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秋冬肌をくすませる4つの目元トラブルに注意!目周りのエイジングケア対策

秋冬肌をくすませる4つの目元トラブルに注意!目周りのエイジングケア対策
山屋 雅美

監修者

美容皮膚科医

山屋 雅美

美容皮膚科医。美容皮膚科タカミクリニック 副院長。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し、肌質改善治療まで一貫して行っている。技術力の高さと親しみやすい人柄、わかりやすく丁寧な診察が評判で、遠方からクリニックに訪れる人も多数。

気温が下がるほどに気になるのが肌の乾燥。特に皮膚の薄い目元はこの季節に放っておくとエイジングのスピードが加速してしまいます。いつまでも明るくてハリのある目元をキープすべく、年齢肌を悩ませる目元のトラブルの原因と対策を紹介します。

なぜ秋冬に目元トラブルが目立つの?

なぜ秋冬に目元トラブルが目立つの?

眠くないのに眠そうに見えたり、「疲れてる?」とよく聞かれたり。顔の印象を左右する目元周りにクマやくすみ、シワのトラブルがくっきり出ていると、いつもと違う印象を与えるようです。

目周りは顔の中でも皮膚が薄い部分で、肌の潤いを保つために必要な皮脂を分泌する皮脂腺も少ないため、潤い不足になりがちです。特に秋冬は夏の紫外線ダメージが表面化します。さらに乾燥の影響で、目元周りのトラブルが目立ってきます。

目元の特徴は?

目元の皮膚は約0.6mmととても薄く、紫外線などの刺激から肌を守る機能が脆弱です。皮脂腺や汗腺も少ないため、他の部位に比べて弾力性も低くなっています。それでいて表情筋による動きも活発なため、シワ、たるみ、くすみを招きやすい条件が揃っています

目元の特徴は?

肌の透明感を奪って、老け感を目立たせるのが、目の下のクマや乾燥によるちりめんジワ。しかも秋冬はそのトラブルがより顕著になります。種類によって原因や対策が異なるため、まずは自分の悩みがどのタイプなのかチェックしましょう。

青クマ

当てはまる方は注意!

  • スマホやPCを長時間使用
  • 寝不足ぎみ
  • 冷え性
  • 色白
  • 生活習慣が乱れがち
  • ホルモンバランスが乱れている
  • ストレスを感じている
  • 貧血気味
  • ドライアイ

「青クマ」は血行不良によって、血液がスムーズに流れずに滞り「うっ血」が生じ、酸素が不足した静脈が皮膚から透けている状態です。血行不良の原因は上記の項目などさまざまですが、秋冬に青や紫っぽい青クマが目立つ理由は、寒さによって体温が低下し、血行不良になっていることが考えられます。

また、寒い季節は無意識に肩や首に力が入りやすく、肩こりや首のこりは、顔全体の血行に影響を与え、その結果、青クマが悪化する原因にもなります。

茶クマ

当てはまる方は注意!

  • 目の下を擦るクセがある
  • 敏感肌・乾燥肌
  • 目の下の皮膚を引っ張ると茶色の印象が薄まる
  • 肌荒れしやすい
  • 花粉症

摩擦や紫外線による刺激、ターンオーバーの停滞などが原因で、目の下の皮膚が色素沈着を起こしていると「茶クマ」が発生します。秋冬に茶クマが目立つ原因のひとつが肌の乾燥です。冬の乾きによって肌の水分が失われやすくなると、目元の皮膚のキメも乱れて光の反射が不均一になり、肌が茶色くくすんで見えることがあります。

また、乾燥による皮膚のかゆみで無意識に目元を擦ってしまうと、その摩擦が色素沈着を引き起こすことがあります。さらに、秋冬は花粉の飛散する時期でもあり、花粉による痒みによって目元を擦ってしまうことも茶クマの原因となります。

黒クマ

当てはまる方は注意!

  • 上を向くと目立たなくなる
  • 目の下の膨らみが気になる
  • 上まぶたが凹みがち

目頭から目の下が広く黒く見える状態で、シニア世代でいちばん多い悩みが「黒クマ」です。目元の皮膚の弾力やボリュームが低下することで生じるたるみ、くぼみが原因の黒クマと、目の下の脂肪(眼窩脂肪(がんかしぼう))が膨らむことでできる「影」が原因となる黒クマの2タイプがあります。ともに加齢による変化なので、季節要因で余計に目立つということはありません。

ちりめんジワ

ちりめんジワ

当てはまる方は注意!

