花粉症の喉の痛みと風邪との違いは?治療法や症状を軽減する方法とは

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花粉症の喉の痛みと風邪との違いは?治療法や症状を軽減する方法とは

鼻水や鼻づまり、くしゃみなど、花粉症なのか、風邪なのか、区別がつかないことも多いのではないでしょうか。また、花粉症による喉の痛みと風邪にはどのような違いがあるのか、ご存じの方は少ないと思います。

そこで今回のコラムは、花粉症と風邪の簡単な見分け方をはじめ、花粉症の特徴やメカニズム、花粉症の治療方法、症状を和らげるポイントなどを紹介していきます。花粉症のつらい症状を軽減したい方は、ぜひご一読ください。

1.春・夏・秋は花粉症を疑う必要がある

花粉症は、アレルギー反応を引き起こす花粉が飛んでいる間だけ症状が出るのが特徴です。まずは、季節ごとにどのような花粉の種類があるのか、また、花粉による症状にはどのようなものがあるのかについて理解を深めていきましょう。くしゃみや鼻水だけでは、風邪なのか花粉症なのか区別がつきづらいと思いますが、冬に関しては花粉症の可能性がかなり低いため、風邪を疑ったほうが良いかもしれません。

1-1.花粉症の定番!春に起こる花粉症

春の花粉としてよく知られているのはスギ花粉です。スギ花粉以外にも、ヒノキやシラカバ、サクラ、ケヤキ、イチョウなどがあり、花粉症の原因となっています。これら樹木から飛ぶ花粉は、風にのって数十キロメートルから、場合によっては数百キロメートルも広がるのが特徴的です。

そのため、花粉症の原因となる樹木が少ない都市部でも、大量の花粉が舞うことで多くの方が症状を発症するのです。スギ花粉の飛散は2月から5月初旬といわれているため、天気予報と一緒に伝えられる花粉飛散予測などを利用して、飛散情報をチェックすると良いでしょう。

春の花粉症で引き起こされる症状は、鼻水、鼻づまり、充血、目のかゆみ、くしゃみなどです。花粉症による喉の痛みは、アレルギー性咽喉頭炎(いんこうとうえん)により、喉そのものがダメージを受けるケースもありますが、喉に落ちた鼻水や鼻汁が喉の粘膜を痛めることで、細菌やウイルスが繁殖して炎症を起こすケースも少なくありません。

1-2.実は夏にも花粉症は潜んでいる

夏にも花粉症は潜んでおり、開花時期が5月から8月といわれるイネ科のオオアワガエリやカモガヤ、ハルガヤなどが原因とされています。症状はスギによる花粉症と同じです。ただ、スギと比べると、花粉の飛ぶ量は少なく、飛ぶ範囲も狭いため、スギ花粉ほどひどい症状にはならないといわれています。

日本の夏は、高温多湿で喉には好条件の時期です。しかし、高温多湿は微生物が繁殖しやすい条件でもあるため、ウイルスや細菌が原因の感染症が増える時期でもあります。夏の花粉症と思っていたら、実は夏風邪だったということもあるため、症状に悩まされないためにも、花粉症なのか風邪なのかを見分けることが大切です。

1-3.秋も春と同じくらいの症状が出る方も 

秋は、ブタクサやカナムグラ、セイタカアワダチソウ、ヨモギなど、草の花粉が9月ごろをピークとして飛び散ります。引き起こされる症状はスギ花粉と同じですが、ブタクサの花粉は粒子が小さいことから気管に入りやすく、ぜんそく症状となるケースもあるため、注意が必要です。

また、ススキやカモガヤ、ネズミホソムギなどイネ科の花粉は、地域によっては季節を問わず年中飛んでいることがあります。イネ科の花粉に対してアレルギー反応を示す方は、ピークの時期を過ぎたとしても、花粉症の症状が続いてしまうケースがあるでしょう。イネ科などの草の花粉は飛ぶ距離が数メートルと短く、公園や河川敷など、身近な場所に咲いている場合は注意が必要です。

2.花粉症と風邪との症状の違いとは?

