年末年始は家族や友人とおいしい料理を楽しむ時期ですが、ついつい食べ過ぎてしまうことも多いですよね。そんな時に役立つのが「鍋ダイエット」です。体が温まり、栄養満点の鍋料理は、年末年始の食事にぴったりです。
今回は、料理研究家・栄養士の今別府さん監修のもと、鍋ダイエットの魅力や、おいしく続けられるコツをたっぷりご紹介します。健康を保ちながら、楽しいお正月を過ごしましょう。
ダイエットに鍋がおすすめの理由
クリスマスや忘年会、楽しいイベントが盛りだくさんの年末年始。
おいしい食事も楽しみのひとつですが、ついつい食べ過ぎてしまうこともありますよね。そんな時に頼りになるのが鍋料理です。今回は、ダイエット中の方でも安心して楽しめる鍋料理の魅力をご紹介します。
カロリー控えめで栄養満点
鍋料理の大きな魅力は、低カロリーでありながら、栄養がたっぷり摂れることです。
鍋には多くの野菜が使用されます。特に白菜、キャベツ、水菜、小松菜などの葉物野菜は低カロリーでありながら、ビタミンやミネラルが豊富です。
満腹感が得やすい
鍋料理はさまざまな食材を一度に摂取できるため、栄養価が高く、満腹感を得やすいメニューです。
特に、野菜には食物繊維が多く含まれ、消化を助けるとともに満腹感を持続させる効果があります。また、温かい食べ物であるため、体温が上昇し代謝が促進され、満腹感を感じやすくなります。
油を使わない
鍋料理は基本的に「煮る」調理方法のため、油の使用が少なく、カロリーを抑えられます。
低カロリーでありながらもボリューム感のある食事となるので、ダイエットに適しています。油を使わないことで、食材本来の風味が引き立ち、少量の調味料で十分美味しく仕上げることができます。
食物繊維を摂れる
鍋料理は、いろいろな種類の野菜やきのこをたっぷり使うため、自然と食物繊維を多く摂取できます。
特に、根菜やきのこ類には、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富に含まれています。きのこの食物繊維は、腸内環境を整え、便秘解消や血糖値の上昇を抑えるなど、私たちの健康に多岐にわたる良い影響をもたらします。
体を温めて代謝アップ
温かい鍋料理を食べることは、体を温めるだけでなく、基礎代謝を向上させる効果も期待できます。
基礎代謝とは、生きていくために必要な最低限のエネルギー消費のことです。温かい鍋料理を食べることで体が温まり、この基礎代謝がアップします。つまり、安静時でもカロリーを消費しやすくなり、結果的に脂肪燃焼を促す効果が期待できるのです。
自由なアレンジが可能
鍋料理は、自分の好きな具材を自由に組み合わせ、味付けも自分好みにアレンジできるため、飽きずに長く楽しむことができます。ダイエット中であっても、「今日は寄せ鍋、明日は水炊き…」など飽きずに続けられるように、さまざまなアレンジが可能です。
【専門家監修】 鍋ダイエットにおすすめの具材
ここからは、今別府さん監修のもと、鍋ダイエットにおすすめの具材をご紹介していただきます。
鶏むね肉/ささみ/赤身肉 | 低カロリーで高タンパク質。タンパク質は、筋肉をつけるのに役立ちます。 |
魚介類 | 白身魚(鱈、鯛など)は低カロリーで消化が良いです。エビやホタテ、かき、たこは旨味も抜群。 |
豆腐 | 低カロリーで高タンパク質、食物繊維も豊富。 |
葉物野菜 | 白菜、キャベツ、水菜、小松菜、春菊など。食物繊維と免疫力を高めるビタミンDが豊富で、満腹感を得られます。 |
きのこ類 | しいたけ、えのき、しめじなど。食物繊維が豊富で、低カロリーなのでダイエットにぴったりです。 |
しらたき | ほぼカロリーがなく、食物繊維が豊富。麺類の代わりにおすすめです。 |
こんにゃく | 低カロリーで、満腹感を得られます。 |
鍋料理の良いところは、野菜本来の栄養価を逃がさず摂取できることです。茹で過ぎによる栄養の流出も最小限に抑えられ、野菜の持つ力を最大限に活かすことができます。特に、白菜やキャベツは、低カロリーながら食べ応えがあり、満足感が得られます。
また、水菜、小松菜、春菊などの緑葉野菜も、カロリーが低く栄養価が高いため、たっぷり食べることができます。バランスの取れた美味しい鍋料理を楽しみましょう。
【専門家監修】ダイエットにおすすめ鍋4選
ここからは、今別府さん監修のもと、鍋ダイエットにおすすめの鍋を紹介していただきます。
