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即戦力とは? 即戦力人材として企業で働くためのポイントを解説

即戦力とは? 即戦力人材として企業で働くためのポイントを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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求人広告やテレビCMでもよく聞かれるようになった、即戦力人材。今、どうして即戦力を求める求人情報が多くなっているのでしょうか。

今回は、即戦力とはどんな人材を指すのか、そして、企業の即戦力として働くためのポイントについて解説します。また、自分にあった転職先を見つけるコツやおすすめの転職エージェントなども紹介しています。今までの経験やスキルを活かして、今後働きたいと考えている方は必見です。

この記事を読んでわかること
  • 即戦力とは、一般的に「特に教育研修による指導を行わなくても、入社直後からすぐに組織で活躍できる経験豊富な人材」を指す。現在、企業が即戦力人材を積極的に採用する理由は、転職市場が盛んで人材の流動性が高まっていることや、新卒一括採用が見直されていることなどが挙げられる。
  • 即戦力として活躍するには、まず経験や実績を積み、資格を取得するなどスキルアップを目指そう。また、新しい職場環境で仕事に取り組むときには、主体性をもちながらも、経験に過信しない謙虚な姿勢が大切。
  • 即戦力となれる転職先を見つけるには、自分に合ったポジションを選択したり、転職活動のタイミングを見極めたりするのが重要なポイント。

即戦力とは

即戦力とは

「即戦力採用」などの言葉で意味する「即戦力」とは、どのような人材のことを指すのでしょうか。一般的に「特に教育研修による指導を行わなくても、入社直後からすぐに組織で活躍できる経験豊富な人材」のことを即戦力といいます。

新卒や第二新卒など、組織が人材を育成することを前提とした採用を「ポテンシャル採用」と呼びますが、即戦力採用はそれと真逆の採用ということです。即戦力人材は、業務を行うのに必要となる経験やスキルを入社時点ですでにもち合わせていることを前提に採用されています。

企業が即戦力人材を積極的に採用している理由

企業が即戦力人材を積極的に採用している理由

いま、企業が即戦力人材を積極的に採用している背景には、世の中のさまざまな人材に関する動向が関係しているのです。即戦力人材を企業が採用する3つの理由を解説しましょう。

人材の流動性が高まっているから

1点目に、転職市場が盛んとなり人材の流動性が高まっていることが理由として挙げられるでしょう。日本においても、1社で長年勤務する働き方よりも、転職を繰り返して年収やスキルを上げていく働き方を選ぶ方が増えてきています。株式会社マイナビの「転職動向調査2023年版」によると、2022年の20~50代男女の正社員転職率は、過去7年間で最も高い7.6%という結果になりました。この数値は2016年以降最も高い水準であり、転職活動が積極的に行われていることがわかります。このように転職市場が活発な動きを見せていることから、企業側もより優秀な人材を確保するため即戦力人材の採用に注力している傾向にあるのです。

参照元:株式会社マイナビ|転職動向調査2023年

新卒一括採用が見直されているから

2点目に、戦後長きにわたり続いていた「新卒一括採用」が見直されていることが理由として挙げられるでしょう。新卒一括採用は、卒業予定の学生を対象として、期間を限定して同時期に一括で行う採用活動を指します。しかし、終身雇用を前提に、入社後時間をかけてスキルを身に着けるという新卒一括採用は、現代に合わない採用方法となってきてしまいました。 

また、日本経済団体連合会が「新卒一括採用の見直し加速」を明確化したことから、企業は新卒一括採用の割合を減らして、通年採用および中途採用を拡大する方針へと変わってきているのです。そのような動きから即戦力人材にメリットを感じ、採用を注力していく企業が増えるようになってきたのでしょう。

採用・育成コストの削減

3点目に、単純に採用・育成にかけるコストを削減したいという理由が挙げられるでしょう。まず採用面から考えると、人材を採用するには人事担当や面接官など多くの人件費がかかることになります。

特に、新卒採用やポテンシャル採用となると、間口が広いため応募者が多く、書類選考や面接にかける時間やコストは膨大なものとなります。その人物が自社に適当な人材であるのかを見極めるのにも時間がかかるでしょう。しかし、即戦力採用の場合は応募要件に必要となる経験・スキルが明記されているケースが多いため、応募者はある程度の人数に絞られます。そのため、おのずと採用コストの削減につながることになるでしょう。

