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今日から始める、正しい紫外線対策

今日から始める、正しい紫外線対策
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

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すこやかで美しい肌を目指す人にとって、紫外線は大敵です。頭では理解していても、万全な対策をできている方は少ないのではないでしょうか。本記事では正しい日焼け止めの使い方をはじめ、今すぐ実践できる紫外線によるダメージを防ぐ方法などを紹介します。

紫外線は一年中降り注ぐ!

紫外線は一年中降り注ぐ!

季節や天気により地表に降り注ぐ紫外線量は変化しますが、冬であっても曇りであっても照射量がゼロになることはありません。快晴の日の紫外線量を100%とすると、曇りの日で約60%、雨の日でも約30%は降り注いでいます。紫外線の種類をおさらいしておきましょう。

肌に届く紫外線は2種類

紫外線とは、赤外線、可視光線と並び、太陽から放たれる光の一つです。その中で紫外線は最も波長が短く、肌に影響を及ぼします。波長の長さにより紫外線はUVA・UVB・UVCの3つに分けられますが日常で気をつけたい紫外線は、UVAとUVBの2種類です。

UVAは「生活紫外線」と呼ばれ、曇りの日も雨の日も、さらに窓ガラスをも透過し、一年中肌に降り注ぎます。肌の奥まで届くので、シワやたるみの原因になります。UVAを浴びて数日後から黒くなる日焼けはサンタンといわれます。過剰に浴びるとシミのもととなるメラニンを生成します。

UVBは「レジャー紫外線」といわれています。春先から秋の終わりまでその量が増え、サンバーンという肌が赤くなる日焼けの原因となります。サンバーンは紫外線によって発生する活性酸素が、細胞のDNAや脂質、たんぱく質などに酸化ストレスを与えることによって起こる炎症反応です。またUVBはシミも誘発します。

UVCは紫外線の中で最も有害作用が強いのですが、上空のオゾン層や空気中の酸素分子で遮られるため、地表には届きません。

紫外線によるダメージ

紫外線は、肌や身体にさまざまなトラブルをもたらすといわれ、肌の衰えの約7、8割は、紫外線などによる光老化が原因といわれています。 特に紫外線量が多い春~夏の紫外線リスクによる健康被害は見過ごせません

肌へのダメージ

  • 乾燥…紫外線によって皮脂が酸化すると、肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなります。
  • くすみ…肌の透明感のカギを握るのが肌表面の角層です。強力な紫外線から肌を守ろうとして、バリア機能を担う角質が厚くなると、肌本来の光反射が低下してくすみとなってあらわれます。
  • シミ…紫外線を浴びると、シミのもととなるメラニンを作る工場、メラノサイトにメラニンを作れという指令が発生します。そもそもメラニンの発生は、肌の刺激となる紫外線を吸収するための身体の防御反応ですが、メラニンが大量に作られると、シミが現れたり、もともとのシミが濃くなります。
  • シワ、たるみ…UVAは肌の奥の真皮まで到達し、ハリのもととなるコラーゲンの分解、弾力繊維のエラスチンを変性します。

髪へのダメージ

  • パサつき…紫外線の影響で髪表面のキューティクルが損傷すると、乾燥やパサつきを感じやすくなります。
  • カラーリングや白髪染めの褪色を加速…紫外線は髪の色素の分解を促進します。
  • 薄毛になる、白髪が増える…紫外線によって発生する活性酸素は、髪の色をコントロールする色素幹細胞や、髪を育む毛母細胞にダメージをもたらします。

目へのダメージ

  • 雪目…大量に紫外線を浴びると、充血を伴う紫外線角膜炎を引き起こします。
  • 白内障…目の水晶体が白く濁る病気、白内障は、紫外線に直接さらされることも一因といわれています。

紫外線を浴びることによるメリットも

一方で紫外線を浴びることによるメリットもあります。

骨粗鬆症や骨折を予防するのに重要な成分といわれるビタミンDは、紫外線を浴びることで作られます。また、紫外線には炎症の軽減や免疫の調整、感染症を予防する働きがあるといわれています。

紫外線を防ぐには?

紫外線を防ぐには?

