年齢や季節によって変化?理想の睡眠時間を解説!

年齢や季節によって変化?理想の睡眠時間を解説!

私たちの生活の一部に睡眠があります。理想の睡眠時間はご存じでしょうか。世の中には「長く眠った方がいい」「眠れるときに寝溜めしておく」など、長く眠ることを良しとする風潮があります。反対に、「ショートスリーパー」という言葉を耳にするようにもなり、睡眠の質を気にしたり改善したいと考えたりする方も多くいます。 

睡眠は加齢や環境、食生活など、さまざまな要因から影響を受けやすい繊細なものです。実は、理想の睡眠は時間ではなく、いかに質の良い睡眠を得るかが大事なのです。この記事では、理想の睡眠について、さまざまな観点から説明していきます。 

1.理想の睡眠時間とは?

理想の睡眠時間は、さまざまな研究結果により6〜8時間といわれています。しかし、全ての方にこの時間が当てはまるわけではありません。理想の睡眠時間を測る方法は、目覚めが良く、日中に眠気を感じず活動的に過ごせるどうかが目安とされています。 

何時間と断定できない理由は、睡眠が生活習慣の一部だからです。年齢や性別、精神状態によって、個人差が大きく生じます。 

例えば、8時間以上眠っても寝足りなさを感じるようであれば、睡眠が足りていないと考えられます。反対に、睡眠が6時間以下だったとしても体がスッキリしていれば、充分に眠れたといえます。 

他人や一般的なデータと比較するのではなく、自身にとっての理想の時間を把握することが重要です。そのためには、日々の体調や健康状態などをよく観察していきましょう。 

ここまで、必要な睡眠時間は個人によって差があるとお伝えしてきました。世の中には短時間睡眠でも支障なく活動できる「ショートスリーパー」、長時間睡眠が必要な「ロングスリーパー」と呼ばれる体質の方がいます。 

以下、双方について詳しい特徴を説明していきます。 

1-1.ショートスリーパーとは 

ショートスリーパーは、睡眠が短時間でも健康に支障がなく、活動的に生活を送れる方のことです。 

日頃短い睡眠で活動している方でも、日中眠たくなる場合はショートスリーパーではなく睡眠不足の状態です。無理にショートスリーパーになろうとするのではなく、自身に必要な睡眠時間を考えていきましょう。 

1-2.ロングスリーパーとは

ロングスリーパーは、長時間睡眠が必要な方のことです。長い時間眠ると体調が良くなる体質です。 

ロングスリーパーの方は過眠症だと勘違いされることもありますが、これは全く別物です。過眠症の場合は、いくら長時間眠ったとしても日中に強い眠気に襲われるという特徴があります。ロングスリーパーは長い時間寝ても、その方にとって必要な睡眠量であれば眠気を感じずに過ごせます。 

2.睡眠時間は年齢によって変化する

睡眠時間は年齢とともに変化していき、歳を重ねるにつれて時間が短くなるとされています。加齢とともに、日中の活動時間や運動量は減少します。その分、消費するエネルギーも減るため、体を回復させるのに必要な時間が短くなります。 

以下の表に、平均睡眠時間をまとめてみました。こちらも個人差がありますので、あくまで目安ととらえてください。 

年齢 睡眠時間 
10代前半まで 約8〜9時間 
10代後半 約8時間 
20代 約7時間 
40代 約6.5時間 
60代 約6時間 

参照元:https://www.otsuka.co.jp/suimin/column02.html 

2-1.高齢者の睡眠事情

高齢者の睡眠傾向として、眠りが浅いということが分かっています。加齢とともに活動量や消費エネルギーが減ることから、浅い睡眠が増えるようになります。眠りが浅いと少しの物音や尿意に敏感になり、目が冷めやすくなるため、長い時間眠っていられず早起きになる傾向があります。 

また、加齢とともに体内時計が変化することから、生活リズムが朝寄りになっていきます。そのため、結果的に早寝早起きになると感じている方が多いのです。 

さらに、寝床に入っている時間が長くなる高齢者が増えています。眠りが浅くなったり睡眠時間が短くなったりすることで、寝床に入ったまま眠れない時間を過ごす方が多いようです。しかし、寝つきが悪いからといって長時間寝床に入っていると、以下の症状が懸念されるため、注意が必要です。 

