【徹底解説】抗菌と殺菌の違いとは?菌を退治する方法や予防策を紹介

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【徹底解説】抗菌と殺菌の違いとは?菌を退治する方法や予防策を紹介

近年、抗菌や除菌といった言葉をよく目にするようになりました。菌は、水気があって栄養分がある場所で増殖します。雨が多い日本は、菌が増殖するのに適した環境です。

そして菌は、人間の体に悪影響を及ぼすことがあります。体調が優れないときや乾燥しているときなど、人間の免疫力が下がっているタイミングで体内に侵入して猛威を奮うことがあるのです。ほかにも、アデノウイルスやインフルエンザといった夏や冬の特定の時期に流行するウイルスもあります。ウイルスや菌から体を守るために、菌を抗菌したり除菌したりすることが大切です。

  • 夏…ヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス
  • 冬…インフルエンザ、感染症胃腸炎、RSウイルス感染症、溶連菌感染症、水疱瘡

このコラムでは、菌に適切に対応するため、対処法を分かりやすく解説していきます。

1.「菌」とは?

人間の体に入ると、感染症として悪影響を影響を及ぼすものに菌やウイルスがあります。ただ、菌がどういったものかを知っている方は、多くないのではないでしょうか。また菌と似ているものとして、ウイルスやカビもあります。「菌とは何か」「菌とウイルスやカビがどう違うのか」確認していきましょう。

1−1.菌の定義

菌とは細菌のことを指し、一つの細胞しか持たない単細胞生物です。人間の細胞の100~1000分の1の大きさで、大腸菌や黄色ブドウ菌などがあります。

細菌は、栄養源を元に同じ細菌を複製することで増えていくのが特徴です。特に「水分」「栄養分」「湿度」の3大要素が揃う環境では、菌の増殖するスピードは速くなります。

そして、菌のなかには人間の体に悪影響を与える菌もいますが、納豆菌やビフィズス菌など生活に必要な菌も存在します。また人間の体内にも複数種類の菌がおり、皮膚や腸内環境を保っているという一面もあるのです。

1−2.ウイルスとの違い

ウイルスは、菌とは違って細胞を持たず、生き物に入り込まなければ増殖できません。一方で、細胞を持たないので、他の細胞に入り込めます。人間の体に入ると自分のコピーを作り、ほかの細胞を攻撃して、さらに広がっていく働きをするのが特徴です。

ウイルスは細菌とは構造が異なり抗菌剤が効かないため、抗ウイルス薬はまだ数種類しか開発されていません。一般的な風邪は、いくつかのウイルスが原因で引き起こされるとされています。毎年流行するウイルスとして知られているのは「インフルエンザ」「アデノウイルス」「ノロウイルス」です。

1−3.カビとの違い

カビはほかに「真菌(しんきん)」とよばれ、人間と同じ真核生物です。細菌は単細胞生物で、カビは多細胞生物という違いがあります。細菌の大きさは、0.5~5マイクロメートルです。一方、カビは細菌やウイルスよりも大きく2~10マイクロメートルあります。

細胞の構造が異なるので、カビが死滅する温度で生きる細菌がいたり、逆に細菌が死滅する薬剤が効かないカビがいたりします。

2.体内に入った菌を退治する方法

体内に入った菌を退治するには、基本的に「抗菌薬」を使います。抗菌薬とは、細菌と人の細胞構造の違いを利用して菌のみを死滅させる薬です。

抗菌薬のなかでも、微生物から取り出した物質で作った薬を「抗生物質」といいます。抗菌薬の働きは2つあり、1つは菌の細胞壁を壊す作用です。もう1つは、菌が増殖するのに必要なタンパク質を作るのを邪魔する作用です。

また、抗菌薬などの効果で体調が良くなっても、医師から処方された量は飲み切るようにしてください。症状が軽くなっても、まだ菌が体内に残っているかもしれないからです。そして悪性の菌が体内に入らないよう、普段から手洗いなどの予防をしておくことが何より大切です。

3.抗菌・殺菌・除菌・滅菌・静菌・消毒の違いについて解説

ここでは、菌を退治する方法を6つ紹介します。それぞれの退治法の特性を理解して、適切な対応を取ることが重要です。

3−1.抗菌とは

抗菌とは「菌の増殖を抑えること」と日本産業規格(JIS)にて定義されています。菌を退治したり、取り除いたりするという意味ではありません。菌が増えにくいだけで、減らす効果はないのでご注意ください。抗菌は、以下のような製品に使われることが多いです。

  • まな板やスポンジなどのキッチン用品
  • トイレ用品
  • ボールペン等の筆記用具
  • マスクケース

上記のような抗菌加工された製品を使っていても、絶対に菌が増えないというわけではありません。油断して手入れをせずにいると、菌が繁殖して臭いなどを発生させるので注意してください。

