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【医師監修】口臭ケアにおすすめアイテムは?原因とすぐに実践できるケア方法を紹介

【医師監修】口臭ケアにおすすめアイテムは?原因とすぐに実践できるケア方法を紹介
大西 正嗣 歯科医師

監修者
大西 正嗣 歯科医師

医療法人正翔会 理事長。東海地区で4店舗展開(岡崎エルエル歯科・矯正歯科、葵デンタルデザインオフィス、名古屋みなみ歯科・矯正歯科、加納歯科医院)。一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科、矯正歯科などの全ての分野での治療に対応。

人の印象を左右する口臭。「最近、自分の口臭が気になる」「親しい人に口臭を指摘された」など、口臭に関する悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、口臭の種類や原因、セルフチェック方法、口臭ケアにおすすめのアイテムや対策方法について紹介します。口臭の原因や対策方法を実践することで、少しでも悩みを軽くできるかもしれません。口臭に不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

口臭とは

口臭とは、周囲が不快感を抱くような口の臭いのことです。口臭は、口の中に存在する細菌がアミノ酸やたんぱく質などを分解し、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれる物質が発生することによって生じます。

VSCは、舌の表面に食べカスなどが付着して細菌が繁殖することで起こるとされ、舌の上で多くつくられています。80%以上が口の中に原因があるといわれている口臭。原因を知って正しいケアを行いましょう。

参照元:厚生労働省 口臭の治療・予防

口臭の種類

口臭の種類

口臭の種類は、主に5つの原因に分けられます。それぞれ見ていきましょう。

生理的口臭

生理的口臭は、唾液の分泌量の減少によって起こります。起床したとき、空腹のとき、緊張しているときなどは、唾液の量が減って、口の中の自浄作用が働かなくなるため、口臭の原因となる細菌が増えるのです。

生理的口臭は、舌の表面に白いかたまりのようなものがたまる「舌苔(ぜったい)」によって生じています。口の中が乾燥しているときや体調が悪いときは、舌苔の量が増えて、口臭が強くなるので、こまめなケアが大切です。

歯周病や虫歯などによる病的口臭

病的口臭は、病気が原因で発生する口臭です。病気は主に、口腔内と全身由来の2つに分かれます。口腔由来の病気には、歯周病や虫歯、ドライマウスなどが挙げられ、病的口臭のうち90%以上が口腔由来です。

全身由来の病気には、消化器系や呼吸器系、糖尿病などがあげられます。いずれにしても、病気が原因で口臭が発生しているので、改善するには病気そのものを治療しなければいけません。

食べ物や飲み物による口臭

にんにくやネギ、お酒、コーヒー、タバコなど、臭いが強い飲料物や嗜好品も口臭の原因のひとつです。ただしこの場合、一時的なものなので、時間の経過とともに臭いは消えていきます。臭いが強いものを口にした後は、うがいや歯磨きをして、臭い成分が排出されるのを待ちましょう。

ストレスによる口臭

ストレスは唾液の分泌量を減らします。唾液が減ると口の中の細菌が増殖するため、口臭につながります。ストレスの要因は人それぞれですが、解消には規則正しい生活や適度な運動、整った食生活が欠かせません。生活習慣を一度見直してみるのも手だといえます。

心理的要因による口臭

「心因的口臭」「自臭症」「口臭恐怖症」とも呼ばれ、本人だけが臭いと思い込んでしまう症状です。過去に何回か口臭を指摘されたことがあるなど、精神的な思い込みによる症状で、女性や口臭に対して敏感な方が多い傾向になります。

症状がひどくなると、人前で話せない、会社に行けないといった症状にまで発展するケースがあるので、早めに病院を受診をしましょう。

マスク生活で気になるその口臭!原因と対策方法はある?

マスク生活で気になるその口臭!原因と対策方法はある?

