「更年期に終わりのサインはあるのか」「いつになったら終わるのか」「症状がつらい。他の方はどんな症状なのか」とお悩みの方が多いのではないでしょうか。結論からいうと、更年期にはっきりとした終わりのサインはありません。更年期の時期や症状は個人差が大きいでしょう。身体が慣れてきて症状が軽くなったら、更年期の終わりが近い可能性があります。
閉経して更年期が終わると、エストロゲンが分泌されなくなります。骨密度が低下して骨粗しょう症になったり、コレステロール値のコントロールがうまくいかなくなったりして、脂質異常症になるリスクが高まるので注意が必要です。
このコラムでは、更年期の終わりのサインや閉経後の症状について解説します。ぜひ、参考にしてみてください。
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【終わりは閉経?】更年期の終わりのサイン
更年期の終わりは曖昧で、はっきりとしたサインはありません。エストロゲンは、ゆらぎながら減少するため、「減ったと思ったら増えて」「安定したと思ったらまた減って」の繰り返しです。エストロゲンが安定すれば症状が落ち着き、減少すれば症状が出ます。更年期の終わりにはっきりとしたサインはないですが、身体が慣れてきて症状が軽くなってきたら、終わりのサインと捉えられます。
更年期とは閉経を迎える前後5年間で、一般的には40代後半から50代前半の10年間を指します。更年期の症状とは長い付き合いになりますので、つらい場合は医療機関に相談しましょう。
【あなただけじゃない】更年期の症状紹介
更年期の症状には、大きく分けて3つのタイプがあります。
- 血管の拡張と放熱に関する症状
- 身体症状
- 精神症状
参照元:公益社団法人日本産婦人科学会「更年期障害」
血管の拡張と放熱に関する症状は、ホットフラッシュが代表的です。身体症状には頭痛や肩こりなどがあり、精神症状には意欲の低下やイライラなどがあります。症状の程度には個人差があり、中には日常生活に支障をきたすこともあります。更年期かなと思ったら、セルフチェックをして自分の状態を把握しましょう。
更年期の症状は、他の病気が原因の可能性があります。症状が重く、生活や仕事に支障が出る場合は、医療機関を受診し、他の病気でないことを確認しておきましょう。他の病気がなければ、更年期の症状である可能性が高いです。かかりつけ医と治療法をよく相談しながら更年期を乗り越えましょう。
閉経後に出やすい症状
閉経とは、月経が永久に停止した状態のことです。月経がこない期間が12ヵ月以上続いた場合に、閉経したと判断します。閉経の時期には個人差があり、自分の閉経がいつになるかを事前に知る方法はありません。
閉経するとエストロゲンの分泌が少なくなるため、次の4つの症状が出やすくなります。
- 脂質異常症(いわゆる高脂血症)
- 動脈硬化
- 骨粗しょう症
- 肥満
参照元:更年期ラボ「更年期付近から注意したい病気」
脂質異常症、糖尿病、動脈硬化による高血圧などは生活習慣病のひとつですが、エストロゲンの分泌が少なくなることで、発症しやすくなります。更年期以前よりリスクが上がるため、定期健康診断がより大切です。
脂質異常症
脂質異常症は血液中に含まれるコレステロールと中性脂肪の値が、基準値から外れた状態です。脂質異常症の基準は以下の3つです。
- LDLコレステロール:140mg/dL以上
- HDLコレステロール:40mg/dL未満
- TG(トリグリセライド):150mg/dL以上
LDLコレステロール高値の主な原因は、飽和脂肪酸の摂り過ぎといわれています。飽和脂肪酸を多く含んでいる食品の例は、以下のとおりです。
- 肉の脂身
- バター
- ラード
- 生クリーム
- インスタントラーメンなどの加工食品
LDLコレステロール値が高い方は、インスタントラーメンやケーキ類を食べ過ぎていないか確認し、改善することが大切です。HDLコレステロール低値はTGの高値と連動することがあり、主な原因は次の3つです。
- 肥満
- 喫煙
- 運動不足
HDLコレステロールが低い方は、適度な運動をするように心掛けましょう。肥満の方は減量を、喫煙している方は禁煙することが大切です。
TG高値の主な原因は、糖質などエネルギー源の摂り過ぎです。甘いお菓子や清涼飲料水を好む方は量を減らし、白米をたくさん食べる方はお茶碗1杯にして、栄養バランスに気をつけて食事をしましょう。青魚には不飽和脂肪酸が含まれており、TGやコレステロールを低下させる働きがあります。
参照元:厚生労働省「脂質異常症」
動脈硬化
動脈硬化とは、血管壁に付着したプラークなどによって、血管が硬くなり弾力性が失われた状態のことです。変性したコレステロールが、血管内膜の下へ蓄積してプラークができます。摂りすぎた脂質などによってドロドロになった血液は、プラークを形成するだけでなく、血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。
動脈硬化の主な原因は、以下の5つです。
- 脂質異常症
- 糖尿病
- 高血圧
- 喫煙
- 肥満
参照元:厚生労働省「動脈硬化」