紫外線を防ぐ方法をきちんと理解することで、紫外線と上手に付き合えるようにしましょう。

日焼け止めを塗る

紫外線から肌を守る方法のひとつが、日焼け止めを塗ることです。まずは日焼け止めについて理解しましょう。

日焼け止めに表記されているSPF、PA値とは、紫外線を防ぐ指標です。

  • SPF…UVBを防ぐ指標。国内における最高値はSPF50+
  • PA…UVAを防ぐ指標。国内における最高値はPA++++

さらに昨今は、UV耐水性(水に濡れる場面での紫外線防止効果の耐水性)を示す★マークが表記されている製品もあります。★1つ、2つで効果を表します。

また、チェックしたいのが、紫外線をカットするために配合されている成分です。一般的な日焼け止めには、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤のどちらか、または両方の成分が配合されています。それぞれの特徴は以下のとおりです。

  • 紫外線吸収剤…紫外線を肌に吸収し、熱エネルギーに変えて放出する
  • 紫外線散乱剤…肌表面で紫外線を反射、散乱させて紫外線をカット。ノンケミカルとも呼ばれる

日焼け止めのタイプも選択肢が広がり、みずみずしいものから、しっとりとしたものまで豊富にあり、乳液、美容液、パウダー、スプレーなど形状もさまざまです。レジャーシーンでは水や汗に強いウォータープルーフ、室内で過ごすときには自然由来成分で構成された肌に優しいものを選ぶなど、シーンや使用感などで使い分けるようにしましょう。

ベースメイクを塗る

化粧下地やファンデーション、ルースパウダーなどにも紫外線を防ぐ、SPF・PA値が表記されています。ベースメイクを塗ることもUV対策になりますが、それらを肌に重ね使いしても、紫外線防御の効果が高まるわけではありません。

それから、化粧下地を日焼け止めとして代用する際、気をつけたいのが肌に塗布する量です。化粧下地は肌全体に薄めに塗ることを推奨するものが多いので、紫外線量がピークになる真夏は日焼け止めも塗るようにしましょう。日焼け止め、化粧下地の順に適量を塗りますが、それぞれを厚めに塗ってしまうと、ファンデーションが崩れやすくなるので注意してください。

日傘をさす

雨傘と異なり、日傘は特殊な素材を用いて紫外線を遮ります。白より黒のほうが紫外線を防御する効果が高いといわれています。

帽子をかぶる

髪や頭皮は、肌よりも紫外線を浴びやすい部位です。屋外では帽子をかぶって直射日光をブロックするようにしましょう。

専用のUVカット帽子はもちろん、つばが広い帽子は、紫外線を遮る効果が高くなります。紫外線対策には黒など色の濃いものがよいといわれますが、熱を吸収しやすくムレやすくなるので、部分的にメッシュになっているタイプや、気軽に洗濯できるものを選ぶのもおすすめです。

サングラスをかける

紫外線対策にサングラスも欠かせないアイテムです。近年の研究により、眼から紫外線が入ると、脳が紫外線を浴びていると勘違いし、メラニン色素を分泌してしまうことが明らかになりました。そのため、紫外線予防に役立つサングラスのニーズは高まっています。サングラスには眼の健康だけでなく、日焼けも防ぐ役目があるのです。

濃いレンズの方が紫外線防止効果が高そうに思えますが、チェックすべきは「紫外線透過率」です。例えば「紫外線透過率1.0%以下」と記載されたレンズは、紫外線を99%以上カットすることができます。見え方やかけ心地とともに、紫外線透過率もチェックして選ぶようにしましょう。

UVカット機能を備えた衣服を着る

着るだけ、はおるだけで、紫外線を遮断できる衣服も便利なアイテムです。UVカット効果のある衣服は、繊維の中にUV防止効果が練り込まれているものと、生地の表面に薬品などの加工が施されているものがあります。表面加工されたUVカットの衣服は、洗うほどにその効果が薄れていくといわれるので、シーズンごとに見直しましょう。

サプリメントを飲む

飲む日焼け止めといわれるサプリメントがありますが、細かな定義はなく、活性酸素を抑制する作用を持つものを示すようです。

直接的な紫外線防御の効果は期待できないので、必ず塗る日焼け止めとセットで使用するようにしましょう。ビタミンC配合のサプリメントなどは、抗酸化作用をもたらすので日を浴びた後でも働きかけます。

