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【医師監修】花粉症で目がかゆい時の対処法は?花粉症の原因や予防法も解説

【医師監修】花粉症で目がかゆい時の対処法は?花粉症の原因や予防法も解説
伊藤 裕紀 医師

監修者

医師

伊藤 裕紀

名古屋大学医学部医学科卒業、名古屋大学医学部附属病院眼科、江南厚生病院眼科等に勤務。眼科専門医。水晶体嚢拡張リング講習会、BLS講習会、TeamSTEPPS導入研修、ICLS講習会、ボトックス講習・実技セミナー、病院での在宅医療連携研修会を修了。外来診療、眼底読影、白内障手術や眼瞼下垂手術、緑内障手術、硝子体手術、レーザー手術、結膜手術、硝子体注射などの業務を行ってきました。一人でも多くの患者を笑顔にするため日々研鑽を重ねています。

毎年春になると、花粉症の症状に悩まされる方も多いのではないでしょうか。花粉症は鼻の症状だけでなく目の症状をもたらすこともあります。このコラムでは、花粉症の基礎知識から目のトラブルが起きる原因、対処法までを紹介していきます。花粉症によって引き起こされる「目がかゆい・涙が出る・充血する」というトラブルでお悩みの方はぜひ参考にしてください。

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花粉症ってどんな症状?

花粉症ってどんな症状?

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こる病気です。人によって鼻水が出る、目がかゆいなどのさまざまな症状が出ます。ここではどんな症状が出るのかを、詳しい原因を含めて紹介していきます。

花粉症になる原因は?

花粉症になる原因は、身体の免疫反応が関係しています。花粉症は鼻腔内に入った花粉が原因となり引き起こされる免疫反応で、「季節性アレルギー性鼻炎」ともいわれており、目がかゆい、鼻水が出るなどのさまざまな症状が出ます。花粉症は年々発症する方が増えており、花粉の増加や大気汚染、ストレスなどが原因と考えられています。

また、花粉のほかにダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギー性鼻炎もあり、花粉症と併発して一年中症状に悩まされているという方も少なくありません。通常、人の身体は体内にウイルスや細菌が侵入するとそれを排除しようとする免疫機能が働くようになっています。

しかし、アレルギー体質の方は免疫反応が過剰に働いてしまいます。結果として自身の身体にさまざまな症状を引き起こしてしまいます。

花粉症は、ある日突然発症する! 

実は花粉症は、ある日突然発症します。人の身体は花粉が体内に侵入すると、異物を排除しようとするIgE抗体という物質が増えていきます。IgE抗体がある一定の量を超えると、花粉に対して免疫が働くようになり、鼻水・涙・くしゃみなどの症状が出るのです。

IgE抗体がある一定の量を超えるまでに要する期間は、幼い頃から花粉を吸い続けて20〜30年といわれています。幼い頃から何の症状も出ていないからといって、大人になっても花粉症にならないとは限らないので油断は禁物です。

花粉症の症状は?

花粉症には代表的な四大症状があり、くしゃみ、鼻詰まり、鼻水、そして目のかゆみです。風邪と似たような症状なので、自己判断で風邪薬を飲み続けていたり、軽症だからといって放っておいたりするなどの間違った対処法をしている方もいるかもしれません。

しかし、花粉症の症状が重くなると、頭痛や皮膚のかゆみ、倦怠感などの症状が出る可能性もあるため注意が必要です。「目がかゆい」という症状を伴う鼻水やくしゃみがある場合は、花粉症の可能性があるので早めに医療機関を受診するようにしましょう。

花粉症の目の三大症状について解説

花粉症は鼻の症状だけでなく辛い目の症状も引き起こします。花粉症によって起こるさまざまな目の症状を、「季節性アレルギー性結膜炎」といい、「目がかゆい」「涙が出る」「充血する」という三大症状をはじめ、他にもさまざまな症状が現れることがあります。ここでは、目の症状が出るメカニズムとそれぞれの症状の特徴について詳しく紹介していきましょう。

花粉症の目の症状はなぜ起こる?