  • 敏感肌・乾燥肌
  • 20代後半以降
  • 目の下の皮膚を引っ張ると目立たなくなる
  • スマホやPCを長時間使用

肌表面の角質層の潤いが不足すると、チリチリと浅く細かいシワがあらわれます。秋冬は室内の暖房によって日常的に肌の水分が失われやすくなっているため、ちりめんジワが発生しやすくなります。

また、冷たい外気による刺激も影響し、秋冬は肌のバリア機能が低下しやすく、乾燥が悪化しやすい環境になります。このような状態が続くことで、ちりめんジワが定着しやすくなります。

翌朝明るい目元になる、夜ルーティン

翌朝明るい目元になる、夜ルーティン

21:00 38~40℃のぬるま湯でゆっくり入浴

入浴は全身の血行を促進するので、青クマをはじめ、目元のむくみなども軽減します。38~40℃のぬるめのお湯に15~20分程度つかりましょう。その時、血行促進効果のある入浴剤を用いると素早く芯まで温まるので効果的です。

21:30 目元の悩みに合わせたスペシャルケアを投入

目元の悩みに応じた成分が配合されているアイケア製品を取り入れて、寝ている間に肌の修復をサポートしましょう。

アイケアを塗る際は、上まぶたを含めた目元全体に優しく塗るようにすることで、目尻のシワや上まぶたのたるみなど、目元全体のエイジングケア効果も期待できます。ただし、使用する製品が上まぶたに対応しているかを確認し、目に入らないように、まぶたの際(きわ)から少し離れた位置に塗布するように心がけましょう。

青クマ…青クマは血行不良が主な原因のため、血行促進効果で注目を集めるビタミンE、ビタミンKが配合されたアイケア製品やサプリメント、温冷ケア・ストレッチがおすすめです。さらに寝不足は青クマの原因となるため、十分な睡眠を取る、毎日湯船につかる、定期的な運動をするなど生活習慣の見直しも効果的です。

茶クマ…ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、アルブチンなどの美白成分と、ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が配合されたアイケア製品がおすすめです。茶クマの改善には、色素沈着を薄くするケアと悪化させないケア、肌の乾燥を防ぐ保湿ケアが効果的です。悪化を防ぐために摩擦を与えないようにしましょう。

黒クマ…セルフでケアする場合、予防や悪化防止の目的としてエイジングケア効果のあるアイケア製品の使用は期待できますが、改善目的となると、クリニックでの専門的な治療が必要になります。

ちりめんジワ…ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分に加えて、レチノールやナイアシンアミドなど、コラーゲン生成や肌の弾力向上に役立ち、シワ改善に働きかける成分が配合されたアイケア製品がおすすめです。ちりめんジワの原因となる乾燥を防ぐ保湿成分を補うだけでなく、シワに対しても同時にアプローチすることで、より高いちりめんジワの改善効果が期待できます。

22:00 温冷ケアやストレッチを

皮膚を引っ張るような強すぎるマッサージは、目元の悩みを悪化させる恐れがあります。シワをつくる心配のない、温冷ケア、側頭部のストレッチ、目元のツボ押しを習慣にしましょう。

温冷ケア

温めた蒸しタオルと冷蔵庫で冷やしたタオルで交互に肌を温冷ケアします。

  1. 清潔なハンドタオルを水で濡らし、ラップで包んで500Wの電子レンジで1~2分温めます。温めたタオルを約5分程度目元にのせます。蒸しタオルはヤケドをしない程度に温めましょう。
  2. 冷蔵庫で少し冷やしたタオルを約5分程度目元にのせます。
  3. ①と②を2~3回繰り返します。

側頭部のストレッチ

頭の横にある側頭筋は、目元や頬の筋肉と繋がっているため、目元のたるみやシワの予防・改善に重要な役割を果たします。また、スマホやパソコンの長時間使用によって目の疲れを感じやすい方におすすめですし、顔全体のリフトアップ効果も期待できます。ストレッチを行う際は力を入れすぎず、優しく行いましょう。

