【医師監修】コレステロール値が高い人が食べてはいけないものは何?食事のポイントについても紹介!

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【医師監修】コレステロール値が高い人が食べてはいけないものは何?食事のポイントについても紹介!
工藤 孝文(くどうたかふみ) 内科医

工藤 孝文(くどうたかふみ) 内科医

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会・・日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

コレステロール値が高い人が食べてはいけないものはあるのでしょうか。健康診断で医師から「コレステロール値が高いので注意してください」と忠告されても、どのように注意して良いか分からなければ対処できません。一般的に、「コレステロール値が高いと身体によくない」という認識を持っている方は多いでしょう。しかし、コレステロールには善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあり、それぞれ働きが異なります。また、食事の取り方によってもコレステロール値は大きく変わります。

このコラムでは、コレステロールに関する基本知識を中心に、コレステロール値が高いことに対する影響やコレステロール値をコントロールするための食材、食事方法について説明していきます。正しい知識を身につけて、コレステロール値対策をしていきましょう。

1.コレステロールとは?

コレステロールとは、人間の身体にある脂質のひとつです。主に細胞膜・性ホルモン・ビタミンDといった身体にとって非常に重要な要素の原料となります。コレステロールには以下の2つがあり、それぞれ働きが異なります。

  • HDL(善玉)コレステロール
  • LDL(悪玉)コレステロール

1-1.HDL(善玉)コレステロール

善玉コレステロールは悪玉コレステロールが身体に運んだコレステロールのうち、余剰となったコレステロールを吸収し、適正な量に調整する機能を持っています。また、抗酸化作用を持ち、蓄積したコレステロールの除去や血栓予防、血管壁に付着したコレステロールの回収などを行います。

1-2.LDL(悪玉)コレステロール

悪玉コレステロールは肝臓で作られるコレステロールを身体全体に行き渡らせる働きを持ちます。「悪玉」と付いていますが、基準値内であれば問題ありません。しかし、基準値を超えてくると血管壁に悪玉コレステロールが付着し、血管の収縮に影響が出ます。

身体全体のコレステロール量のバランスを保つためには、肝臓で作られる量や小腸で吸収される量、体内で利用される量、排出される量のバランスが重要です。また、血液中のコレステロール濃度を一定程度に保つためには、女性ホルモン及び甲状腺ホルモンなどが関わります。

上記のような調整機能が異常をきたすと悪玉コレステロールを調整できず、身体に悪影響が出てきます。これは、不規則な食生活・運動不足や遺伝的要素などが原因といわれています。

2.コレステロール値が高いとどうなる?

コレステロール値が基準値を超えると、身体に少しずつ悪影響を及ぼします。悪化すると生活習慣病にかかるケースもあるでしょう。ここでは、代表的な病気を紹介します。

  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 糖尿量
  • 心筋梗塞、狭心症などの心疾患
  • 脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患

2-1.脂質異常症

血液中に含まれるコレステロールや中性脂肪などの脂質が基準値を超えて多い状況のことをいいます。動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中といった病気にかかるリスクを高めてしまいます。血液がドロドロの状態である場合は、脂質異常症の可能性が高いです。

2-2.高血圧

コレステロール値が上昇し動脈硬化が進むと、高血圧になる可能性が高まります。血圧の高低は心臓機能の他に血管の収縮機能も影響します。また、高血圧が続くと心筋梗塞や脳卒中といった病気にかかりやすくなります。

2-3.糖尿病

コレステロール値が高い方は、糖尿病を発症するリスクが高まります。糖尿病とは、血中のブドウ糖の量がコントロールできず、濃度が高くなる病気です。糖尿病を発症すると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。また、糖尿病発症者は非発症者に比べて、心疾患や脳疾患にかかりやすいともいわれています。

2-4.心筋梗塞、狭心症などの心疾患

上記で説明してきた病気を契機に、心筋梗塞や狭心症といった心疾患が発症します。コレステロール値が高まることで血流が悪くなり、血管に負担がかかります。血管の負担はやがて心臓への負担になるのです。これらの病気は、最悪の場合死に至るケースもあります。また、コレステロール値が高い方は低い方に比べて治療期間が長期化する傾向にあり、予後も苦労が残ります。

2-5.脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患

コレステロール値が高いことで発症した病気が、脳に負担をかけるケースもあります。脳内の血管は細く繊細であるため、脳内血管に負担がかかると脳に対するダメージが大きくなります。これらの病気も最悪の場合、死に至ります。

3.コレステロール値が高い人が食べてはいけないもの

さまざまな病気にかかりにくくするためには、コレステロール値を高めないことが重要です。ここではコレステロール値を高めてしまうため、食べてはいけない食品を説明します。

  • 飽和脂肪酸を含む食品
  • コレステロールを含む食品
  • 脂肪の多い肉類
  • お酒
  • 食塩
  • 糖質の多い食品
  • ご飯・パン・小麦粉