花粉症で目の症状が起こる原因は、花粉が目に付着することで花粉を排除しようとする免疫が働くからです。花粉の成分すべてがアレルギー症状の原因なのではなく、花粉に含まれるタンパク質が原因とされています。花粉に含まれているタンパク質は涙に溶けやすく、目に入ると涙によって目全体に広がってしまうため、花粉症の症状が出るのです。

目の三大症状その1「かゆみ」

目のかゆみの症状は、花粉が粘膜に付着することで放出されるヒスタミンなどの物質が知覚神経を刺激することで目やまぶたに炎症が起きて発症します。目のかゆみは、花粉症の方のうち約80%以上が感じている症状で、目の症状のなかでも最も多くの方が悩んでいます。

しかし、かゆいからといって強くかいてしまうと、結膜や角膜を傷付けてしまったり、かゆみが増強してしまったりするため注意しましょう。

目の三大症状その2「涙」

花粉が目に入るとアレルギー反応が起こり、ヒスタミンなどの物質によって目がかゆいという症状とともに涙が出ることもあります。通常であれば目に入った花粉の多くはこの涙と一緒に洗い流されます。

ただし、ドライアイなどの症状がある方は、通常より涙の量が減るので充分に花粉を洗い流せない可能性があるのです。花粉を洗い流せないと目の表面に長くとどまり、炎症が起こりやすくなってしまうので注意が必要です。また、花粉症によって目に炎症が起きると涙の成分が変わったり、目の表面に、涙を維持できずにドライアイが悪化したりする可能性もあります。

目の三大症状その3「充血」

目のかゆみや涙が出るなどの症状以外にも、目が充血しやすくなる方もいます。目の充血は、花粉が目の表面に付着して結膜炎を起こしている状態です。花粉によってアレルギー反応が起こると、ヒスタミンなどの物質が血管を刺激し白目の血管が拡張することによって目の充血が起こるのです。白目の血管は細いため普段は目立ちませんが、炎症などで血管が膨らむと目立ち、白目が赤く見えます。

その他にはこんな症状も…

花粉症は「目がかゆい」「涙が出る」「充血する」のような三大症状以外にもさまざまな症状が出る可能性があります。例えば、以下のようなことです。これらの症状が現れた方は早めに眼科で診てもらいましょう。

  • 目の痛みや熱さ
  • 涙のようなさらさらとした目やにが出る
  • 目の異物感
  • まぶしさを感じる
  • 目がかすむ
  • まぶたの裏にぶつぶつができる
  • まぶたの腫れ

花粉症で目がかゆい時の対処法

花粉症で目がかゆい時の対処法

花粉症が原因で目のかゆみがある時は、「目を洗浄する」「目を冷やす」「目薬を使用する」という対処法が有効です。ここでは花粉症で目がかゆい時の3つの対処法について紹介していきます。

目を洗浄する

花粉症で目がかゆい時は、花粉を洗い流すのが有効です。ただし、塩素が含まれている水道水は目に刺激を与える可能性があるため使用を避け、人工涙液や市販の洗浄液を活用しましょう

また、防腐剤不使用のものを選ぶのもポイントです。防腐剤として使用されているベンザルコニウム塩化物は、角膜の細胞の細胞膜に作用しタンパク質を変性させ、角膜に傷を付けてしまうことがあります。目を洗い花粉を流すと目のかゆみは抑えられますが、洗い過ぎると目の機能を正常に保つ働きがある涙まで奪ってしまうので注意しましょう。

目を冷やす

花粉症で目がかゆいからといって、こすり過ぎてはいけません。こすり過ぎてしまうと、目元のデリケートな皮膚や眼球を傷付けてしまったり、炎症が悪化したりするので注意が必要です。また、白内障や網膜剥離などの病気になってしまう可能性もあります。

