切れ毛や細毛の防止につながります。成長ホルモンを分泌させるためには、副交感神経を優位にし、リラックスして眠ることが大切です。

理想の睡眠時間は6〜8時間といわれています。充分な睡眠時間と睡眠の質を意識してみましょう。

日よけアイテムを使う

髪も肌同様に紫外線を吸収し、乾燥やパサパサする原因になっています。また、頭皮が日焼けすることによって、抜け毛や薄毛の原因となることもあります。ヘアカラーをしている場合は、色落ちが気になってしまうこともあるでしょう。髪用の日焼け止めスプレーや帽子、日傘などの日よけグッズを日常的に取り入れて紫外線を防止することも大切です。

おわりに

気になる髪のパサパサを治すケア方法について紹介しました。さまざまな原因によって起こる髪のダメージですが、髪の洗い方や乾かし方によって改善することも可能です。できるところから取り入れてみてください。もちろんサロンで髪のプロにお任せするのも効果的です。また、ヘアケアをしっかり行っているのに髪の状態が良くならない場合、日々の生活習慣が影響している可能性もあります。食事や睡眠時間などを見直しながら健康的な髪を目指していきましょう。

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