コレステロール値が高い方が食べてはいけないもの(控えた方が良いもの)を順番に確認しましょう。

3-1.飽和脂肪酸を含む食品

飽和脂肪酸とは脂肪酸の一種で、体脂肪として吸収されることが多い成分です。肉・牛乳・バター・ココナッツなどに多く含まれています。飽和脂肪酸の過剰摂取は悪玉コレステロールを増加させます。しかし、飽和脂肪酸をまったく摂取しない場合、脳出血や生活習慣病にかかりやすくなるため、適度に摂取することが必要です。

3-2.コレステロールを含む食品

コレステロールは体内で作ることができますので、体外から摂取する必要性はあまりありません。過剰摂取することで、コレステロール値の上昇の要因となります。可能な限り、コレステロール自体を摂取することは避けた方が無難でしょう。

3-3.脂肪の多い肉類

上述のとおり、肉には飽和脂肪酸が含まれています。特に脂肪の多い肉には飽和脂肪酸が多いといえます。以下で部位別のコレステロール値を紹介します。

動物の部位とコレステロール量(肉100gあたり)

  • 和牛バラ肉(脂身付き) 98mg
  • 和牛リブロース(脂身付き) 87mg
  • 和牛サーロイン(脂身付き) 86mg
  • 輸入牛バラ肉(脂身付き) 67mg
  • 輸入牛リブロース(脂身付き) 64mg
  • 輸入牛サーロイン(脂身付き) 59mg
  • 豚ひき肉 76mg
  • 豚肉バラ 70mg
  • 豚肉肩ロース 69mg
  • 若鶏手羽(皮付き) 120mg
  • 若鶏もも(皮付き) 98mg
  • 若鶏胸(皮付き) 79mg

和牛の脂身が付いている部位や皮付きの若鶏はコレステロール値が高いです。一方、輸入牛は脂身が付いていてもそこまでコレステロール値が高くありません。

3-4.お酒

お酒の飲みすぎもコレステロール値を高める要素のひとつです。お酒に含まれるアルコールは肝臓で合成される中性脂肪生成を活性化させるので、お酒の飲みすぎはコレステロール値が高い人にとって良くありません。しかし、嗜む程度のお酒量であれば身体に好影響を与えることもあるので、適量を守って楽しんでください。

3-5.食塩

塩分を控えた食事を行うことで、悪玉コレステロールを抑えることができます。減塩を意識した食事を行うことで悪玉コレステロールや中性脂肪の摂取を抑えることができ、血圧や血糖値低下につながります。

3-6.糖質の多い食品

糖質の多い食品には、砂糖、芋、果物、お菓子などが挙げられます。糖質が多いということはブドウ糖が多いということです。そのため糖質を摂りすぎると、糖尿病を発症するケースがあります。糖尿病から心疾患や脳疾患につながるので、注意が必要です。

3-7.ご飯、パン、小麦粉

炭水化物は、体内で摂取される際にブドウ糖として摂取されるので、血糖値が上昇します。炭水化物の過剰摂取もコレステロール値の上昇や生活習慣病につながるので注意してください。

4.コレステロール値が高い人がするべき食事のポイント

4.コレステロール値が高い人がするべき食事のポイント

コレステロール値を高める食材を摂取しないようにすることも重要ですが、食事の仕方で対策を取ることも可能です。以下の4点に注意して食事をしてみると良いでしょう。

  • カロリーを摂りすぎない
  • 動物性の油を植物性の油に変える
  • 食物繊維を摂取する
  • お酒の量を減らす

4-1.カロリーを摂りすぎない

カロリー摂取量が多すぎる食事を摂っていると、いつの間にかコレステロールや脂肪も多く摂取している可能性があります。カロリー摂取を抑える食事を心がけるだけで、その他の過剰摂取を改善できる可能性があります。

【性別年代別】カロリー摂取量の目安

男女年代別の1日あたりのカロリー摂取量(身体活動量のレベルが普通の場合)の目安は以下のとおりです。普段の食事のカロリー量を計算し、カロリーを過剰摂取していないかどうか確認してみてください。

【1日あたりの推定エネルギー必要量(kcal/日】

  男性 女性
12~14歳 2,600kcal 2,400kcal
15~17歳 2,800kcal 2,300kcal
18~29歳 2,650kcal 2,000kcal
30~49歳 2,700kcal 2,050kacl
50~69歳 2,600kcal 1,950kcal
65~74歳 2,400kcal 1,850kcal
75歳以上 2,100kcal 1,650kcal

厚生労働省によると、1日のカロリー消費量は300kcalが目安とされています。運動習慣とのバランスも考えてカロリー摂取を行いましょう。

参照元:日本人の食事摂取基準(2020 年版)

4-2.動物性の油を植物性の油に変える

前述のとおり、脂肪を多く含む肉類はコレステロール値が多い特徴があります。これは動物性の油はコレステロールを多く含んでいることを意味しています。調理に油を使用する際に、動物性の油を植物性の油に変えるだけで、コレステロール値を引き下げることが可能です。バターやラードを使用している場合は、オリーブ油やごま油、キャノーラ油を使用することをおすすめします。