生活習慣の悪化が原因であることが多いので、心当たりのある方は改善するようにしましょう。動脈硬化の主な検査は、以下の3つです。
- 頸動脈超音波検査
- ABI(足関節/上腕血圧指数)
- PWV(脈波伝播速度)
頸動脈超音波は首にプローブをあてて頸動脈を観察し、プラークや血栓の有無、血管狭窄の有無などが調べられます。検査時間は病院や施設によって異なりますが、15〜30分程度であることが多いです。
ABI、PWVは同じ機械で同時に測定でき、両手両足の血圧を測って結果を出します。ABIは血管の詰まり具合をみる検査で、PWVは血管の硬さをみる検査です。
人間ドックでは、ここで紹介した3つの検査が受けられます。通常のコースではなくオプションで追加する必要があるかもしれませんので、事前に確認するようにしましょう。頸動脈超音波検査がオプションの場合は、3,500〜5,000円程度かかることが多いです。
骨粗しょう症
骨粗しょう症とは、骨密度が低下して骨折しやすい状態のことです。女性ホルモンの減少や老化と関わりが深く、閉経後に出やすい症状のひとつです。
骨折しやすい部位は、次の4箇所です。
- 背骨
- 手首の骨
- 太ももの付け根の骨
- 腕の付け根の骨
骨粗しょう症の原因は、骨形成(骨が新たに作られること)と骨吸収(溶かして壊されること)のバランスが崩れることです。できるだけ骨密度を下げないためには、カルシウムやビタミンDをしっかり摂るようにしましょう。
骨形成と骨吸収のバランスが崩れる主な要因は、以下の3つです。
- 加齢による骨量の減少
- 生活習慣による骨密度の低下
- 続発性骨粗しょう症
加齢による骨量の減少は、女性ホルモンの分泌の低下や腸管でのカルシウム吸収の低下などが理由のため、防ぎようのないリスクです。しかし、生活習慣による骨密度の低下は、改善すれば良くなります。骨粗しょう症になるリスクを少しでも減らすためには、バランスの良い食事と適度な運動が大切です。
肥満
肥満とは、体内に脂肪組織が過度に蓄積した状態で、体格指数(BMI)が25以上のものをいいます。BMIは「BMI=体重(kg)÷身長(m)²」の計算式が用いられ、判定は次の表のとおりです。
BMI(Kg/m²) | 判定 | WHO分類 |
<18.5 | 低体重 | Underweight |
18.5≦BMI<25.0 | 普通体重 | Normal range |
25.0≦BMI<30.0 | 肥満(1度) | Pre-obese |
30.0≦BMI<35.0 | 肥満(2度) | Obese class I |
35.0≦BMI<40.0 | 肥満(3度) | Obese class II |
40.0≦BMI | 肥満(4度) | Obese class Ⅲ |
引用元:厚生労働省「肥満と健康」
肥満には、内臓脂肪型肥満(りんご型肥満)と皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)があります。内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)は、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを発症するリスクが高く、閉経後の女性や男性に多いです。皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)は、糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクが低く、子どもや女性に多い傾向があります。
閉経後の女性は内臓脂肪がつきやすいので、バランスの良い食事をしたり、適度な運動をしたりするよう心掛けましょう。
閉経が早い場合と遅い場合の違い
閉経のタイミングには個人差があり、早い方と遅い方がいます。どちらの方が良いということはなく、それぞれに違ったリスクがあるのが現状です。エストロゲンには、骨を丈夫に保ったり、コレステロール値を正常に保ったりする働きがあります。
ここでは、閉経が早い場合と遅い場合の違いについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
閉経が早い場合
閉経が早い場合は、生理痛やPMS(月経前症候群)に早いうちから悩まなくてすむようになります。子宮筋腫による過多月経の方は、早く閉経することを願っている方もいるでしょう。閉経が遅い人と比べて、乳がん発症リスクが低くなります。エストロゲンが分泌される量が多く、期間が長いほど乳がんになるリスクが高いためです。
一方で、骨粗しょう症や動脈硬化などの病気になるリスクが、早いうちから高まります。エストロゲンの作用が早い段階で得られなくなることが原因です。
閉経が遅い場合
閉経が遅い方は、閉経が早い方に比べて脳梗塞を含む心血管疾患の発症率が低いことが知られています。エストロゲンの分泌期間が長いため、生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクが高くなる時期が遅いのが特徴です。
一方で、子宮内膜症や乳がんなどエストロゲンに依存した病気を発症するリスクが、閉経が早い方より高くなります。
