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片耳が聞こえにくい!考えられる原因や病気を知って対策しよう

セゾンのくらし大研究 編集部

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「最近、片耳が聞こえにくい」とお悩みではありませんか?難聴の程度が軽度だったり、他に症状がなかったりすると、そのまま様子を見てしまうかもしれません。しかし、実は病気だったという可能性も考えられます。

今回は、片耳が聞こえにくいときの原因と病気を紹介します。難聴のセルフチェックや予防策にもふれました。片耳の聞こえにくさを感じている方、聴力の低下を実感している方は、内容を参考に少しでも不安を解消させましょう。

この記事を読んでわかること
  • 耳垢の詰まりや過度なストレス、老化が原因となって片耳が聞こえにくくなるケースがある
  • 片耳が聞こえにくい症状があらわれたら、突発性難聴やメニエール病といった病気の可能性が考えられる
  • 難聴を予防するには、頻回な耳掃除を避け、規則正しい生活やストレス発散に努めることが大切
  • 片耳の聞こえにくさを感じたら、早めに耳鼻科を受診する

片耳だけ聞こえにくいときに考えられる原因

片耳だけ聞こえにくいときに考えられる原因を解説していきます。主に次の5つが挙げられるでしょう。

耳垢の詰まり(耳垢栓塞)

耳垢の詰まりが原因で、音が聞こえにくくなる場合があります。耳垢が詰まっている状態を、耳垢栓塞(じこうせんそく)と呼びます。

耳垢は、外耳道の分泌物や皮膚のカス、ホコリなどが含まれたかたまりです。本来、耳垢は自然に排出されるのであまり詰まることはありません。しかし、耳に水が入って膨らんだり、耳掃除の際に奥に押し込んでしまったりすると、耳垢が詰まってしまうのです。

耳が詰まった感じがして聞こえにくいなら、耳垢栓塞の可能性が考えられるでしょう。

過度なストレス(心因性難聴)

過度なストレスは、耳の聞こえにくさを引き起こします。ストレスによる難聴は「心因性難聴」と呼ばれ、小学生から30代の青年期に起こりやすい傾向があります。

難聴といっても、音を聞く機能に問題はありません。しかし、音が脳内に伝わってもきちんと認識されず、無意識のうちに聞こえなくなってしまうのです。音の聞こえにくさの他にも、耳閉感や耳鳴り、聴覚過敏といった症状が起こります。

なお、心因性難聴は両耳で発症しやすいですが、なかには片耳の聞こえにくさから発覚する方もいるようです。

大きな音が鳴り響く環境(音響外傷)

音響外傷とは、大きな音が鳴り響く環境にさらされたとき、一時的に耳が聞こえにくくなる状態です。ライブハウスに行った後やヘッドホンで大音量の音楽を聞いたときに、耳がボワーンとなった経験はありませんか。大きな音を聞いた後に聴力の低下を感じるのは、音を感知する役割がある「有毛細胞」が傷つき、脳にうまく伝わらないためです。

スマートフォンの普及に伴い、イヤホンなどで音楽を聞く方が増えました。日常的にイヤホンで大きい音を聞いていると、慢性的な音響外傷を発症しかねません。

老化による聴力の低下(加齢性難聴)

年齢を重ねると、耳が遠くなってきます。老化による聴力の低下は「加齢性難聴」と称され、60代になると聞こえの低下を感じる方が増えてきます。加齢性難聴の原因は、有毛細胞の減少やダメージなどによるものです。加えて、音が伝わる神経経路の不調や認知機能の衰えも一因とされています。

加齢性難聴が発端となり、認知症の発症やうつ状態に陥る恐れがあります。騒音を避け、できるだけ静かな環境で過ごし、加齢性難聴の予防に努めましょう。

薬の影響(薬剤性難聴)

服用している薬の副作用によって、聴力が低下するケースもあります。薬剤性難聴の原因となる医薬品は、利尿を促してむくみを改善する「フロセミド」や、解熱目的で処方される「アスピリン」などさまざまです。

薬剤性難聴の症状は、高音域の聞こえにくさや耳鳴りから始まります。加えて、耳閉感が生じることも珍しくありません。薬剤性難聴の恐れがある場合、薬の服用中止を検討する必要があります。

