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プロテインには種類がある?!目的別の選び方や飲み方のコツとは

プロテイン
セゾンのくらし大研究 編集部

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プロテインは筋力アップはもちろん、健康でありたい方におすすめの栄養補給食品です。例えば、身体が疲れやすい、肌や髪のツヤが少なくなったという方はプロテインを食生活に取り入れることで改善される可能性があります。

しかし、プロテインにはいくつか種類があり、得たい効果によって飲み方もさまざまです。そこで、このコラムでは、プロテインを効果的に取り入れたいという方に向けて、種類や効果や目的別の選び方などをご紹介します。

プロテインとはどのようなもの? 

プロテイン

近年、プロテインはスポーツやウエイトトレーニングをする方以外にも必要なものとして注目されています。そもそもプロテインとはどんなものなのでしょうか。また、摂取することでどのようなメリットがあるのかについても見ていきましょう。

プロテインとは?

プロテインとはタンパク質の英語名です。タンパク質は私たちの身体を作るうえで欠かせない栄養成分です。具体的には、骨や筋肉、臓器などの身体の主成分で、人の身体を構成する成分の約20%を占めます。食品では、肉、魚、豆、卵、乳製品などに含まれており、普段の食事から摂取することが可能です。一般的に、プロテインという言葉を使うときには、タンパク質を多く含んだプロテインドリンクやプロテインバー、サプリメントのことを指します。

タンパク質が不足するとどうなるの?

タンパク質は身体のあらゆる部分を構成しているため、不足するとさまざまな不調をまねきます。例えば、筋肉量が減り、基礎代謝が下がるのも、タンパク質の不足が原因です。内臓や血管の働きが弱くなって貧血や疲労を引き起こすこともあるでしょう。身体が疲れやすい場合は、タンパク質不足の食事が原因となっている可能性もあるのです。

また、皮膚や毛髪を作る材料でもあるため、肌や髪のはりやツヤがなくなったり、爪に縦スジが生じたりします。このように生命維持に直結しない部分はタンパク質の活用が後回しにされるため、肌・髪・爪に症状が出た場合は、タンパク質不足のサインである可能性が大きいといえるでしょう。

その他、身体を守るための抗体を作る材料でもあるため、免疫力の低下をまねくことも考えられます。つまり、タンパク質が不足すると、健康的な身体を維持できなくなり、体調を崩しやすくなるのです。

プロテインのメリット

プロテインを活用することで次のようなメリットがあります。

①食事では足りていないタンパク質を補える

普段から食事量が少ない方は、タンパク質を多く摂ることが難しいでしょう。そのような方に便利なのがプロテインです。プロテインは、水や牛乳に溶かして飲むパウダータイプがあるため、手軽に摂り入れることができます。市販のプロテインバーを活用すると、小腹が空いたときに代用することも可能です。

②疲労回復効果や、肌や髪にツヤがでる

タンパク質は内臓や生体調節機能の成分として活用されています。そのため、疲れやすさを感じたり、肌や髪にツヤがなくなったりすると、タンパク質不足の可能性が高いです。プロテインを摂ることで疲労回復効果が期待でき、ツヤのある肌や髪が戻るでしょう。

③筋肉量がアップし、基礎代謝が上がる

トレーニングなどを行う場合に、プロテインを摂ることで筋肉量の増加を助けることは多くの方がご存じでしょう。筋肉は強い運動によって分解され、材料となるタンパク質を吸収して合成するというプロセスを経ながら強く大きくなっていきます。また、筋肉量が増えると基礎代謝も上がり、消費カロリーが増えるため、ダイエット中の方にもプロテインがおすすめです。

④高齢者のフレイルやサルコペニアの予防になる

フレイルとは「健康な状態と要介護状態の中間の状態」のことです。また、加齢による筋力の低下をサルコペニアといいます。高齢による筋力や運動機能の低下で要介護状態となる高齢者は少なくありません。厚生労働省によると、タンパク質の充分な摂取がフレイルやサルコペニア予防につながるとされています。年齢とともに筋力が低下してしまうことは避けられませんが、プロテインを活用することで健康的な状態を維持できるでしょう。

プロテインの種類とは?