花粉症と風邪の症状は似ているようにみえて、それぞれ原因が異なります。風邪はウイルス、花粉症は花粉を原因として発症するのです。そのため、鼻水の状態や症状が現れる期間など、異なる特徴を持ちます。そのほかにも、目のかゆみの有無や発熱の有無なども、花粉症と風邪を見極めるポイントとなってきます。ここからは、具体的に花粉症と風邪の症状について違いをみていきましょう。

2-1.鼻水に着目!花粉症の症状

風邪の鼻水はウイルス感染をしていることから、黄色く粘り気があります。時間に関係なく、1日中同じくらいの症状があるのが特徴的です。くしゃみも冷たい空気を吸い込んだときなどに限られ、連続して出ることは少ないでしょう。黄色い鼻水以外にも、喉の痛みや咳、たんが出るなど、全身症状に悩まされる場合は風邪の可能性が高いとされています。

一方、花粉症の鼻水は無色透明でサラサラと粘りがありません。顔を下に向けたら水のような鼻水がたれた、ということもあるでしょう。また、花粉症には症状が強くなる時間帯があるのが特徴です。朝起きたとき、そして花粉の飛散量が増える昼頃と夕方に何度も鼻をかまなくてはいけなかったり、くしゃみが連発したりと、症状に悩まされる時間帯がある程度決まっているケースも多くあります。

上記以外にも、花粉症の症状として目のかゆみや充血といったアレルギー性結膜炎の症状をはじめ、花粉症による喉の痛み、咳などの症状が出るケースもあります。一般的に花粉症は発熱しても、ごく微熱といわれていますが、倦怠感や頭痛などで体調不良になる方が少なからずいるのも事実です。

2-2.数日で治まる症状は風邪の症状かも

風邪はウイルスを原因としているため、ウイルス感染がしやすい冬の時期に多くみられますが、基本的に1年中、風邪の症状が現れる可能性はあります。鼻水やくしゃみなどの症状は、数週間から11ヵ月以内に治まることが多いです。

一方、花粉症は花粉を原因としているため、花粉の飛散時期にのみ症状が起こるのが特徴です。花粉症の場合、花粉が飛散し続けている限り、基本的にずっと症状が現れます。花粉の飛散開始時期からおよそ2ヵ月、花粉シーズンの間に症状が続くようなら花粉症が疑われるでしょう。

また、晴れている日や風の強い日などは花粉が飛散しやすいため症状が強くなり、花粉が遠くまで飛散しない雨の日などは、症状が軽減される特徴もあります。

2-3.通年性アレルギー性鼻炎の可能性も 

花粉症は季節性アレルギー性鼻炎ともいわれ、ある一定期間だけ症状が現れますが、通年性アレルギー性鼻炎は1年を通して症状が現れるアレルギー疾患です。通年性アレルギー性鼻炎は、カビやダニ、犬や猫などが原因で起こる鼻炎のため、季節を問わず、1年中症状があらわれます。

透明のサラサラとした鼻水と鼻づまり、発作的にくしゃみをくり返す症状は季節性アレルギー性鼻炎である花粉症と同じですが、アレルギーの原因であるアレルゲンによって対処法が異なるため、血液検査を受けて調べておくことも大切です。例えば、犬や猫などがアレルゲンであれば近づかない、ダニがアレルゲンであれば部屋の換気を良く行ったり、布団を干して掃除機をかけたりといった対処法ができるでしょう。

3.そもそも花粉症が起こるメカニズムとは?

厚生労働省のデータによると、日本で花粉症に悩まされている方は、全国平均で15.6%とされています。花粉の少ない北海道や沖縄の有病率は低い傾向にありますが、北関東では21.0%、南関東では23.6%、東海では28.7%、甲信越では19.1%です。

花粉症の原因はさまざまですが、花粉症のおよそ70%はスギ花粉によるといわれています。そもそも、花粉症が起こるメカニズムとはどういうものなのでしょうか。ここからは、アレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎とも呼ばれている花粉症のメカニズムをみていきたいと思います。

季節性アレルギー性鼻炎の一種である花粉症の主な原因は、IgE抗体反応によるものです。IgE抗体とは、免疫グロブリンEというたんぱく質のことで、免疫抗体でもあります。以下の流れで、IgE抗体反応が引き起こされ、花粉症の症状が起こるとされています。