マスク生活をしていると、マスクの中に息がこもって、今まで気にならなかった口臭が気になる方も多いのではないでしょうか。原因と対策方法をご紹介します。

原因1:口呼吸

マスクを着けていると息苦しさで、無意識のうちに口呼吸をしてしまう方も多いでしょう。口呼吸は口の中が乾燥するため、虫歯や歯周病の原因となる菌が増殖しやすい口腔内環境になってしまうのです。

また口呼吸は、口臭の原因となる虫歯や歯周病の原因菌を増やすだけでなく、風邪や感染症にかかりやすくなったり、口周りの筋肉が衰えたりと、身体のさまざまな部分に影響します。

原因2:口の中の細菌

毎日歯を丁寧に磨いていても、歯磨きのクセや歯並びの影響で磨き残しが発生し、プラークがどんどん口の中に蓄積していきます。細菌の塊であるプラークは、虫歯や歯周病の原因となるだけでなく、口臭にもつながっていくのです。また、時間が経つと歯石となって、歯磨きだけでは取り除くことが難しくなってしまいます。

対策1:口を乾燥させない

口臭対策として、口の乾燥を防ぎましょう。食事のときによく噛んだり、頬の横を押すように行う唾液腺のマッサージを行ったりするのが効果的です。ほかにも水分補給で口を潤したり、ガムを噛んだりすることでも唾液を増やせます。

対策2:口を清潔にする

口の中を清潔に保つことは、口臭対策に限らず全身のケアにもつながります。食事のあとは、食べかすや歯垢をしっかり落としましょう。セルフケアだけでは落としきれない汚れは、歯医者などで定期的なケアを受けるのがおすすめです。

口臭の原因になる病気とは

口臭の原因になる病気とは

ここでは、口臭の原因となる病気について、一つひとつ見ていきましょう。

虫歯

虫歯には独特の臭いがあります。虫歯の奥に、虫歯菌や食べかすがたまると、細菌が繁殖して臭いが強くなり、口臭の原因となるのです。虫歯が小さいうちは、そこまで口臭は気になりませんが、虫歯が進行してくると口臭がきつくなってきます。

さらに虫歯が深刻になると、たんぱく質でつくられている歯の神経にまで達し、より臭いが強烈になるため、早いうちに治療することが大切です。

歯周病

歯周病は、初期段階では痛みもなく気付きにくいですが、そのまま放置していると静かに進行していく病気です。歯周病が進むと、歯磨きなどちょっとした刺激で歯茎から出血したり、出血に膿が混ざったりするようになります。

歯周病は、磨き残しなどで歯と歯茎の間の溝が深くなり、その中に細菌が住みつきます。この細菌が出すガスが、口臭の原因となるのです。

舌苔(ぜったい)

舌苔(ぜったい)は、舌の表面の凹凸部分に口内の細菌がたまった固まりです。口臭の原因のほとんどが、舌苔といわれています。舌苔がつきやすい理由には、舌の凹凸が大きいことで口内の食べカスなどが付着する、口呼吸によって口腔内が乾燥し細菌が繁殖する、などが挙げられます。

普段から舌をきれいにして舌苔を取り除くことが口臭軽減につながるため、定期的にセルフチェックしましょう。

歯垢・歯石

歯垢(しこう)は、歯の表面に付着する細菌のかたまりです。プラークとも呼ばれ、歯の表面に食べ物の残りカスが付着し、細菌が繁殖したことで、白くネバネバした状態になっています。虫歯や歯周病の原因となるため、歯垢除去には、毎日の歯磨きが欠かせません。

歯石(しせき)は、歯垢が長時間経って唾液中のカルシウムとリン酸と混ざりあって固まったものです。歯石がたくさん付くと、口臭もひどくなります。歯石除去には定期的な歯医者での除去が必要です。

唾液の減少(ドライマウス)

唾液は、「口の中を洗い流す」「細菌の増殖を抑える」「口の中の粘膜を保護する」といった口臭予防に大切な役割を担っています。そのため、唾液の分泌量が減ってしまうと、口の中が不衛生になり、虫歯の原因になったり、口の中が乾燥して口臭がきつくなったりするのです。

さまざまな原因によって唾液の量が減って、口の中が乾燥状態になるドライマウスという病気があります。自覚症状でセルフチェックもできるので、気になる方はチェックしてみてください。

喉や鼻、呼吸器系の病気

鼻は口とつながっているため、咽頭炎や蓄膿症など喉や鼻の病気にかかっていると、細菌によってたんぱく質の分解量が増えて、口臭の原因になることがあります。ほかにも、呼吸器や消化器、糖尿病など、病気によって口臭が発生する場合もあるのです。

