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上手な弱みの見せ方・伝え方とは?テクニックやポイントを解説

上手な弱みの見せ方
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

執筆者
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

大学時代に歌舞伎町のホストの世界に飛び込むも半年間売り上げゼロ。そこから心理学を学びセルフブランディングに取り組み、約6年間売上げNO.1となる。現在は企業向けのコンサルティングやメンタリング、人材育成に取り組む一方、「ナカイの窓」や「ダウンタウンDX」等テレビ出演及び書籍やコラムの執筆等で活動中。

世の中に強い人間と弱い人間がいたとするならば、あなたは自分のことを強い人間だと思いますか? 

それとも弱い人間だと認識していますか?

人は誰もが完璧ではなく、微力な存在ですから、1人でやろうと思ってもすぐに限界がきてしまい、やれることや、できることに制限がかかり、結果的にご自身を低く評価してしまうものです。

本当はご自身を応援してくれる力、ご自身を助けてくれる力も含めて「ご自身の力」なのですが、ご自身を肯定的に受け入れられていない方というのは、なかなかそう考えられず、ご自身1人でなんとかしようとしてしまいがちです。

しかし、自分の苦手なところや弱いところを正確に相手に伝えることができれば、相手はご自身のやってほしいことをやってくれるようになります。ですが、そこにはやっぱりちょっとしたテクニックが必要になってきます。ただ単に弱みを見せれば良いのか。「助けてください」と言葉で伝えて甘えてみれば良いのか。というと、その見せ方・伝え方に少し工夫を加えることで、これから先、助けて欲しいときに「助けてください」と言わなくても助けてもらえるようなりますよ。

今回はそのようなテクニックをご紹介します。

1.ポイントは言葉の選び方

言葉の選び方とは、誰かにアドバイスを求めるとき、ストレートに「お願いしたいのですが」と言うのではなく、まずは「相談したいことがあるのですが…聞いてもらえますか?」と言い方を変えてみることです。

突然「お願い」と言われると、面倒なことを頼まれるかもしれないと警戒してしまう方もいらっしゃるかもしれません。ですが「相談」であれば「お願い」よりも面倒ではなさそうという印象がありませんか?捉え方の問題でもあるのですが、「相談」だから「聞くだけ」かな?と思われ、気持ちが少し楽になりハードルが下がるのではないかなと思います。

「お願い」ではなく「相談」という言葉を選択する。それだけでも相手の心的なハードルは下がるので、その言葉の選択というのが1つのポイントとなります。

「相談があるのですが」と伝えてハードルを下げ、相談に乗ってもらい、助けてあげたいという気持ちにさせ、最終的には「やってあげよう」という言葉を引き出せればパーフェクトです。

あまり自分の弱みを見せた経験がない方は、まずはアドバイスをもらうことから始めるといいかなと思います。

2.流れを作って関係性を継続させる

アドバイスをもらった後は「ありがとうございます」と謝意を伝えると思いますが、重要なのはここから先です。

もらったアドバイス通りに実践してみて、その直後に電話でもメールでもLINEでも良いので、「アドバイスをいただいた通りにやってみました。そうしたら上手くいきました。ありがとうございました。」というように「あなたのアドバイスを実践しましたよ」という報告と感謝をすぐに入れることです。

報告と感謝というのは、うまくいってもいかなくても絶対にした方が良いです。うまくいった場合は報告と感謝を伝えましょう。うまくいかなかった場合は、「アドバイスをいただいた通りやってみたのですが、自分の力不足でうまくいかなかったみたいです。」と、このような形で報告すると良いでしょう。

このようにすることによって、アドバイスした側は、また次なるアドバイスをしてあげようかなという気持ちになります。

なぜなら自分のプライドもあるため、関わった以上助けてあげたいという思いがあるからです。上手くいこうがいかまいが、報告をすることでその思いが深まります。うまくいった場合は、報告と感謝を、上手くいかなった場合は、報告と質問を入れることで、ループするように関係性を継続させるわけです。

すると、相談された側に「助けてあげた」という自覚が芽生えます。そして「またアドバイスをください」とお願いして、「ありがとうございます。上手くいきました。」という報告と感謝を伝える。これを何度か繰り返すことです。