入社後の育成面においても「入社後すぐに活躍が期待できる人材=即戦力を優先して採用したい」と思うのは当たり前のことです。「教育研修費用の実態調査」によると、2021年度企業がかけた教育研修費は、ひとり当たり平均29,904円という結果となりました。

また、社員を一人前に育てるには教育研修費用のみならず、入社しているOJTによる育成担当者が指導する時間などの表面的には見えていないコストも発生しています。特に中小企業では、採用育成にかけられるコストが限られている企業も多いため、できるだけコストを削減したいという思いで、即戦力人材を採用する傾向となっているのでしょう。

参照元:産労総合研究所|2022年度(第46回)教育研修費用の実態調査

即戦力として働くためのポイント

即戦力として働くためのポイント

では、自分が即戦力として働くためには、どのようなことが必要なのでしょうか。ここでは、5つのポイントをご紹介します。

具体的な経験や実績

はじめに、即戦力として働くためには、過去の経験や実績が大切になります。過去の経験や実績は、採用面接などで確認されるポイントです。例えば、営業職であれば売り上げ成績や社内表彰の回数などで、人材の実力を図ることが可能でしょう。

また、即戦力となることをアピールするためには、わかりやすい成果と共に具体的なエピソードがあることも重要になります。「その実績のために、どのような工夫をしたのか」などのそこに至った過程や努力、工夫した点を、具体的に話せることも大切です。

保有する資格

即戦力として働けるかどうかを企業が見極める際のわかりやすい指標として、保有している資格も挙げられます。即戦力採用では、求人要件として業務上必要となる資格があるケースも多くなっています。そのため、その保有の有無によって実力を推し量ることも可能です。

特に、難易度の高い(合格率が極めて少ない)資格を保有している場合には、該当領域の知識を最低限保有していることの他に、資格取得までの計画力なども評価されるでしょう。また、資格を保有しているだけではなく、実際に資格を活かした経験や実績やその具体的なエピソードがあると、なお良いでしょう。

主体性をもって仕事に取り組む姿勢

即戦力として働くためには、実績やスキル、資格の保有は大切な指標となりますが、仕事に取り組む際の主体的な姿勢があることが大前提となります。

主体性をもって仕事に取り組むとは、企業から与えられた仕事をこなすだけでなく、自らがやる気をもち、前向きに仕事に取り組んでいる状態をいいます。いくらスキルやパフォーマンスが高くても、ネガティブな発言が多かったりやる気がなかったりすると、職場での人間関係が上手くいきません。

仕事をこなす実力が備わっていても、企業側としても周りに悪影響を及ぼす人材を採用したいとは思わないでしょう。

経験に過信しない謙虚な姿勢

主体的に仕事に取り組む姿勢がある一方、今までのやり方や経験に固執せずに「ゼロから学ぼう」という謙虚な姿勢も大切になります。

経験豊富で多くの実績を残してきた方の中には、今までの仕事における自分のやり方やプライドもあるため、新たな環境における仕事のやり方をなかなか素直に受け入れられない方もいます。しかし、新たな企業に転職した場合には、自分の経験を過信せずに謙虚な姿勢で学ぶことを意識しましょう。

企業には、企業ごとの社風やルールがあります。即戦力として入社をしたとしても、新たな企業の中では「新人」であることを忘れてはなりません。それを考慮せずに仕事を進めてしまうと、職場での人間関係が悪化してしまうことも。

特に同業種における転職の場合などは、前職との仕事のやり方の違いに違和感をもったり、戸惑うことがあったりするかもしれません。しかし、謙虚な姿勢を忘れず、少しずつ組織に馴染めるように意識していきましょう。

コミュニケーション能力の高さ

即戦力として活躍したいと考えるのであれば、コミュニケーション能力も必要でしょう。コミュニケーション能力は、どんな職種や業種でも必要となるポータブルスキルのひとつです。

コミュニケーション能力については書類選考で見ることができないため、面接のときの受け答えを見られるケースが多いでしょう。面接時には、投げかけられた質問への回答内容以外にも、話し方や表情などコミュニケーション能力も評価されているのを意識しましょう。

