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【医師監修】これで解決!顔がヒリヒリするときの対処法5選!5つの予防策も紹介

【医師監修】これで解決!顔がヒリヒリするときの対処法5選!5つの予防策も紹介
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者

富士見スキンクリニック飯田橋 院長

小渕 英里

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

洗顔やマスクの着用などの刺激により、顔がヒリヒリする症状が出る場合があります。顔がヒリヒリするのは、肌がダメージを受けて炎症を起こしている状態です。炎症を起こしている肌に対する、適切なケアの方法がわからない方は、多いのではないでしょうか?

炎症が起きている肌は、健康的な肌よりデリケートです。そのため、誤った対処を行ってしまうと、症状を悪化させる危険性があります。肌に炎症が起こる原因を知り、適切に対処することが大切です。

このコラムでは、顔がヒリヒリする原因や効果的な対処法、症状を引き起こさないための予防策を紹介します。ぜひ、最後までお読みください。

顔がヒリヒリするのは肌のバリア機能が低下しているから

1.顔がヒリヒリするのは肌のバリア機能が低下しているから

肌のバリア機能が低下すると、顔がヒリヒリする症状を引き起こす可能性があります。肌の油分と水分のバランスが崩れることで、バリア機能が損なわれ、炎症を起こす原因となるのです。肌のバリア機能を正常に保つためには、肌表面にある0.02mmの角質層を守ることが大切です。

薄い角質層を守るためには、物理的な刺激と環境的な刺激の双方に注意する必要があります。物理的な刺激とは、洗顔時に肌をこすることや、体質に合わない洗顔料を使用することで引き起こされる肌へのダメージです。一方、間接的な刺激とは、紫外線や花粉などの環境による肌へのダメージを指します。

特に、肌をゴシゴシこするような洗顔方法は、角質層に多大なダメージを与えるので避けましょう。生活習慣や食生活を整え、内側から肌のコンディションを立て直すことが大切です。

顔がヒリヒリしているときの5つの対処法

2.顔がヒリヒリしているときの5つの対処法

顔がヒリヒリする症状が現れたときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。ヒリヒリした痛みがある時点で、肌にダメージが蓄積している証拠です。そのため、肌を元の状態に戻すことが大切です。ここでは、効果的な対処法を5つ紹介します。

洗顔時は肌をこすらないよう注意する

顔に痛みが生じているときは、いつも以上に優しく洗顔しましょう。皮脂や花粉などの、顔に付いた汚れを落とし、清潔にすることが大切です。肌に刺激を与えないように洗顔する方法は、以下のとおりです。

  1. 洗顔料はしっかり泡立てる

泡立てネットなどを用いて、きめの細かい弾力のある泡を作りましょう。

  1. 泡で円を描きながら洗う

直接手のひらで肌をこするのではなく、手のひらと肌の間に泡をはさみ、円を描きながら洗います。

  1. 目や口の周りなどは指先で優しく洗う

顔の凹凸や細かい部分は、指先を使いなぞるようにして丁寧に洗います。特に目や口は、皮脂分泌が少なく乾燥しやすいので、こすらないように注意しましょう。

  1. ぬるま湯ですすぐ

肌への刺激となるので熱いお湯ではなく、ぬるめのお湯で顔に付いた泡を洗い流します。泡の洗い残しがないよう、入念にすすぎましょう。

  1. タオルは押し当てるようにして水分をふき取る

洗顔後は、タオルを顔に押し当てるようにして水滴を拭き取ります。洗顔した直後

は、肌がダメージを受けやすいため、タオルでこすらないようにしましょう。

化粧水や乳液で保湿する

肌がヒリヒリしているときは、角質層にダメージが蓄積している可能性があります。傷付いた肌を保護するために、化粧水や乳液で保湿をすることが大切です。入浴後や洗顔後は、特に肌が乾燥しやすいので、すぐに保湿を行うことをおすすめします。

コットンで角質層を傷付けないように、化粧水や乳液を顔全体に優しく行き渡らせましょう。コットンによる物理的な刺激を避けたい場合は、化粧水を手のひらに取って、肌をこすらないように、顔全体になじませる方法がおすすめです。

赤みがある場合は保冷剤で冷やす

肌に赤みやかゆみが起きている場合は、炎症を起こしている可能性が高いです。そのため、すぐに冷やして炎症を緩和させましょう。かゆくてもこすったり掻いたりしないことが大切です。

患部を冷やす際は、直接保冷剤をあてることは避けましょう。急激な温度変化は、肌への刺激となる可能性があります。ハンカチやタオルでくるんだ保冷剤を、赤みやかゆみがある部分にあてて冷やすようにしましょう。

ワセリンなどの市販薬を使用する

ワセリンのような市販薬を用いてケアをすることで、顔がヒリヒリする症状を抑える効果を期待できます。ワセリンは、皮脂膜と同じように、外部刺激から肌を守り水分の蒸発を防ぐ効果が期待できます。

ワセリンを使う際は、使用量に注意しましょう。必要以上に塗り過ぎると、肌がベタベタし、使用感が悪くなる可能性があります。顔に使用する場合は、米粒2つ程度が適量です。

両手で温めたら手のひらに薄く延ばし、顔に押し当てるようにして塗り広げます。このとき、こすらないように注意しましょう。ワセリンには、肌の水分が蒸発するのを防ぐ効果があります。化粧水などを用いて先に水分を補給しておくことで、保湿効果を高められます。