口臭ケアの前に試してみよう!セルフチェックの紹介

自身では気付きにくい口臭も、身近なもので簡単にチェックできます。口臭ケアの前に、まずはセルフチェックしましょう。

唾液の臭いを嗅いでチェック

唾液の臭いで確認する方法を紹介します。

指に唾液をつける

歯と歯ぐきの間や舌の上を指で触ってみて、臭いを嗅いでみてください。唾液が臭い場合、乾燥して口臭の原因になるので、口臭ケアが必要です。

ティッシュに唾液をつける

4つ折りにしたティッシュを使って、舌の表面を奥から手前へと拭き取ります。舌の奥から拭き取るのがポイント。拭き取ったティッシュを1分程度放置し、臭いを確認します。

息の臭いを嗅いでチェック

息の臭いで確認する方法を紹介します。

コップを使う

コップに息を吹き込んで、厚紙などで蓋をします。3秒ほど経ってからコップの中の臭いを確認し、嫌な臭いを感じたら、口臭が発生しているでしょう。

ビニール袋を使う

ビニール袋に息を吹き込んで、袋を閉じます。袋の中の臭いを嗅いでみて、きつい臭いを感じたら、口臭の可能性があるでしょう。

市販の口臭チェッカーを使う

口臭チェッカーとは、口臭の原因である揮発性硫化物(VSC)を測定する機器です。息を吹きかけるだけで、口臭の臭いを数値で表してくれます。口臭の数値を客観的に知りたい方には使ってほしいアイテムといえるでしょう。正しく測定するためにも、食べ物や歯磨きの影響を受けにくい、空腹時や起床時の使用が適しています。

口臭ケアにおすすめのアイテム

口臭ケアにおすすめのアイテムを商品とともに紹介します。WEBサイトから購入もできるので、ぜひチェックしてみてください。

歯磨き粉

口臭ケアとして歯磨き粉を選ぶときは、口臭効果が期待できる薬品成分が配合されているか確認しましょう。「ラウロイルサルコシン」「塩化セチルピリジニウム(CPC)」「ナトリウム(LSS)」「トリクロサン(TC)」などは、殺菌作用があるため、口臭ケアに効果が期待できます。

また、「フッ素」には、歯の表面のエナメル質を強化し、抗菌作用によって口腔内の殺菌増殖を抑える働きがあります。ほかにも口臭の原因ともなる歯周病を防ぐ成分の「塩化セチルピリジニウム(CPC)」「イソプロピルメチルフェノール(IPMP)」などもチェックしましょう。

■カムテクト『口臭予防 歯周病予防 歯磨き粉

IPMPやCPCを配合し、口臭や歯周病の原因となる口内細菌の除去が期待できる歯磨き粉です。炭酸水素ナトリウムの粒子が、歯磨き中に溶け出し、ブラッシングでの歯垢除去の手助けとなります。

第一三共ヘルスケア『薬用イオン洗口液 ブレスラボ マウスウォッシュ

口臭予防に効果のある薬用成分を2種配合した薬用洗口液です。外出前や就寝前の歯磨きの仕上げに併用することがおすすめです。

ConCooL ウエルテック コンクール 『ジェルコート

ムシ歯の発生および進行・歯周炎(歯槽膿漏)・歯肉炎の予防、口臭の防止におすすめの歯磨き粉です。フッ素が配合されているので、歯垢を落とすだけでなく予防も実現ができます。

タブレット

タブレットは、口臭や口内の粘つきなどが気になるときなどに気軽に口臭ケアができるアイテムです。口内環境を整えたり、舌苔を落としたりすることで、口臭予防効果が期待できます。タブレットを選ぶときは、ハーブや茶カテキンなど植物由来ポリフェノールが含まれているものを選びましょう。

ポリフェノールは口臭原因のVSCの発生を抑えてくれます。ほかにも「乳酸菌」は歯垢を除去して、口内環境を整えたり、「キシリトール」は虫歯の原因菌を抑制したりといった効果が期待できるため、配合成分をチェックしてみましょう。

ただし、キシリトールが入っていても糖類が含まれているものは虫歯予防には不向きなので注意してください。

モンデリーズ・ジャパン『クロレッツ リラックスタブレット

緑茶ポリフェノールを配合し、スペアミントをベースとした、甘みのあるタブレットです。大粒タイプで、「味わい」と「香り」がお口の中で長続き。シュガーレスなので、糖類を気にせず食べられます。タブレットなどを口に含む事により唾液の分泌を促して、舌苔を洗い流したり、口臭の原因である汚れを付きにくい状況にもしてくれます。

手軽に購入ができる、Asahi 『MINTIA』の瞬間シリーズもおすすめです。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュは口腔内の除菌や口臭予防として、適量を口の中に入れて、数十秒クチュクチュとうがいをしたあと吐き出して使用します。歯磨きで取り除けなかった細菌の除去をする役割があるため、口臭予防を高めるためにも歯磨き後に使用しましょう。