かゆみを落ち着かせるには冷やす方法が1番です。目のかゆみの原因物質であるヒスタミンに反応する神経は、目の皮膚に近いところや目頭に多く存在します。そこを冷やすことでかゆみが和らぐでしょう。外出先から帰ってきたら顔や手を洗って、タオルを冷水で濡らしたり、保冷剤を包んだりして冷やすのがおすすめです。

目薬を使用する

花粉症による目のかゆみの症状を軽減するには、目薬を使用するのも一つの方法です。目薬には、目がかゆいなどの症状を軽減する抗アレルギー点眼薬と、強い症状を改善するステロイド点眼薬があります。

抗アレルギー点眼薬はドラッグストアなどでも購入でき、ヒスタミンの働きを鈍らせる抗ヒスタミン成分が配合されている目薬や人工涙液の点眼薬がおすすめです。市販の目薬を使用し続けても症状が改善しない場合は病院を受診し、症状に適した目薬を処方してもらいましょう。ステロイド点眼薬は長期間使用を続けていると、緑内障を発症するリスクがあるといわれており、医師の指導のもと使用することが大切です。

花粉による目のトラブルを防止するには?

花粉症による目のトラブルを予防するには、アレルギーの原因である花粉との接触をできるだけ避けるようにしましょう。抗原回避を日頃から行うことが、花粉症の症状による目のトラブルを予防し軽減することにつながります。ここでは、抗原回避を含めた目のトラブルを予防する方法を紹介していきましょう。

花粉が多い時は外出しない

花粉が多い時期はできるだけ外出を控えるようにしましょう。やむを得ず外出する際は、時間や天候によって異なる花粉の飛び方を知っておくことが重要です。カラッと晴れた気温の高い日や風の強い日、雨の降った後で良く晴れた日、さらには花粉が舞い上がる昼過ぎや花粉が地表近くに降りてくる日没頃も花粉症による症状が出やすいタイミングです。

外出する時は、その日の花粉情報をインターネットやテレビなどで確認しておきましょう。また、「花粉情報サイト」ではヒノキ花粉とスギ花粉の飛散情報が公開されているため活用するのもおすすめです。

コンタクトレンズの使用は控える

花粉症による目の症状が出ている際には、コンタクトレンズの使用をできるだけ控えましょう。コンタクトレンズと目の間に花粉が入り込んでしまうと、摩擦が起きて炎症が悪化するリスクがあります。また、コンタクトレンズをしているとゴミや花粉を洗い流す作用がある涙がうまく流れません。

花粉が飛ぶ時期は、コンタクトレンズを外してメガネに切り替えるのがおすすめです。さらに、コンタクトレンズをした状態で伊達メガネをするのも有効でしょう。どうしてもコンタクトレンズをしたい方は、毎日清潔な状態のものが使用できる1DAYタイプのコンタクトレンズの使用がおすすめです。

マスクや帽子、メガネで花粉の付着を防ぐ

やむを得ず外出する際は、マスクやメガネ、つばの広い帽子などで顔や髪に花粉が付着するのを防ぐことで、目のかゆみや充血などの花粉症の症状を軽減できます。マスクは花粉が入る隙間を無くすために顔の大きさにあったサイズを選びましょう。

メガネは、伊達メガネやサングラス、一般的なメガネでも目に入る花粉を60〜70%もカットできるので、普段コンタクトレンズの方も花粉の時期はメガネに切り替えるのもおすすめです。フード(防護カバー)がついた花粉症用のメガネなら、さらに効果が期待できます。

また、花粉症による目のトラブルを予防するには、顔や髪に花粉が付くのを防ぐためにつばの広い帽子をかぶり、花粉が付きにくいツルツルとした素材の衣類を着ましょう。衣類を洗濯する際は、花粉が付きにくいように静電気の発生を防止できる柔軟剤を使用すると効果的です。