参照元:Kikakurui

3−2.殺菌とは

殺菌とは、読んで字のごとく「菌を殺す」ことです。一口に「菌」といっても様々な種類があります。殺菌における菌の種類は規定されておらず、殺す量についても決まりはありません。

つまり、特定の菌の数を減らしさえすれば「殺菌」と表示しても問題ないのです。ただし、殺菌は薬機法の規定にしたがって、医薬品と医薬部外品にしか使用できないことになっています。殺菌の表示は、石鹸や市販薬などで使われることが多いです。

参照元:Kao

3−3.除菌とは

除菌とは「菌の数を減らすこと」を指します。あくまで「取り除いている」だけなので、菌を消滅させる効果はありません。除菌は、以下のような製品に使われることが多いです。

  • アルコールスプレー
  • 次亜塩素酸水
  • 衣類用スプレー

また「除菌」という言葉を使わなくても、洗って流してしまえば菌は取り除かれます。そのため、除菌製品は家具など「洗うことが難しい場所」などに使われることが多いです。

参照元:洗剤・石けん公正取引協議会

3−4.滅菌とは

滅菌とは文字どおり「菌を滅する」ことなので、殺菌よりも強い意味で使われます。すべての微生物を殺したり除去したりしなければ「滅菌」と呼ぶことはできません。そのため、滅菌は日常的に使われる製品より、病院などにある注射や洗浄剤などに見られることが多いです。日本薬局方によると「微生物の生存確率を100万分の1以下にする」ことを滅菌と定義しています。

参照元:(独)医薬品医療機器総合機構

3−5.静菌とは

静菌は、微生物が増えるのを抑える意味で使われます。静菌用の薬剤や、加工された製品はありません。静菌は、防腐剤を使ったり冷蔵庫のなかで保管したりして、食中毒を防止する方法として使われる事が多いです。

参照元:足立外科胃腸内科医院

3−6.消毒とは

消毒とは「菌を消す」と書きますが、必ずしも「全滅」させることを指してはいません。微生物を害がなくなる程度まで減らしたり、毒性をなくすことを意味します。消毒という言葉は薬機法で定義されており、医療用品や医薬部外品などの製品でしか使うことができません。「消毒」は日常的に使う言葉ではありますが、厳密な定義と異なる場合があるので注意しましょう。

参照元:Kao

4.家庭で抗菌・殺菌などが必要な場所と対策法

ここでは、家庭内で菌が発生しやすい場所と状況に合わせた対策法を紹介します。場所によって適切な対処法が異なるので、ぜひ参考にしてみてください。

4−1.汚れた手で触る「水道レバー」

抗菌と殺菌の違いとは?菌を退治する方法や予防策を紹介

手などをきれいにするために使う水道ですが、実はレバー部分は汚れやすいので注意しましょう。なぜなら、洗う前の汚れた手で触ってしまうからです。

水を出すためにレバーに触れないわけにはいかないので、こまめに掃除するとともに抗菌・殺菌などを行うことをおすすめします。最近では抗菌加工された「交換用レバー」も販売されているので、ご自宅などの水道に取付可能か確認してみましょう。

「レバーの交換まではできない」という方は、アルコールなどでこまめに拭くことで、菌の増殖を抑制できます。

4−2.触る回数が多い「ダイニングテーブル」

実は、ダイニングテーブルは触る回数が多いため、菌が付着しやすいです。食事をとる場所なので、菌の繁殖は気になるところでしょう。今は抗菌対応のダイニングテーブルが販売されているため、買い替えの予定がある方は調べてみることをおすすめします。

抗菌対応のダイニングテーブルでなくても、アルコールなど塗布することで十分な殺菌効果が得られます。1日に何度も食事をするので大変かもしれませんが、ダイニングテーブルをきれいにした状態で食卓を囲むようにしましょう。

4−3.汚れてしまいがちな「トイレ」

抗菌・殺菌したい場所という意味では、名前があがりやすいのが「トイレ」でしょう。近年では、抗菌加工された便座が増えてきています。

それでなくても汚れが付着しやすいトイレには、除菌効果のある掃除用品が多くあります。拭き取り用のシートやトイレ用洗剤などは、他の場所に使う製品より強い除菌効果をうたっている医薬部外品が多いです。

また、トイレットペーパーに吹きかけて使うアルコールディスペンサーが設置されているトイレが増えてきました。公衆トイレなど一部例外はあるものの、トイレには抗菌・除菌の環境が整っている場所が増えてきたといえるでしょう。