  • 睡眠満足度の低下 
  • 不眠症 
  • 日中に眠気を感じる 
  • 夜間に異常行動がみられる 

また、専門医による検査や治療が必要な睡眠障害を引き起こす可能性もあります。 

  • 睡眠時無呼吸症候群 
  • レストレスレッグス症候群 
  • 周期性四肢運動障害 
  • レム睡眠行動障害 

3.季節ごとの睡眠時間の変化  

日本には四季があり、私たちの睡眠はその変化による影響を受けています。これには、日照時間の変化が関係していると考えられています。 

日が短くなる寒い時期は睡眠が長くなり、日が長くなる暖かい時期は短くなるのです。その差はわずかですが、約30分といわれています。 

これは人間の体内時計が日照時間の変化を感じ取り、睡眠のタイミングを変えているためです。つまり、暗い時間には眠気を感じ、明るくなると目が覚めるのです。 

また、気温による変化も睡眠に関係してきます。夏は暑さによって、冬は寒さによって、何度も目が覚めてしまった経験は多くの方があるのではないでしょうか。このように、季節による環境変化も眠りに影響しています。 

4.睡眠時間が短すぎることによる影響

ここまで、睡眠は個人や環境によって変化するとお伝えしてきました。しかし、極端に睡眠時間が短すぎると、人体にさまざまな弊害が生じてきます。充分に体を休めることができないため、心身ともにダメージを受けてしまうのです。 

睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌されており、睡眠が不充分だとホルモンの分泌量が減り、健康状態を維持することが難しくなります。先述したショートスリーパーと呼ばれる方は、短い睡眠でも健康状態を維持できると考えられているため、この場合は対象から除きます。 

本章では、短すぎる睡眠が具体的にどんな影響をもたらすのか、一つずつ説明していきます。 

4-1.認知機能の低下 

睡眠不足は、その言葉のとおり睡眠が足りていない状態です。眠気を感じているときは、脳が正常な機能をしていないのです。その結果、集中力が低下し、倦怠感や疲労感を覚えるようになります。また、物事を認知する機能が鈍るため、覚えたり思い出したりという記憶力も低下します。 

そのため、さまざまなミスが増えるばかりか、車の運転や精密な作業をする際などは危険が伴います。取り返しのつかない事故につながる恐れもあるため、注意が必要です。 

4-2.ストレスの蓄積 

睡眠不足の状態は正常な状態と比べて、不安を感じたり気分が落ち込んだりしやすいといわれています。睡眠不足により脳が負の感情を感じやすくなるためです。 

また、睡眠不足によってストレス耐性が弱まるともいわれています。寝ている間にストレスを処理するためのホルモンが分泌されますが、時間が短いとホルモンの分泌量も減ってしまいます。ストレスに対し、心や体が適切な対応をとれなくなるのです。 

さらに、睡眠不足が慢性化し始めると精神的に不安定な状態が続きます。心に余裕がなくなり、怒りっぽくなったりマイナス思考になったりすることもあるでしょう。うつ病を発症する可能性も考えられますので、たかが睡眠不足と侮ってはいけません。 

4-3.肌の不調 

睡眠が足りていないと、クマ・ニキビ・肌のくすみなど、さまざまなトラブルが現れます。寝ている間に分泌される成長ホルモンには、肌の状態を健やかに整えてくれる働きがあります。本来、肌は眠っている間に再生されますが、時間が短いと肌が成長しなくなり肌荒れが起きやすくなるのです。 

さらに、睡眠不足により肌を守ってくれるバリア機能も損なわれていくため、外的刺激も受けやすくなります。一度低下した肌の機能は元に戻りにくく、早めの睡眠改善が必要です。 

4-4.体重の増加 

睡眠不足は食欲を増幅させ、肥満にもつながります。睡眠不足の状態だと、食欲を増加させるホルモンが増えます。反対に、食欲を制御するホルモンは減ります。このことが食べ過ぎにつながり、体重が増えてしまう原因です。 

また、起きている時間が長い分、食べたり飲んだりする機会が増えることも原因と考えられています。 

さらに、新陳代謝が悪くなり、基礎代謝量が落ちます。眠気を感じていると体調が優れず、日中の活動量も減ってしまうため、太りやすく痩せにくい体質になってしまうのです。 

5.睡眠時間が長すぎることによる影響

睡眠を長くとりすぎることも人体にとっては悪影響です。長時間睡眠は体内時計のリズムを乱し、さまざまな不調をもたらすといわれています。「長く眠ったのに疲れがとれない」という経験はありませんか。 