  1. 空気中をただよっているスギなどの花粉がアレルゲンとして鼻や目などの粘膜に付きます。
  2. アレルゲンが鼻の粘膜に付くことで、体内にあるリンパ球でIgE抗体がたくさん生成され、免疫反応など体を守る働きを担うマスト細胞とくっつきます。
  3. そのあと、再びアレルゲンである花粉が体内に侵入すると、マスト細胞と結合したIgE抗体とくっつきます。
  4. マスト細胞からアレルギー誘発物質であるヒスタミンが放出され、鼻や目などの神経が刺激されます。
  5. 刺激を受けてアレルギー反応を起こすことで、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどが起こります。

この花粉症のメカニズムにより、IgE抗体がつくられる量が異なったり、反応する花粉の種類が異なったりするため、花粉症の症状が強い方や症状がない方など、個人差が出てくるのです。

4.病院で行われる花粉症の治療とは?

花粉症と風邪の違いや花粉症のメカニズムなどを理解したところで、ここからは、病院で具体的に行われている花粉症の治療法を紹介していきます。

4-1.舌下免疫療法

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)とは、アレルギーの原因物質を含んだ治療薬を舌の下に投与する治療法です。アレルギーに対する抵抗力を少しずつ習得するために、治療薬を服用し続けることで、抵抗力を高めていきます。舌下免疫療法には、1日1回、舌の下にエキスを落とす「液剤タイプ」と、舌の下に錠剤を置く「錠剤タイプ」があります。

治療を始める時期は、スギ花粉が飛散していない6月から11月ごろで、治療対象は12歳からです。副作用としては、およそ2割の方が、口のなかがかゆくなったり、腫れたりする症状がみられますが、一時的なものとされています。

アレルギーに対する充分な抵抗力を発揮するまでに、およそ2年以上の治療期間が必要な場合がほとんどです。保険診療が適用されているため、医療機関に相談してみるのも良いでしょう。

4-2.投薬治療

投薬治療とは、初期療法とも呼ばれ、花粉の飛散開始日の予測をもとに、花粉が本格的に飛散する前から薬を使い始める治療法です。症状が出るタイミングを遅らせたり、ピーク時の症状を抑えたりすることで、全体の症状を軽減できる可能性があります。

医療機関では、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などさまざまな種類があります。自分自身の体質や症状にあう薬にたどり着くまでに時間がかかるケースもありますが、根気よく治療を続けていくと良いでしょう。

最近では、病院を受診しなくても、ドラッグストアなどで市販薬を購入することも可能です。しかしながら、市販薬では花粉症による症状を軽減することはできても、人によって症状の重症度が異なるため、適切にコントロールできないケースもあります。また、風邪や副鼻腔炎(ふくびくうえん)など、花粉症に似た症状のある病気もあるため、医療機関での受診が大切です。

4-3.レーザー治療 

レーザー治療は、レーザーなどを用いて手術で鼻の粘膜を焼く治療法です。花粉症やアレルギー性鼻炎などの鼻水、鼻づまり、くしゃみの症状に効果が期待されており、とくに、鼻づまりへの高い効果が見込まれる治療法です。

一方で、鼻の粘膜が再生してしまうこともあるため、花粉症を根治できないケースも少なくありません。効果が続くのは、1〜2年といわれ、薬を使いたくない、もしくは、薬を使っても充分な効果がない場合に行われます。レーザー治療を行える医療機関は限られているため、医療機関に手術が可能か事前に問い合わせると良いでしょう。

5.自分でできる花粉症対策

花粉症の症状を悪化させないためにも、病院での治療とあわせて、普段の生活のなかでできる花粉症対策を行っていきましょう。

5-1.花粉を取り込まない

花粉症の症状を緩和させるためには、花粉を取り込まないことが大切です。花粉症用のマスクを正しく装着することで、7~8割の花粉の侵入を防げるといわれています。また、目の粘膜に花粉がつかないように、花粉症用のメガネも効果的です。

花粉を体内に取り込まないのと同時に、室内にも入らないようにしましょう。たとえば、洗濯物を室内干しにすることで、室内への花粉の侵入を防げます。そのほかにも、窓やドアをしっかりと閉めるのもおすすめです。

