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【医師監修】保存版!日焼け対策のポイントとは?日焼け止めとUVカットグッズの選び方を解説

【医師監修】保存版!日焼け対策のポイントとは?日焼け止めとUVカットグッズの選び方を解説
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

紫外線の強い夏になると気になるのが「日焼け対策」。日焼けは、肌が黒くなるだけでなく、将来的には「しわ」や「たるみ」の原因にもなるため注意が必要です。しかし「日焼け止めの選び方や効果的な使い方がわからない」「UVカットグッズは、どれを選べば良いの?」という方も多いのではないでしょうか。

そこでこのコラムでは、以下の4項目についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

  • 日焼け止めの成分
  • 日焼け止めの選び方
  • 日焼け止めの使い方
  • 日焼け対策(UVカット)グッズの選び方

日焼け対策が必要な理由

日焼け対策は、肌を黒くしないというだけでなく、将来的な「しわ」や「たるみ」を防ぐために必要です。「肌が黒くなることは構わない」と日焼け対策を怠ると、年齢を重ねてから、肌のトラブルに頭を悩ませることになるかもしれません。

日焼けによる肌のダメージの理解を深めるためには「UV-B」「UV-A」という2つの紫外線について知っておくことが欠かせません。UV-Bは、7月~8月の夏に最も量が多くなり、肌が黒くなる原因になる紫外線です。一方、UV-Aは、肌の奥の真皮にダメージを与え、徐々に肌の弾力を奪い「しわ」や「たるみ」の原因になります

UV-Aは、UV-Bに比べ冬の時期でも大きく量が減らないことが特徴です。肌が黒くなることを防ぐためだけであれば、夏のUV-Bへの対策で充分です。しかし、徐々に肌のダメージが蓄積されていくUV-Aを防ぐには、年間を通しての日焼け対策が必要になります。日焼け対策は、すぐに肌に出る影響だけでなく、将来を考えて実施する必要があるでしょう。

日焼け止めについて解説

日焼け止めを効果的に使用するためには「UV-B」「UV-A」への有効性を表記した「UVカット率」を、正しく理解しておくことが大切です。また、日焼け止めは使い方を誤ると肌のトラブルの原因になるため、配合された成分や使用方法も確認しておきましょう

日焼け止めとは

日焼け止めとは、肌や髪を紫外線から守る化粧品です。紫外線を防ぐ効果は「UVカット率」として表記され、UV-Bへを防ぐ効果を示す「SPF」、UV-Aへの効果を示す「PA」という2つの指標があります。値の読み方は、以下の表を確認してください。

効果
SPFUV-Bのカット率の表記。「10~50+」の範囲で表記。数字が大きいほど効果が高い。
PAUV-Aのカット率の表記。「+~++++」の範囲で表記。「+」の数が多いほど効果が高い。

日焼け止めは、日常生活やレジャー時など使用シーンに合わせて、SPF/PA値の違うものを使い分けましょう。SPF/PAの高い日焼け止めの多くは、紫外線吸収剤という成分が含まれており、肌への負担が大きくなるためです。例えば、日常生活で使用する際にはSPF値が10~20程度、炎天下でのレジャー時はSPF値が40~50程度のものを使った方が良いでしょう。

日本化粧品工業連合会では、以下のように、生活シーンに合わせたSPF及びPAの値を示しています。大変参考になるでしょう。

参照元:日本化粧品工業連合会「紫外線防止の基本

日焼け止めの成分と注意点

日焼け止めを使用する際には、配合されている成分を確認しておきましょう。日焼け止めの成分には、主に「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」の2つがあります。特に「紫外線吸収剤」は、体質によってアレルギー反応や炎症反応を引き起こす可能性があるため、使用する際には注意が必要です。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤とは、紫外線を肌の表面で吸収し、化学反応で熱などのエネルギーに変換し放出する成分です。紫外線吸収剤を使った日焼け止めはSPF/PA値が高く、夏の屋外でのレジャーに適しています。しかし、肌が敏感な方はアレルギー反応や炎症を引き起こすことがあるため、使用する際には注意が必要です。

紫外線散乱剤

紫外線散乱剤とは、酸化チタンなどの天然のパウダーで紫外線を反射させ、肌への吸収を防ぐ成分です。紫外線吸収剤に比べ、肌への負担が少ないといわれています。紫外線散乱剤を配合した日焼け止めは、APF/PA値が低いことが欠点ですが、肌が弱い方にはおすすめです。多くの製品では「ノンケミカル」と表記されているので、確認してみましょう。

