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妊活中にお酒を飲んでも良い?アルコール以外に気を付けたい飲み物と男性への影響

妊活中にお酒を飲んでも良い?アルコール以外に気を付けたい飲み物と男性への影響
セゾンのくらし大研究 編集部

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妊娠中のお酒は「胎児性アルコール症候群」などを引き起こす可能性があるため、原則としてNG食品とされています。妊活中の女性にとっても、妊娠していることに気付かずにお酒を飲んでしまう事態を防ぐために、基本的にはお酒は避けた方が良いとされます。しかしアルコールを制限することでストレスが蓄積されてしまえば、ストレスの影響で不妊につながることも考えられます。そのため妊活中のお酒は、適度なペースで上手に付き合っていくことが重要です。

今回のコラムでは、妊活中のお酒の影響について詳しく解説し、上手な付き合い方やお酒以外にも注意したい飲み物をご紹介します。男性にとっての影響も取り上げているので、ぜひパートナーと一緒にお酒との付き合い方を考えましょう。

妊活中のお酒は妊娠への影響は少ない

最初に結論からご紹介すると、妊娠前の適量の飲酒は、妊娠する確率に影響を与えないことが判明しています。デンマークで行われた21歳〜45歳の6,120人の女性を対象とした調査では、週に14杯以下の飲酒では妊娠確率に影響がないという結果が確認されています。こちらの調査で言う「適量」とは、ビール1杯330ml、ワイン1杯120ml、ウオッカなどの蒸留酒で1杯20mlを目安として、週14杯以下のペースを指します。

参照元:アルコール消費量と妊娠可能性:前向きデンマークコホート研究

一方で、週14杯以上の飲酒習慣がある女性では、妊娠する確率が18%低下したことも報告されています。過剰な飲酒は妊娠が遅れるリスクを高める点に注意が必要ですが、適量の飲酒は妊活に影響はないと考えると良いでしょう。

なお、こちらの調査は妊娠のしやすさについて調査したものであり、妊娠中の飲酒に影響がないことを示すものではありません。妊娠した後にアルコールを摂取してしまうと、流産・早産や胎児の脳障害を引き起こすリスクもあるため、妊活中からお酒を控えることが最も理想的といえるでしょう。

妊活中の正しいお酒との付き合い方

妊活中の正しいお酒との付き合い方

過剰なストレスは月経不順や肥満の原因となり、妊娠しにくくなる可能性が高まります。実際に妊活を行っている女性の中には、ストレスの多い仕事を休む選択肢をとる方も少なくありません。ストレスを発散させる手段としてお酒を飲む習慣がある方は多く、妊活中だからといって無理に飲酒を制限すると、蓄積したストレスによって妊娠しにくくなることも考えられます。

そのため普段から飲酒の習慣がある方は、妊活を始めた後はお酒との上手な付き合い方を考える必要があります。ここでは妊活中のお酒との付き合い方のポイントとして、次の5つをご紹介します。

  • 排卵期・妊娠の可能性がある時は避ける
  • 1日1〜2杯程度を目安にする
  • 空腹時の飲酒は避ける
  • 寝る前の飲酒は控える
  • アルコールを含む漬物・お菓子に要注意

それぞれ詳しく解説していきましょう。

排卵期・妊娠の可能性がある時は避ける

妊活中の排卵期など、妊娠の可能性が高まっている時期には、飲酒は控えるのが安心です。妊娠に気付かずにお酒を飲んでしまう方は少なくないため、たとえ間違って飲んでしまっても大きな問題にはなりにくいでしょう。しかし生まれてくる赤ちゃんの健康のためにも、期間を決めてお酒を楽しむことが大切です。

1日1〜2杯程度を目安にする

デンマークの研究でご紹介した通り、週に14杯以下の飲酒であれば妊娠のしやすさに影響がないとされています。そのため飲酒のペースの目安として、1日に1〜2杯に収めるようにすると安心です。1週間のうちに1〜2日程度の「休肝日」を作り、お酒を飲まない日を設けるのも大切です。過剰な飲酒は妊活に影響するだけではなく、健康を害する可能性も高まるためご注意ください。

空腹時の飲酒は避ける

空腹時の飲酒は、アルコールの吸収が早まり、悪酔いする可能性が高まってしまいます。胃腸や肝臓にも大きな負担を掛けるため、妊活中には避けた方が良いでしょう。お酒を飲む前に軽食を食べておくことで、アルコールの吸収を穏やかにすることができるため、できるだけ食事の後にお酒を楽しむようにしてください。

寝る前の飲酒は控える

お酒との付き合い方で注意したいポイントとして、寝酒を避けることも重要です。お酒を飲んだ後に心地良く眠れたという経験を持つ方は多いかもしれませんが、寝酒は睡眠の質を低下させてしまいます。これはアルコールを分解して生成される「アセトアルデヒド」の覚醒効果によるもので、長時間眠ったとしても浅い睡眠になる可能性が高くなります。睡眠不足は妊活にも悪影響を与えることから、睡眠の質を高める工夫を心掛けることが大切です。

アルコールを含む漬物・お菓子に要注意

お酒以外の食品には、微量のアルコールが含まれていることがあります。妊活中に意図しない形でアルコールを摂取してしまわないように、日頃から原材料欄をチェックする癖をつけると良いでしょう。具体的には、奈良漬け・粕漬けといった漬物に多量のアルコールを含むことがあるほか、ウイスキーボンボンなどのお菓子にもアルコールが含まれています。妊娠中・授乳中の方は摂取を控えるよう注意書きがある場合には、できるだけ控えることをおすすめします。

妊活中にお酒以外に注意したい飲み物とは?