4−4.意外と見逃してしまう「キッチンスポンジ」

実はキッチンで使う食器洗い用などのスポンジに、菌が付着していることをご存知でしょうか。食器を洗うための製品なので意外かもしれませんが、濡れたままの状態で放置していると菌が増殖してしまいます。

キッチンスポンジは抗菌加工されていることが多いですが、さらにしっかりと消毒すれば安心です。やり方は簡単で、以下の手順で消毒しましょう。

  1. スポンジを洗って汚れを落とした状態にする
  2. スポンジに熱湯をかける
  3. すぐに水をかけて温度を下げる
  4. よく乾かす

煮沸消毒をした方が良いと思うかもしれませんが、スポンジが変形する可能性がありおすすめしません。また、しっかり消毒したとしても2週間〜1ヵ月間隔で交換するようにしましょう。

5.自宅でできる菌を退治する方法

新型コロナウィルス感染拡大の影響があり、抗菌や殺菌に対して関心がある方が増えてきました。ここでは、自宅でできる菌を退治する方法を紹介します。

5−1.こまめな手洗い・うがい

菌を退治するには、こまめな手洗い・うがいが基本となります。外から帰ってきた後だけでなく、食事前やオムツをかえた後などにも手洗いを行うことが大切です。

正しい手の洗い方は、厚生労働省から発信されているので、ぜひ実践してみてください。またうがいについては、感染症対策の観点から1回15秒程度を2〜3回繰り返すことが推奨されています。なお、手洗い用の固形石鹸と泡石鹸の特徴は以下のとおりです。

・固形石鹸の特徴

固形石鹸は「脂肪酸ナトリウム」という物質で作られており、水に濡らして泡立てて使います。泡立てる手間がかかるものの、洗浄力は泡石鹸より高く肌への刺激も少ないことが特徴です。

・泡石鹸の特徴

泡石鹸は名前のとおり、最初から泡状になっている石鹸です。固形石鹸のようにゴシゴシと泡立てる必要がないため、利便性が高いです。手間がかからないため泡石鹸を好む方は多いですが、コストパフォーマンスでは固形石鹸に劣ります。

5−2.専用アルコールを使う

アルコールは買い求めやすく、菌を退治するのに便利な商品です。しかし、アルコールの成分や濃度によって、使用できる場所が違ってきます。エタノールはお酒の成分と同様であり、無害な消毒用アルコールです。一方、人体への毒性が高いメタノールが含まれている製品は、手指の消毒に使うのは厳禁です。

「メタノール」は「エタノール」と同じアルコールの仲間となります。しかし、酒類の主成分である「エタノール」に対して「メタノール」は毒性があり飲用厳禁です。手指の消毒には、濃度が70%〜95%のエタノールを使用するようにしましょう。アルコール消毒用の商品には用途が記載されているはずなので、しっかり確認してから購入すれば問題ありません。

5−3.吐いてしまったときの正しい対処法

自分や家族が吐いてしまったときは、絶対に素手で触ってはいけません。汚物を処理する方は、必ずビニール製などの手袋とマスクを着用してください。汚物を処理する手順は、以下のとおりです。

  1. 汚物を伸ばさないようにペーパータオルで拭き取る
  2. ビニール製の袋に手袋ごと入れる
  3. 次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
  4. 新しい手袋とペーパータオルで拭き取る
  5. 2と同様の処理をして袋の口をしっかり縛って捨てる
  6. 丁寧に手洗いうがいを行う

次亜塩素酸ナトリウムは、塩素系漂白剤5mlを水500mlで希釈すれば作れます。いざというときのために、作り方を覚えておきましょう。

5−4.場所に合わせた掃除法

退治したい菌に合わせて掃除法を覚えておくと、繁殖を未然に防げます。主な掃除法は、以下のとおりです。日頃の掃除で菌の繁殖を抑制できるので、1つずつ習慣にしていきましょう。

  • 冷蔵庫の野菜室:除菌スプレーで汚れを拭き取る
  • 台拭き:煮沸消毒や台所用漂白剤でのつけ置き
  • フローリング:フローリングワイパーでホコリを取ってから掃除機をかける
  • ドアノブ:アルコールスプレーを吹きかけた布で拭く
  • 共通:水をこまめに拭き取り換気する

6.抗菌・殺菌を取り入れて健康に過ごそう

一口に抗菌・殺菌といっても、種類や付着している場所によって対処法は異なります。菌に合わせた掃除法を実践することで、菌の繁殖を未然に防げます。

また、今は様々な菌に対応した掃除用品が販売されており、簡単に購入可能です。菌を退治する方法を覚れば、状況に応じて適切な対応ができます。家庭でできる対策法や菌から身を守る予防策をして、家族みんなで健康に過ごしましょう。