何度か繰り返すことによって、「相談したいのですが…」というキーワードを使わなくても、相手は必ず「やってあげるよ」と言ってくれます。「もっと感謝して欲しい」や、「必要とされたい」という人間の根底にある欲求心理が働き、ご自身に対して何かやってあげたくなってしまうというルールが作られていきます。

この「やってもらう」ということを「良くないこと」だと思っている限りは、自己重要感を満たすために自分の手を動かしてしまいがちです。大切なのは、「やってもらうことを悪いと思わない」というマインドセットなのです。真面目な方であればあるほど、どうしても、やってもらうということに対して罪の意識を感じてしまいがちなのですが、やってもらうということは悪いことではありません。やってもらうということは、相手の自己重要感を満たしてあげる行為ですから、どんどん甘えた方がいいということになります。

3.お願いをすることに罪悪感を持ってしまう方の対処法

3.お願いをすることに罪悪感を持ってしまう方の対処法

しかし、やっぱりどうしても「甘える質問」をしたり「お願い」をしたりという行為に対して罪悪感を持ってしまう方は、その都度、このマインドを整えることをやっていく必要性があります。やってもらうことは決して悪いことではないというマインドセットを常に持っておくということです。

ご自身のためにも相手のためにも、「やってもらってあげる」というくらいの気持ちでいれば、自己受容感が下がることもプライドが傷つけられることもないでしょう。繰り返しになりますが、相談を持ちかけて、相手のアドバイスを引き出して、実践して報告&感謝を行う。これらを繰り返すことで自然にお願いできるループができ上がりますので、ぜひ繰り返していただきたいと思います。

「貸しを作る」「恩を売る」という言葉がありますが、本当にやるべきなのは、あえて「借りを作る」「恩を買う」「甘えてあげる」ということです。それは「やってもらってあげる」ということです。この思考がとても重要なので常に意識してもらいたいと思います。

マインドセットを常にしているのにも関わらず、「やってもらえるループ」がまだできていないとしたら、それはもしかしたらご自身からの報告と感謝が足りていないのかもしれません。実戦、報告、感謝、これの数や量を少し増やしたり、表現の仕方を変えてみるなどの工夫をしてみてください。


感謝の言葉があってこそ、あなたを助けてくれた相手は自己受容感を覚えるわけですから、「相手にその気持ちが伝わる感謝の言葉とは何だろう?」と常に考え、いろいろ試してみてもいいでしょう。だんだんと相手の自己受容感を満たす感謝の言葉が掴めてくるかと思います。

多少オーバーなくらい「○○さんのおかげで本当助かりました。ありがとうございます。」と言ってみることも大事です。そうすれば必ずやってもらえるループが生まれてきます。ぜひ試してみていただきたいです。


ちなみに、この「恩を売る」よりも「恩を買う」という話ですが、これは相手との関係性が先輩後輩であったり、相手よりステージが上や下であったりということは全く関係ありません。年上の相手限定で使えるテクニックというわけではなく、むしろ相手が後輩や部下、年下の場合にも、強力な効果を発揮するテクニックです。

というのも、人間は、他者から助けを求められて、それを助けることができた場合、ご自身よりも弱い立場の方を助けたときよりも強い立場の方を助けたときの方が、より自己受容感が増すからなのです。「年上の方やこんなにすごい方が自分を頼ってきてくれたのだ!それを自分は助けることができたのだ!」という思いが自己重要感を高めることに繋がっていきます。

特にInstagramや、TikTokは、そのあたりのことに関しては、やはり若い世代の方がリテラシーも高く、マーケティングができていたりします。その分野でアドバイスをもらうのに、ご自身より年下だからとか、経験が浅いからとか、ご自身より立場が弱いからと、ご自身が勝たなきゃいけないとか、自分が上でなければならないというようなプライド思考は邪魔になります。

年下だろうが、キャリアが浅い方だろうが、その方たちが持っている能力や才能をむしろ引き出して、助けてもらった方が良いのです。もし、その年下の方に対して助けを求め、報告と感謝をしてあげられるのならば、その方はとても喜び、さらに頑張ってくれるようになるでしょう。ですからこのようなプライドは捨ててしまいましょう。年下の方に甘えられない、相談できないという方は大変損をしていますよ。せひ、参考にしていただけたらと思います。

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