帰宅後はすぐに顔を洗う

花粉の時期は、帰宅後すぐの洗顔を習慣にしましょう。花粉は目そのものだけでなく眉毛やまつ毛、目の周りにも付着して目がかゆいという症状やムズムズの原因になっている可能性があります。目だけではなく、顔全体を洗って付着している花粉を流すのが有効です。

規則正しい生活習慣を

不規則な生活は、目のかゆみや充血などの花粉症の症状を悪化させる可能性があります。花粉症による目のトラブルを予防するには、規則正しい生活をして正常な免疫機能を維持することが大切です。食事の面では、魚・野菜・海藻などをバランスよく摂り、暴飲暴食をしないように注意しましょう。

ゆったりとした呼吸や早寝早起き、身体の抵抗力を高める適度な運動などの体調管理も花粉症対策になります。他にも、冷えは免疫力を低下させるので身体を冷やさないようにしたり、呼吸器粘膜を傷付ける喫煙をやめたりするなどの対処法があります。

花粉症で目がかゆい時は何科を受診すべき?

ここでは、花粉症による目のかゆみの症状が出た時に何科を受診したら良いか紹介していきます。また、くしゃみや鼻詰まりがある場合、子どもの場合の受診すべき科なども併せてお伝えしていきます。

目に強い症状がある場合は眼科へ

充血や目のかゆみなど、花粉症と思われる症状が出たら速やかに眼科を受診しましょう。春季カタルやアトピー性角結膜炎、さらには視力低下のリスクもあるヘルペスなどは花粉症と似た症状があるため判断が難しい病気です。

ご自身で勝手に判断して人工涙液や点眼薬などを使用し続けていると、症状が悪化する可能性もあるため注意しましょう。毎年決まって同じ時期に症状が出る方は、本格的に花粉が飛び始める前に抗アレルギー点眼薬で初期療法を行うのが有効です。ステロイド点眼薬を処方してもらった場合は副作用が出る場合もあるので、定期的に眼科に通い眼圧検査を受けましょう。

くしゃみや鼻詰まりがある場合は耳鼻科へ

鼻詰まりや鼻水などの鼻炎症状が出た場合は、耳鼻咽喉科や耳鼻科を受診するのがおすすめです。鼻汁検査や鼻腔内観察、アレルギー検査も実施してもらえます。花粉症であることが分かれば、充血や目のかゆみなどの目の症状を抑える薬も処方してもらえるでしょう。

子どもの場合は小児科へ

子どもの場合は小児科へ

子どもに充血や目のかゆみなどの花粉症のような症状が現れたら、まずは小児科を受診しましょう。小児科では、本当に花粉症なのか、子ども特有の病気や感染症ではないかなどを調べてくれます。また、薬の量や選び方は大人とは異なります。小児科のかかりつけがあるなら、まずは一度受診してみてください。

症状が重い場合はアレルギー科へ

アレルギー科は、アレルギー性疾患を専門に診てくれる診療所です。病院名が「〇〇アレルギークリニック」だったり、「アレルギー科」が診療科目にあったりすればアレルギーの症状を診てもらえます。症状が重い、なかなか改善しないという場合は、一度アレルギー専門の医療機関へ相談してみると良いでしょう。

アレルギー専門の医療機関はそれほど多くないので、近くにアレルギー科のある病院があれば受診してみてもいいかもしれませんが、症状が軽い場合は無理に専門科を受診する必要はありません。

おわりに 

花粉症は現代では「国民病」ともいわれており、毎年花粉の時期になると充血や目のかゆみなどの症状に悩まされている方も多いと思われます。さまざまな治療法や薬などを活用して花粉の時期をうまく乗り越えましょう。また、自分でできる予防策も多くあります。原因物質を避ける生活を送ったり、体調管理や免疫機能を高めることで、花粉症を予防して少しでも楽に花粉シーズンを過ごしましょう。

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