片耳だけ聞こえにくい症状に潜む病気

片耳が聞こえにくいのは、耳垢の詰まりやストレスなどが原因とは限りません。実は、病気を発症している可能性も考えられます。

続いて、難聴があらわれる病気をチェックしていきましょう。原因や治療法もまとめました。

突発性難聴

突発性難聴は、突然片耳だけ聞こえなくなる病気です。高音だけ聞き取りにくくなる方から全く聞こえなくなる方まで、難聴の度合いはさまざまです。聞こえにくさだけでなく、耳鳴りやめまい、吐き気といった症状も伴うケースが多くなっています。

突発性難聴は、有毛細胞がなんらかのダメージを受けることで起こるとされていますが、はっきりした原因がわかっていません。ただ、寝不足や疲労が溜まると発症しやすい傾向にあります。

突発性難聴の治療は、ステロイドを用いた薬物療法がメインです。点滴や内服で改善が見られない場合は、耳の中に直接ステロイドを注入して治療します。

外耳炎・中耳炎・内耳炎

そもそも耳は、大きく分けて外耳・中耳・内耳で構成されています。鼓膜より外側が外耳、鼓膜から内側が中耳・内耳です。

ここで、音が聞こえる仕組みをおさらいしておきましょう。音が鳴ると、まず外耳に入って鼓膜が振動します。鼓膜の振動が中耳と内耳をつなぐ耳小骨へと伝わり、やがて脳に到達して音として認識されます。この音が伝わる過程で炎症が起こると、耳が聞こえにくくなってしまうのです。

代表的な病気を確認していきましょう。

・外耳炎

外耳炎は、難聴と共に耳の痛みやかゆみが主な症状です。症状が進行すると、耳だれが出たり、腫れて外耳道が狭くなったりすることもあります。

外耳炎の主な原因は、過剰な耳掃除によるものです。耳掃除によって外耳が傷つき、細菌やカビに感染して炎症するのです。外耳炎の治療には、点耳薬や抗生物質の塗布などを行います。

・急性中耳炎

中耳にウイルスや細菌が侵入し、感染すると急性中耳炎を発症します。急性中耳炎になると、鼓膜が腫れたり、周囲に膿が溜まったりするため、うまく振動が伝わりません。ゆえに、聞こえにくさを感じてしまいます。他にも、発熱や耳だれといった症状も伴います。

急性中耳炎の治療は、抗生物質の服用や点耳薬がメインです。症状が重い場合は、鼓膜を切開して膿を出すケースもあります。

・滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、中耳に滲出液が溜まる病気です。滲出性中耳炎の症状は、難聴のみであることも珍しくありません。「耳が詰まった感じがする」「自分の声がこもって聞こえる」といった軽度の症状であるケースも多いため、気づきにくい傾向があります。とはいえ、アデノイドや副鼻腔炎などを併発するリスクがあるので、症状が軽いからと放置してはいけません。

滲出性中耳炎を治すには、鼓膜を切開して滲出液を排出するか、鼻から耳に空気を送る処置を行います。

・内耳炎

耳の最も深部にある内耳でも、炎症を起こすことがあります。内耳炎の原因は、中耳炎によるものです。通常、内耳はウイルスなどの影響を受けにくい器官ですが、中耳炎が重症化するとウイルスが内耳にも入り込み、炎症してしまうのです。

内耳には聴覚の中枢である「蝸牛(かぎゅう)」や平衡感覚を司る「三半規管」があるため、炎症を起こすと難聴だけでなく、バランス感覚が乱れてめまいが起きます。一度かかると後遺症が残りやすいため、注意が必要です。治療には、抗生物質やステロイド剤による薬物療法を行います。

メニエール病

内耳にリンパ液が溜まってしまうことで発症するのが、メニエール病です。メニエール病は、難聴や吐き気、片方だけの耳鳴り、めまいといったさまざまな症状があらわれます。一過性ではなく、数日から数ヵ月間隔の頻度でめまいの発作を繰り返します。一度めまいを感じると、何時間も症状が続くことも少なくありません。

メニエール病は、リンパ液が溜まらないように利尿薬を用いたり、難聴を改善するためにステロイドを使ったりして治療します。また、ストレスや疲労、睡眠不足などもメニエール病発症の要因と考えられているため、生活の見直しも必要です。