妊娠中に注意したい飲み物といえばアルコールが代表的ですが、他にもカフェインや糖質を多く含む飲み物も要注意とされます。具体的な飲み物として、コーヒー・紅茶やジュース・清涼飲料水が挙げられます。それぞれの注意点について詳しく解説しましょう。

コーヒー・紅茶

コーヒーや紅茶などに多く含まれるカフェインは、妊娠中に過剰摂取すると胎児の低体重などの悪影響を及ぼす可能性があります。世界保健機関(WHO)では、カフェインの胎児への影響は確定していないとしつつ、妊婦に対してはコーヒーの摂取量を1日3〜4杯までにすることを推奨しています。妊娠前の段階でも、カフェインの摂り過ぎは妊娠する確率が下がるとされているため、カフェインを多く含むコーヒー・紅茶や栄養ドリンク・エナジードリンクなどは飲み過ぎに注意してください。

ジュース・清涼飲料水

妊活中の肥満や生活習慣病を防ぐため、糖質を多く含むジュース・清涼飲料水といった飲み物にも注意が必要です。太り過ぎは排卵障害を引き起こし、妊娠しにくくなる可能性が高まるため、妊活中は適正体重を維持することが重要となります。同様に、お菓子やスイーツなどの糖質を多く含む食べ物にも注意が必要です。

妊活中におすすめの飲み物

妊活中におすすめの飲み物

妊活中に水分補給をしたいと考えた時、カフェインを含むお茶類や糖質が多い清涼飲料水を除くと、摂取できる飲み物の選択肢が少なくなってきます。しかし工夫次第では楽しくティータイムやお酒の席を過ごすことも可能です。ここでは妊活中にも安心して口にできる飲み物として、次の4つを解説します。

  • 野菜ジュース
  • ルイボスティー
  • カフェインレス・デカフェ飲料
  • ノンアルコール飲料

それぞれ詳しくご紹介しましょう。

野菜ジュース

妊活中から摂取したい栄養素「葉酸」を多く含む野菜ジュースは、不足しがちなビタミン・ミネラルを補うこともできるため、妊活中の水分補給に適しています。ご自身で野菜やフルーツを購入してミキサーで作る野菜ジュースは、食物繊維も豊富で健康・美容にもメリットがあります。一方で、市販されている野菜ジュースには、糖質を多く含むものも存在するため、パッケージに書かれた栄養成分表示をしっかりとチェックしておきましょう。

ルイボスティー

ルイボスティーはカフェインを含まないハーブティーの一種で、身体を温める作用を持っています。ポリフェノールや亜鉛といった栄養が豊富に含まれているため、妊活中のティータイムにもおすすめです。

カフェインレス・デカフェ飲料

市販されているコーヒーや紅茶の中には、カフェインを取り除いたカフェインレス・デカフェ飲料も販売されています。こうした飲み物にはカフェインがほとんど含まれていないため、妊活中・妊娠中にコーヒーや紅茶を楽しみたい方にも向いています。

ノンアルコール飲料

アルコール0.00%のノンアルコール飲料であれば、妊活中や妊娠中にも安心して飲むことができます。ただし、ノンアルコール飲料はジュース・清涼飲料水と同様に糖質を多く含むため、飲み過ぎは肥満の原因となります。カロリーや糖分には注意する必要がありますが、妊活中にお酒の風味を楽しむ手段として活用してみると良いでしょう。

妊活中の男性へのアルコールの影響は?

ここまで妊活中の女性向けにアルコールの影響について解説してきましたが、男性にとってもアルコールとの付き合いで注意すべきケースがあります。ここでは妊活中の男性におけるアルコールの影響について解説します。

基本的に大きな影響はない

原則として、妊活中の男性であっても適量のお酒を飲む分には、妊娠のしやすさに大きな影響は与えません。もちろん過剰な飲酒はアルコール依存症や生活習慣病のリスクを高めますが、妊活中だからといって完全に制限する必要はないでしょう。

飲酒によってEDを引き起こす場合は要注意

ただし、男性の中には飲酒によってED(勃起不全)を引き起こすケースもあります。飲酒によるEDが原因で思うように妊活に取り組めないという場合には、飲酒を控えることが望ましいでしょう。なお、少量のアルコールはリラックス効果をもたらし、妊活にも良い影響を与えることもあるため、パートナーとよく相談しながらお酒との付き合い方を考えましょう。

おわりに

妊活中のお酒は、適量であれば妊娠のしやすさに影響を与えないことがわかっています。飲酒を制限することで大きなストレスになってしまう場合には、量やタイミングを決めてお酒を上手に付き合うことが、妊活にも良い影響をもたらすでしょう。

また、妊活中にはお酒以外にも、カフェインや糖質の摂りすぎにも注意する必要があります。そのため妊活中は、葉酸を多く含む野菜ジュースや、ルイボスティーなどのハーブティー、カフェインレス・デカフェ飲料などを活用することをおすすめします。パートナーの男性ともお酒の付き合い方を相談しながら、妊活に取り組みましょう。

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