本格的な寒さが訪れると、かかとのガサガサに悩まされる方も多いのではないでしょうか?普段隠れているパーツだからこそ、放っておくとどんどん乾燥が進行してカチコチなんてことも。さらに進行するとひび割れなどが起こるので要注意です。なめらかなかかとを手に入れるお手入れ方法をご紹介します。
かかとはどうしてガサガサするの?
ガサガサしたり、ひび割れしたり。ストッキングを履くときにひっかかってがっかり…そんなかかとのトラブルを経験したことはありませんか?まずはかかとがガサガサ乾燥しやすい要因をチェックしましょう。
かかとには皮脂腺がない
美肌の決め手は水分と油分のバランス!しかしながら足の裏は皮脂を分泌する皮脂腺がなく、油分を作り出すことができません。皮脂膜がないため、潤いを与えても水分を蒸散しやすく、もともと乾燥しやすいパーツです。
また肌表面の角層は水分をキープし、皮膚を外的刺激から保護するバリア機能の役割を担っていますが、皮脂膜がないとバリア機能も脆弱。バリア機能が弱い=乾燥しやすい肌になります。
かかとの角質は厚い
足の裏は体重を支えるために、顔や身体よりも皮膚が厚く硬くなっています。また、顔や身体の皮膚は4層構造ですが、足の裏と手のひらは5層構造で、他の部位より肌表面の角質も分厚くなっています。
ちなみに他の部位と比べて、かかとの角質の厚さは約15倍とも言われています。かかとは体重がかかりやすく、常に大きなダメージを受けていますし、歩行時の靴のズレなどによる摩擦刺激によっても、角質はさらに厚くなります。角質が肥厚しているとガサガサしやすく、柔軟性も失われ、ひび割れなどのトラブルが発生します。
かかとは古い角質が溜まりやすい
肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)は28日前後といわれています。末端の足は血行不良になりやすく、新陳代謝が悪いため、ターンオーバーが遅くなりがちです。特に冷え性の方は要注意。古い角質が停滞しやすくなると、肌がゴワゴワ、ザラつきを感じやすくなります。
かかとは汗をかきやすい
かかとには皮脂腺がないものの汗腺はあります。汗をかきやすいと、水分が蒸発しやすくなり、逆にカサカサします。さらに汗をかけば冷えやすくなり血行不良に。その結果、先述のとおりターンオーバーが乱れ、乾燥しやすくなります。
かかとがガサガサになる生活習慣をチェック
日常生活にもガサガサやゴワゴワを引き起こす原因がさまざまあります。ガサガサかかとを悪化させないために、以下に当てはまる方は、より注意しましょう。
- 家の中は裸足で過ごす
- 立ち仕事をしている
- 冬は床暖房を使用
- 靴のサイズはやや大きめが好み
- かかとのケアを怠りがち
冬場に裸足で過ごしたりするのは冷えのもと。足裏が冷えていると皮膚のバリア機能の低下を促し、乾燥トラブルを誘発します。立ち仕事の方は、普段から足裏に負担がかかりがちです。またサイズが大きくゆるい靴やブーツを履いていると、靴の中で足がズレやすく、より摩擦を起こしやすくなります。また床暖房は足裏から水分を奪う要因です。
家の中ではスリッパや靴下を履いたりするなど、保湿&摩擦刺激の対策を徹底しましょう。できることからかかとダメージを回避しつつ、丁寧なお手入れを意識することが重要です。
タイプ別、かかとのお手入れ方法
顔や身体のようにかかとも保湿ケアが必須ですが、すでに乾燥トラブルを起こしているかかとのお手入れでまず心がけたいのは、不要な角質を取り除いて、肌本来の厚さに導き、柔軟性を取り戻すこと。乾燥レベルによっての対策を試してみてください。
かかとが厚くなっているときは…
いつも使っているクリームなどがなじみにくかったり、かかとが黄ばんでいたり、黒くなっていたら、古い角質が溜まっているサインです。トラブルが深刻になる前にしっかりケアしましょう。
STEP 1…ゴマージュやスクラブのケアで古い角質をオフ
古い角質が溜まっていると、潤いが浸透しにくいので、週1、2回程度、ゴマージュやスクラブなどの角質ケアを用いて、古い角質をスムーズにオフし、肌を柔らかく整えましょう。湯船から上がった後、肌が柔らかくなっているときに、ゴマージュやスクラブを指先で軽く円を描くようにマッサージしながらなじませます。
STEP 2…水分と油分をしっかり与える
肌と同じように、かかとにも水分と油分を与えるお手入れがベスト。清潔なかかとに化粧水やオイル、クリームなどをなじませます。夜だけでなく、朝もしっかり保湿ケアを。足の裏は構造が異なるので、より丁寧にお手入れしたい場合は足専用のコスメを用意してください。
かかとの保湿ケアにおすすめの成分