低音障害型感音難聴

特に低音が聞こえにくいようであれば、低音障害型感音難聴の可能性があります。低音障害型感音難聴は、蝸牛内での内リンパ液滞留が原因と考えられていますが、明確ではありません。ストレスや疲労などが関係している場合もあります。

主な症状は、難聴や低音の耳鳴り、耳閉感など。「めまいのないメニエール病」ともいわれています。低音障害型感音難聴の治療には、ステロイドや利尿剤の他、ビタミンB12などを服用します。

片耳の聞こえにくさを防ぐ4つの対策

ここからは、片耳が聞こえにくい症状や病気を防ぐためにできる対策方法を見ていきましょう。

ストレスをうまく発散する

難聴を防ぐには、ストレスの発散が欠かせません。というのも、心因性難聴の他にも、突発性難聴やメニエール病、低音障害型感音難聴といった病気は、ストレスが起因となって発症するケースもあるためです。運動や趣味など、ご自身に合った方法でストレス解消して難聴を防ぎましょう。

疲れを溜め込まない

ストレスと同様に、睡眠不足や過労も突発性難聴やメニエール病などの引き金になりかねません。きちんと睡眠をとって疲れを溜め込まないことが、難聴の予防につながります。まずは、規則正しい生活を心がけてみてください。

耳掃除を頻回にしない

頻繁な耳掃除は禁物です。耳掃除をやり過ぎると、かえって耳垢を奥に押し込んでしまい、耳垢栓塞になる恐れがあります。耳掃除で外耳が傷つけば、外耳炎になるリスクも高くなるでしょう。

国民生活センターでは、耳掃除の頻度は2週間から月に1回程度が目安と発表しています。また、ご自身での耳掃除が難しいようであれば、無理せず耳鼻科で耳垢を除去してもらうのがおすすめです。

大きな音が鳴る環境を避ける

音響外傷を予防するためにも、大きな音が鳴る環境はできるだけ避けましょう。長時間イヤホンで大音量の音楽を聞かない、騒音がうるさい場所に行くときは耳栓をするといった対策を講じてください。

家庭では、テレビの音量に注意が必要です。テレビの音が大きいと指摘された経験がある方や、親がテレビを見るときに音を大きくし過ぎている場合、対処を考えましょう。とはいえ、ただ単に音量を下げるのではテレビの音がよく聞こえず、ストレスになってしまうかもしれません。

そこでおすすめなのがミライスピーカーです。ミライスピーカーはテレビにつなぐ外部スピーカーで、聞こえやすさを追求して開発された商品です。特許技術である「曲面サラウンド」が搭載され、音量を上げなくても部屋全体に音が広がり、言葉がくっきり聞こえます。60日間返金保証があるので、まずは試してみてはいかがでしょう。

「ミライスピーカー」についての詳細はこちら

参照元:独立行政法人 国民生活センター|油断しないで!耳掃除―思わぬ事故につながることも―|4P

耳鼻科を受診すべき?セルフチェックしてみよう

片耳の聞こえが悪いと感じたら、耳鼻科を受診して治療することが望ましいです。「まだ大丈夫だろう」と思っていても、実は難聴になっているかもしれません。そこで、セルフチェックをしてみましょう。

【難聴のセルフチェック】

  • 音の聞こえ方に違和感がある
  • 電話の声が聞き取りづらい
  • 耳鳴りが続いている
  • 耳の中に水が入っているような感覚がある
  • 耳が詰まって聞こえが悪い
  • 聞き間違いや聞き返す回数が増えた
  • 話し声が大きいと指摘される
  • 後ろから呼ばれても気づかない
  • テレビやインターホンなど今まで聞こえていた音が聞こえなくなった
  • めまいを起こすときがある

3つ以上当てはまるようであれば、難聴の可能性があります。速やかに耳鼻科を受診しましょう。

おわりに

なぜ片耳が聞こえにくいのかがわからないと、不安になってしまうものです。今回紹介した難聴の原因や病気、セルフチェックの内容を参考に、ご自身の症状を再確認してみてください。併せて、生活リズムや耳掃除の頻度を見直すことも大切です。片耳に異常を感じたら早めに耳鼻科を受診し、不安を解消しましょう。

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