プロテイン

プロテインには原材料や精製方法の違いによっていくつか種類があります。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインとは、牛乳を原料とするタンパク質です。ホエイはヨーグルトの上澄みにできる乳清のことでもあり、ホエイに含まれるタンパク質をホエイプロテインと呼びます。牛乳から作る場合は、乳脂肪などを取り除いています。そのため、牛乳と比べて脂質が少ない点が特徴です。

ホエイプロテインには、アミノ酸の中でも特に筋肉合成に有効なイソロイシンやロイシンなどの必須アミノ酸が含まれているため、筋肉量の維持や増量に役立ちます。その他に含まれる成分は、ミネラルや水溶性ビタミンなどです。水溶性で吸収が早いため、筋肉修復時にタンパク質を必要とする運動直後に補給すると効率的です。そのため、筋肉量を増やしたい方やキープしたい方が積極的に摂りたいプロテインとして多く流通しています。

ホエイプロテインは、精製度によってホエイプロテインコンセントレート(WPC)とホエイプロテインアイソレート(WPI)に分かれます。

WPC

WPCは別名「濃縮膜処理法」と呼ばれ、ホエイから水分を抜いて精製する方法です。そのため、ホエイに含まれるビタミン類やミネラルが多く残っています。同様に乳糖も残りやすいため、牛乳を飲んで下痢などになってしまう乳糖不耐症の方にはおすすめできません。WPCのタンパク質含有率は80%程度といわれています。

WPI

WPIの別名は「イオン交換法」です。WPC製法で分離したタンパク質をイオン交換するため、タンパク質以外の成分はほとんど除去されます。精製度が高いため、タンパク質含有率は90%程度といわれています。また、WPC製法に比べて吸収も早い点が特徴です。乳糖の含有率は低いため、乳糖不耐症の方も飲みやすいでしょう。

カゼインプロテイン

牛乳を原料としたプロテインにはもうひとつ、カゼインプロテインがあります。カゼインとは、牛乳からホエイと脂肪を取り除いた部分で、不溶性の固形成分です。アミノ酸のひとつであるグルタミンが多く含まれています。また、カゼインは不溶性のため、ホエイと比べて吸収スピードがゆっくりです。

ソイプロテイン

ソイプロテインは大豆由来の植物性タンパク質です。大豆が原料のため乳糖は含まれず、食物繊維やグルタミンなどのアミノ酸が豊富に含まれています。そのため、乳糖不耐症の方や動物性食品を摂らない菜食主義の方はソイプロテインを活用すると良いでしょう。

また、吸収スピードが遅いため、腹持ちの良さを活かして、ダイエット中の空腹感を避けるのにも有効です。

目的別プロテインの選び方

プロテイン

プロテインにはそれぞれ特徴があるため、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。目的別におすすめのプロテインをご紹介します。

筋力アップしたい(ホエイ)

トレーニングなどで筋力アップを目指している方には、ホエイプロテインがおすすめです。運動によって壊れた筋肉組織を回復させるため、運動後は栄養素の吸収率が高くなります。そのため、吸収が早く、筋肉を作るために必要なアミノ酸を多く含んだホエイプロテインを摂ることで、筋力アップにつながります。

寝ている時も身体作りしたい(カゼイン)

睡眠中に身体作りをするのであれば、カゼインプロテインを選びましょう。人間の身体は睡眠中も体内を回復させるために成長ホルモンが分泌されています。そのため、成長ホルモンなどの生体調節機能成分であるタンパク質を摂ることは、疲労回復や筋肉の成長にも効果的です。カゼインプロテインは吸収がホエイプロテインに比べて緩やかなため、寝る30分~1時間前に摂ることで、睡眠中の身体作りに役立ちます。

女性におすすめ!ダイエットしたい方向け(ソイ)

ダイエット中にプロテインを飲むのであれば、ソイプロテインがおすすめです。ソイプロテインはホエイプロテインに比べて吸収スピードが遅く、腹持ちが良いため食べ過ぎを防ぐことができます。また、大豆由来のイソフラボンが含まれており、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンと働きが似ていることから、更年期障害や骨粗しょう症などの改善が期待できます。

プロテインを飲むタイミングは? 