即戦力になることを企業にアピールする方法

即戦力になることを企業にアピールする方法

転職時、あなたが即戦力になることをどのように企業側にアピールしたら良いのでしょうか。具体的なアピール方法をご紹介します。

履歴書で伝える 

先述したとおり、即戦力人材を採用するときには、実績やスキル、保有する資格を重要視して書類選考を行います。そのため、即戦力となることをアピールするためには、書類選考で提出する履歴書および職務経歴書はしっかりと記入することが大切です。採用担当者が履歴書を読んだ時に「採用予定のポジションにぴったりの人材である」と思ってもらえるような書き方を心がけましょう。

今までの職歴、前職での経験、保有資格は、情報を間違いなく記入してください。経験や実績を書くときには、具体的な数字や事実で伝えることを意識すると読みやすくなります。また、志望動機や自己PR欄がある場合には必ず記入しましょう。具体的なエピソードを含めて書く工夫をすると、なお良いです。

面接時の受け答えで伝える

書類選考が通過したら、自分が企業の即戦力になることを面接でアピールしましょう。採用担当者や面接官に「即戦力になる人材である」と思われるためには、単純に過去の経験やスキルを伝えるだけでなく、面接時の受け答えが重要になります。ここでは、中途採用の面接でよく聞かれる質問をご紹介します。

【面接でよく聞かれる質問】

  • 転職する理由
  • 今までの自分の経験や実績
  • 志望動機
  • 今後どんなキャリアプランを描いているか
  • 勤務するにあたり希望する条件
  • 候補者からの質問(「何か質問はありますか?」と逆質問の投げかけ)
  • 自己PR(「3分間で自己PRをしてみてください」と投げかけ)

上記の質問例からわかるように、面接では企業側からの質問に答えるだけでなく、自分が企業について質問したり自己PRを伝えたりすることが可能な貴重な場でもあります。

経験やスキルを話すときは、具体的な数やエピソードを交えて話すことにより説得力が増し、伝わりやすくなります。また、自己PRや志望動機を伝えるときには「御社の即戦力になれるように努めます」とはっきりと意気込みを伝えるのも効果的です。

自分が即戦力となれる転職先を見つけるポイント

自分が即戦力となれる転職先を見つけるポイント

自分が即戦力となれる転職先を見つけるには、どのようなことを意識したら良いでしょうか。大切なポイントを紹介していきます。

スキルや経験が活かせるポジションを選ぶ

まずは前提として、希望しているポジションと自分のスキル・経験が合っているのかをチェックし、見極めることが大切です。自らの能力を最大限に生かせる環境に身を置くことが、最良のパフォーマンスの発揮につながります。企業側が募集しているポジションに対して自分の経験やスキルに過不足がないのか、しっかりと判断しましょう。

特に、企業が即戦力を採用したいと募集をかけるタイミングは、前任者の急な退職や事業拡大などで人材が不足した場合が多くなっています。このような状況では、入社してから教えてもらえる時間がほとんどないケースもあるので、入社後に苦労しないためにも本当にスキル・経験が合っているのか見極める必要があるでしょう。

企業のカルチャーや職場の雰囲気をチェック

スキルや経験といった求人要件の他にも、企業のカルチャーや職場の雰囲気が自分に合うのかどうかもポイントになります。同業種の仕事であっても、企業のカルチャーはさまざまです。

もし、面接などで企業へ直接訪問できる時があれば、職場の見学や、実際に働いている従業員の方と面談を依頼するのも良いでしょう。

転職エージェントを活用する

自分に合っている転職先を見つけるのに悩んだ時には、転職エージェントなど第三者にアドバイスをもらうこともおすすめです。転職活動を効率良く行いたい方は、転職エージェントを上手に活用してみましょう。

客観的な視点で自己分析をしてもらうことで、自分では気がつけなかった長所・アピールポイントを知ることができるかもしれません。

転職のタイミングを見極める

そもそも企業の求人自体がなかったり、希望するポジションの求人数が少なかったりする場合には、転職活動は上手く進められないでしょう。自分に合った転職先を見つけたいのであれば、転職活動のタイミングを見極めるのも大切です。