4-3.食物繊維を摂取する

食物繊維には血糖値の上昇抑制や血中のコレステロール濃度を低下させる効果があります。食物繊維は整腸作用のみならず、コレステロール値の引き下げにも寄与するのです。

4-4.お酒の量を減らす

お酒の飲みすぎもコレステロール値を高める要素のひとつです。適量を守ってお酒を飲むのであれば特段問題ありません。週に1、2回の休肝日を設けると良いでしょう。

5.コレステロール値が高い人が摂取したい成分

コレステロール値が高い方は栄養素にも注意してみましょう。以下の4点を普段の生活で摂取できているかどうか確認してみてください。

  • ビタミンA・E
  • ビタミンC
  • ポリフェノール
  • アスタキサンチン

悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化することで身体全体に悪影響が出てしまいますここでは抗酸化作用を持つ成分を紹介します。

5-1.ビタミンA・E

動脈硬化を起こすのは活性酸素によって酸化された悪玉コレステロールの影響です。ビタミンA・Eは抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことができます。緑黄色野菜や魚、鶏肉、レバーに多く含まれています。

5-2.ビタミンC

こちらも抗酸化作用を持つビタミンです。ビタミンCを多く含む食材はあまり多くありませんが、ピーマンやブロッコリー、柑橘類、いちごなどに含まれています。しかし、ビタミンCは一度に大量摂取しても、摂取後約3時間で尿とともに排出されてしまいます。そのため、定期的に摂取することが重要です。

5-3.ポリフェノール

ポリフェノールは植物が光合成によって生み出した苦味や色素の成分です。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、動脈硬化などの予防に寄与します。野菜や果物の種子や皮に多く含まれています。ポリフェノールは体内で摂取されると、その種類によりさまざまな働きをします。血中では脂肪の酸化を防ぐ働きをしてくれます。

5-4.アスタキサンチン

アスタキサンチンはサケ、エビ、カニなどに多く含まれる成分で、強力な抗酸化作用を持っています。特に、毒性の強い「一重項酸素」という活性酸素に対する効果が高く、ビタミンEの約550倍もの抗酸化力があります。

6.コレステロール値を下げる食べ物・飲み物

6.コレステロール値を下げる食べ物・飲み物

コレステロールが高い人が食べてはいけないものに気を付けるだけでなく、コレステロールを下げる食べ物や飲み物を日頃から意識して摂取することも重要です。本項では以下の7点について説明していきます。すべてを摂取しなくてはならないわけではありませんが、できるところからチャレンジしてみてください。

  • 青魚
  • きのこ
  • 野菜
  • 海藻
  • 大豆製品
  • 玄米
  • 緑茶抹茶

6-1.青魚

青魚には悪玉コレステロールを低下させる成分である「EPA」や「DHA」が多く含まれています。2つの成分は現代人に不足がちな成分なので、積極的に摂取しましょう。

6-2.きのこ

きのこは、水溶性食物繊維と呼ばれる余分なコレステロールを体外に出す成分を含んでいます。また、きのこに含まれるエリタデニンという成分には、コレステロール値を低下させる機能もあります。主にシイタケやマッシュルームを摂取するとよいでしょう。なお、きのこ類は水で洗わないことで、エリタデニンを可能な限り残すことができます。

6-3.野菜

野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維といったコレステロール値を低下させる成分が多く含まれています。特に、キャベツやブロッコリーには悪玉コレステロールを減少させる成分が多く含まれており、積極的に摂取したい野菜です。また、野菜はカロリー量も少ないので、大量に摂取しても肥満にならず、満腹感も与えてくれます。

6-4.海藻

海藻類にも水溶性食物繊維が多く含まれています。特に、てんぐさやひじきに多く含まれています。てんぐさとは紅藻類テングサ科の海藻の総称で、寒天の原料になる成分です。

6-5.大豆製品

大豆製品は動物性タンパク質の代替となる製品です。近年では、大豆を用いた代替肉も生まれており、取り入れることで食生活の改善につながります。また、大豆にはポリフェノールやイソフラボンが多く含まれており、血糖値を引き下げる効果を持っています。

6-6.玄米

玄米にはコレステロール値を引き下げる効果があることが最近の研究で明らかになっています。米やパンといった炭水化物はコレステロール値を上げやすい食品なので、玄米に切り替えるだけでも大きな効果が期待できるでしょう。

6-7.緑茶・抹茶

緑茶や抹茶には、ポリフェノールの一種であるカテキンが多く含まれています。粉末タイプの方が、多く摂取できるという結果も報告されています。普段の飲み物を緑茶や抹茶にすることで無理なく摂取できるのではないでしょうか。

このコラムでは、コレステロールに関する基礎知識を中心に、コレステロール値を高めてしまう食材や低下させるための食材等を説明しました。コレステロールは基準値を超えた状態で放置していると、身体に悪影響が出てきます。初めは軽微なものかもしれませんが、最終的には死に至る恐ろしい病気にまで発展しかねないので、早めに対応しましょう。
「コレステロール値が高い人が食べてはいけないもの」に注目する方もいますが、反対にコレステロールを下げる食材もあります。普段の食生活を見直すことで少しずつ改善できるため、本コラムを参考に取り組んでいただけると幸いです。