タイミング

では、プロテインはいつ飲むのが良いでしょうか?プロテインはその種類と飲むタイミングによって効果が変わります。目的に合わせて決めると良いでしょう。

運動後

筋肉量のアップを目指している方は運動直後に飲むのがおすすめです。特に、運動後45分以内にプロテインを摂取することが望ましいといわれています。なぜなら、運動によって傷ついた筋肉を素早く修復する効果が期待できるためです。この場合は、吸収スピードの早いホエイプロテインをおすすめします。

食事中

食べる量が少なく、食事で充分なタンパク質が摂れていない方は食事中にプロテインを飲むと良いでしょう。特に朝は、身体に水分や栄養が不足している状態であるため、タンパク質も欠乏しています。この状態でプロテインを飲むと、不足したタンパク質を補うことができ、筋肉量アップなどの身体作りにつながるのです。

ただし、食事の代わりにプロテインだけを摂るのは避けましょう。糖質が不足した状態でタンパク質を摂取すると、タンパク質はエネルギーとして消費され、筋肉合成に活用されないためです。ダイエット中は糖質を減らそうとする方もいますが、糖質とタンパク質は適度に摂取することが重要です。

おやつ

間食を減らしたい方や甘いお菓子をやめたい方は、おやつ代わりにプロテインを飲むのもおすすめです。ソイプロテインとカゼインプロテインであれば吸収が遅いため、腹持ちが良くおやつにぴったりです。また、運動前のおやつとしてプロテインを摂取しておくと、エネルギー源として活用されます。そのため、エネルギー源を筋肉から補おうとするのを防ぐことが期待できます。

寝る前

疲労回復や、就寝中も身体作りを期待するのであれば、寝る前にカゼインプロテインを飲むと良いでしょう。就寝中は成長ホルモンが多く分泌され、筋肉量を増やしたり、身体の調整機能をコントロールしたりしています。成長ホルモンが活発になっている就寝中にタンパク質を補うことで、タンパク質の吸収をさらに高めることができ、筋肉量アップにつながります。

寝る直前は胃腸に負担がかかるので、就寝30分~1時間前に飲みましょう。そうすることで、成長ホルモンの分泌ピークである就寝後30分~3時間に合わせてタンパク質を補給することができます。

プロテインを飲む・選ぶ際の注意点 

注意点

効率良くタンパク質が摂れるプロテインですが、注意点もあります。

1日の摂取量に注意

タンパク質を過剰に摂取すると、余分なものは窒素となり、体外に排出しようとする働きから肝臓や腎臓に負荷がかかる可能性があります。そのため、1日に必要なタンパク質量を把握し、プロテインからの摂取は食事で補えない分のみにとどめるようにしましょう。

1日に必要なタンパク質は、厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2020年版)で確認してみてください。

参照元:「日本人の食事摂取基準」策定検討会 日本人の食事摂取基準(2020年版)1―2 たんぱく質

飲み方次第で太ることも 

タンパク質を一度に大量に摂ってしまうと、筋肉に活用されなかった分はカロリーオーバーとなり、脂肪として蓄えられてしまいます。つまり、体重増加につながる可能性があるのです。運動をせずにプロテインを飲むこと自体は問題ではありませんが、1日の摂取カロリーを超えてしまうと、太ってしまう可能性があるため注意が必要です。

成分をチェックして購入しよう 

プロテインバーやプロテインドリンクのタンパク質含有量は商品によって異なります。また、1回量当たり10g~20gと幅も広いため、効率良くタンパク質を摂取したい場合は、タンパク質含有量をチェックしましょう。

なかには、タンパク質だけではなくビタミンやカルシウムを配合している商品もあります。不足しがちな栄養素も一緒に摂ることで、健康的な身体作りが期待できます。

おわりに 

健康維持のために必要なタンパク質が効率的に摂れる、プロテインについてご紹介しました。食事量が少なかったり、食事バランスが悪かったりするとタンパク質不足に陥りがちです。その結果、疲れやすさや肌や髪のツヤにも影響します。加齢による筋力低下も避けられないため、意識してタンパク質を補っていくと良いでしょう。いきいきと過ごすためにも適度な運動とバランスの良い食事だけでなく、プロテインを活用して筋肉量アップや健康な身体作りに役立ててください。

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