閉経後や更年期の症状をやわらげる方法3選
閉経後や更年期はエストロゲンの分泌が低下するため、さまざまな症状に悩まされます。骨粗しょう症や動脈硬化のリスクが高まり、今まで以上に栄養バランスや運動に気を使う必要があります。ストレスをあまり感じない環境で生活することも、大事なことです。
ここでは、閉経後や更年期の症状をやわらげる方法を3つ紹介します。閉経後や更年期の症状に悩まされている方は、ぜひ参考にしてみてください。
生活習慣を見直す
閉経後はエストロゲンの分泌が少なくなり、生活習慣病になるリスクが上がります。この機会に生活習慣を見直して、必要があれば改善していきましょう。適度な運動を習慣づけることで、自律神経の働きが整えられます。交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできるようになるので、体内のバランスが保たれます。ウォーキングやヨガなどの有酸素運動をすると、更年期の症状に効果的です。
食生活の改善は栄養バランスに気をつけ、1日3食しっかり摂るようにしましょう。カルシウムやビタミンDなど、不足しがちな栄養素は積極的に取り入れたり、更年期の症状軽減に有効な大豆製品を食べたりすると良いです。
ストレスをできるだけ感じない環境で生活することも大切です。ストレスを解消できる趣味や仕事を持つことや、アロマセラピーなどでリラックスすると症状軽減につながります。更年期の症状軽減に効果があるエッセンシャルオイルは、クラリセージやサイプレスなどです。自分に合った方法を取り入れて、生活環境を整えていきましょう。
ホルモン補充療法(HRT)を受ける
ホルモン補充療法(HRT)は少量のエストロゲンを補う治療法で、ホットフラッシュなどの症状に有効です。子宮がある方はエストロゲンを単独で使用すると、子宮内膜増殖症のリスクがあるため、黄体ホルモンを併用します。手術で子宮を摘出した方は、エストロゲンを単独で使用して治療します。
参照元:公益社団法人日本産婦人科学会「更年期障害」
HRTを長期間続けると、乳がんや子宮体がんが懸念されます。治療を受ける場合は、定期的に乳房と子宮の検査を受けることが大切です。乳がんになるリスクは、HRTが5年未満であれば高まらないといわれています。しかし、5年以上使用する場合は、乳がんのリスクが高くなる可能性があるので注意が必要です。子宮がある方にはエストロゲンと黄体ホルモンを併用しますので、子宮体がんの発生率が高まらないといわれています。
(注)乳がん、卵巣がん、子宮体がんの既往がある方はHRTの可否についてはかかりつけ医とよく相談してください。
エクオールを摂取する
エクオールは、腸内細菌が大豆イソフラボンを分解することで産生されます。エストロゲンによく似た構造をしているので、更年期の症状改善につながります。しかし、エクオールがつくれる方は日本人で2人に1人といわれており、つくれる方でも1日に必要な量を産生できていない可能性もあります。1日に必要なエクオールの量は約10mgが目安です。エクオールを産生する腸内細菌を持っていない方は、大豆製品を食べてもエクオールがつくれません。
参照元:大塚製薬「エクオールとは」
エクオールがつくれる体質かどうかは、尿検査をすればわかります。専用の検査キット「ソイチェック」を購入し、採取した尿検体を郵送すると後日結果が届きます。公式サイトにソイチェックの流れが解説されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
(注意)乳がん、卵巣がん、子宮体がんの既往がある方はエクオールの摂取についてはかかりつけ医とよく相談してください。
【女性だけじゃない】男性の更年期とは
更年期障害は、女性だけではありません。あなたの夫も、更年期障害になる可能性があります。男性の更年期障害はLOH症候群とも呼ばれ、原因は男性ホルモンであるテストステロンの減少です。
テストステロンは中年以降にゆるやかに減少していき、男性の更年期障害は40歳以降の方にいつでも起こる可能性があります。テストステロンの減少の他にも、生活習慣の悪化やストレスが原因になることがありますので、注意が必要です。集中力が低下したりイライラしたりする症状があります。最近夫の様子がおかしいと感じたら、医療機関に相談すると良いでしょう。
【男性と女性の更年期の違い】
男性 | 女性 | |
原因 | 男性ホルモンの低下 | 女性ホルモンの低下 |
時期 | 特に決まっていない (40代以降いつまでも) |
閉経後の前後5年 (50歳前後) |
期間 | 終わりがない | 閉経後5年ほどで症状が落ち着く |
参照元:一般社団法人 日本内分泌学会「男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)とは」
おわりに
更年期に、明らかな終わりのサインはありません。症状がなくなって落ち着いても、ホルモンバランスが崩れれば症状が出現します。長い付き合いになりますので、つらいと感じたらひとりで悩まず、かかりつけ医や婦人科に相談すると良いでしょう。生活習慣や環境を改善しながら、症状とうまく付き合って行くことが大切です。