日焼け止めの選び方

日焼け止めには、ローションやスプレーなどさまざまなタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、使用するシーンや肌の状態に合わせて使い分けてみてください。日焼け止めの種類は、以下の表に記載しているとおりです。

使用シーンおすすめの人効果の強さ塗りやすさ肌に優しい保湿力
ローション日常生活手軽に使いたい方
ジェル日常生活、レジャー使用感を重視する方×
ミルク(乳液)化粧の下地敏感肌の方
クリーム化粧の下地乾燥肌の方×
スプレー塗り直し手軽に使いたい方×
パウダー塗り直し化粧をしている方×

参照元:NOV ONLIEN SHOP「日やけ止め(日焼け止め)を選ぶポイント」 

日常生活で使用する場合(化粧をしない方)

化粧をしない方が日常生活で使用する場合は「ローションタイプ」または「ジェルタイプ」の日焼け止めがおすすめです。ローションタイプは、SPF/PA値が比較的低いため、肌にやさしいことが特徴。しかし、他のタイプに比べて汗や水で落ちやすいことがデメリットです。ジェルタイプは、SPF/PA値が高い製品が多いことが特徴。保湿力がないため、乾燥肌の方には向いていません。

化粧と合わせて使用する場合

化粧をする方は、化粧の下地として使える「ミルク(乳液)」または「クリームタイプ」の日焼け止めを使用しましょう。ミルク(乳液)タイプは、刺激が弱く肌にやさしいことが特徴です。肌の乾燥が気になる方は、保湿力の高いクリームタイプを使用すると良いでしょう。ただし、クリームタイプは油分が多いため、落としにくいことがデメリットです。

塗り直しで使用する場合

日焼け止めは、効果を持続させるために、2時間〜3時間置きに塗り直すことがおすすめです。塗り直しには「スプレー」または「パウダータイプ」を活用しましょう。スプレータイプは、外出先でも手軽に使えることに加え、手の届かないところや頭皮にも使えることがメリット。化粧をする方は、メイクの上から使えるパウダータイプが便利です。

様々なタイプの日焼け止めがあるので、自分に合ったもの、シーンに合ったものを選んでください。また、塗る量が少なくなりやすいので、しっかり塗れているかの確認も大切です。

日焼け止めの使い方

日焼け止めの使い方のポイントは、ムラなく適量塗ることです。塗り残しがあるほか、均一に塗ることができていないと、部分的に日焼けをしてしまいます。

顔・首に塗る場合

顔や首にムラなく塗るためには、顔の5ヵ所に日焼け止めを置き、指を使って均一に伸ばすことがポイントです。手のひらで伸ばしてから、顔を包み込むように塗ると、ムラになりやすいため、顔や首に塗る際は以下の手順を参考にしてみてください。

  1. 製品に記載されている使用量を手に取る
  2. 両ほお、額、鼻、あごの5箇所にのせる
  3. ほお、額、鼻、口の周り、フェイスライン、目の周りの順に、指の腹を使ってなじませる
  4. 首とえり足を下から上に向かってなじませる
  5. 使用方法にのって、同じ手順で重ねて塗る

また、ほお骨の上や耳の後ろ、髪の生え際は塗り忘れやすいため注意しましょう。

体に塗る場合

体にムラなく塗るためには、肌に直接、日焼け止めを線上に出すことがポイントです。体に直接出した日焼け止めを、手のひらで円を描くように塗り拡げていきます。体は塗る範囲が広いため、ムラにならないように注意しましょう。

塗り直しする場合

日焼け止めを塗り直す場合は、肌の汚れを落としてから使用しましょう。汗などで肌に汚れがあると、日焼け止めの馴染みが悪く、日焼け止めの効果が落ちてしまいます。塗り直しは、2~3時間置きに行うことがおすすめです。特に汗をかきやすい夏の時期は、こまめに塗り直すようにしましょう。

化粧している場合

化粧をする方は、乳液や保湿クリームなどの化粧下地をつける前に塗ることがポイントです。化粧下地は、ファンデーションのノリを良くするためにつける化粧品です。化粧下地の上に日焼け止めを塗ってしまうと、本来の効果が期待できません。日焼け止めを塗ってから化粧下地をのせると、紫外線対策と崩れないメイクを両立できます。