・セラミド…かかとはもちろん、肌の角層を構成する成分のひとつ。セラミドは年齢とともに減少すする潤いを補うので、乾燥しやすいかかとにも有効
・尿素…尿の成分と同じ、アンモニアと二酸化炭素で構成されている成分。角質を柔らかくする作用が期待できるので、硬くなりがちなかかとにおすすめ
・ヘパリン類似物質…肝臓で生まれるヘパリンに似た性質を持つ成分。ひび割れしやすい肌に優れた保湿効果をもたらす
カチカチ、ガサガサかかとが気になるときは…
ひび割れ一歩手前のカチカチ、ガサガサなかかとは、スペシャルケアを集中的に行って、肌を立て直しましょう。
SPECIAL CARE 1…やすりなどで削る
カチカチな角質はやすりなどを用いて取り除きます。入浴後、柔らかい状態の時に行うのが鉄則。このとき削りすぎを防ぐため、力加減に注意しましょう。軽石、やすり、かかとファイル、角質リムーバー、電動タイプリムーバーなど、かかとの角質をケアするグッズはさまざま。アイテムによって使い方が異なるので、使用法に沿ってお手入れを。まずは3日に1回くらいのペースで肌の状態を見つつ、やりすぎはかえって肌の負担になるので、回数を徐々に減らしていきます。
SPECIAL CARE 2…ラップフィルムなどでパックケアを
化粧水やクリームなどでたっぷり保湿した後に、かかとを覆うようにラップフィルムを巻いてパック。ラップフィルムの密閉効果で潤いの浸透度が高まります。そのまま就寝すれば、翌朝にはなめらかな肌に整います。乾燥が頑固な場合は、数日続けてケアを行いましょう。また、保湿作用のあるソックスやかかとだけの靴下を履くのも効果的です。
頑固な乾燥かかとにプラスワンしたいケア
- かかと専用ピーリング剤…薬剤で角質をポロポロはがすアイテム。一回ですっきり。
- ほぐすマッサージ…湯船の中で足裏をほぐすと血流が効果的にアップ。
- ホットタオル…冷えやすい足元を温めるのも乾燥対策に繋がります。
かかとがひび割れしているときは…
乾燥した鏡餅のようにひび割れしていたり、角質がめくれている場合は、軟膏などの高保湿系のお手入れに頼ってみましょう。その後、前述のパックケアを行ってみてください。肌を柔らかくするケアを集中的に行うと、次第に乾燥感が軽減してきます。
ひび部分がパックリと割れてしまったりすると、そこから菌が入ってしまうことがあります。セルフケアで改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。
間違ったケアに要注意!
自己流の間違ったケアや不十分なお手入れも、かかとのトラブルを増幅させます。
NG:過度なピーリングケア
バスルームでふやけたかかとにピーリングケアしたり、やすりをかけると、逆に角質をごそっと取りすぎてしまうことがあります。それからカチカチに硬くなった角質をやすりなどでいきなり削ると、肌を傷つけてしまうことがあります。
NG:毎日角質ケアする
顔の肌もそうですが、かかとケアも洗いすぎなどやりすぎは厳禁。不要な角質を物理的に取り去るゴマージュやスクラブなどの角質ケアを毎日行うと、取りすぎて肌のターンオーバーを乱してしまうかもしれません。お手入れを過度に続ければ、本来の角質よりも薄くデリケートな状態になってしまう場合も。
NG:角質ケア後の潤いケアを怠る
角質を削るだけでお手入れを満足していませんか。そこで保湿ケアを怠ると、かかとの乾燥状態が悪化することにもなりかねません。角質ケア後はデリケートな状態になっているので、バリアを整える潤いケアも肝心です。
NG:足裏全体に角質ケアする
土踏まず、かかとなど、足裏は部位によって皮膚の状態が異なります。足裏の中でかかとは一番硬く、角質が厚い構造です。足裏全面をピーリングするアイテムなどは、角質が薄いところまで一気に取り去ってしまう可能性もあります。
NG:ガサガサ肌にクリームを塗布
顔もそうですが、乾燥したかかとにクリームを塗っても、潤いを弾いてなじんでいかず、ケア効果が十分に発揮されません。まずは呼び水となる化粧水を塗り込んでから、油分のお手入れを行いましょう。
まとめ
実は一年中、かかとのガサガサが気になるという方も少なくないはずです。特に冬になるとガサガサかかとが深刻化しますから、本腰を入れてケアしましょう。またかかとは、お手入れしている人としていない人の差が出やすい部分でもあります。普段お手入れが不十分な方は、丁寧なお手入れを始めるとすぐに効果があらわれます。
ガサガサかかとは、セルフケアでもメンテナンス可能です。乾燥しやすい冬も諦めず、ふっくらなめらかなかかとを手に入れましょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。