この冬、ダイエット中に美味しく食べるなら、この鍋がおすすめです。
①寄せ鍋
野菜、海鮮、肉、豆腐など、さまざまな種類の具材を一つの鍋に入れて楽しむ「寄せ鍋」。
今別府さんのおすすめは、「きのこ」をたっぷり取り入れた寄せ鍋です。しめじ、舞茸、えのき、椎茸、エリンギなど、たっぷりのきのこに、水菜、白菜、長ネギ、もやしに鳥むね肉を加え、醤油、みりん、だし汁でシンプルに味付けした一品。素材の美味しさが伝わってきます。
②石狩鍋
石狩鍋は、北海道を代表する郷土料理の一つで、鮭をメインにした味噌味の鍋料理です。その名の通り、北海道の石狩川流域が発祥の地とされています。鮭はタンパク質が豊富で、野菜もたっぷり摂れるため、栄養バランスが良く、健康にも良い一品です。
鮭の他に、玉ねぎ、キャベツ、大根、人参、ごぼう、豆腐、きのこ類など、季節の野菜をたっぷり入れて楽しめます。味噌の種類によって味が大きく変わるので、色々試して好みの味を見つけるのもおすすめです。
③トマト鍋
その名の通り、トマトをベースにしたスープでいただく「トマト鍋」もダイエットにおすすめ。カットトマト缶やホールトマト、生トマトなどをベースに、味噌を少し加えてスープを作り、魚介類、きのこ、玉ねぎ、ブロッコリー、キャベツなどを入れ、和風ブイヤベース風にして味わうのが特におすすめだそう。トマトの酸味と旨味が食欲をそそり、飽きずに食べられます。
④塩レモン鍋
最近人気の塩レモンを使ったさっぱりとした味わいが特徴の「塩レモン鍋」。鶏むね肉に、白菜、水菜、長ネギ、きのこ類、豆腐を合わせ、だし汁、酒、醤油、みりんで味付けをするシンプルな料理。えび、あさり、ホタテなどの魚介類を加えて、海鮮鍋にしても。コクのある味噌鍋や醤油鍋とは異なり、あっさりとした味わいで、自分好みの具材を組み合わせて楽しめます。
すき焼き、担々鍋、モツ鍋、キムチ鍋など、濃厚な味付けや脂身の多い食材を使った鍋料理は、高カロリーでダイエットには不向きです。しゃぶしゃぶ鍋も、肉の脂をまとった野菜を食べてしまったり、肉の種類によっては高カロリーになることも。また、きりたんぽ鍋のように米を主食とする鍋料理も、炭水化物量が多いため、ダイエット中は注意が必要です。
鍋ダイエットを成功させる注意点
鍋ダイエットは、さまざまな食材をバランス良く摂取でき、飽きずに続けられるダイエットに適した料理です。しかし、より効果的にダイエットを進めるためには、下記のポイントを抑えておくことが大切です。
スープの味付けは薄味を心がける
濃い味付けは、塩分過多になりやすく、ダイエットの天敵となるむくみの原因となるだけでなく、食欲を増進させてしまう可能性があります。昆布やかつお節などから取っただしは、旨味がありながら低カロリーなので、薄味でも十分美味しくいただけます。
食べ過ぎに注意
鍋料理は、色々な具材が一度に楽しめるため、気が付くとついつい食べ過ぎてしまうことがあります。鶏むね肉、魚介類、豆腐、きのこ類など、低カロリーで高タンパク質な食材を選び、良く噛んで、お腹が8分目くらいで箸を置くなど、適量を心がけましょう。
炭水化物は控えめに
ご飯や麺類などの炭水化物は、体にとって必要なエネルギー源ですが、摂りすぎると太る原因になります。しらたきや春雨など、低カロリーで食物繊維が豊富な食材に置き換えると、満腹感を得ながらカロリーを抑えることができます。〆にラーメンやうどんを食べる場合は、量を控えめにするか、代わりに野菜やきのこをたっぷり入れて、スープを一杯程度味わうようにしましょう。
薬味を上手に使う
鍋料理に欠かせない薬味。唐辛子、生姜、ネギなど、発汗作用のある薬味は、体の中から温め、代謝を上げる効果が期待できます。加えて、汁自体を薄味にしても満足感が得られます。
まとめ:ダイエット中でも冬のお鍋で美味しくヘルシーに
鍋料理は、ダイエット中でも美味しく楽しめるだけでなく、健康的な食事としてもおすすめです。鶏むね肉、魚介類、豆腐、きのこ類など、低カロリーで高タンパク質食材選びや、味付けに工夫をすることで、より効果的にダイエットを進めることができます。ぜひ、この冬は鍋料理で温まりながら、理想の体型を目指しましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。鍋ダイエットを成功させる注意