ノーファンデなんてありえない!
5年前に白髪染めをやめてから、伸びてくる白髪を気にしなくていい快適さのとりこになりました。そして、あるときふと「顔のファンデーションもやめてみたらどうだろう?」と思ったのです。
思い返せば大学生のとき、大手化粧品メーカーS社の美容部員さんが来校し、就活を控えた私たちに、ファンデーションの塗り方からアイシャドーの入れ方、リップラインの描き方などを指導してくれました。
そのとき以来、「化粧は女のたしなみ」とばかりに、律儀にメイクをし続けてきました。そして、いつの間にか、メイクしないで外出するなんてありえない、とさえ思うようになっていたのです。
ところが、「ありえない」と思っていた白髪染めをやめたことで、自分の心の中の「縛り」に気づいた私は、「ファンデーションをやめる」というありえないことをたくらむようになったわけです。
とはいえ、60歳過ぎて素肌をさらすことにはかなりの抵抗があり、出かける前にファンデーションを塗る習慣はずるずると続けていました。
コロナで状況一変。すんなり移行できた
ところが思いがけないことが起こりました。2020年のコロナ禍以降、外出時はマスクが必須に。これがきっかけで、思いのほかすんなりと、すっぴんデビューができたのです。
顔の下半分が隠れてノーファンデがさほど目立たないことと、マスクへのファンデーションの色移りを見るたびにモヤッとしていたので、あるとき思い切って決行しました。
周りの人が気づくのではないかとドキドキしましたが、グレイヘアに移行したときと同じで、誰も私のことなど注目していません。「だよね」とほっとし、次からはアイラインだけでメイクは終了。
こちらも「ありのまま」がラクでした。何より、外出までの時間が大幅に短縮。その上、「化粧直し」や「W洗顔」の必要もないのです。年齢とともに、表情ジワの溝にファンデーションがたまる「ヨレ」が気になっていましたが、それもなくなりました。
紫外線が強い季節はUVカット下地を塗ったり、色ムラやシミが気になる部分をコンシーラーで隠すこともあります。でも、顔一面にファンデーションを塗らなくていい快適さを体験すると、もう元に戻れなくなりました。ノーファンデ生活を始めて3年近くが経ちますが、「首から上、ほぼありのまま」の心地良さを日々、実感しています。
白髪染めをしていると、白髪が少し伸びるだけでソワソワと落ち着かなくなります。マニキュアも、ちょっとだけ爪の根元が伸びてくると気になってしょうがありません。ファンデーションも時間が経つとヨレるのがイヤでした。
そんな中途半端な状態より、いっそ何もついていない方が美しいのでは?と思ってしまうタイプです。それに加えて、こまめにレタッチするのが面倒な、ものぐさな性格もあって、私はこれらをやめました(昔、「私はコレで会社を辞めました」と小指を立てる禁煙関連商品のテレビCMがありましたね。笑)
外側から、のかわりに内側からテコ入れ
ということで、髪も肌も「上塗り」から解放されて自由になったのはいいのですが、このままでは「どんどん見た目に構わないおばあさんになっていくだけ」という危機感におそわれました。さすがに「それはいかん」と思い、年齢なりの美しさのために何をすべきかを考えました。
そして、食べ物には気をつけよう!と決めたのです。外側から手を加えない代わりに、身体の内側から髪や肌にテコ入れする作戦です。といっても何か特別なものを食べるわけではなく、バランスのいい食事や、化学調味料などの添加物を避けることを心がけるくらいですが。サプリとしては、肌や髪や骨の組成に関係するコラーゲンをとることにしました。
成果は着実に出ているようで、「肌がきれいですね」と言われることが増えました! この歳になると誰かにほめられることもなくなるので、たまにほめられると天にも昇る気分です。そして、ごくたまにファンデーションを塗る必要があるときには、以前より化粧のノリが良くなっていることに感動。
さらに、歳を重ねるにつれ外見にその方の内面性が現れるようになると思うので(例えば、いじわるな方はいじわるな顔に、おおらかな方はおおらかな顔に…)、それも気をつけなくては、と思っています。
笑顔から優しさがにじみ出る方を見ると、シワがたくさんあっても美しいなと感じます。「ありのまま」でいく覚悟をしたら、身体や心を内側から磨いていくことも大切、と思うこの頃です。