マウスウォッシュにもさまざまな成分が含まれますが、殺菌作用のある「グルコン酸クロルヘキシジン」「セチルピリジニウム塩化物水和物」が含まれているものがおすすめです。

第一三共ヘルスケア『ブレスラボ マウスウォッシュ シトラスミント(ノンアルコールタイプ)

口臭の原因菌の殺菌と、病的口臭の予防で、口臭ケアにしっかりアプローチします。ノンアルコールタイプになっていて刺激が控えめ。シトラスミントの爽やかなフレーバーで、お口の中がすっきりします。

多少の刺激が大丈夫な方でしたら以下のリステリンシリーズもおすすめです。

舌ブラシ

舌ブラシは、舌の表面に付いた舌苔を落とすときに使うアイテムです。舌の奥から手前に向かってブラッシングします。

形状や素材、持ち手などが異なるさまざまな種類があるので、使いやすいものを選びましょう。初めて舌磨きをする方は、毛先が柔らかいブラシタイプがおすすめです。シリコン素材であれば舌を傷つけにくいので安心でしょう。持ち手はヘラ型やブラシ型などがありますが、しなる方が磨きやすいためおすすめです。

デンタルプロ『舌ブラシ

舌触りの良い柔らかいソフト毛でつくられたブラシタイプの舌ブラシです。2列の配列の異なる毛が、舌の汚れを効果的に落とします。薄型ヘッドで大きく口を開けなくても舌を磨けるのもポイントです。

日頃から口臭ケアをしよう!

【医師監修】口臭ケアにおすすめアイテムは?原因とすぐに実践できるケア方法を紹介

口臭対策には、日頃からのケアが大切です。最後にすぐに実践できる口臭ケアについて紹介します。

口内を清潔に保とう

口内を清潔に保つ方法を紹介します。

しっかり歯を磨く

口臭ケアに歯磨きは欠かせません。理想の歯磨きの回数は、朝・昼・晩の毎食後3回に、起床後を加えた4回といわれています。就寝中は唾液の量が減るため、最も細菌が増殖するからです。どんなに忙しくても、就寝前と起床直後は歯を磨くように心掛けましょう。

舌苔を除去する

舌苔を取り除くことは、口臭予防にもつながります。専用の舌ブラシや毛先が柔らかい歯ブラシで、1日1回を目安に行いましょう。

タイミングは舌苔の付着量が多い朝がおすすめです。ただし、舌苔が気になるからといって磨きすぎると、舌を傷つけてしまう可能性があるので、磨きすぎには注意して軽い力で行いましょう。

口内の乾燥を防ごう

口内の乾燥を防ぐ方法を紹介します。

唾液の分泌を増やす

唾液の分泌を増やすことも、口臭ケアにつながります。食事ではよく噛んで食べて、食事以外の時はガムを噛んで、唾液を減らさないようにしましょう。唾液腺のマッサージや軽い運動でストレス発散することでも、唾液腺を刺激して、唾液の分泌が増えます。

鼻呼吸を意識する

口呼吸は口の中が乾燥してしまいます。無意識で口呼吸をしている方は、鼻で呼吸するように意識しましょう。

生活習慣を整えよう

生活習慣を整えることも口臭ケアのひとつです。

バランスの取れた食生活を意識する

舌苔は胃腸の不調によっても増加します。1日3食規則正しく食べて、刺激物は控えた消化の良いものをよく噛んで食べるように意識しましょう。腸内環境を整える乳酸菌や海藻類を積極的に取るのがおすすめです。

禁煙する

タバコは唾液の分泌を抑制するため、口の中が不衛生になり、歯垢や歯石が付きやすくなります。さらにタバコに含まれるニコチンが口内に残って臭いの原因になるだけでなく、歯ぐきの血流を悪くし、歯周病を加速させるのです。口臭ケアと健康のためにも禁煙しましょう。

おわりに

口臭の原因の多くは、口の中にあります。唾液の分泌量が減って、口の中の細菌が増殖し、舌苔が生じることで引き起こされるため、口内環境を整えることが重要です。歯磨きと定期的な舌苔の除去で、口内を清潔に保ち、唾液の分泌を促しながら生活習慣を整えることで、口臭ケアにつながります。口臭が気になる方は、紹介したアイテムを参考にしながら、日々の口臭ケアに取り入れてみてくださいね。

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