皮膚科を受診する

これまで紹介した対処法を行っても症状が治まらない場合は、皮膚科を受診しましょう。アレルギーや内臓疾患によって、肌が炎症を起こしている場合もあります。

医師の診察によって処方された薬を服用することで、早く症状が緩和することが見込めます。一向に肌の状態が良くならない場合は、早めに専門医に診てもらうことをおすすめします。

1日経っても症状が軽くならない場合や、強いヒリヒリや赤みが出ている場合は、皮膚科受診の目安です。原因と考えられることを避けていただき、症状によってステロイドや保護クリーム、保湿剤などを処方します。

顔がヒリヒリする症状を防ぐ5つの対策

3.顔がヒリヒリする症状を防ぐ5つの対策

肌の健康を保つためには、日ごろからメンテナンスしておくことが大切です。顔の肌は、非常に敏感であるため、ふとしたきっかけで、ヒリヒリした痛みを伴う炎症を引き起こす可能性があります。

そのため、炎症を引き起こさないように、普段から肌へのダメージを減らすための工夫をしましょう。ここでは、肌のコンディションを保つための対策を紹介します。

紫外線対策を行う

紫外線は、知らず知らずのうちに肌にダメージを与えるため、徹底的な対策が必要です。紫外線には「UVA」と「UVB」の2種類があり、それぞれ肌にダメージを与える深さが異なります。

「UVA」は窓ガラスや雲を通過します。比較的肌の深い部分にダメージを与え、肌の弾力低下やシワの原因となる紫外線です。一方「UVB」は、日差しを浴びた数時間後に、赤い炎症を起こす紫外線です。肌の浅い部分にダメージを与え、シミやそばかすを発生させます。

日焼け止めは紫外線対策に大きな効果を発揮するので、外出時にはぜひ利用しましょう。日焼け止めには「PA」と「SPF」と呼ばれる指標があります。「PA」は、UVAに効果を発揮し「SPF」は、UVBに有効です。日焼け止めを利用する生活シーンは、以下のグラフをご覧ください。

3-1.紫外線対策を行う

(参照元:日本化粧品工業連合会|紫外線編

特に夏場は、日焼け止めが汗で流れてしまうため、こまめに塗りなおす必要があります。加えて、サングラスや日傘などを用いて、物理的に紫外線を遮断することも大切です。

肌へのダメージが少ないマスクを選ぶ

新型コロナウイルスによって、外出時のマスクの着用が習慣になった方は、多いのではないでしょうか。顔がヒリヒリする症状は、マスクの刺激による肌荒れが原因となっている可能性があります。

そのため、肌にダメージを与えないように工夫する必要があります。マスク着用による肌荒れを防ぐ方法を、確認しておきましょう。

  • 綿素材のマスクを選ぶ
    不織布のマスクより刺激が少ないです。

  • 不織布マスク使用する場合は綿の布を挟む
    肌への刺激を綿素材で軽減します。

  • 白いマスクを着用する
    色付きマスクは、染色剤が肌に刺激を与える可能性があります。

  • 清潔に保つ
    雑菌の繁殖による肌の炎症を防ぎましょう。

マスクは、常時顔に触れているからこそ、素材や衛生面にこだわる必要があります。

低刺激の化粧水を使う

敏感肌の方は、化粧水の成分に注意する必要があります。肌に良いと思って行っているスキンケアが、肌へのダメージとなっている可能性は否定できません。敏感肌の方が注意すべき化粧水に含まれている成分を紹介します。

  • エタノール
    清涼感があるため心地良さがある一方、肌を乾燥させる場合があります。肌のバリア機能が弱っている時に使用すると、ヒリヒリとした痛みを引き起こす物質です。

  • 香料
    心地の良い香りでリラックス効果がある一方、肌にダメージを与える可能性がある成分です。

  • 防腐剤
    化粧水を長持ちさせるために配合されています。アレルギー反応の原因となる場合があるため、敏感肌の方は注意が必要です。肌ストレスの原因となり、老化やハリの低下につながる可能性があります。

以上の成分に注意しつつ、低刺激で肌との相性が良い化粧水で保湿を行うようにしましょう。

ストレスを取り除く

日常的に精神的なストレスに曝されていると、自律神経や免疫機能が低下し、肌の炎症を促進させます。なお、強いストレスが続いていると、肌のバリア機能が悪化して肌トラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。

イライラや不安などのストレスが常態化すると、心身の健康状態を悪化させます。音楽を聴いたり、趣味に没頭したりすることで、ストレスを発散して心のバランスを保ちましょう。

便通を改善する

便通が滞っていると、腸内細菌のバランスが悪化します。腸内細菌のバランスが崩れると腸内環境が悪化し、肌のヒリヒリ感や赤みなどの肌トラブルにつながる可能性があります。便通を改善するには、食物繊維を摂取することが大切です。食物繊維は、大きく分けて2種類あります。

  • 水溶性食物繊維
    便を軟らかくし、腸内の善玉菌を増やす食物繊維です。

  • 不溶性食物繊維
    便の量を増やし、大腸のぜん動運動を促す食物繊維です。

水溶性食物繊維は、昆布やわかめなどの海藻類や、熟した果物に多く含まれます。一方、不溶性食物繊維は、穀類や野菜・豆類に多く含まれており、これら2つの食物繊維をバランス良く摂取することが大切です。

おわりに

顔がヒリヒリする症状は、肌がダメージを受けているサインです。ヒリヒリした痛みを感じたら、放置せずに肌を守るための対策を行うことが大切です。例えば、保冷剤で冷やしたり、ワセリンなどの市販薬を使用したりする応急処置が挙げられます。

万が一、急に症状が強くなったときや、ひどいかゆみや赤みがある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。普段から肌を大切にする習慣を取り入れることで、肌トラブルは予防できます。

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