髪に塗る場合

髪に日焼け止めを塗る場合は、髪の毛専用か、髪を含めた全身に使用できるものを選びましょう。髪の日焼け止めは、紫外線によるダメージを抑え、パサつきやうねりなどを防ぐ効果があります。スプレータイプを使用する場合は、髪全体に吹き付け、櫛で均一になじませましょう。オイルタイプまたはミルクタイプは、手のひらに適量とり、髪全体に薄くなじませることがポイントです。量が多すぎると、髪がベタつくため注意しましょう。

日焼け対策(UVカット)グッズの選び方

紫外線対策には、日焼け止めだけでなく、UVカットグッズも活用しましょう。UVカットグッズには、日傘や帽子、アームカバーなどさまざまなものがあります。アームカバーやフェイスマスクは、接触冷感素材など暑さ対策を備えたものがおすすめです。

日傘

日傘とは、生地の裏側をポリエステルなどでコーティングしたものです。コーティングの厚さや質で、UVカット率が変わります。日傘を選ぶ際には、傘の色に注意しましょう。黒や紺色の傘は、紫外線を吸収する分、UVカット率は高くなります。しかし、光を吸収するため傘自体が熱をもってしまい、暑さを感じやすくなることには注意が必要です。

日傘のおすすめは「Adoric 折りたたみ傘」です。遮光率、UVカット率が共に99.9%と高く、撥水性もあるため雨傘としても使用できます。

参照元:UVカット率と遮光率 |傘のOEM・オリジナル傘のカムアクロス 

帽子

UVカット加工の帽子を選ぶ際には「UV加工の方法」と「つばの広さ」に注目しましょう。UV加工の方法には「紫外線を反射するタイプ」と「紫外線を吸収するタイプ」の2つの種類があります。紫外線を反射するタイプは、黒色の生地であっても暑さを感じにくく、洗濯してもUVカット率が持続しやすい点もメリットです。紫外線を吸収するタイプは、生地が太陽光の熱を吸収するため、黒以外の色を選ぶと良いでしょう。

つばの広さについては、360度つばがあるタイプや、前面のつば7cm以上のものがUVカット率が高いといわれています。おすすめは「ノースフェイス UVカット ホライズンハット」です。UVカット率85%と高い上に、頭囲がメッシュ生地のため通気性にも優れています。

参照元:Amazon | [ザノースフェイス] 帽子 HORIZON HAT ホライズンハット ユニセックス NN41918 | キャップ 通販 

アームカバー

腕や手の紫外線対策には、アームカバーの使用がおすすめです。アームカバーには、接触冷感やムレを抑える機能が備わっている製品が多くあり、暑い夏でも快適に使用できます。アームカバーは、腕だけをカバーするものから、手袋のように指先まで覆っているものまで種類が豊富です。おすすめは「Roi アームカバー」。UVカット率は95%以上、冷感接触に優れた製品です。

参照元:Amazon | Roi アームカバー 冷感 ひんやり UV 【国内検査機関測定済】

眼鏡・サングラス

UVカット加工の眼鏡やサングラスは、目から入る紫外線対策として有効です。目が紫外線を受けると、白内障や紫外線角膜炎などの病気の原因になります。レンズの色とUVカット率は関係がないため、必ずしもサングラスを選ぶ必要はありません。おすすめのUVカット眼鏡は「Zoff UV CLEAR SUNGLASSES」です。UVカット率100%で、レンズ裏面からの紫外線反射を防止する機能もあるため、目からの紫外線対策に最適。

参照元:Amazon | ウェリントン型 クリアレンズサングラス(度なし)|Zoff UV CLEAR SUNGLASSES (UV100%カット) 

マスク・フェイスカバー

UVカットマスクやフェイスカバーは、目の下から顎や首までを紫外線から守るものです。多くの場合、素材に紫外線反射材が織り込まれています。暑さが気になる方は、接触冷感素材や、鼻や口周りにメッシュ素材の通気口を備えた製品を選びましょう。

いろいろなグッズがあるので、うまく利用して、楽しくおしゃれに対策できそうですね。

おわりに

日焼け対策には「日焼け止め」や「UVカットグッズ」を、使用シーンに合わせて適切に使用することが大切です。日焼け止めの効果はもちろん大切ですが、肌への負担や利用するシーンに応じて使いやすいものを選びましょう。

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