5-2.花粉の飛散状況をチェック

花粉は、以下の条件の日に飛散しやすいといわれています。

  • 気温が高く、湿度が低い日
  • 前日に雨が降った日
  • 風の強い日
  • 晴れた日のお昼すぎ
  • 晴れた日の夕方

天気予報以外に、「花粉情報サイト」など花粉の飛散状況がチェックできるサイトがあるため、活用するのもおすすめです。

5-3. 付いた花粉を取り除く

髪の毛や衣類に花粉を付けないためにも、外出時に帽子をかぶる、ナイロンやポリエステルなどのなめらかな素材の服にする、などの方法も有効的です。ただ、それでも花粉が付いてしまうこともあるでしょう。

その場合は、粘着テープや湿った布巾などで衣類に付いた花粉をやさしく取り除いてください。たたいて花粉を落としてしまうと、衣類に付いた花粉が舞い上がって、鼻から吸い込んでしまうため、気を付けましょう。

また、マスクやメガネをしていても、花粉が粘膜に付いてしまうこともあり得ます。目に付いた花粉は洗眼薬で洗い流し、鼻の粘膜に付いた花粉は鼻うがい専用の液剤で洗浄するのが効果的です。洗眼薬と鼻うがい専用の液剤を使う場合は、それぞれの用法・用量を守って利用するようにしましょう。

5-4. 部屋の掃除をする

室内に入った花粉は、空中を舞ったあとに床に落ちます。しっかりと締め切っているにもかかわらず、室内でも症状が出るときには、歩くたびに花粉が床から舞い上がっているケースも考えられます。そこで、床に落ちた花粉を取り除くために、濡れ雑巾で掃除するのがおすすめです。床に落ちた花粉をしっかりと吸着することで、花粉症の症状を和らげられるでしょう。

5-5. 体調を整える

花粉症は、アレルギー反応です。体の免疫力をアップすることで抵抗力をあげ、アレルギー反応を抑える方法も効果的といわれています。免疫機能をつかさどる細胞のおよそ60%が腸に集中しているため、腸の環境を整えることで正常な免疫機能の活動につながります。発酵食品であるヨーグルトや味噌、チーズ、キムチなど、腸内環境を整える乳酸菌を摂るようにしましょう。

免疫力を高めるためには、食物繊維も大切です。食物繊維は、腸内を整える善玉菌の増加を促し、花粉の吸収を抑えるIgA抗体の増加にもつながります。乳酸菌と食物繊維を意識的に摂るのと同時に、栄養バランスのとれた食事が免疫力を向上させるのです。

そのほかにも、充分な睡眠をとる、ストレスを溜めない、飲酒や喫煙を控える、など、日ごろから体調を整えるように意識して、免疫力を高めていきましょう。

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6.花粉症による喉の痛みを軽減する方法

花粉症対策には花粉を取り込まないことが前提です。しかし、鼻づまりによって口呼吸になることで喉が乾燥し、喉が痛くなるケースがあります。最後に、喉の痛みを軽減する方法を紹介していきます。

6-1.うがいの徹底

うがいは、鼻から喉に流れ込んできた花粉などの異物除去に効果的です。まず、口のなかの汚れを取るために、口のなかを水でブクブクと洗浄し、つぎに喉でガラガラとうがいを行うようにしましょう。風邪予防としても効果が期待できるため、帰宅時には手洗いと一緒に、うがいも習慣付けるのがおすすめです。

6-2.加湿&喉を潤すことを忘れない

乾燥は、喉の粘膜の機能を低下させる一因となります。空気が乾燥しないように、加湿器などで適度な湿度を保つようにしましょう。花粉症の症状緩和が期待できる方法として、抗炎症作用や抗酸化作用があるといわれているポリフェノールを含んだ飲み物で喉を潤すのもおすすめです。例えば、緑茶や甜茶、ルイボスティー、ハーブティーなどを意識して取り入れてみましょう。

おわりに 

本コラムを通して、花粉症の特徴やメカニズム、花粉症の治療法、そして症状を軽減する方法について、理解を深めていただけたのではないでしょうか?喉の痛みなどの花粉症の症状を緩和するためには、普段の生活のなかで花粉を取り込まない工夫をしたり、水分補給やマスクなどで喉を保湿したりすることが大切です。それでも症状がつらいときは、医療機関での正しい治療を取り入れることも選択肢のひとつとして検討してみましょう。