  1. 両手のひらで耳の上あたりを軽く押さえます。
  2. 優しく手のひらで側頭部を引き上げるようにして、側頭筋をストレッチします。
  3.  ②の状態を5秒間キープした後、手を元の位置に戻します。
  4. ①~③を3回繰り返します。
  5. 手の位置を少しずつずらしながら、側頭部の広い範囲をストレッチしていきましょう。

目元のツボ押し

目元のツボ押しは、過度な圧力をかけると逆効果になる場合があるため、優しくリラックスしながら心地よく感じる圧で行うのがコツです。

晴明(せいめい):目頭と鼻の付け根の間のくぼみにあるツボで、目の疲れや目元の血行不良に効果があります。中指の腹を使って軽く押すように。じわっと圧をかける感じで行います。

太陽(たいよう):目尻の少し外側、こめかみの近くのくぼみにあるツボで、目の周りの筋肉をリラックスさせ、目元のこりをほぐします。人差し指、中指、薬指で軽く押して、じわっと圧をかける感じで行います。

目元のツボ押し

23:00 睡眠環境を快適にする

23:00 睡眠環境を快適にする

質の良い睡眠のためには、眠る前にリラックスをして、副交感神経を優位にするケアが必要です。前述した温マスクは、目元の血行を促進し、副交感神経を優位にすることでリラックス効果を高め、入眠を助けます。使い捨てのホットマスクも目周りを温める効果が期待できますが、温度が下がるとシートが硬く感じることがあるため、肌への摩擦の原因になることも考えられます。寝る前にきちんと外すようにしましょう。

間違ったアイケア

間違ったアイケア

間違っているアイケアをご紹介しますので、気をつけてください。

長時間のコットンパック…乾燥している目元にコットンパックは有効ですが、貼りっぱなしは逆効果。3分程度を目安に行いましょう。

擦りクレンジング…崩れにくいコンシーラーやアイメイクをオフするとき、擦るようなクレンジングをしていると、乾燥や色素沈着を起こしたりたるみの原因にもなります。落とす際は専用リムーバーで優しくメイクオフするなど、目元を擦らないように注意してください。

目元には日焼け止めを塗らない…目元の皮膚はデリケートだからと紫外線対策を塗らない方も。日中の紫外線ダメージを防ぐことで、目元悩みの予防とより効果的な目元のケアを行うことができます。朝のアイケアの後は、日焼け止めを塗るのが必須です。

目元専用ではないケアでお手入れ…目元の皮膚は非常に薄くデリケートで、刺激に敏感な部位です。目元専用ではない製品を使用すると、肌荒れなどのトラブルを引き起こす可能性があります。

インナーケア

インナーケア

血行促進効果や美白効果のあるサプリメントや、肌をつくる材料となるたんぱく質をプロテインで補うことも重要な役割を果たします。スキンケアと併用して、体内からのアプローチを行うことで、目元のエイジングケアをより効果的にサポートできます。

美容医療

診察風景

セルフケアでの改善が難しい黒クマは、クリニックでの治療もひとつの選択です。

ターゲット…青クマ、黒クマ(痩せ)、小ジワ

スネコス注射

6種のアミノ酸と2種のヒアルロン酸を主成分とする薬剤「スネコス(SUNEKOS®)を目の周りに注入する施術。コラーゲンやエラスチン再生を促し、ハリや弾力を保つ真皮を再構築します。クマ治療の新しいアプローチです。

ターゲット…黒クマ(眼窩脂肪)

脂肪溶解輪郭注射

メディカルハーブを主成分とした溶剤を直接脂肪層に注射し、除去する施術。メスを使わないため、ダウンタイム(回復が必要な期間)の心配はほとんどありません。

まとめ

まとめ

秋冬になると特に目立ってくる目元のクマやくすみ。その改善には時間がかかります。メイクでカバーするのも1つの方法ですが、日々のお手入れを続けて根本的な改善を目指すようにしましょう。また、目元の悩みは複合的、青クマと茶クマはセットであらわれることもあるので両方のエイジングケアを試してみましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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