UV対策で失敗しやすいポイント

UV対策で失敗しやすいポイント

日焼け止めを塗っても、日焼けしてしまったり、シミが濃くなったりすることがあるようです。「うっかり日焼け」を防ぐポイントを見直しましょう。

日焼け止めの量が少ない

「うっかり日焼け」の原因で特に多いといわれるのが、日焼け止めの量が少ないことです。日焼け止めには製品ごとに、メーカーが推奨している適量が記載されています。自己判断で量を減らしてしまうと十分な効果が得られない場合があります。使用量を守って、ムラづきしないように肌にしっかりなじませましょう。

〈日焼け止めを塗る際に注意したい部位〉

  • 頬や額、鼻の頭…顔の中でも高い部位は日焼けしやすい。汗をかきやすい部位でもあるので、こまめな塗り直しを
  • 生え際…ムラ焼けしやすい部分なので、顔のキワまで日焼け止めをきちんとなじませる
  • 耳や首の裏…日焼け止めを塗り忘れやすい部位。特に首の後ろは紫外線を浴びやすいので、UVカット効果のあるストールなどを活用するのもおすすめ

日焼け止めの塗り直しをしない

日焼け止めの塗り直しは面倒だからと、塗り直しをしない方も多いようです。SPFやPA値が高いほど、紫外線を防御する時間が長いですが、完全にカットできるわけではありません。持続効果は2~3時間といわれていますから、こまめな塗り直しは必須です。ファンデーションの上から重ねられるパウダーやスプレータイプの日焼け止めをバッグに常備しておくと便利です。

去年の日焼け止めを使う

古い日焼け止めは酸化している場合があります。使い切れなかった昨年の日焼け止めを、もったいないからと使用するのは避けましょう。肌荒れの原因になる場合もあります。

シーン別、紫外線対策

シーン別、紫外線対策

シーンや場所に合わせて紫外線対策を行うことが、肌を隙なく守ることにもつながります。

レジャーシーン

  • 山歩き…標高が高い場所は紫外線照射が強くなります。SPF・PA値が高く、汗に強い日焼け止めを用意しましょう。紫外線カット機能がある帽子やスカーフなども必需品です。
  • …水に入る場合は、日焼け止めの耐水性もチェックしましょう。
  • リゾート…サンゴを守るなど環境配慮の観点から、海外では紫外線吸収剤配合の日焼け止めの使用が禁じられているビーチがあります。リーフセーフという海の環境に影響を及ぼさない日焼け止めから選ぶようにしましょう。

外での家事や外出時

  • 洗濯干し…たった5分紫外線を浴びるだけでも、肌のダメージになります。朝のスキンケアは、日焼け止めまで丁寧に塗りましょう。
  • 近所へ買い物…ちょっとそこまでの外出には、BBクリームやCCクリームなど手軽に肌を整えられるベースメイクが活躍します。
  • ガーデニング…日焼け止め、帽子、手袋などで万全に。耳や首の後ろなど露出している部分は、日焼け止めの塗り忘れに注意しましょう。

家の中

UVAは窓ガラスを透過して家の中にも降り注ぎます。またパソコンや蛍光灯のブルーライトも肌にダメージを与えるといわれます。家の中で過ごす一日も、日焼け止めを塗っておくと安心です。

紫外線を浴びすぎた日のケアは?

紫外線を浴びすぎた日のケアは?

きちんとケアしたつもりでも、日焼け止めが汗で流れてしまったりすることで、うっかり日焼けしてしまうことがあります。浴びたその日のケアも肝心です!

屋外に長くいた日

肌の変化はなくても丁寧な保湿と美白ケア、シートマスクなどスペシャルケアを行いましょう。紫外線を浴びた日からしばらく経って肌がくすんでくるのは、UVAが要因です。肌をくすませないためにも、紫外線を浴びたその日のうちに対策を行いましょう。

肌にほてりや赤みがあるとき

肌が炎症を起こしているサインです。この状態を放っておくとシミなどのエイジングが進んでしまうことになるので、まずは冷やすお手入れで肌を落ち着かせます。抗炎症成分配合のスキンケアでお手入れするのも有効です。

まとめ:紫外線ケアは先手の防御が大切

紫外線ケアは先手の防御が大切

気象庁のデータによると、気温だけではなく、紫外線の量も年々増えています。適度に太陽光を浴びることは体内でビタミンDを生成するために必要ですが、無防備な状態で浴びすぎると肌トラブルにつながり、特に春から夏にかけて紫外線量が増える時期は、肌や髪にダメージが蓄積されやすくなります。用途に応じて日焼け止めを使い分け、賢く紫外線対策を講じましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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