染めていた頃、ヘアサロンは義務だった
白髪を染めていた頃、ヘアサロンへ行く目的はただひとつ。白髪をなかったことにして、「あるべき髪」に戻すことでした。感覚的には、マイナス状態をゼロに戻すような感じです。
染め終わると、必ず次回を予約。最後の頃は、ほぼ3週間に1度染めていたので、カレンダーで3週間後の日付を確認して予約を入れて帰る、というのがルーティーンに。
一瞬、「もしかしたら3週間後、白髪が伸びていなかったりして?」なんて期待するのですが、すぐに「いやいや、そんなことあるはずないでしょ!」と自分のバカげた空想を打ち消して、「じゃあ、次は○月○日にお願いしま~す!」と(見かけだけは)元気にサロンを後にしていました。
なんの疑いもなくそれを何年も続けていたある日、ふと浮かんだ「もしかして私、これを一生続けるの?」という思い。その衝撃は大きく、身動きが取れなくなるほどでした。そこで、抜け出せない「白髪染め沼」の深さを思い知ったのでした。
染めなくなったらパーマも解禁
頻繁にヘアサロンに行きながらも、その頃、パーマはかけられませんでした。髪を染める薬剤とパーマ液を同時に使うと頭皮への刺激が強すぎるとのことで、美容師さんに止められていたのです。でも、グレイヘアにしてからは解禁。久々に「パーマをかけてみたい!」という気持ちになりました。
知り合いの女性で、ふわふわパーマがとても似合っているグレイヘアの方がいました。80代なのですが、雰囲気はまるで「天使」。髪に太陽の光が透けて輝くときなど、ついうっとり見とれてしまうほど。
ついに私も、憧れのふわふわパーマをかけられる!と久々にときめきました。グレイヘアへの移行期に、染毛と自毛の色の境界が気になるときも、ストレートヘアよりも細かいウェーブがあった方が目立ちにくくなくなるので、パーマはおすすめです。
髪質向上のためにお金も時間も使える喜び
パーマ以外に、グレイヘアになってサロンでお願いするようになったのはトリートメントやヘッドスパ。白髪染めにかかっていた費用を、髪質向上のために使おうと決め、気分も前向きになりました。
白髪染めはマイナスをゼロに戻す作業でしたが、トリートメントやヘッドスパは、素の自分=ゼロの状態をプラスに引き上げるイメージ。やむを得ない出費ではなく、自分磨きのための使い甲斐のある出費なので、お金の使い方として、かなり満足感があります。
先日は、髪質改善の「プレミアムストレート」というメニューがあることを知り、HAIR&MAKE EARTHさんへ行ってきました。
このメニューは髪のクセやうねりを伸ばして、ツヤッツヤ、サラッサラの髪にしてくれるというもの。縮毛矯正とトリートメントが合体した最新技術だそうです。
私はずっと髪質にコンプレックスがあります。ツヤがない、乾燥しやすい、クセがある、という3悪に加えて、最近ではコシがない、ハリもない、というないない尽くし。
髪の乾燥やダメージにはトリートメントがいいのですが、私の場合、髪のもともとのクセに加えて、年齢と共にうねりが出てきて、トリートメントだけでは思ったようなツヤが出ないことが多いのです。
縮毛矯正をすればツヤが出るとわかっていましたが、30年くらい前の縮毛矯正で、髪が傷んで枝毛だらけになり、さらに髪全体がぺったりとボリュームがなくなった苦い記憶があって、ずっと敬遠していました。
でも、最近の技術の進化は目覚ましく、縮毛矯正でも髪が傷まないのです。さらに、残したいボリュームはちゃんと残せるようになっていました。加えて、トリートメントの効果を髪に閉じ込めるので潤いが長続き。
仕上がりは、まるで自分の髪じゃないみたい。自分史上最高の手触りでした。表面がツルッとなめらかでしっとり、指通りはサラサラ。髪表面のキューティクルを整え、クセやうねりがなくなったせいで、光が正反射して髪がパールのように輝いて見えます。次の施術は自分の髪が伸びてくる約半年後でOK。それまでずっとこの効果が続くというのですから嬉しい限りです。
トリートメントがスキンケアだとしたら、この髪質改善は、まるで美容整形!
ツヤがあればどんな髪色も素敵に見える
グレイヘアに大事なのは、ずばりツヤです!ツヤさえあれば、グレイヘアは何倍も素敵に見えます。以前、あるウィッグ体験会で、グレイヘアの女性がグレイヘアのウィッグをかぶるのを見たことがあります。心の中で「えっ!同じ髪色のウィッグをかぶる意味って?」と思ったのですが、そのBEFORE/AFTERを見てびっくり。同じ髪色でも、その印象はまったく違って見え、顔の印象まで明るく、華やかになっていたのです。これはつまり、ウィッグのツヤ効果です。
極端なことをいうと、ツヤさえあれば、髪は何色でも素敵に見えると思うのです。金髪でも黒髪でも、ピンクでもグリーンでも、ツヤがあるとなしでは大違い。
人の印象は顔ではなく、実は髪が決めているといっても過言ではありません。というのも、頭全体では顔よりも髪の生えている面積の方が広いからです。自分で鏡を見る時は顔ばかりに注意が向きがちですが、人は後ろからも、横からも見ています。だから、髪の印象は思っている以上に大きく、パサついたり、ツヤがない髪は、疲れてる? 手入れしてない? あきらめた? など、ネガティブなイメージに結びつきやすいのです。
グレイヘアになってもヘアサロンでわくわく
白髪染めをやめたら、ヘアサロンにはそんなに行かなくなるのでは?と思っていました。確かに3週間に一度行っていた頃よりも頻度は下がりましたが、数ヵ月に一度は訪れています。そして、「ずいぶん髪質が良くなってツヤが出た」とか「今度はこんなスタイルに挑戦してみようか」など美容師さんとの会話もポジティブに。
いくつになっても、グレイヘアになっても、ヘアサロンは女性の心をわくわくさせてくれる場所、と改めて実感しています。