一般的に、例年3・4月、9・10月は企業における転退職者が多いため、欠員補充で中途採用の枠が広がる可能性が高くなっています。転職活動は時期や運に左右されることも多いので、転職活動の時期を見計らい、採用が増える時期を狙って転職活動をしてみましょう。

おすすめの転職エージェント

おすすめの転職エージェント

ここからは、おすすめの転職エージェント5つをご紹介します。特徴や、求人の職種・業種などをまとめました。ぜひ、転職活動の参考にしてください。

レバテック

レバテックは、IT・WEBのエンジニアとクリエイターを専門とする、特化型転職エージェントです。紹介される求人情報の満足度も高く、書類作成や面接時にも手厚いサポートが受けられます。

【主な特徴】

  • ITエンジニア・クリエイターを専門とするエージェント
  • 経験やスキルに合わせて、アドバイザーが求人を選定
  • 無料の個別転職相談会や職務経歴書の作成や面接の対策など、サポートが充実
分野IT専門
職種ネットワークエンジニア、ゲームプログラマー、プロジェクトマネージャー、ITコンサル、WEBディレクター、テクニカルサポートなど
業種IT・通信、サービス業、電気・電子メーカー、ソーシャルゲーム、広告、金融など
公式URLhttps://career.levtech.jp/

パソナキャリア

パソナキャリアは、パソナグループが運営するハイクラス転職エージェントです。約30,000社以上の取引実績、約60,000件以上の求人情報があります。専門知識やノウハウをもとにしたマッチング力と提案力が強みです。

【主な特徴】

  • 求人の約半数が、年収800万円以上のハイクラス向け求人
  • コンサルタントによる、親身なキャリアカウンセリングに定評あり
  • 採用トレンドに精通するコンサルタントによる豊富な情報提供、面接対策を実施
分野ハイクラス転職
職種営業、管理・事務、IT、技術職、クリエイティブ、コンサルタント、マーケティング、研究開発、専門職など
業種メーカー、商社、流通・小売、IT、マスコミ、広告、金融、不動産、物流、コンサルティング、医療・医薬品、教育人材ビジネス、エネルギーなど
公式URLhttps://www.pasonacareer.jp/

JACリクルートメント 

JACリクルートメントは、管理職や専門職などのハイクラス・ミドルクラスを専門とするエージェントです。課長・マネージャークラス、技術職・専門職の求人を中心に取り扱っています。特に外資系企業や海外進出企業との取引実績は豊富で、グローバル転職を検討している方におすすめです。

【主な特徴】

  • 管理職・技術職、専門職のエキスパートであり、グローバルネットワークが強み
  • 業界や職種に精通しているコンサルタントが約1200名在籍
  • 国内大手企業、外資系企業などの未公開求人情報が提供
分野ハイクラス・ミドルクラス転職
職種経営・事業企画、人事・労務、法務、マーケティング、経理、営業、コンサルティング、クリエイティブ、金融、IT、技術系、専門職など
業種商社、流通、IT・インターネット、メーカー、小売、コンサルティング、マスコミ、建設、医療福祉など
公式URLhttps://www.jac-recruitment.jp/

ビズリーチ

ビズリーチは、3分の1の求人が年収1,000万円以上である、ハイクラス転職エージェントです。経営幹部や管理職などのプロフェッショナル人材を専門としています。職務経歴書を作成後、企業からのスカウトを受け取り、その後面接を行っていきます。

【主な特徴】

  • 厳選された優良企業の非公開案件を含む、クオリティーの高い求人情報を受け取れる
  • プロのヘッドハンターからのスカウトで、その方にぴったりの求人が届く
  • プレミアムステージ(有料プラン)に登録すると、転職活動の幅がさらに広がる
サービスハイクラス転職(経営幹部・管理職などプロフェッショナル人材向け)
職種経営、管理、マーケティング、営業、ITコンサルタント、専門職など
業種ITインターネット、商社、流通・小売、メーカー、コンサルティング、マスコミ、不動産、建設など
公式URLhttps://www.bizreach.jp/

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おわりに 

「即戦力とは何か」をはじめ、企業の即戦力として働くためのポイントなどをご紹介しました。50代における転職活動には、新卒採用やポテンシャル採用とは異なった難しさがあります。即戦力として期待されることのプレッシャーもありますが、さらなる年収アップやスキルアップを目指して、転職活動を充実させてください。

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