ただし、先述したロングスリーパーと呼ばれる方は、長く眠った方が健康的に過ごせるとされているため、この場合は対象から除外されます。 

では、寝すぎることによって生じる弊害について、詳しく説明していきます。 

5-1.睡眠の質の低下 

寝ている時間が長すぎると、睡眠のリズムが崩れていき睡眠の「質」が低下します。個人に合った理想の時間を確保することも大切ですが、実はそれよりも「質」が大切です。 

質の良い睡眠は、浅い眠りから徐々に深い眠りに入っていきます。そして、目覚める前には浅い眠りに戻っていき、スッキリと目が覚めます。長く寝すぎると、深い睡眠と浅い睡眠のバランスが崩れてしまいます。そのため、疲労感や倦怠感などの睡眠不足と同じような不調を感じるのです。 

5-2.腰の痛み 

長い時間眠ったままでいると、同じ体勢をとり続けていることから体に負担がかかり、腰痛を引き起こします。体を支える部位である腰には体重が集中するため、負荷がかかりやすいのです。 

長い時間椅子に座っていたり身動きがとれない状態でいたりすると、体が痛くなることがあると思いますが、知らず知らずのうちに同じ現象が起こっています。 

特に、足腰の衰えや筋力が低下している高齢者の方は注意が必要です。体を休めようと横になっている時間が長いと、体に負荷がかかっているかもしれません。 

5-3.体重の増加 

長く眠ることで日中の活動量が減少すると、エネルギーを消費する時間も少なくなり、太りやすくなってしまいます。また、睡眠中は体を休めるために体温が低下しています。この状態もエネルギー消費量の低下につながります。 

特に、休みの日はゆっくり眠って好きなものを好きなだけ食べるという生活をしている方は注意が必要です。長時間睡眠でエネルギーを消費しにくい状態にもかかわらず、通常通り、またはそれ以上に食事をとる行為は肥満につながります。 

6.睡眠の質を良くする食事習慣

睡眠の質を良くするためには、食生活にも気を付ける必要があります。乱れた食生活は、睡眠までも妨害します。食事は体を作るといいますが、まさにそのとおりです。 

この章では、睡眠の質を上げるための食生活や、控えた方が良いものについて説明します。 

6-1.3食規則正しく食べる 

1日3食とることは、生活リズムを規則正しく整えることにつながり、睡眠の質が向上します。また、朝食を食べることも大切です。脳を動かすために必要なブドウ糖は、寝起きが最低値となっています。この状態では頭が働かず、日中を活発に過ごせません。 

朝食をきちんととることで、体内時計が動くようになり体のリズムが整います。 

6-2.夕食は寝る3時間前までにとる 

食事をとると、消化と吸収のため約3時間は胃が活発に動くといわれています。そのため、寝る直前に食事をとると胃を休めることができません。胃が活発に動いたままだと体の中心の体温が下がらないため、睡眠の質が下がります。 

6-3.カフェインは寝る4時間前まで 

カフェインの作用は、疲れているときにこそ効果を発揮します。1日の疲労が出る夕方以降の摂取は気を付けなければなりません。カフェインの作用は、若い方は1〜2時間、高齢者だと4〜5時間も体の中に残るといわれています。穏やかに眠るためには、少なくとも4時間前までに控えましょう。 

6-4.アルコールは控えめに 

アルコールには脳を麻痺させる作用があります。眠気を感じ睡眠に入りやすくなりますが、眠りは浅くなり睡眠の質が低下してしまいます。晩酌の習慣がある方も、飲酒は適量にしておきましょう。 

6-5.グリシンを含む食品を食べる

グリシンを摂取すると、睡眠の質が良くなると考えられています。グリシンを意識的に摂取することで、体の中心の温度を下げてくれ、深い眠りへと導いてくれるのです。 

グリシンは、肉類、魚介類、野菜類などに幅広く含まれています。また、近頃はグリシンを含むサプリメントも発売されています。必要に応じて取り入れてみるのも良いでしょう。 

おわりに 

理想の睡眠時間には個人差があり、明確な時間はありません。年齢や体調、季節によっても変化が生じます。睡眠が極端に短かったり長かったりすると、心身にさまざまな悪影響を及ぼす恐れもあります。特に高齢者の方は、睡眠傾向の変化や睡眠障害のリスクなどがあるため、注意が必要です。 

日々の食事や生活習慣に気を配り、体がしっかりと休まる状態で眠りましょう。生活習慣を見直すことで、深い眠りと浅い眠りのバランスがとれた良質な睡眠を得られます。睡眠時間を気にするよりも、質の良い睡眠がとれるように心掛けていきましょう。日中に眠気を感じず快適に過ごせることが、良質で最適な睡眠がとれている目安となります。